第121回日商簿記検定2級・仕訳類題1(本支店会計)

仕訳問題(類題)

重要度:★★☆ 難度:★☆☆

 三木谷商事株式会社の本店は、神戸支店から仙台支店へ現金 ¥ 200,000 を送金した旨の通知を受け取った。なお、同社は本店集中計算制度を採用している。

勘定科目は、次の中から最も適当と思われるものを選びなさい。
現金 当座預金 受取手形 未収入金
前払金 仮払金 未払金 前受金
仮受金 本店 仙台支店 神戸支店

解答仕訳

借方科目 金額 貸方科目 金額
仙台支店 200,000 神戸支店 200,000

解説

 本支店会計に関する問題です。

 支店間取引については「本店集中計算制度」と「支店分散計算制度」の2つがあり、採用している制度により仕訳が異なるので、まずは両制度の概要を確認しましょう。


本店集中計算制度

 支店間取引をそれぞれの支店が記帳する場合に、本店を相手にすべて取引したものとみなして記帳する制度です。各支店は本店勘定のみを設定し、本店は各支店の勘定を設定します。

 本店集中計算制度は、本店が「本店⇔支店」の取引だけでなく「支店⇔支店」の取引まで全て把握することができるので、本店による支店管理の観点からは望ましい制度ですが、記帳事務が煩雑になるというデメリットもあります。

支店分散計算制度

 支店間取引をそれぞれの支店が記帳する場合に、本店を経由することなく、取引の事実に従って記帳する制度です。各支店は本店勘定だけでなく取引のある各支店の勘定を設定し、本店は各支店の勘定を設定します。

 支店分散計算制度は、本店集中計算制度に比べて記帳事務を簡略化することができますが、本店が「支店⇔支店」の取引をリアルタイムに把握できないというデメリットもあります。


 それでは、上記のことを踏まえたうえで実際に問題を考えていきましょう。本問は、本店集中計算制度による本店の仕訳を問う問題ですが、パッと解答仕訳を導き出せない方は本店だけでなく各支店の仕訳も考えると分かりやすいです。

 まず、問題文の「神戸支店から仙台支店へ現金 ¥ 200,000 を送金した旨の通知を受け取った」という一文から、仙台支店の現金が200,000円増加し、逆に、神戸支店の現金が200,000円減少したことが分かります。

仙台支店(参考)
(借)現金 200,000
神戸支店(参考)
 (貸)現金 200,000

 また、本問は本店集中計算制度を採用しているので、「仙台支店は本店に現金200,000円を送金してもらった→本店は仙台支店に対して同額の債権が発生した」と考えるとともに、「神戸支店は本店に現金200,000円を送金した→本店は神戸支店に対して同額の債務が発生した」と考えます。

仙台支店(参考)
(借)現金 200,000
 (貸)本店 200,000
神戸支店(参考)
(借)本店 200,000
 (貸)現金 200,000
本店(解答)
(借)仙台支店 200,000
 (貸)神戸支店 200,000
  • 仙台支店の貸方の本店勘定 ←対応→ 本店の借方の仙台支店勘定
  • 神戸支店の借方の本店勘定 ←対応→ 本店の貸方の神戸支店勘定

 最後に、本店集中計算制度ではなく支店分散計算制度を採用している場合は、本店を経由せずに仕訳を切ります。参考までに、上記の仕訳と対比して押さえておいてください。

仙台支店(参考)
(借)現金 200,000
 (貸)神戸支店 200,000
神戸支店(参考)
(借)仙台支店 200,000
 (貸)現金 200,000
本店(参考)
仕訳なし
  • 仙台支店の貸方の神戸支店勘定 ←対応→ 神戸支店の借方の仙台支店勘定

 本支店会計に関する問題は、第107回の問5第116回の問3第126回の問5第137回の問1第140回の問2第142回の問5第145回の問5第151回の問1でも出題されています。あわせてご確認ください。



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