第125回日商簿記検定3級・仕訳類題5(当座取引・手形の割引き)

仕訳問題(類題)

重要度:★★★ 難度:★★☆

 かねて売上代金の一部として受け取っていた得意先振出しの約束手形 ¥ 350,000 を取引銀行で割り引き、割引料 ¥ 10,000 を差し引かれた手取金をただちに当座預金口座に預け入れた。なお、当座借越勘定は ¥ 100,000 の貸方残高となっている。

勘定科目は、次の中から最も適当と思われるものを選びなさい。
現金 当座預金 受取手形 支払手形
当座借越 租税公課 支払利息 手形売却損

解答仕訳

借方科目 金額 貸方科目 金額
当座借越
当座預金
手形売却損
100,000
240,000
10,000
受取手形 350,000

解説

 当座取引に手形の割引きを絡ませた問題です。手形は満期日に決済されますが、満期日前であっても銀行に手形を持参して一定の手数料(利息)を支払うことにより、手形を現金化することが出来ます。

 手形の割引日から満期日までの利息相当分は、手形売却損勘定で費用処理します。なお、利息の金額は問題文で与えられることが多いですが、第138回の問3第145回の問3のように自分で算定する必要がある場合は、問題の指示に従って日割計算(または月割計算)をしてください。

仮に「手形代金が1,000,000円、割引日から満期日までの期間が73日、割引率が5%」の場合

1,000,000円×5%×73日/365日=10,000円

 次に、当座取引の処理に関しては【当座預金勘定と当座借越勘定を使う2勘定制】と【当座勘定のみを使う1勘定制】の2つがありますが、この分野は日商簿記検定3級の頻出論点なので、どちらの処理も必ず押さえておきましょう。

 本問は、問題に列挙されている勘定科目に当座預金・当座借越勘定がある(当座勘定がない)ので、2勘定制で処理すると判断します。

当座預金勘定と当座借越勘定を使う2勘定制(解答)

 当座を増加させるような取引(商品の売上や手形の割引きの売却など)の場合は、まず当座借越があるか確認します。当座借越があればそれを相殺したうえで残りを当座預金勘定に計上し、ない場合は全額をそのまま当座預金勘定に計上します。

 逆に、当座を減少させるような取引(商品の仕入や有価証券の購入など)の場合は、まず当座預金の残高があるか確認します。当座預金の残高があればそれをゼロになるまで減額したうえで残りを当座借越勘定に計上し、ない場合は全額をそのまま当座借越勘定に計上します。

 本問は、問題文に「当座借越勘定は ¥ 100,000 の貸方残高となっている」とあるので、まずは当座借越勘定を減額し、手取金との差額240,000円(=340,000円-100,000円)を当座預金勘定で処理します。

解答仕訳
(借)当座借越 100,000
(借)当座預金 240,000
(借)手形売却損 10,000
 (貸)受取手形 350,000

当座勘定のみを使う1勘定制(参考)

 参考までに1勘定制による場合の仕訳も確認しておきしょう。当座に関する仕訳は全て「当座勘定」を使って機械的に処理するだけなので2勘定制よりも簡単です。

参考仕訳
(借)当座 340,000
(借)手形売却損 10,000
 (貸)受取手形 350,000

 手形の割引きに関する問題は、第109回の問4第119回の問1第128回の問1第130回の問5第135回の問2第137回の問4第138回の問3第141回の問1第145回の問3でも出題されているので、あわせてご確認ください。

 また、当座取引に関する問題は、第100回の問2第103回の問5第104回の問2第105回の問1第114回の問5第121回の問5第122回の問2第129回の問1第133回の問1第134回の問3第135回の問5第136回の問5第137回の問1でも出題されているので、あわせてご確認ください。



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