第129回日商簿記検定2級・仕訳類題2(利益処分)

仕訳問題(類題)

重要度:★★☆ 難度:★★☆

 当社は、株主総会において、繰越利益剰余金からの配当 ¥ 2,000,000 と新築積立金の積立て ¥ 1,000,000 を行うことを決議した。なお、株主総会直前における株主資本の残高は、次のとおりであった。

  • 資 本 金:¥ 8,000,000
  • 資本準備金:¥ 1,300,000
  • 利益準備金:¥ 450,000
  • 新築積立金:¥ 1,000,000
  • 繰越利益剰余金:¥ 5,000,000
勘定科目は、次の中から最も適当と思われるものを選びなさい。
現金 当座預金 のれん 資本金
資本準備金 利益準備金 新築積立金 繰越利益剰余金
未払配当金 受取配当金 役員賞与 役員賞与引当金

解答仕訳

借方科目 金額 貸方科目 金額
繰越利益剰余金 3,200,000 未払配当金
利益準備金
新築積立金
2,000,000
200,000
1,000,000

解説

 利益処分に関する問題です。利益剰余金(繰越利益剰余金)を財源として配当を行う場合には、「配当により減少する利益剰余金の額の10分の1を、資本準備金の額と利益準備金の額とをあわせて、資本金の4分の1に達するまで(利益準備金を)積み立てなければならない」と定められているので、本問でもこの文言どおりにチェックする必要があります。

 まず、問題文に「配当 ¥ 2,000,000 」とあるので、配当により減少する利益剰余金の金額は2,000,000円で、その10分の1は200,000円ということが分かります。新築積立金の積立額1,000,000円は利益準備金要積立額の計算には関係ないので気をつけてください。

 また、資本準備金と利益準備金の合計額が1,750,000円(=1,300,000円+450,000円)なので、資本金8,000,000円の4分の1に達するまで積み立てなければならない額は、8,000,000円÷4-1,750,000円=250,000円になります。

 ここで、両者を比較すると【200,000円<250,000円】となるので、利益準備金要積立額は200,000円になります。

  • 配当の10分の1規定による利益準備金要積立額:200,000円
  • 資本金の4分の1規定による利益準備金要積立額:250,000円
  • 金額の小さい方(200,000円)を利益準備金として積み立てる

 配当の10分の1規定に関しては多くの受験生が理解していると思いますが、資本金の4分の1規定と比較するのを忘れてしまう方が多いです。今回は10分の1規定の金額の方が小さかったので、4分の1規定を忘れていても結果的には正解までたどり着けますが、利益処分の問題は必ず資本金の4分の1規定もチェックしてください。

 では仮に、資本準備金と利益準備金の合計額が1,900,000円だった場合、利益準備金要積立額はどうなるでしょうか?これも上と同じように考えていけばいいだけなので、あわせてご確認ください。

 【解答】資本金8,000,000円の4分の1の2,000,000円から、資本準備金と利益準備金の合計金額1,900,000円を差し引くと100,000円になり、配当金2,000,000円の10分の1の200,000円よりも小さくなるので、利益準備金要積立額は100,000円になります。

  • 配当の10分の1規定による利益準備金要積立額:200,000円
  • 資本金の4分の1規定による利益準備金要積立額:100,000円
  • 金額の小さい方(100,000円)を利益準備金として積み立てる

 利益処分に関する問題は、第103回の問3第106回の問2第112回の問5第121回の問3第135回の問5第143回の問4でも出題されています。あわせてご確認ください。



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