第108回日商簿記検定2級・仕訳問題3(固定資産の焼失・未決算)

仕訳問題

 上杉商店は、火災により倉庫(取得原価5,000,000円、焼失時の減価償却累計額2,000,000円、記帳方法は間接法)および、保管中の商品(仕入原価1,000,000円)を焼失したが、これらの資産には保険金3,000,000円の火災保険契約を締結していたので、直ちに保険会社へ保険金の請求をした。なお、当社は三分法により商品の売買を記帳している。

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勘定科目は、次の中から最も適当と思われるものを選びなさい。
現金 当座預金 別段預金 受取手形
売掛金 売買目的有価証券 未着品 積送品
試用品 未収金 未決算 建物
備品 支払手形 買掛金 未払金
建物減価償却累計額 資本金 株式申込証拠金 株式払込剰余金
利益準備金 別途積立金 繰越利益剰余金 未着品売上
積送品売上 有価証券売却益 仕入 支払運賃
減価償却費 火災損失

矢印画像

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解答・解説

借方科目 金額 貸方科目 金額
建物減価償却累計額
未決算
火災損失
2,000,000
3,000,000
1,000,000
建物
仕入
5,000,000
1,000,000

 固定資産の焼失&未決算に関する問題です。火災の発生によって資産が焼失してしまった場合、当該焼失資産の帳簿価額を未決算勘定に振り替えることになります。本問では、建物の帳簿価額3,000,000円(取得原価5,000,000円-焼失時の減価償却累計額2,000,000円)と商品の仕入原価1,000,000円の取り崩しがこれに該当します。

(借)建物減価償却累計額
(借)未決算
2,000,000
4,000,000
(貸)建物
(貸)仕入
5,000,000
1,000,000

 ここで、未決算の金額と保険契約締結時の保険金額との差額を考えてみてください。上の仕訳で計上した未決算が4,000,000円なのに対して、契約どおり保険金が満額支払われたとしても手元に戻ってくるお金は3,000,000円です。

 つまり、固定資産と商品が焼失した時点で1,000,000円の損失が確定してしまうことになりますので、保守主義の観点(費用の認識はなるべく早く、収益の認識はなるべく遅くという考え方)から、保険金の金額確定を待たずに火災損失1,000,000円を計上することになります。

(借)火災損失 1,000,000 (貸)未決算 1,000,000

追加問題

①その後、保険会社から満額の3,000,000円を支払う旨の連絡があった。
(借)未収金 3,000,000 (貸)未決算 3,000,000
②その後、保険会社から満額の2,000,000円を支払う旨の連絡があった。
(借)未収金
(借)火災損失
2,000,000
1,000,000
(貸)未決算 3,000,000

 上記の①②の仕訳は、いずれも大事な仕訳ですから、本問と併せて押さえておくようにしてください。未決算問題を解答する上でのポイントは、固定資産の帳簿価額を未決算勘定に振り替え、保険金の受取額が確定したら、貸借差額を特別損益として認識するだけです。未決算の問題について、難しく思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、やっているのはこれだけのことです。

 未決算に関する問題は、第100回の問3第109回の問5第114回の問4第119回の問5第122回の問4第126回の問2でも出題されていますので、併せて押さえるようにしてください。なお、本問は仕入勘定も絡んできますので、他に比べて少し難しくなっています。



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