第122回日商簿記検定2級・仕訳類題2(荷為替手形)

仕訳問題(類題)

 遠隔地にある取引先から注文のあった商品 ¥ 400,000 を船便で発送するとともに、取引銀行で船荷証券を担保として代金の70%の荷為替手形を取り組み、残額は掛けとした。なお、荷為替手形に係る割引料 ¥ 3,000 を差し引いた手取金は当座預金とした。

勘定科目は、次の中から最も適当と思われるものを選びなさい。
当座預金 受取手形 売掛金 未収入金
未決算 支払手形 買掛金 売上
仕入 減価償却費 租税公課 手形売却損

解答仕訳

借方科目 金額 貸方科目 金額
当座預金
手形売却損
売掛金
277,000
3,000
120,000
売上 400,000

解説

 荷為替手形に関する問題です。荷為替手形とは、遠隔地に商品を販売し、商品の運送を運送業者に委託したさいに、売主が代金の早期回収を実現させるために、商品と引き換えに運送業者から受け取った貨物代表証券(商品の引換券)を担保にして、取引銀行を受取人・買主を名宛人として振り出す為替手形をいいます。

 荷為替手形の基本的な流れをまとめると以下のようになります。売主・買主・取引銀行・運送業者の四者が出てきます。

荷為替手形の取引の流れ
  1. 売主が運送業者に商品の発送を依頼し、商品と引き換えに貨物代表証券を受け取る。
  2. 売主は代金の早期回収を目的として、貨物代表証券を担保に、取引銀行を受取人・買主を名宛人とする為替手形を振り出して、そのまま割り引く。取引銀行は回収業務の危険回避のために売上代金の全額ではなく、70%~80%程度の金額を売主が指定する口座に振り込む(残額は売掛金として処理されることが多い)
  3. 取引銀行は買主に対して手形引き受けの呈示を行い、買主から引き受けがなされたさいに売主から担保として受け取っていた貨物代表証券を買主に引き渡す。
  4. 買主は貨物代表証券と引き換えに運送業者から商品を受け取る。

 本問は、問題文に「取引銀行で船荷証券を担保として代金の70%の荷為替手形を取り組み、残額は掛けとした」とあるので、上記でいう②の取引を聞かれていることになります。ここでは、売上400,000円を荷為替取組分の280,000円と掛売上分の120,000円とを分けて考えていきましょう。

荷為替取組分の280,000円

 売主は貨物代表証券を担保に、取引銀行を受取人・買主を名宛人とする為替手形を振り出して、そのまま割り引くことにより、手形代金から割引料を差し引いた金額を受け取ります。

(借)当座預金 277,000
(借)手形売却損 3,000
 (貸)売上 280,000

掛売上分の120,000円

 こちらに関しては普通に掛売上を認識するだけなので、特に問題はないと思います。

(借)売掛金 120,000
 (貸)売上 120,000

 荷為替の問題については苦手意識を持っていらっしゃる方が多いですが、仕訳問題だけでなく第3問の総合問題での出題もおおいに考えられるので、この論点は【暗記】ではなく必ず【理解】するようにしてください。

 荷為替手形に関する問題は、第110回の問3第115回の問2第117回の問5第118回の問3第131回の問2第133回の問1第134回の問2でも出題されています。



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