第132回日商簿記検定2級・仕訳類題4(固定資産の売却)

仕訳問題(類題)

重要度:★★☆ 難度:★★☆

 高坂商店(年1回12月末決算)は、平成24年4月30日に備品を ¥ 350,000 で売却し、代金は翌月下旬に受け取ることにした。この備品は平成16年1月1日に購入したものであり(購入代価:¥ 1,000,000 、据付費:¥ 200,000 )、残存価額は取得原価の10%、耐用年数は12年、償却方法は定額法、記帳方法は間接法によって減価償却を行なっている。なお、当期首から売却時までの減価償却費は月割計算して計上する。

勘定科目は、次の中から最も適当と思われるものを選びなさい。
現金 当座預金 売掛金 未収入金
前払金 備品 前受金 備品減価償却累計額
固定資産売却益 減価償却費 固定資産売却損 固定資産除却損

解答仕訳

借方・貸方の備品減価償却累計額をひとつにまとめた場合の解答仕訳
借方科目 金額 貸方科目 金額
減価償却費
備品減価償却累計額
未収入金
固定資産売却損
30,000
720,000
350,000
100,000
備品 1,200,000

または

借方・貸方の備品減価償却累計額をまとめずにそのまま残した場合の解答仕訳
借方科目 金額 貸方科目 金額
減価償却費
備品減価償却累計額
未収入金
固定資産売却損
30,000
750,000
350,000
100,000
備品減価償却累計額
備品
30,000
1,200,000

解説

 固定資産の売却に関する問題です。

 本問はまず、当期の減価償却費を計算したうえで、売却時の帳簿価額を求めましょう。次に、売却時の帳簿価額と売却価額との差額を固定資産売却損益で処理しましょう。

  • 解答手順
    1. 当期の減価償却費を計算する
    2. 売却時の帳簿価額を計算する
    3. 売却時の帳簿価額と売却価額との差額を売却損益で処理する

1.当期の減価償却費を計算する

 問題文の「12月末決算」「平成24年4月30日…売却」から、当期分の減価償却費は4か月分(平成24年1月1日~平成24年4月30日)であることが分かります。

  • 取得原価:1,000,000円+200,000円=1,200,000円
  • 当期の減価償却費:1,200,000円×90%×4か月/144か月=30,000円
解答①:当期の減価償却費
(借)減価償却費 30,000
 (貸)備品減価償却累計額 30,000

2.売却時の帳簿価額を計算する

 売却時の帳簿価額は、以下の計算式で求めましょう。

売却時の帳簿価額=取得原価-(前期末までの減価償却費+当期の減価償却費)

売却時の帳簿価額=取得原価-売却時の減価償却累計額

 問題文の「12月末決算」「平成24年4月30日…売却」「この備品は平成16年1月1日に購入」から、購入日から前期末までの減価償却費を計算しましょう。

  • 購入日から前期末までの期間:96か月(平成16年1月1日~平成23年12月31日)
  • 購入日から前期末までの減価償却費:1,200,000円×90%×96か月/144か月=720,000円
  • 売却時の減価償却累計額:720,000円+30,000円=750,000円
  • 売却時の帳簿価額:1,200,000円-750,000円=450,000円

3.売却時の帳簿価額と売却価額との差額を売却損益で処理する

 問題文の「備品を ¥ 350,000 で売却」から売却価額が分かるので、2.で求めた売却時の帳簿価額との差額を売却損益で処理しましょう。

  • 売却時の帳簿価額:450,000円
  • 売却価額:350,000円
  • 差額:450,000円-350,000円=100,000円(※売却

 なお、本問は問題文に「代金は翌月下旬に受け取ることにした」とあるので、未収入金の増加として処理します。

解答②:固定資産の売却
(借)備品減価償却累計額 750,000
(借)未収入金 350,000
(借)固定資産売却損 100,000
 (貸)備品 1,200,000

 以上、①②をまとめると解答仕訳になります。なお、借方・貸方の備品減価償却累計額はひとつにまとめても、まとめずにそのまま残してもどちらでも正解です。

 固定資産の売却に関する問題は、第105回の問5第113回の問5第117回の問4第144回の問2第151回の問5でも出題されています。あわせてご確認ください。



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