第124回日商簿記検定2級・仕訳類題2(受託販売)

仕訳問題(類題)

 かねて予約を受けていたX商品(売価:¥ 500,000 )と織田商店から販売を委託されていたY商品(売価:¥ 300,000 )を高橋商店に売り渡し、発送費 ¥ 10,000 については現金で支払った。X商品については予約受付時に代金の全額を予約金として受け取っており、Y商品の代金については全額掛けとした。なお、発送費のうち ¥ 4,000 については、織田商店負担分である。

勘定科目は、次の中から最も適当と思われるものを選びなさい。
現金預金 受取手形 売掛金 受託販売
未収入金 支払手形 買掛金 未払金
前受金 仕入 発送費 売上

解答仕訳

借方と貸方の受託販売勘定をまとめずにそのまま残した場合の解答仕訳
借方科目 金額 貸方科目 金額
前受金
売掛金
発送費
受託販売
500,000
300,000
6,000
4,000
売上
受託販売
現金預金
500,000
300,000
10,000

または

借方と貸方の受託販売勘定をまとめた場合の解答仕訳
借方科目 金額 貸方科目 金額
前受金
売掛金
発送費
500,000
300,000
6,000
売上
受託販売
現金預金
500,000
296,000
10,000

解説

 特殊商品売買の受託販売に関する問題です。本問は、【X商品の販売に関する仕訳】と【Y商品の販売に関する仕訳】と【発送費に関する仕訳】の3つに分けて考えることをおすすめします。では早速、本問に…とその前に、受託販売について簡単におさらいしておきましょう。

 受託した商品を売り上げた場合、販売先から代金を受け取るのは当社ですが、それは委託者が受け取るべきものを一時的に預かっているだけにすぎません。そこで受託販売を行った場合は、受け取った代金を預り金勘定の性質をもつ「受託販売」勘定で一時的に処理しておくことになります。

X商品の販売に関する仕訳

 問題文に「X商品については予約受付時に代金の全額を予約金として受け取っており」とあるので、まずは予約金を受け取った時に切った仕訳を考えます。

参考・予約金を受け取った時の仕訳
(借)現金など 500,000
 (貸)前受金 500,000

 上記の仕訳を踏まえたうえで、X商品の販売に関する仕訳を切りますが、具体的には貸方に計上していた前受金を相殺消去するために、同額の前受金を借方に計上するとともに、売上を認識するだけなので特に問題はないと思います。

解答①
(借)前受金 500,000
 (貸)売上 500,000

Y商品の販売に関する仕訳

 次に、Y商品の販売に関する仕訳を考えていきますが、売上勘定ではなく受託販売勘定を使って処理する点に気をつければ、後は特に問題ないはずです。

解答②
(借)売掛金 300,000
 (貸)受託販売 300,000

発送費に関する仕訳

 最後に発送費に関する仕訳ですが、これは全額発送費として費用処理…したいところですが、問題文に「発送費のうち ¥ 4,000 については、織田商店負担分である」とあるので、当店負担分(X商品に関する発送費)と織田商店負担分(Y商品に関する発送費)に費用按分する必要があります。

 ただ、処理は全然難しくありません。当店負担分の6,000円については、いつも通り発送費として費用処理するだけですし、織田商店負担分に関しては受託販売の取引コストの一部になるので、解答②で貸方に計上した「預り金」の性質をもつ受託販売勘定を4,000円だけ減らすだけです(預かっている300,000円から4,000円の発送費を立て替え払いしたイメージ)

解答③
(借)発送費 6,000
(借)受託販売 4,000
 (貸)現金預金 10,000

 上記の①②③の仕訳をまとめると解答になります。なお、借方と貸方の受託販売勘定はどちらか片方にまとめてもいいですし、まとめずにそのまま残しても正解です。

 受託販売に関する問題は、第100回の問2第101回の問2第105回の問3第112回の問4第113回の問1第114回の問5第118回の問2第125回の問5第126回の問3第128回の問4でも出題されています。



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