第125回日商簿記検定2級・仕訳類題2(有価証券の売却)

仕訳問題(類題)

重要度:★★★ 難度:★★☆

 売買目的で所有していたT社社債(額面 ¥ 5,000,000、取得原価 ¥ 5,020,000、取得日:平成18年4月1日、満期日:平成23年3月31日、年利率:7.3%、利払日:3月31日および9月30日)の半分を平成20年10月20日に @¥ 102 で売却した。売却代金は、端数利息を含め、当座預金に振り込まれた。なお、前年度の決算日(平成20年3月31日)においてT社社債の時価は @¥ 101 であった。当社は、売買目的有価証券の会計処理方法として、時価法(切り放し法)を採用している。

勘定科目は、次の中から最も適当と思われるものを選びなさい。
現金 当座預金 前払利息 未払利息
前受利息 未収利息 売買目的有価証券 有価証券利息
有価証券売却益 有価証券売却損 有価証券評価益 有価証券評価損

解答仕訳

借方科目 金額 貸方科目 金額
当座預金 2,560,000 ※4 有価証券利息
売買目的有価証券
有価証券売却益
10,000
2,525,000
25,000
※1
※2
※3

※1 (5,000,000円÷2)×7.3%×20日/365日=10,000円

※2 (5,000,000円÷2)×@101円/@100円=2,525,000円

※3 (5,000,000円÷2)×(@102円-@101円)/@100円=25,000円

※4 10,000円+2,525,000円+25,000円=2,560,000円(貸借差額)

解説

 有価証券の売却に関する問題です。本問は「有価証券利息を受け取った仕訳」と「売買目的有価証券を売却した仕訳」を分けて考えることをおすすめします。

有価証券利息を受け取った仕訳

 本問は直近利払日の翌日(平成20年10月1日)から売却日(平成20年10月20日)までの有価証券利息を計上するので、以下のような計算式で利息額を算定します。

2,500,000円×7.3%×20日/365日=10,000円

 よって解答すべき仕訳は以下のようになります。なお、問題文で与えられている勘定の中に有価証券利息勘定がない場合は、受取利息勘定を使って処理します(第116回の問2参照)。

解答①
(借)当座預金 10,000
 (貸)有価証券利息 10,000

売買目的有価証券を売却した仕訳

 本問は前期末に評価替えを行っているので、その評価替えを考慮した帳簿価額と売却差額を比較して売却損益を求めますが、今回は購入時まで遡って一連の流れを再確認しておきましょう。

 まず購入時の仕訳ですが、問題文に「額面 ¥ 5,000,000、取得原価 ¥ 5,020,000 」とあるので、額面@100円のT社社債を@100.4円で購入したことが分かります。

参考:購入時の仕訳(売却分のみピックアップ)
(借)売買目的有価証券 2,510,000
 (貸)現金など 2,510,000

 次に、前期末の評価替えの仕訳を考えます。問題文に「前年度の決算日(平成20年3月31日)においてT社社債の時価は @¥ 101 であった」とあるので、@100.4円で購入したT社社債を@101円に評価替えします。なお、売買目的有価証券の会計処理方法として時価法(切り放し法)を採用しているので、翌期首に逆仕訳を切る必要はありません

参考:前期末の評価替えの仕訳(売却分のみピックアップ)
(借)売買目的有価証券 15,000
 (貸)有価証券評価益 15,000

 上記のような流れにより、売却直前の帳簿価額が2,525,000円ということが分かります。一方、売却金額は問題文に「平成20年10月20日に @¥ 102 で売却した」とあるので、そのまま@102円を使って算定し、@102円と@101円との差を売却益として認識します。

  • 有価証券の帳簿価額=2,500,000円×@101円/@100円=2,525,000円
  • 有価証券の売却価額=2,500,000円×@102円/@100円=2,550,000円
  • 差額=25,000円(帳簿価額<売却価額…売却益
解答②
(借)当座預金 2,550,000
 (貸)売買目的有価証券 2,525,000
 (貸)有価証券売却益 25,000

 最後に①②の仕訳をまとめて解答用紙に記入すれば完了です。有価証券の売却に関する仕訳は取引を分解して考えると簡単なので、ぜひこの解き方をマスターしてください。

 なお、参考までに…売買目的有価証券の会計処理方法が切り放し法ではなく洗い替え法だった場合、有価証券売却益の金額が25,000円ではなく40,000円になるので、余裕のある方はこちらの方でも考えてみてください。

2,500,000円×(@102円-@100.4円)=40,000円

参考:切り放し法ではなく洗い替え法を採用していた場合の解答
(借)当座預金 2,560,000
 (貸)売買目的有価証券 2,510,000
 (貸)有価証券売却益 40,000
 (貸)有価証券利息 10,000

 有価証券の売却に関する問題は、第105回の問2第107回の問1第111回の問1第113回の問2第116回の問2第118回の問4第119回の問3第121回の問2第122回の問3第133回の問2第137回の問5第152回の問1でも出題されています。あわせてご確認ください。



ページの先頭へ