第127回日商簿記検定2級・仕訳類題1(増資時の新株発行)

仕訳問題(類題)

重要度:★★★ 難度:★★☆

 淑徳物産株式会社は、増資にあたって1株につき ¥ 40,000 で新株を発行した。ただし、定款に記載されている発行可能株式総数は2,000株であり、会社設立時に500株発行していたので、今回は発行可能な株式数の上限まで発行し、その全株式について引受け・払込みを受けた。払込金は当座預金とし、会社法における最低限度額を資本金に計上した。なお、増資のために要した手数料 ¥ 1,000,000 については、現金で支払った。

勘定科目は、次の中から最も適当と思われるものを選びなさい。
現金 当座預金 売掛金 貯蔵品
創立費 株式交付費 買掛金 資本金
資本準備金 利益準備金 支払手数料 租税公課

解答仕訳

借方科目 金額 貸方科目 金額
当座預金

株式交付費
60,000,000

1,000,000
資本金
資本準備金
現金
30,000,000
30,000,000
1,000,000

解説

 増資時の新株発行に関する問題です。

 まず、今回新たに発行する株式数の計算については、発行可能株式総数2,000株から発行済み株式数500株を差し引いて算定するだけなので特に問題はないと思います。

 次に、本問のように「会社法における最低限度額を資本金に計上した」という指示がある場合は、払込金額総額から資本金組み入れの最低額(=払込金額の二分の一)を差し引いた額を資本準備金として処理します。

  • 会社法 445条2項:前項の払込み又は給付に係る額の二分の一を超えない額は、資本金として計上しないことができる。
  • 会社法 445条3項:前項の規定により資本金として計上しないこととした額は、資本準備金として計上しなければならない。

最低組み入れ額の規定は「できる」規定なので、必ずしも二分の一が強制されるわけではありません。あくまでも、問題文に指示がある場合にのみ適用されるものなので、特に指示がない場合は、原則どおり全額資本金に計上します。

 また、株式交付費とは「会社設立後、新たに株式を発行するために要した費用」をいい、株主募集のための広告費や金融機関・証券会社への取扱手数料などがこれに該当します。

 本問は、問題文に「増資のために要した手数料 ¥ 1,000,000 については、現金で支払った」とあるので、支払手数料ではなく株式交付費で処理します。

 新株発行に関する問題は、第114回の問1第120回の問2第122回の問1第130回の問4第131回の問4第133回の問4第137回の問4第140回の問1第143回の問3第146回の問4でも出題されています。あわせてご確認ください。



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