第144回・日商簿記検定2級 試験問題予想

第144回・日商簿記検定2級の試験問題予想を大公開します!

 簿記検定ナビの管理人が、2016年11月20日に行われる第144回・日商簿記検定2級の試験問題を予想するページです(日商簿記検定3級の出題予想は日商簿記検定3級 試験問題予想をご覧下さい)

※左列の「第●問」のリンクをクリックすると、本ページ内の解説部分に移動します。
第1予想 第2予想 第3予想
第1問 仕訳
第2問 有価証券 銀行勘定調整表 伝票会計
第3問 財務諸表 精算表 本支店会計
第4問 費目別計算 部門別個別原価計算 本社工場会計
第5問 直接原価計算 組別総合原価計算 単純総合原価計算

第1問:仕訳問題は過去問対策が効果的!新論点は基本的な処理をマスターしておきましょう!

 第1問では毎回、【仕訳問題】が5問出題されますが、試験回によって問題の難度はバラバラです。

 まずは、以下の受験生アンケートをご覧ください。第139回・第141回試験のように極悪仕様の問題の回もあれば、第142回・第143回のように簡単な問題の回もあります。

第139回の第1問のアンケート結果
第139回の第1問のアンケート結果
第141回の第1問のアンケート結果
第141回の第1問のアンケート結果
第142回の第1問のアンケート結果
第142回の第1問のアンケート結果
第143回の第1問のアンケート結果
第143回の第1問のアンケート結果

 第144回に関しては、第142回・第143回のように「過去問対策がそのまま点数に結びつく簡単な問題」が出題されるのか、第139回・第141回のように「今までに出題されたことのないような難しい問題」が出題されるのか…蓋を開けてみないと分かりません。

 そこで、今回は前者のパターンと後者のパターンの2つに分けて、効果的・効率的な対策を考えてみましょう。

「過去問対策がそのまま点数に結びつく簡単な問題」が出題されると仮定した場合

 今までどおり過去問を使って対策をするのが一番効率的です。仕訳問題の出題一覧表(PDFファイル)をご覧ください。最近の試験では「有価証券」「固定資産」「株式」「税金」の4つがよく出題されているので、これらを中心に対策すると効率が良いです。

 逆に、第143回から試験範囲から外れた「特殊商品売買」「荷為替手形」「偶発債務」「社債」「債務の保証」については、過去問対策する必要はないのでご注意ください(古い過去問題集を使っている方は要注意です)。

 また、「本支店会計」は未達事項および内部利益の処理が試験範囲外になったので、第3問で出題される可能性は低いですが、第1問で出題される可能性はあります。忘れずに対策しておきましょう。

「今までに出題されたことのないような難しい問題」と仮定した場合

 残念ながら効率的な対策はありませんが、仕訳の処理能力を高めておくと対応できる幅が広がるので、今までと同じように過去問を使って仕訳処理のベースとなる「力」を養っておくことをおすすめします。

 また、過去問を使って仕訳の勉強するさいには、問われている処理だけでなく「この前(後)の処理はどうなっているんだろう?」と考えるようにすると、自然と応用力が身につくと思います。

 例えば…第141回の仕訳問題の問5では、商品保証引当金に関するやや難しめの問題が出題されましたが、私は第138回の仕訳問題の問4の過去問解説で「参考」という注釈をつけて、第141回で出題された「引当金が足らないケースの問題」の解答仕訳をご紹介していたので、きちんと解説を読んでいた人は点が取れたと思います。

 今後については、今までのように過去問類似問題が何度も繰り返し出題されるのではなく、第141回の仕訳問題の問5のように過去問にひとひねり加えて出題される可能性が高いです。問題そのものの処理だけでなく、前後の処理も紹介している仕訳問題対策の解説を有効活用してください。

新試験範囲の対策は?

 第1問では「売上原価対立法」「クレジット売掛金」「電子記録債権・債務」「返品調整引当金」「固定資産の割賦購入」「ソフトウェア(自社利用)」「役務収益・役務費用」「売上の認識基準(出荷基準・引渡基準・検収基準)」などの出題が考えられます。

 第143回試験では新試験範囲に関する仕訳問題は1問も出題されなかったので、どのような問題が出題されるかは蓋を開けてみなければ分かりませんが、1回目の出題は基本的な処理を問う問題になる(はずです)ので、テキストの例題や問題集等を使って対策しておけばOKです。

 簿記検定ナビのオリジナル無料予想問題「簿記ナビ模試(第144回試験対策)」でも、新試験範囲を含めた仕訳問題を出題する予定なので、試験勉強の総まとめにぜひご利用ください。

第2問:本命は個別論点!中でも「有価証券」と「銀行勘定調整表」の2つの対策を重点的に!

日商簿記検定2級 第2問の出題状況(直近10回分+予想) ※S/S…株主資本等変動計算書
134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144
伝票会計



銀勘
固資
有券
S/S

 少し前までは…第2問といえば、特殊仕訳帳(第143回から試験範囲外)か伝票会計のどちらかが出題されることが多かったんですが、ここ最近は個別論点の問題が出題されることが多いです。

  • 銀行勘定調整表(第134回・第137回)
  • 有形固定資産(第135回・第139回・第143回)
  • 株主資本等変動計算書(第138回・第142回)
  • 有価証券(第141回)

 第144回に関しては、第140回で出題された伝票会計が中3回で出題される可能性もゼロではありませんが、最近の出題頻度を鑑みると…有形固定資産以外の【個別論点】の問題が出題される可能性が高いです。

個別論点の対策について

 個別論点の問題は幅広い論点から出題されるので「具体的にどんな問題が出題されるか」を予想するのは難しいです。

 ただ、有形固定資産の問題は第143回で出題されたばかりなので、第144回は有価証券・銀行勘定調整表のどちらかが出題される可能性が高いです。過去問を使ってきちんと対策しておきましょう。

個別論点の解き方について

 個別論点の問題はなんとなく難しそうに見えますが、基本的な処理を問う簡単な問題が用意されていることが多いので(特に最初のほうの設問)、まずはそれを見つけて確実に部分点を取りましょう。

 作問者も「個別論点の問題→受験生はなかなか点数が取れない」ことは分かっているので、比較的簡単なところにたくさん配点される可能性が高いです(第141回の配点は鬼でしたが…)。

 問題を解いているときに手応えがなくても、諦めずに粘った結果、予想以上に点数を取れていたという話しをよく聞きます。本試験で出題された場合にはとにかく諦めずに部分点を積み上げていくのがポイントです。

伝票会計の対策について

 伝票会計は直近では第140回で出題されましたが、これまでは中2回または中3回ぐらいの間隔で出題されているので、第144回で出題される可能性もゼロではありません。

 ただ、試験範囲の改定の結果、伝票に関する一連の処理が3級にまとめられることになったので、2級の試験においては以前のような頻度・間隔で出題されるとは考えにくいです。

 よって、伝票会計に関しては、保険的な位置づけで第140回の問題を解いておけば十分だと思います。

新試験範囲の対策は?

 「有価証券」が出題されるのであれば、新しく試験範囲になった子会社株式・関連会社株式・その他有価証券の処理が問われる可能性が高いです。

 また、出題可能性は低いものの「株主資本等変動計算書」が中1回で出題されるのであれば、資本剰余金からの配当や資本準備金の資本金への振替処理など、やや難度が高い処理も問われそうです。

 このあたりは過去問題集だけではなかなかカバーできませんので、市販の予想問題集等を有効活用して十分な対策を講じておきましょう。

第3問:財務諸表の場合は「貸借対照表+損益計算書の各利益」の可能性が高いです!

日商簿記検定2級 第3問の出題状況(直近10回分+予想)
134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144
精算表
財務諸表
本支店会計

 第3問では、精算表・財務諸表や本支店会計の作成問題が出題されます。

 ただ、本支店会計は2016年度から「未達事項・内部利益の処理」が試験範囲外になり、今後は第3問ではなく第1問での出題がメインになるので、第3問で出題される可能性はかなり低いです。

 よって、第144回の第3問に関しては、精算表作成問題と財務諸表作成問題のどちらかが出題される可能性が高いと考えられます。

 個人的には、ここ最近よく出題されている【財務諸表作成問題】の出題を予想します。第143回が損益計算書の作成問題だったので、第144回で出題されるとしたら「貸借対照表のみ(142回)」「貸借対照表+損益計算書の各利益(139回)」のどちらかのパターンになりそうです。

  • 第137回:損益計算書
  • 第138回:貸借対照表
  • 第139回:貸借対照表+損益計算書の各利益
  • 第140回:損益計算書
  • 第141回:(精算表)
  • 第142回:貸借対照表
  • 第143回:損益計算書
  • 第144回:順番的には…貸借対照表?

財務諸表作成問題の解答ポイント

 財務諸表作成問題は苦手意識を持っている方が多いですが、精算表と財務諸表(貸借対照表・損益計算書)は答案用紙の見た目が違うだけで、どちらも「未処理事項・決算整理事項の処理→貸借対照表と損益計算書の作成」とやっていることは同じです。

 まずは、精算表と財務諸表で異なる勘定科目(例:精算表では「繰越商品」→貸借対照表では「商品」)や、勘定科目の表示位置(特に損益計算書の費用分類)をきちんと押さえたうえで、過去問等を使ってきちんと対策しておきましょう。

 なお、第139回で問われた損益計算書の「営業利益」や「経常利益」の金額ように、解答する(計算する)のに時間がかかる割に、正答の可能性または配点の低い問題は、いわゆる捨て問(=解答せずに捨てるべき問題)になります(詳細→第139回2級の過去問分析ページ)。

 試験本番では、費用対効果を考えて「割にあわない」と感じた問題は思いきって捨てるのも受験テクニックの一つです。練習段階から常に取捨選択を意識して、問題を解くように心がけてください。

財務諸表作成問題の過去問対策について

 第138回・第140回・第142回で出題された「減価償却の月割計上」など、最近は実務寄りの会計処理を問う設問が増えています。よって、過去問対策をするさいは、なるべく新しい回の過去問を優先して解いてください。

精算表作成問題の解答ポイント

 精算表作成問題は解き方がワンパターンなので、過去問対策が非常に有効です。理屈うんぬんよりも体で覚えたほうが早いので、とにかくたくさんの過去問を解いてください。

 最近は、売上原価の算定を「仕入の行」ではなく「売上原価の行」でさせる問題がちょくちょく出題されているので(第134回など)、仕訳をきちんと押さえておきましょう。

売上原価勘定による売上原価算定の仕訳
(借)売上原価 期首商品棚卸高
 (貸)繰越商品 期首商品棚卸高
(借)売上原価 当期商品仕入高
 (貸)仕入 当期商品仕入高
(借)繰越商品 期末商品棚卸高
 (貸)売上原価 期末商品棚卸高

 この仕訳については「浮く牛食う(うくうしくう)」という語呂で押さえてしまうのが一番手っ取り早いので、日商簿記検定と語呂暗記ページを参考にしてください。

本支店会計の対策の必要性について

 本支店会計は上述のとおり、「未達事項・内部利益の処理」が試験範囲外になったので、第3問で出題される可能性はかなり低いです(第1問の仕訳問題で出題される可能性は十分あります)。

 個人的には対策は不要だと思いますが、どうしても気になるという方は…市販の予想問題集に収載されている可能性があるので、書店等でご確認ください。

新試験範囲の対策は?

 財務諸表作成問題・精算表作成問題では、「有価証券の評価」「売上原価対立法」「クレジット売掛金」「電子記録債権・債務」「返品調整引当金」「固定資産の割賦購入」「ソフトウェア」「貸倒引当金の個別評価と一括評価」「貸倒引当金繰入のP/Lの表示区分」などの出題が考えられます。

 なお、第143回の財務諸表作成問題では「クレジット売掛金」「有価証券の評価」「貸倒引当金繰入のP/Lの表示区分」の処理が問われましたが、この3つについては第144回ではもう一歩踏み込んだ処理が問われる可能性があります。過去問題集・予想問題集等できちんと対策しておきましょう。

 さらに、仕入れた商品を販売する会社ではなくサービス業を営む会社の会計処理(役務収益・役務費用)が問われる可能性もあります。こちらも予想問題集等できちんと対策しておきましょう。

第4問:お願いだからそろそろ費目別が出てほしい!(※もはや予想ではない…)

日商簿記検定2級 第4問の出題状況(直近10回分)
134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144
費目別
単純個別
部門別
本社工場
標準

 第4問では、費目別計算や単純個別原価計算、部門別個別原価計算、本社工場会計、標準原価計算などがよく出題されますが、第143回では久しぶりに単純個別原価計算の問題が出題されました。

 第144回に関しては、正直なところ何が出題されてもおかしくない状況ですが…つい最近までよく出題されていたのにここ最近ぱったり出題されていない【費目別計算】の出題を予想します。


 費目別計算は、第132回・第136回で出題されたような仕訳問題や、第134回・第137回で出題されたような製造原価報告書+損益計算書の作成問題、製造原価報告書+仕掛品勘定の作成問題などの出題が考えられます。

 第144回ではどのパターンの問題が出てもおかしくないので、過去問題集を使って万全の対策を講じておきましょう。なお、費目別計算は、発生した費用の分類がポイントになります。以下の費用はひっかけでよく問われるので、きちんと分類できるようにしておきましょう。

  • 特許権使用料:直接経費
  • 棚卸減耗損:間接経費
  • 法定福利費:間接労務費
  • 福利厚生費:間接経費

 部門別個別原価計算は、直近では第129回・第135回・第139回で出題されていますが、第129回が少し難しいので「第135回&第139回→第129回」という順番で問題を解くことをおすすめします。

 基本的な解答手順は「予定配賦率の算定→予定配賦額の計算→実際発生額の計算→原価差異の計算」という流れになります。問題を解くさいは「今、なんの計算をしているのか」を常に考えるように意識してください。


 本社工場会計は仕訳が問われます。解答のポイントは「問題で指定された勘定科目を使うこと」「勘定科目が本社側に設定されているのか、工場側に設定されているのかを正確に判断する」の2点です。

 第141回で出題されたばかりなので、第144回で出題される可能性はそんなに高くないです。第141回の問題を保険的な位置づけで押さえておきましょう。


 標準原価計算は第142回の第4問、第143回の第5問で出題されたばかりなので、第144回で出題される可能性はかなり低いと思います。

 出題パターンは、第135回・第142回のような差異分析の問題と、第126回・第140回のような勘定記入・仕訳などの問題の2つがありますが、万が一、第144回で出題される場合は後者の勘定記入・仕訳などの問題になりそうです。第140回の問題を保険的な位置づけで押さえておきましょう。


 単純個別原価計算は、第127回・第128回・第133回(第5問)・第143回で出題されたような勘定記入+αの問題と、第138回で出題されたような仕訳問題の2パターンが考えられます。

 第143回で勘定記入+αの問題が出題されたばかりなので、第144回で出題される可能性はかなり低いですが、第138回の仕訳問題のパターンは保険的な位置づけで押さえておきましょう。

 単純個別原価計算は、原価計算表を早く、かつ正確に作るのがポイントになります。また、「仕掛中」「完成済」「完成・引渡済」の各金額が何を意味するのかをきちんと押さえておきましょう。

第5問:全部原価計算を絡めた直接原価計算!出てくれ!頼む!(※もはや予…)

日商簿記検定2級 第5問の出題状況(直近10回分) ☆…第140回・第142回の標準は第4問で出題
134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144





単純
工程別
組別
等級別
標準原価計算
直接原価計算

 第5問では、総合原価計算や標準原価計算、直接原価計算などがよく出題されますが、第143回では(第142回の第4問から2回連続で)標準原価計算の簡単な差異分析の問題が出題されました。

 第144回に関しては、出題間隔を考慮すると…単純総合原価計算や組別総合原価計算の出題も考えられますが、最近、標準原価計算とともに出題頻度が高くなっている【直接原価計算】を本命にしたいと思います。


 直接原価計算は第139回・第141回で出題されたようなCVP分析を絡めた問題と、第134回・第136回で出題されたような全部原価計算を絡めた問題の2パターンの出題が考えられます。

 第141回でCVP分析がガッツリ問われたことを考えますと、第144回で出題されるとしたら後者の全部原価計算を絡めた問題が出題される可能性が高いです。

 「ぜんちょくまっしゅ(全直末首)」という語呂を覚えておくと便利なので、知らない方はこの機会に覚えてしまいましょう。

  • 部原価計算の営業利益-接原価計算の営業利益=期仕掛品・製品に含まれる固定製造原価の金額-期仕掛品・製品に含まれる固定製造原価の金額

または

  • 部原価計算の営業利益=接原価計算の営業利益+期仕掛品・製品に含まれる固定製造原価の金額-期仕掛品・製品に含まれる固定製造原価の金額

 総合原価計算は、第128回・第140回で出題された「等級別」、第129回・第137回で出題された「組別」、第130回・第138回で出題された「単純」、第123回・第131回・第142回で出題された「工程別」の4種類があります。

 仮に、第144回で総合原価計算が出題されるのであれば…出題間隔が空いている単純または組別の可能性が高いと思います。第137回の第5問第138回の第5問を使ってきちんと対策しておきましょう。

総合原価計算の問題を解くさいのポイント

 総合原価計算の過去問や予想問題を解くさいには、「原価の按分方法(平均法と先入先出法)」「減損・仕損の処理」「材料の投入タイミング別の処理の違い」の3つをポイントを重点的に確認しておいてください。

 また、第123回で出題された工程別総合原価計算の「半製品(→第1工程完成品の一部を半製品として外部に販売)」のように少しひねられる可能性があるので、問題をきちんと読んで解答することを心がけてください。


 標準原価計算は第142回の第4問、第143回の第5問で出題されたばかりなので、第144回で出題される可能性はかなり低いと思います。

 出題パターンは、第135回・第142回・第143回のような差異分析の問題と、第126回・第140回のような勘定記入・仕訳などの問題の2つがありますが、差異分析が3回連続で出題される可能性はさすがにないでしょう。

 よって、第143回は後者の勘定記入・仕訳などの問題を保険的な位置づけで押さえておきましょう。



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