仕訳対策教材「重要仕訳TOP100」

簿記3級 重要仕訳TOP100「固定資産の売却(期中)」

問題文の「なお、当社の決算日は3月31日であり、取得年度および売却年度の減価償却費については月割計算による。」の部分を、「当社の決算日は3月31日であり、取得年度および売却年度の減価償却費は月割りで計算する。なお、当期の減価償却費は減価償却累計額を経由せずに直接計上すること。」に変更しました。解答に影響はありません。(※2021年6月22日追記)

仕訳問題

難度:高・・低

重要度:A・B

×1年8月1日に取得した業務用コピー機(取得原価:¥ 600,000、残存価額:ゼロ、耐用年数:5年、減価償却の計算方法:定額法、記帳方法:間接法)を、×3年5月31日に ¥ 450,000 で売却し、売却代金は月末に受け取ることにした。当社の決算日は3月31日であり、取得年度および売却年度の減価償却費は月割りで計算する。なお、当期の減価償却費は減価償却累計額を経由せずに直接計上すること。

勘定科目は次の中から最も適当なものを選びなさい。
現金 当座預金 普通預金 売掛金
未収入金 建物 備品 減価償却累計額
固定資産売却益 減価償却費 消耗品費 固定資産売却損

解答仕訳

借方科目 金額 貸方科目 金額
減価償却費 20,000 ※1 備品 600,000
減価償却累計額 200,000 ※2 固定資産売却益 70,000 ※3
未収入金 450,000

※1 (600,000円÷60か月)×2か月=20,000円
※2 (600,000円÷60か月)×20か月=200,000円
※3 20,000円+200,000円+450,000円-600,000円=70,000円(貸借差額)




解説

固定資産の売却(期中)に関する問題です。

固定資産の売却に関する仕訳は、以下の5ステップで考えると分かりやすいです。

  • ステップ1
    取得原価を貸方に計上する
  • ステップ2
    当期の減価償却費を計上する
  • ステップ3
    前期末の減価償却累計額を計算して借方に計上する
  • ステップ4
    売却代金を借方に計上する
  • ステップ5
    貸借差額を売却損益で処理する

ステップ1(取得原価を貸方に計上する)

問題文の「業務用コピー機」「取得原価:¥ 600,000」から、取得原価600,000円の備品を売却したことが分かるので、備品を貸方に計上します。

ステップ1:取得原価を貸方に計上する
 (貸)備品 600,000

ステップ2(当期の減価償却費を計上する)

問題文の「業務用コピー機…を、×3年5月31日に ¥ 450,000 で売却」「当社の決算日は3月31日」から、備品を期中に売却したことが分かります。

また、問題文に「取得年度および売却年度の減価償却費については月割計算による」とあるので、当期の4月1日から5月31日までの2か月分の減価償却費を月割りで計算しましょう。

減価償却費の計算
  1. 当期首から売却日までの期間:2か月(×3年4月1日~×3年5月31日)
  2. 1年分の減価償却費:600,000円÷5年=120,000円
  3. 1か月分の減価償却費:120,000円÷12か月=10,000円
  4. 2か月分の減価償却費:10,000円×2か月=20,000円
ステップ2:当期の減価償却費を計上する
(借)減価償却費 20,000
 (貸)備品 600,000

ステップ3(前期末の減価償却累計額を計算して借方に計上する)

問題文の「×1年8月1日に取得した」から、前期末(×3年3月31日)までに20か月分の減価償却費を計上していたことが分かります。20か月分の金額を月割りで計算して、減価償却累計額を借方に計上しましょう。

減価償却累計額の計算
  1. 購入日から前期末までの期間:20か月(×1年8月1日~×3年3月31日)
  2. 1年分の減価償却費:600,000円÷5年=120,000円
  3. 1か月分の減価償却費:120,000円÷12か月=10,000円
  4. 20か月分の減価償却費:10,000円×20か月=200,000円
ステップ3:前期末の減価償却累計額を計算して借方に計上する
(借)減価償却費 20,000
(借)減価償却累計額 200,000
 (貸)備品 600,000

ステップ4(売却代金を借方に計上する)

問題文の「 ¥ 450,000 で売却し、売却代金は月末に受け取ることにした」から、売却代金450,000円を後日受け取ることが分かるので、借方に未収入金を計上します。

ステップ4:売却代金を借方に計上する
(借)減価償却費 20,000
(借)減価償却累計額 200,000
(借)未収入金 450,000
 (貸)備品 600,000

ステップ5(貸借差額を売却損益で処理する)

最後に貸借差額を固定資産売却益で処理します。

ステップ5:貸借差額を売却損益で処理する
(借)減価償却費 20,000
(借)減価償却累計額 200,000
(借)未収入金 450,000
 (貸)備品 600,000
 (貸)固定資産売却益 70,000
田口先生1
田口先生
固定資産を期首に売却する場合の仕訳は、固定資産の売却(期首)で出題しています。本問とあわせてご確認ください。

管理人おすすめの仕訳問題集

究極の仕訳集 日商簿記3級
究極の仕訳集 日商簿記3級
2021年度の試験から仕訳問題の配点が増えた(20点→45点)ことにより、仕訳対策の重要性が更にアップしました。

スマホで仕訳対策をすることももちろん可能ですが、表示領域や通信料のことを考えると「紙の教材のほうがいい」という方も多いと思います。

そんな方には、TAC出版の仕訳問題集「究極の仕訳集 日商簿記3級」をおすすめします。

本書は「ウォーミングアップ編」「基本仕訳編」「本試験演習編」の3部で構成されていて、重要度に応じてAランク・Bランクに分類された仕訳問題が130問も収載されています。

書籍の大きさもコンパクトサイズ(縦が約18cm、横が約11cm)なので、小さいバッグなどにも入れやすくて持ち運びしやすいです。ちょっとした空き時間を有効活用したい方にもおすすめの1冊です。

重要仕訳TOP100 全問リスト

1.仕入取引(全9問)
2.売上取引(全9問)
3.売上債権・仕入債務(全11問)
4.現金・預金(全12問)
5.金銭の貸借(全8問)
6.仮受金・仮払金・前受金・前払金(全7問)
7.固定資産(全11問)
8.商品券(全2問)
9.消耗品・貯蔵品(全4問)
10.各種税金(全11問)
11.資本取引(全3問)
12.決算整理仕訳(全4問)
13.決算振替仕訳(全3問)
14.その他(全6問)
簿記3級 重要仕訳TOP100
教材の割引キャンペーン情報

資格の学校TACの直販サイト「CyberBookStore」では、TAC出版の簿記3級の教材を割引価格(定価の10%~15%オフ)&冊数に関係なく送料無料で購入することができます。

基本教材をまとめて15%オフ&送料無料で買うもよし、予想問題集を1冊だけ10%オフ&送料無料で買うもよし。簿記3級の教材をお得に買いたい方は要チェックです!

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です