第134回日商簿記検定3級・仕訳類題2(売上取引・前受金・手形取引)

仕訳問題(類題)

重要度:★★★ 難度:★★☆

 長野商店に商品 ¥ 700,000 を売り渡し、代金のうち ¥ 50,000 については注文時に受け取った手付金と相殺し、¥ 400,000 については上杉商店振出し、長野商店受取りの約束手形を裏書譲渡され、残額は掛けとした。なお、長野商店負担の発送費用 ¥ 10,000 については現金で支払った。

勘定科目は、次の中から最も適当と思われるものを選びなさい。
現金 当座預金 普通預金 受取手形
売掛金 前受金 売上 発送費

解答仕訳

借方科目 金額 貸方科目 金額
前受金
受取手形
売掛金
50,000
400,000
260,000
売上
現金
700,000
10,000

解説

 売上取引・前受金・手形取引に関する問題です。この問題は【前受金に関する仕訳】【裏書手形の受取に関する仕訳】【発送費用に関する仕訳】に分けて考えると分かりやすいです。

前受金に関する仕訳

 問題文に「代金のうち ¥ 50,000 については注文時に受け取った手付金と相殺し」とありますから、取引に先立って受け取っていた前受金を減額する仕訳を切ります。

前受金受取時の仕訳(参考・既に切られた仕訳)
(借)現金など 50,000
 (貸)前受金 50,000
売上の計上にともない前受金を相殺する仕訳…解答①
(借)前受金 50,000
 (貸)売上 50,000

 なお、仮受金と前受金についてはきちんと区別できるようにしておいてください。

  • 仮受金:なんのためのお金か分からないまま(とりあえず仮に)受け取った場合に計上する勘定
  • 前受金:なんのためのお金か分かっていて(取引の前に)受け取った場合に計上する勘定

裏書手形の受取に関する仕訳

 問題文に「 ¥ 400,000 については上杉商店振出し、長野商店受取りの約束手形を裏書譲渡され」とありますが、他店振り出しの約束手形を裏書譲渡された場合は、将来、手形代金を受け取る権利が発生するので受取手形勘定を増額します。

売上の計上にともない裏書手形を受け取ったさいの仕訳…②
(借)受取手形 400,000
 (貸)売上 400,000

売掛金に関する仕訳

 残額の250,000円については売掛金で処理するだけなので特に問題ないと思います。

残額250,000円を売掛金の増加として処理する仕訳…③
(借)売掛金 250,000
 (貸)売上 250,000

発送費用に関する仕訳

 問題文のなお書きに「長野商店負担の発送費用 ¥ 10,000 については現金で支払った。」とあるので、この発送費用は得意先負担であると判断し、売掛金勘定または立替金勘定で処理します。

 さらに本問の場合、問題文に列挙されている勘定科目に立替金勘定がないので、売掛金勘定を使って処理すると判断します。なお、発送費用を当店で負担する場合は、発送費勘定や支払運賃勘定、発送運賃勘定等で費用処理します。

  • 発送費用を得意先が負担する場合:売掛金勘定または立替金勘定で処理
  • 発送費用を当店が負担する場合:発送費勘定や支払運賃勘定等で費用処理
得意先負担の発送費用の支払に関する仕訳…④
(借)売掛金 10,000
 (貸)現金 10,000

 以上、①②③④の仕訳をまとめると解答になります。このような問題は、各取引ごとに分けて考えると分かりやすいです。



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