第121回日商簿記検定2級・仕訳類題3(利益処分)

仕訳問題(類題)

重要度:★★☆ 難度:★★☆

 平成20年6月25日に開催された株主総会で、以下のように繰越利益剰余金の処分が行われた。なお、同社の資本金は ¥ 20,000,000 であり、資本準備金は ¥ 4,000,000 、利益準備金は ¥ 800,000 がそれぞれ既に積み立てられている。

  • 配 当 金:¥ 3,000,000
  • 新築積立金:¥ 1,000,000
  • 利益準備金:会社法の定める必要額
勘定科目は、次の中から最も適当と思われるものを選びなさい。
現金 当座預金 未収入金 仮払金
未払金 仮受金 未払配当金 資本金
資本準備金 利益準備金 新築積立金 繰越利益剰余金

解答仕訳

借方科目 金額 貸方科目 金額
繰越利益剰余金 4,200,000 未払配当金
新築積立金
利益準備金
3,000,000
1,000,000
200,000

解説

 利益処分に関する問題です。利益剰余金(繰越利益剰余金)を財源として配当を行う場合には、「配当により減少する利益剰余金の額の10分の1を、資本準備金の額と利益準備金の額とをあわせて、資本金の4分の1に達するまで(利益準備金を)積み立てなければならない」と定められているので、本問でもこの文言どおりにチェックする必要があります。

 まず、問題文に「配当金:¥ 3,000,000 」とあるので、配当により減少する利益剰余金の金額は3,000,000円で、その10分の1は300,000円ということが分かります。新築積立金の積立額1,000,000円は利益準備金要積立額の計算には関係ないので気をつけてください。

 また、資本準備金と利益準備金の合計額が4,800,000円(=4,000,000円+800,000円)なので、資本金20,000,000円の4分の1に達するまで積み立てなければならない額は、20,000,000円÷4-4,800,000円=200,000円になります。

 ここで、両者を比較すると【300,000円>200,000円】となるので、利益準備金要積立額は200,000円になります。

  • 配当の10分の1規定による利益準備金要積立額:300,000円
  • 資本金の4分の1規定による利益準備金要積立額:200,000円
  • 金額の小さい方(200,000円)を利益準備金として積み立てる

 配当の10分の1規定に関しては多くの受験生が理解していると思いますが、資本金の4分の1規定と比較するのを忘れてしまう方が多いです。

 今回、利益準備金を300,000円としてしまった方は、典型的なひっかけポイントにひっかかってしまったことになるので、利益処分の問題は必ず資本金の4分の1規定もチェックしてください。

 では仮に、資本準備金と利益準備金の合計額が4,600,000円だった場合、利益準備金要積立額はどうなるでしょうか?これも上と同じように考えていけばいいだけなので、あわせてご確認ください。

 【解答】資本金20,000,000円の4分の1の5,000,000円から、資本準備金と利益準備金の合計金額4,600,000円を差し引くと400,000円になり、配当金3,000,000円の10分の1の300,000円よりも大きくなるので、利益準備金要積立額は300,000円になります。

  • 配当の10分の1規定による利益準備金要積立額:300,000円
  • 資本金の4分の1規定による利益準備金要積立額:400,000円
  • 金額の小さい方(300,000円)を利益準備金として積み立てる

 利益処分に関する問題は、第103回の問3第106回の問2第112回の問5第129回の問2第135回の問5第143回の問4でも出題されています。あわせてご確認ください。



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