第126回日商簿記検定2級・仕訳類題5(本支店会計)

仕訳問題(類題)

重要度:★★☆ 難度:★☆☆

 ネットラボ株式会社の京都支店は、京都支店負担の広告宣伝費 ¥ 64,000 を愛知支店が立替払いした旨の連絡を本店から受けた。なお、同社は本店集中計算制度を採用している。

勘定科目は、次の中から最も適当と思われるものを選びなさい。
現金 当座預金 受取手形 売掛金
未収入金 支払手形 買掛金 未払金
本店 京都支店 広告宣伝費 支払利息

解答仕訳

借方科目 金額 貸方科目 金額
広告宣伝費 64,000 本店 64,000

解説

 本支店会計に関する問題です。支店間取引については「本店集中計算制度」と「支店分散計算制度」の2つがあり、採用している制度により仕訳が異なるので、まずは両制度の概要を確認しましょう。


本店集中計算制度

 支店間取引をそれぞれの支店が記帳する場合に、本店を相手にすべて取引したものとみなして記帳する制度です。各支店は本店勘定のみを設定し、本店は各支店の勘定を設定します。

 本店集中計算制度は、本店が「本店⇔支店」の取引だけでなく「支店⇔支店」の取引まで全て把握することができるので、本店による支店管理の観点からは望ましい制度ですが、記帳事務が煩雑になるというデメリットもあります。

支店分散計算制度

 支店間取引をそれぞれの支店が記帳する場合に、本店を経由することなく、取引の事実に従って記帳する制度です。各支店は本店勘定だけでなく取引のある各支店の勘定を設定し、本店は各支店の勘定を設定します。

 支店分散計算制度は、本店集中計算制度に比べて記帳事務を簡略化することができますが、本店が「支店⇔支店」の取引をリアルタイムに把握できないというデメリットもあります。


 それでは、上記のことを踏まえたうえで実際に問題を考えていきましょう。本問は、本店集中計算制度による京都支店の仕訳を問う問題ですが、パッと解答仕訳を導き出せない方は京都支店だけでなく本店や愛知支店の仕訳も考えると分かりやすいです。

 まず、問題文の「京都支店負担の広告宣伝費 ¥ 64,000 を愛知支店が立替払いした旨の連絡を本店から受けた」という一文から、京都支店において広告宣伝費64,000円が発生し、愛知支店の現金(説明の便宜上、現金で支払ったと仮定します)が64,000円減少したことが分かります。

京都支店
(借)広告宣伝費 64,000
愛知支店(参考)
 (貸)現金 64,000

 また、本問は本店集中計算制度を採用しているので、「京都支店は本店に広告宣伝費64,000円を払ってもらった→本店は京都支店に対して同額の債権が発生した」と考えるとともに、「愛知支店は本店の広告宣伝費64,000円を立て替え払いした→本店は愛知支店に対して同額の債務が発生した」と考えます。

京都支店(解答)
(借)広告宣伝費 64,000
 (貸)本店 64,000
愛知支店(参考)
(借)本店 64,000
 (貸)現金 64,000
本店(参考)
(借)京都支店 64,000
 (貸)愛知支店 64,000
  • 京都支店の貸方の本店勘定 ←対応→ 本店の借方の京都支店勘定
  • 愛知支店の借方の本店勘定 ←対応→ 本店の貸方の愛知支店勘定

 最後に、本店集中計算制度ではなく支店分散計算制度を採用している場合は、本店を経由せずに仕訳を切ります。参考までに、上記の仕訳と対比して押さえておいてください。

京都支店(参考)
(借)広告宣伝費 64,000
 (貸)愛知支店 64,000
愛知支店(参考)
(借)京都支店 64,000
 (貸)現金 64,000
本店(参考)
仕訳なし
  • 京都支店の貸方の愛知支店勘定 ←対応→ 愛知支店の借方の京都支店勘定

 本支店会計に関する問題は、第107回の問5第116回の問3第121回の問1第137回の問1第140回の問2第142回の問5第145回の問5でも出題されているので、あわせてご確認ください。



ページの先頭へ