第122回日商簿記検定2級・仕訳類題4(固定資産の滅失)

仕訳問題(類題)

重要度:★★★ 難度:★★☆

 平成21年1月31日、建物(取得原価:¥ 4,000,000 、減価償却累計額:¥ 1,200,000 )が火災で焼失した。この建物には火災保険 ¥ 3,000,000 が掛けられていたので、当期の減価償却費を月割りで計上するとともに、保険会社に保険金の支払いを直ちに請求した。なお、建物の減価償却は定額法(耐用年数30年、残存価額は取得原価の10%、間接法により記帳)により行っており、また決算日は3月31日(会計期間は1年)である。

勘定科目は、次の中から最も適当と思われるものを選びなさい。
当座預金 売掛金 未収入金 未決算
建物 買掛金 建物減価償却累計額 保険差益
減価償却費 租税公課 手形売却損 火災損失

解答仕訳

「当期の減価償却の処理」と「滅失時の処理」を1本の仕訳にまとめた場合の解答仕訳
借方科目 金額 貸方科目 金額
減価償却費
建物減価償却累計額
未決算
100,000
1,200,000
2,700,000
建物 4,000,000

または

「当期の減価償却の処理」と「滅失時の処理」を別々に仕訳した場合の解答仕訳
借方科目 金額 貸方科目 金額
減価償却費
建物減価償却累計額
未決算
100,000
1,300,000
2,700,000
建物減価償却累計額
建物
100,000
4,000,000

解説

 固定資産の滅失に関する問題です。本問は、期中の火災により建物が焼失していますが、問題文に「当期の減価償却費を月割りで計上する」とあるので、まず当期の減価償却費を計算します。

 なお、当期の減価償却費は、12か月分ではなく10か月分(平成20年4月1日~平成21年1月31日)なので間違えないように気をつけてください。

4,000,000円×0.9÷30年=120,000円/年

120,000円/年×10か月/12か月=100,000円

 期首の建物減価償却累計額の金額は問題で与えられているので、当期の減価償却費を計算したら取得原価からこれらを差し引いて事故時の帳簿価額を計算します。

取得原価4,000,000円-期首建物減価償却累計額1,200,000円-当期の減価償却費100,000円=焼失時の帳簿価額2,700,000円

解答仕訳
(借)減価償却費 100,000
(借)建物減価償却累計額 1,200,000
(借)未決算 2,700,000
 (貸)建物 4,000,000

 なお、上記の仕訳は、「当期の減価償却の処理」と「滅失時の処理」を1本の仕訳にまとめていますが、まとめずに別々に処理しても構いません。その場合、借方と貸方の建物減価償却累計額の金額が変わるので仕訳をご確認ください。

別解
(借)減価償却費 100,000
 (貸)建物減価償却累計額 100,000
(借)建物減価償却累計額 1,300,000
(借)未決算 2,700,000
 (貸)建物 4,000,000

おまけ:その後の仕訳は?

■参考問題1…その後、保険会社から満額の3,000,000円の保険金を支払う旨の連絡があった。

(借)未収入金 3,000,000
 (貸)未決算 2,700,000
 (貸)保険差益 300,000

■参考問題2…その後、保険会社から2,000,000円の保険金を支払う旨の連絡があった。

(借)未収入金 2,000,000
(借)火災損失 700,000
 (貸)未決算 2,700,000

 固定資産の滅失に関しては、「滅失時(本問の解答仕訳)」または「保険金の受取額確定時(上記の参考問題)」のどちらかの仕訳が問われます。

 仕訳のポイントは、「固定資産が滅失したときの帳簿価額を未決算勘定に振り替える」「保険金の受取額が確定したら、未決算勘定との差額を特別損益で処理する」の2点です。

 固定資産の滅失に関する問題は、第100回の問3第108回の問3第109回の問5第114回の問4第119回の問5第126回の問2第131回の問1第138回の問1でも出題されているので、あわせてご確認ください。



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