第116回日商簿記検定2級・仕訳問題3(本支店会計)

問題

 板部岡商事株式会社は相模支店、伊豆支店、江戸支店の3つの支店を有しており、本店集中計算制度により会計処理を行っている。このような場合、伊豆支店が相模支店の広告宣伝費100,000円を現金で支払った取引について、本店で行われる仕訳を示しなさい。

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勘定科目は、次の中から最も適当と思われるものを選びなさい。
現金 当座預金 別段預金 受取手形
売掛金 売買目的有価証券 前払金 仮払金
立替金 備品 車両 支払手形
買掛金 未払金 仮受金 社債
利益準備金 別途積立金 繰越利益剰余金 車両減価償却累計額
本店 本店より仕入 支店向け売上 相模支店
伊豆支店 江戸支店 減価償却費 広告宣伝費
消耗品 支払利息 有価証券売却損 受取手数料
受取利息 有価証券売却益 損益

解答・解説

借方科目 金額 貸方科目 金額
相模支店 100,000 伊豆支店 100,000

 本支店会計に関する仕訳です。支店間取引に関する論点としては、「本店集中計算制度」と「支店分散計算制度」がありますので、ここで両者の概要を確認しておきましょう。

 本店集中計算制度とは、支店間取引をそれぞれの支店が記帳する場合に、本店を相手にすべて取引したものとみなして記帳する制度のことを言います。各支店では本店勘定のみを設定し、本店では各支店の勘定を設定することになります。本店集中計算制度は、本店が「本店⇔支店」の取引だけでなく「支店⇔支店」の取引まで全て把握することが出来るので、本店による支店管理の観点からは望ましい制度なのですが、記帳事務が煩雑になってしまうというデメリットもあります。

 一方、支店分散計算制度とは、支店間取引をそれぞれの支店が記帳する場合に、本店を経由することなく、取引の事実に従って記帳する制度のことを言います。各支店では本店勘定だけでなく取引のある各支店の勘定を設定し、本店では各支店の勘定を設定することになります。支店分散計算制度は、本店集中計算制度に比べて記帳事務を簡略化することが出来ますが、本店が「支店⇔支店」の取引をリアルタイムに把握することが難しくなるといったデメリットもあります。

 一通りの確認が終わったところで早速問題を解いていきますが、本問は、【伊豆支店の仕訳】【江戸支店の仕訳】【本店の仕訳】と3本に分けて考えると分かりやすいです。

伊豆支店の仕訳→本店を経由して、相模支店の広告宣伝費を支払う
(借)本店 130,000 (貸)現金 130,000
相模支店の仕訳→本店を経由して、伊豆支店に広告宣伝費を払ってもらう
(借)広告費 130,000 (貸)本店 130,000
本店の仕訳→解答すべき仕訳
(借)広告費
(借)相模支店
130,000
130,000
(貸)伊豆支店
(貸)広告費
130,000
130,000

 では、支店分散計算制度もここで押さえておきましょう。支店間取引について、本店を経由させる必要はありませんので、本店集中計算制度よりも簡単です。

伊豆支店の仕訳
(借)相模支店 130,000 (貸)現金 130,000
相模支店の仕訳
(借)広告費 130,000 (貸)伊豆支店 130,000
本店の仕訳
仕訳なし

 本支店会計に関する問題は、第107回の問5第121回の問1でも出題されていますので、併せてご確認ください。ただ、第107回の問題はかなり難しいので、費用対効果を考えるとバッサリ切るのも1つの手です。



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