第142回・日商簿記検定2級 試験問題予想

第142回・日商簿記検定2級の試験問題予想を大公開します!

 簿記検定ナビの管理人が、2016年2月28日に行われる第142回・日商簿記検定2級の試験問題を予想するページです(日商簿記検定3級の出題予想は日商簿記検定3級 試験問題予想をご覧下さい)

※左列の「第●問」のリンクをクリックすると、本ページ内の解説部分に移動します。
第1予想 第2予想 第3予想
第1問 仕訳
第2問 銀行勘定調整表 有形固定資産 株主資本等変動計算書
第3問 財務諸表 精算表 本支店会計
第4問 費目別計算 単純個別原価計算 部門別個別原価計算
第5問 総合原価計算 標準原価計算 直接原価計算

第1問:仕訳の過去問を解くさいは類似論点もきちんと押さえましょう!

 第1問では毎回、【仕訳問題】が5問出題されますが、試験回によって問題の難度はバラバラです。

 まずは、以下の受験生アンケートをご覧ください。第138回のようにめちゃくちゃ簡単な問題の回もあれば、第139回・第141回試験のように極悪仕様の問題の回もあります。

第1問の難度アンケート結果
第1問の難度アンケート結果
第1問の難度アンケート結果
第1問の難度アンケート結果

 第142回に関しては、第138回以前および第140回のように「過去問対策がそのまま点数に結びつく簡単な問題」が出題されるのか、第139回・第141回のように「今までに出題されたことのないような難しい問題」が出題されるのか…蓋を開けてみないと分かりません。

 そこで、今回は前者のパターンと後者のパターンの2つに分けて、効果的・効率的な対策を考えてみましょう。

「過去問対策がそのまま点数に結びつく簡単な問題」が出題されると仮定した場合

 今までどおり過去問を使って対策をするのが一番効率的です。仕訳問題の出題一覧表(PDFファイル)をご覧ください。最近の試験では「有価証券」「固定資産」「株式」「税金」の4つがよく出題されているので、これらを中心に対策すると効率が良いです。

 逆に、来年度以降に試験範囲から外れる「特殊商品売買」「荷為替手形」「偶発債務」「社債」「債務の保証」については、2015年4月1日に「2015年度の本試験では、2016年度以降も試験範囲に残っている論点を中心に出題するよ」というアナウンスがあったので、出題される可能性はかなり低いです(出題一覧表の網掛け部分)。

 これらの論点を完ぺきに切ってしまうのはさすがにリスキーだと思いますが、出題可能性の高い論点を重点的に学習し、低い論点は最低限に留める…というのもひとつの戦略です。

 なお、「本支店会計」は来年度から「未達事項・内部利益の処理」が試験範囲外になるので、第3問で出題される可能性は低いですが、第1問で出題される可能性はまだまだあります(ただ、第140回で出題されたばかりなので、第142回で出題される可能性は低いです)。

「今までに出題されたことのないような難しい問題」と仮定した場合

 残念ながら効率的な対策はありません。気合いで解くしかないです。

 ただ、仕訳の処理能力を高めておくと対応できる幅が広がるので、今までと同じように過去問を使って仕訳処理のベースとなる「力」を養っておくことをおすすめします。

 また、過去問を使って仕訳の勉強するさいには、問われている処理だけでなく「この前(後)の処理はどうなっているんだろう?」と考えるようにすると、自然と応用力が身につくと思います。

 例えば…第141回の仕訳問題の問5では、商品保証引当金に関するやや難しめの問題が出題されましたが、私は第138回の仕訳問題の問4の過去問解説で「参考」という注釈をつけて、今回出題された「引当金が足らないケースの問題」の解答仕訳をご紹介していたので、きちんと解説を読んでいた人は点が取れたと思います。

 今後については、今までのように過去問類似問題が何度も繰り返し出題されるのではなく、第141回の仕訳問題の問5のように過去問にひとひねり加えて出題される可能性が高いので、問題そのものの処理だけでなく、前後の処理も出来るかぎり紹介している仕訳問題対策の解説を有効活用してください。

第2問:本命は個別論点!銀行勘定・固定資産・株主資本の3つの対策を重点的に!

日商簿記検定2級 第2問の出題状況(直近10回分+予想) ※S/S…株主資本等変動計算書
132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142
伝票会計
特殊仕訳帳



特商
銀勘
固資
有券
S/S

 少し前までは…第2問といえば、特殊仕訳帳か伝票会計のどちらかが出題されることが多かったんですが、ここ最近は個別論点の問題が出題されることが多いです。

  • 特殊商品売買(第132回)
  • 銀行勘定調整表(第134回・第137回)
  • 有形固定資産(第135回・第139回)
  • 株主資本等変動計算書(第138回)
  • 有価証券(第141回)

 伝票会計は第140回で出題されたばかりですし、特殊仕訳帳は来年度から試験範囲外になるので出題される可能性はかなり低い…ということで、第142回も【個別論点】の問題が出題される可能性が高いです。

個別論点の対策について

 個別論点の問題は幅広い論点から出題されるので「具体的にどんな問題が出題されるか」を予想するのは難しいです。

 ただ、特殊商品売買は来年度から試験範囲外になるので出題される可能性はかなり低いですし、有価証券は第141回で出題されたばかりなので、銀行勘定調整表・有形固定資産・株主資本等変動計算書あたりが出題される可能性が高いです。過去問を使ってきちんと対策しておきましょう。

個別論点の解き方について

 個別論点の問題はなんとなく難しそうに見えますが、基本的な処理を問う簡単な問題が用意されていることが多いので、まずはそれを見つけて確実に部分点を取りましょう。

 作問者も「個別論点の問題→受験生はなかなか点数が取れない」と分かっているようで、比較的簡単なところにたくさん配点される可能性が高いです(第141回の配点は鬼でしたが…)。

 問題を解いているときに手応えがなくても、諦めずに粘った結果、予想以上に点数を取れていたという話しをよく聞きます。本試験で出題された場合にはとにかく諦めずに部分点を積み上げていくのがポイントです。

伝票会計と特殊仕訳帳の対策について

 伝票会計は前々回の第140回で出題されたばかりなので、第142回で出題される可能性は低いです。

 ただ、伝票会計は出題パターンがほぼ決まっているので過去問対策が非常に効果的です。第140回の問題だけで十分なので、きちんと過去問対策しておきましょう。

 特殊仕訳帳は、第118回→第120回→第122回→第124回→第125回→第127回→第129回→第131回とほぼ中1回の間隔で出題されていたにも関わらず、最近ぱったり出題されなくなりました。

 来年度から試験範囲外になることが決まったので、第142回で出題される可能性はかなり低いですが、保険的な位置づけで第131回の問題ぐらいは解いておくことをおすすめします。

 なお、特殊仕訳帳は「帳簿記入」と「試算表作成」の2パターンの問題に分類できます。対策するのであれば、出題頻度の高い「試算表作成」を優先してください。

  • 帳簿記入 (第118回・第122回)
  • 試算表作成(第120回・第124回・第125回・第127回・第129回・第131回)

第3問:財務諸表が出ても精算表が出てもおかしくない!どちらも要対策です!

日商簿記検定2級 第3問の出題状況(直近10回分+予想)
132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142
本支店会計
精算表
財務諸表

 第3問では、本支店会計や精算表・財務諸表の作成問題が出題されます。

 本支店会計は来年度から「未達事項・内部利益の処理」が試験範囲外になり、今後は第3問ではなく第1問での出題がメインになるので、第142回の第3問で出題される可能性は低いです。

 よって、第142回に関しては、精算表作成問題と財務諸表作成問題のどちらかが出題される可能性が高いと考えられます。

 個人的には、ここ最近よく出題されている【財務諸表作成問題】の出題を予想しますが、精算表が2回連続で出題される可能性も十分あるので、第142回に関してはどちらが出題されても対応できるように準備しておきましょう。


 財務諸表作成問題は苦手意識を持っている方が多いですが、精算表と財務諸表(貸借対照表・損益計算書)は答案用紙の見た目が違うだけで、どちらも「未処理事項・決算整理事項の処理→貸借対照表と損益計算書の作成」とやっていることは同じです。

 まずは、精算表と財務諸表で異なる勘定科目(例:精算表では「繰越商品」→貸借対照表では「商品」)や、勘定科目の表示位置(特に損益計算書の費用分類)をきちんと押さえたうえで、過去問等を使ってきちんと対策しておきましょう。

 なお、第139回で問われた損益計算書の「営業利益」や「経常利益」の金額ように、解答する(計算する)のに時間がかかる割に、正答の可能性または配点の低い問題は、いわゆる捨て問(=解答せずに捨てるべき問題)になります(詳細→第139回2級の過去問分析ページ)。

 試験本番では、費用対効果を考えて「割にあわない」と感じた問題は思いきって捨てるのも受験テクニックの一つです。練習段階から常に取捨選択を意識して、問題を解くように心がけてください。

財務諸表作成問題の対策について

 第138回・第140回で出題された「減価償却の月割計上」など、最近は実務寄りの会計処理を問う設問が増えています。よって、過去問対策をするさいは、なるべく新しい回(第137回~第140回)の問題を優先して解いてください。


 精算表作成問題過去問対策が非常に有効で、理屈うんぬんよりも体で覚えたほうが早いので、とにかくたくさんの過去問を解いてください。

 最近は、売上原価の算定を「仕入の行」ではなく「売上原価の行」でさせる問題がちょくちょく出題されているので(第134回など)、仕訳をきちんと押さえておきましょう。

売上原価勘定による売上原価算定の仕訳
(借)売上原価 期首商品棚卸高
 (貸)繰越商品 期首商品棚卸高
(借)売上原価 当期商品仕入高
 (貸)仕入 当期商品仕入高
(借)繰越商品 期末商品棚卸高
 (貸)売上原価 期末商品棚卸高

 この仕訳については「浮く牛食う(うくうしくう)」という語呂で押さえてしまうのが一番手っ取り早いので、日商簿記検定と語呂暗記ページを参考にしてください。


 本支店会計は上述のとおり、「未達事項・内部利益の処理」が来年度から試験範囲外になることが決まったので、第142回で出題される可能性は低いですが、保険的な位置づけで第136回の問題ぐらいは解いておくことをおすすめします。

 本支店会計の攻略のポイントは、下書きを定型化することです。自分なりの解答パターンを確立して、機械的に数字を当てはめて解いていくことが本支店会計攻略のカギになります。

 具体的には、本店の「支店」勘定と「支店へ売上」勘定、支店の「本店」勘定と「本店より仕入」勘定の4つのT勘定を書いて未達事項を反映させた上で、本店と支店の商品をボックス図を書いて売上・売上原価・売上総利益を一気に算定する…という流れになります。

 なお、本支店会計の下書きの書き方については、第136回・第3問の総評ページで、私が実際に問題を解くさいに書いた下書き画像付きで詳しく説明していますので、興味のある方はご覧ください。

第4問:頻出論点の費目別計算が最近出ていない…怪しいヨ!怪しいアルヨ!

日商簿記検定2級 第4問の出題状況(直近10回分) △…第133回の単純個別原価計算は第5問で出題
132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142
費目別
単純個別
部門別
本社工場
その他

 第4問では、費目別計算や単純個別原価計算、部門別個別原価計算、本社工場会計などがよく出題されますが、第141回では久しぶりに本社工場会計の仕訳問題が出題されました。

 第142回に関しては、頻出論点なのにここ最近ぱったり出題されていない【費目別計算】の出題を予想します。


 費目別計算は、第132回・第136回で出題されたような仕訳問題や、第134回で出題されたような製造原価報告書+損益計算書を作成問題、第137回で出題されたような製造原価報告書+仕掛品勘定の作成問題などの出題が考えられます。

 第141回で本社工場会計の仕訳問題が出題されたので、第142回は後者の製造原価報告書+損益計算書(または仕掛品勘定や製品勘定)の作成問題を中心に対策してください。

 費目別計算は、発生した費用の分類がポイントになります。間接経費として処理する棚卸減耗損、間接労務費として処理する法定福利費、間接経費として処理する福利厚生費などはよく問われるので、きちんと分類できるかしっかりと確認しておきましょう。


 単純個別原価計算は、第127回・第128回・第133回(第5問)で出題されたような勘定記入+αの問題と、第138回で出題されたような仕訳問題の2パターンが考えられます。

 第141回で本社工場会計の仕訳問題が出題されたので、第142回は前者の勘定記入+αの問題を中心に対策してください。

 単純個別原価計算は、原価計算表を早く、かつ正確に作るのがポイントになります。また、「仕掛中」「完成済」「完成・引渡済」の各金額が何を意味するのかをきちんと押さえておきましょう。


 部門別個別原価計算は、直近では第129回・第135回・第139回で出題されていますが、第129回が少し難しいので「第135回・第139回→第129回」という順番で問題を解くことをおすすめします。

 基本的な解答手順は「予定配賦率の算定→予定配賦額の計算→実際発生額の計算→原価差異の計算」という流れになります。問題を解くさいは「今、なんの計算をしているのか」を常に考えるように意識してください。


 本社工場会計は仕訳が問われます。解答のポイントは「問題で指定された勘定科目を使うこと」「勘定科目が本社側に設定されているのか、工場側に設定されているのかを正確に判断する」の2点です。第141回で出題されたばかりなので、過去問を使って参考程度に仕訳を確認しておけばOKです。

第5問:ここ最近、工程別総合原価計算が出題されていない…怪しいヨ!怪しいアルヨ!

日商簿記検定2級 第5問の出題状況(直近10回分) △…第140回の標準原価計算は第4問で出題
132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142





単純
工程別
組別
等級別
標準原価計算
直接原価計算
その他

 第5問では、総合原価計算や標準原価計算、直接原価計算などがよく出題されますが、第141回では直接原価計算のCVP分析がガッツリ出題されました。

 第140回の第4問で標準原価計算が、第141回の第5問で直接原価計算が出題されたことを考えますと…第142回に関しては【総合原価計算】が本命になりそうです。

 上記の過去の出題状況を見るかぎり、総合原価計算についてはどれが出題されてもおかしくない状況ですが、個人的には、中でも最近ぱったり出題されていない工程別総合原価計算の出題を予想します。


 総合原価計算は、第128回・第140回で出題された「等級別」、第129回・第137回で出題された「組別」、第130回・第138回で出題された「単純」、第123回・第131回で出題された「工程別」の4種類があります。

 仮に、第142回で総合原価計算が出題されるのであれば…上述のとおり、出題間隔が空いている「工程別」の可能性が高いと思います。第131回の第5問や、市販の予想問題集に収載されている問題を使ってきちんと対策しておきましょう。

 総合原価計算の過去問や予想問題を解くさいには、「原価の按分方法(平均法と先入先出法)」「減損・仕損の処理」「材料の投入タイミング別の処理の違い」の3つをポイントを重点的に確認しておいてください。

 また、第123回で出題された「半製品」のように少しひねられる可能性があるので、問題をきちんと読んで解答することを心がけてください(→半製品の解説はこちら)。


 標準原価計算は第140回の第4問での出題されたばかりですが、過去には第126回・第127回のように2回連続で出題されたこともあるので、第142回で出題される可能性も十分あります。

 出題パターンは、第127回・第135回のような差異分析の問題と、第126回のような(仕掛品勘定の)勘定記入の問題の2つがありますが、過去によく問われているのは前者の差異分析の問題です。よって、第142回は差異分析の問題をメインに対策してください。

 解答手順は「原価標準の設定→標準原価の計算→実際原価の計算→原価差異の計算」という流れになります。問題を解くさいは「今、なんの計算をしているのか」「なぜこのような計算をする必要があるのか」を常に考えるようにしましょう。


 直接原価計算は第141回でCVP分析の問題がガッツリ出題されたので、第142回で同じような問題が出題される可能性は低いと思います。

 ただ、第134回・第136回で出題された全部原価計算を絡めた問題が出題される可能性は十分あります。過去問を使ってきちんと対策しておきましょう。



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