仕訳対策教材「重要仕訳TOP100」

簿記2級 重要仕訳TOP100「有価証券の売却(売買目的有価証券)」

仕訳問題

難度:高・・低

重要度:A・B

×1年12月10日に、売買目的で保有している辻村ミステリー株式会社の社債(額面総額:¥ 1,000,000、帳簿価額:¥ 980,000、年利率:7.3%、利払日:9月末日と3月末日の年2回)を売却し、端数利息を含めた金額 ¥ 985,000 が普通預金口座に振り込まれた。なお、端数利息は1年を365日として、前回の利払日の翌日から売却前日までの期間に相当する金額を日割りで計算すること。

勘定科目は次の中から最も適当なものを選びなさい。
現金 当座預金 普通預金 未収入金
売買目的有価証券 満期保有目的債券 関係会社株式 未払金
有価証券利息 有価証券売却益 支払利息 有価証券売却損

解答仕訳

借方科目 金額 貸方科目 金額
普通預金 985,000 売買目的有価証券 980,000
有価証券売却損 9,000 ※2 有価証券利息 14,000 ※1

※1 1,000,000円×7.3%×70日/365日=14,000円
※2 980,000円-(985,000円-14,000円)=9,000円




解説

有価証券の売却(売買目的有価証券)に関する問題です。

本問は、取引を「利息の受け取りに関する取引」と「有価証券の売却に関する取引」の2つに分けて考えましょう。

利息の受け取りに関する取引

問題文の「×1年12月10日」「利払日:9月末日と3月末日の年2回」「前回の利払日の翌日から売却前日までの期間に相当する金額を日割りで計算する」から、前回の利払日の翌日の10月1日から売却前日の12月9日までの70日分(31日+30日+9日)の端数利息を計算します。

端数利息=1,000,000円×7.3%×70日/365日=14,000円

解答①:利息の受け取りに関する仕訳
(借)普通預金 14,000
 (貸)有価証券利息 14,000

有価証券の売却に関する取引

有価証券を売却した場合、帳簿価額と売却価額との差額を売却損益で処理します。売却価額は「端数利息を含めた金額 ¥ 985,000 」から、上で求めた端数利息を差し引いて求めましょう。

売却損益の計算
  • 帳簿価額:980,000円
  • 売却価額:985,000円-14,000円=971,000円
  • 売却損益:980,000円-971,000円=9,000円(売却損)

また、問題文に「売買目的で保有している」とあるので、売買目的有価証券有価証券売却損で処理しましょう。

有価証券の購入時に使う勘定科目
  • 売買目的:売買目的有価証券
  • 満期保有目的:満期保有目的債券
  • 影響力行使目的:関連会社株式
  • 支配目的:子会社株式
  • 上記のいずれにも該当しない(ex.長期保有目的):その他有価証券
解答②:有価証券の売却に関する仕訳
(借)普通預金 971,000
(借)有価証券売却損 9,000
 (貸)売買目的有価証券 980,000

まとめ

以上、①②の仕訳をまとめると解答仕訳になります。

田口先生1
田口先生
端数利息の計算期間は「前回の利払日の翌日から売買日まで」が一般的ですが、本問のように「前回の利払日の翌日から売買前日までの期間」というケースもあります。解答時に必ず確認しましょう。

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1.商品売買(全11問)
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3.外貨建取引(全4問)
4.有価証券(全9問)
5.固定資産(全22問)
7.社会保険・税金(全8問)
8.純資産(全10問)
9.本支店会計(全3問)
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POSTED COMMENT

  1. 勉強中 より:

    はじめまして。
    受験にあたり、参考にさせていただいております。

    さて、「4-4:有価証券の売却(売買目的有価証券)」の解説中の端数利息の計算期間について、利払日の翌日から『売却日の前日』とありますが正しくは『売却日の当日』ではないでしょうか、ご確認のほどよろしくお願いいたします。

    • 田口泰久(管理人) より:

      コメントありがとうございます。
      端数利息の計算期間ですが、本問は、問題文に前回の利払日の翌日から売却前日までという指示がありますので、問題・解答・解説に間違いはありません。

      解説の最後にも書きましたが、端数利息の計算期間は「前回の利払日の翌日から売買日まで」が一般的ですが、本問のように「前回の利払日の翌日から売買前日まで」というケースもあります。

      解答時に必ず確認してください。
      勉強がんばってください!

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