問題
平成21年1月31日、建物(取得原価:4,000,000円、減価償却累計額:1,200,000円)が火災で焼失した。この建物には火災保険3,000,000円が掛けられていたので、当期の減価償却費を月割りで計上するとともに、保険会社に保険金の支払いを直ちに請求した。なお、建物の減価償却は定額法(耐用年数30年、残存価額は取得原価の10%、間接法により記帳)により行っており、また決算日は3月31日(会計期間は1年)である。
| 勘定科目は、次の中から最も適当と思われるものを選びなさい。 | |||
|---|---|---|---|
| 当座預金 | 受取手形 | 売掛金 | 売買目的有価証券 |
| 未着品 | 未収金 | 未決算 | 仮払法人税等 |
| 建物 | 支払手形 | 買掛金 | 未払法人税等 |
| 社債 | 建物減価償却累計額 | 資本金 | 資本準備金 |
| 利益準備金 | 別途積立金 | 繰越利益剰余金 | 売上 |
| 有価証券利息 | 有価証券売却益 | 保険差益 | 仕入 |
| 減価償却費 | 租税公課 | 社債利息 | 手形売却損 |
| 有価証券売却損 | 火災損失 | 法人税等 | 追徴法人税等 |
解答・解説
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 建物減価償却累計額 減価償却費 未決算 |
1,200,000 100,000 2,700,000 |
建物 | 4,000,000 |
固定資産の焼失&未決算に関する問題です。火災の発生によって資産が焼失してしまった場合、当該焼失固定資産の帳簿価額を未決算勘定に振り替えることになります。
本問の【焼失固定資産の帳簿価額】は建物の取得原価4,000,000円から、建物減価償却累計額1,200,000円と当期の減価償却費100,000円を差し引くことにより、2,700,000円と算定することが出来ますので、当該金額を未決算勘定に振り替えます。
追加問題・その後、保険会社から満額の3,000,000円を支払う旨の連絡があった。
| (借)未収金 | 3,000,000 | (貸)未決算 (貸)保険差益 |
2,700,000 300,000 |
追加問題・仮に問題文が「この建物には火災保険2,000,000円が掛けられていた」だった場合
この場合、契約どおり保険金が満額支払われたとしても手元に戻ってくるお金は2,000,000円です。つまり、固定資産が焼失した時点で700,000円の損失が確定してしまうことになりますので、保守主義の観点(費用の認識はなるべく早く、収益の認識はなるべく遅くという考え方)から、保険金の金額確定を待たずに火災損失700,000円を計上することになります。
具体的には・・・固定資産の帳簿価額を未決算勘定に振り替える仕訳は解答と同じですが、加えて、700,000円の損失を確定させる仕訳を切る必要があります。
| (借)建物減価償却累計額 (借)減価償却費 (借)未決算 |
1,200,000 100,000 2,700,000 |
(貸)建物 | 4,000,000 |
| (借)火災損失 | 700,000 | (貸)未決算 | 700,000 |
未決算問題を解答する上でのポイントは、固定資産の帳簿価額を未決算勘定に振り替え、保険金の受取額が確定したら、貸借差額を特別損益として認識するだけです。未決算の問題について、難しく思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、やっているのはこれだけのことです。
未決算に関する問題は、第100回の問3や第108回の問3、第109回の問5、第114回の問4、第119回の問5でも出題されていますので、併せて押さえるようにしてください。

