目次

第150回日商簿記2級 難易度アンケート

 第150回日商簿記2級を受験された皆様、お疲れ様でした。簿記検定ナビでは難易度アンケートを実施しておりますので、ぜひご協力いただければ幸いです。

 アンケートは各問題ごとに分かれており、投票せずに結果だけ見ることも可能です。結果だけご覧になりたい方は、投票ボタンの下の「結果を見る」をクリックまたはタップしてください。

 なお、試験の感想や質問はページの一番下のコメント欄に気軽に書き込んでください。ひとことでも長文でも構いません。受験生の皆様のコメントをお待ちしております。

第1問(仕訳問題)の難易度は?

  • かなり簡単だった 73票・3% )
  • やや簡単だった 130票・5% )
  • 普通ぐらいだった 355票・15% )
  • やや難しかった 968票・41% )
  • かなり難しかった 853票・36% )

総投票数: 2,379

Loading ... Loading ...

第2問(固定資産)の難易度は?

  • かなり簡単だった 226票・10% )
  • やや簡単だった 402票・18% )
  • 普通ぐらいだった 642票・28% )
  • やや難しかった 594票・26% )
  • かなり難しかった 414票・18% )

総投票数: 2,278

Loading ... Loading ...

第3問(貸借対照表)の難易度は?

  • かなり簡単だった 603票・27% )
  • やや簡単だった 646票・29% )
  • 普通ぐらいだった 684票・30% )
  • やや難しかった 203票・9% )
  • かなり難しかった 119票・5% )

総投票数: 2,255

Loading ... Loading ...

第4問(費目別計算)の難易度は?

  • かなり簡単だった 316票・14% )
  • やや簡単だった 441票・20% )
  • 普通ぐらいだった 633票・28% )
  • やや難しかった 608票・27% )
  • かなり難しかった 241票・11% )

総投票数: 2,239

Loading ... Loading ...

第5問(直接原価計算)の難易度は?

  • かなり簡単だった 744票・33% )
  • やや簡単だった 509票・23% )
  • 普通ぐらいだった 464票・21% )
  • やや難しかった 314票・14% )
  • かなり難しかった 213票・9% )

総投票数: 2,244

Loading ... Loading ...

全体の難易度は?

  • かなり簡単だった 108票・5% )
  • やや簡単だった 359票・17% )
  • 普通ぐらいだった 577票・27% )
  • やや難しかった 839票・39% )
  • かなり難しかった 291票・13% )

総投票数: 2,174

Loading ... Loading ...



第150回日商簿記2級 解答速報まとめ

各社の模範解答(解答速報)

 一番左の列の「会社名」をクリックまたはタップすると、各社の模範解答案内ページが別窓で開きます。また、「公開中」をクリックまたはタップすると、各社の模範解答(PDFファイル)が別窓で開きます。

模範解答の公開状況
簿記3級 簿記2級 簿記1級
TAC 公開中 公開中 公開中
大原 公開中 公開中 公開中
NS 公開中 公開中 公開中
LEC 公開中 公開中 公開中
大栄 公開中 公開中 公開中
メイプル 公開中 公開中

試験問題・解答・解説の無料冊子のご案内

解答解説集

 資格の学校TAC・資格の大原が、2018年11月18日に実施された第150回日商簿記検定3級・2級・1級の全問題と解答および解説を一冊にした「問題・解答集」を無料で郵送してくれるサービスを行っています。

 この無料冊子には問題・解答・解説だけでなく答案用紙も付いており、過去問対策用の教材としても使える優れモノですので、第151回以降の受験を考えていらっしゃる方もぜひ無料請求してみてください。

 無料請求したら電話やDMで講座に勧誘されるのでは…?と不安を感じる方もいると思いますが、私が知るかぎりではそのような勧誘は一切ありません。むしろ、もうちょっと勧誘してもいいのでは…と思うくらいです。安心して無料請求してください。




第150回日商簿記2級 試験問題の概要

おすすめ解答順序と大問別の難度・時間配分

5問→第4問→第3問→第1問→第2

 本問は、点数の取りやすい工業簿記(第4問・第5問)から解きましょう。そのあと商業簿記に戻り、比較的簡単な第3問を解いたうえで、やや難度の高い第1問・第2問を解答しましょう。

大問別の配点・難度・時間配分
出題論点 配点 難易度 管理人の
解答時間
おすすめの
時間配分
準備 5分
1 仕訳問題 20点 難しい 8分 15分
2 固定資産 20点 普通 12分 35分
3 貸借対照表 20点 簡単 10分 25分
4 費目別計算 20点 普通 8分 15分
5 直接原価計算 20点 簡単 5分 15分
見直し 10分

 第1問は、仕訳問題5問でした。全体的に難度が高く、判断に迷うポイントがいくつかあったので解きにくかったと思います。目標12点。

 第2問は、固定資産に税効果や連結を絡めた問題でした。税効果や連結(アップストリームの処理)の仕訳はいずれも基本的な内容ですが、初登場ということもあって全体の出来はあまり良くないかもしれません。目標12点。

 第3問は、貸借対照表の作成問題でした。難度・ボリュームともに平均レベル以下の簡単な問題です。短い解答時間で20点満点を狙いましょう。目標20点。

 第4問は、費目別計算の仕訳問題でした。材料副費の処理がやや難しかったかもしれませんが、その他は基本的な内容です。目標16点。

 第5問は、直接原価計算(CVP分析)の問題でした。第3問と同様に簡単な問題ですので、短い解答時間で20点満点を狙いましょう。目標20点。

予想合格率

 今回の問題は、全体的に難しかった第1問の出来が合否のカギになりそうです。

 第1問以外…特に第3問・第5問で満点近い点数を取る必要がありますが、いくら簡単な問題でも本試験で満点をとるのはなかなか難しいですよね。

 今回のような問題の合格率を予想するのは難しいですが、平均合格率(約30%)よりもやや低い25%前後の数字になるのではないでしょうか。

直近の試験の合格率の推移
第145回 第146回 第147回 第148回 第149回 第150回
25.03% 47.50% 21.23% 29.64% 15.55%



第150回日商簿記2級 管理人の解説速報

  1. 仕訳問題
  2. 固定資産
  3. 貸借対照表
  4. 費目別計算
  5. 直接原価計算

 上記リンクをクリックまたはタップすると、解説箇所にスクロールします。第1問から順番にご覧になりたい場合は、そのまま下にスクロールしてお進みください。

第1問・仕訳問題(配点20点)

  1. 役務収益・役務原価
  2. 固定資産の取得
  3. 企業買収
  4. クレジット売掛金・消費税
  5. 株主資本の計数変動

 上記リンクをクリックまたはタップすると、解説箇所にスクロールします。問1から順番にご覧になりたい場合は、そのまま下にスクロールしてお進みください。

問1 役務収益・役務原価

模範解答
(借)売掛金 300,000
 (貸)役務収益 300,000
(借)役務原価 220,000
 (貸)仕掛品 150,000
 (貸)買掛金 70,000

 役務収益・役務原価に関する問題です。

 収益は役務収益を計上するだけなので簡単ですが、原価はすでに計上している仕掛品を役務原価に振り替えるとともに、追加で発生した外注費を買掛金で処理します。

 追加で外注費が発生する問題は日商が公表しているサンプル問題には載っていませんし、市販の問題集でも見かけたことがないので、いきなり初見で「外注費=買掛金」と判断するのは難しいですよね。一般的な受験生にとっては厳しい問題です。

問2 固定資産の取得

模範解答
(借)機械装置 2,000,000
(借)構築物 400,000
(借)長期前払費用 240,000 ※2
 (貸)営業外支払手形 2,640,000 ※1

※1 @110,000円×24枚=2,640,000円

※2 2,640,000円-2,000,000円-400,000円=240,000円(貸借差額)

 固定資産の取得に関する問題です。

 問題文に「約束手形に含まれる利息相当額については資産勘定で処理する」とあるので、まずは利息相当額を計算しましょう。

  • 営業外支払手形の総額:@110,000円×24枚=2,640,000円
  • 固定資産の簿価合計:2,000,000円+400,000円=2,400,000円
    • 利息相当額:2.640,000円-2,400,000円=240,000円

 利息相当額に関しては、費用勘定で処理する場合は支払利息、資産勘定で処理する場合は前払費用長期前払費用で処理するケースが考えられます。

 本問の場合、問題文に「資産勘定で処理する」とあり、また、問題に列挙されている勘定科目に長期前払費用がある(前払費用がない)ので、長期前払費用で処理する、と判断します。

問3 企業買収

模範解答
(借)商品 800,000
(借)建物 1,800,000
(借)備品 600,000
(借)のれん 1,300,000 ※3
 (貸)普通預金 4,500,000

※3 4,500,000円-(800,000円+1,800,000円+600,000円)=1,300,000円(貸借差額)

 企業買収に関する問題です。

 譲り受けた資産の総額(800,000円+1,800,000円+600,000円)と譲渡代金(4,500,000円)との差額1,300,000円をのれんで処理します。

 なお、受け入れた商品に関しては「仕入」で処理するケースもあります(※第127回の問3など)。問題に列挙されている勘定科目を使って解答しましょう。

問4 クレジット売掛金・消費税

模範解答
(借)現金 54,000
(借)クレジット売掛金 206,000 ※6
(借)支払手数料 10,000 ※5
 (貸)売上 250,000
 (貸)仮受消費税 20,000 ※4

※4 250,000円×8%=20,000円

※5 (250,000円-54,000円÷1.08)×5%=10,000円

※6 250,000円+20,000円-54,000円-10,000円=206,000円(貸借差額)

 クレジット売掛金・消費税に関する問題です。本問はかなりややこしいので、勘定科目ごとに金額を考えましょう。

 まず、問題文の「消費税込みで ¥ 54,000 を現金で受取り」から、現金54,000円を借方に計上します。また、問題文の「商品を ¥ 250,000 で顧客に販売」「消費税の税率は8%とし、税抜方式で処理する」から、売上250,000円および仮受消費税20,000円(=250,000円×8%)を貸方に計上します。

 さらに、信販会社へのクレジット手数料を計算する必要がありますが、問題文に「クレジット販売代金の5%」「クレジット手数料には消費税は課税されない」とあるので、売上高から(税抜きの)現金売上分を差し引いた残りに5%を乗じて金額を求めましょう。

  • クレジット販売代金:250,000円-54,000円÷1.08=200,000円
  • クレジット手数料:200,000円×5%=10,000円

 最後に、貸借差額でクレジット売掛金の金額を計算します。

 本問は、手数料・消費税の取り扱いがややこしいため、初見で正解にたどり着くのは至難の業です。一般的な受験生にとってはかなり厳しい問題だと思います。

問5 株主資本の計数変動

模範解答
(借)資本準備金 3,000,000
 (貸)その他資本剰余金 3,000,000
(借)利益準備金 2,500,000
 (貸)繰越利益剰余金 2,500,000

 株主資本の計数変動に関する問題です。

 まず、問題文に「利益準備金の取崩額は、繰越利益剰余金とした」とあるので、利益準備金繰越利益剰余金に振り替えます。

 次に、資本準備金の振り替え先を考えますが、資本準備金は資本金やその他資本剰余金だけでなく(繰越利益剰余金がマイナスの場合、という条件を満たせば)繰越利益剰余金に振り替えることもできます。

 ただ、利益準備金を繰越利益剰余金に振り替えた結果、繰越利益剰余金は貸方残(=プラスの状態)になるため、資本準備金を繰越利益剰余金に振り替えることはできません。よって、資本準備金その他資本剰余金に振り替える、と判断します。

第2問・固定資産(配点20点)

 固定資産に税効果会計や連結会計を絡めた問題です。

 問1の勘定記入は、問題文の「減価償却に係る記帳は直接法による」という指示を見落とさないように気をつけましょう。各取引の処理自体は難しくないです。

 問2では税効果会計の仕訳が、問3では連結会計のアップストリームの仕訳が問われています。どちらも2018年度から試験範囲に追加された論点ですが、1回目の出題ということもあり、問1と同様に処理自体は難しくないです。


 まずは、問題資料の「固定資産関連取引」から各取引日の仕訳を考えましょう。

4月1日の仕訳
(借)リース資産 2,400,000 ※1
 (貸)リース債務 2,400,000

※1 @480,000円×5年=2,400,000円

 問題文に「利子込み法を適用する」とあるので、支払リース料総額2,400,000円(=@480,000円×5年)をリース資産・リース債務に計上します。

  • 利子込み法:支払リース料総額
  • 利子抜き法:見積現金購入価額
6月7日の仕訳
(借)普通預金 3,000,000
 (貸)国庫補助金受贈益 3,000,000

 受け取った補助金は国庫補助金受贈益で処理します。

7月28日の仕訳
(借)修繕引当金 420,000
(借)修繕費 280,000 ※2
 (貸)当座預金 700,000

※2 700,000円-420,000円=280,000円(貸借差額)

9月1日の仕訳
(借)機械装置 6,000,000
 (貸)現金 1,200,000
 (貸)当座預金 4,800,000 ※3

※3 6,000,000円-1,200,000円=4,800,000円(貸借差額)

9月2日の仕訳
(借)固定資産圧縮損 3,000,000
 (貸)機械装置 3,000,000

 国庫補助金受贈益として処理していた3,000,000円について、圧縮記帳により機械装置の帳簿価額を直接減額します。

12月1日の仕訳
(借)土地 14,000,000
 (貸)未払金 14,000,000
2月1日の仕訳
(借)未払金 7,000,000 ※4
 (貸)当座預金 7,000,000

※4 14,000,000円÷2=7,000,000円

3月31日の仕訳
(借)リース債務 480,000
 (貸)普通預金 480,000

 リース取引開始時の資料に「年間リース料:¥ 480,000(後払い)」とあるので、同額だけリース債務を減額します。

3月31日の決算整理仕訳
(借)減価償却費 720,000 ※5
 (貸)建物 720,000
(借)減価償却費 700,000 ※6
 (貸)機械装置 700,000
(借)減価償却費 480,000 ※7
 (貸)リース資産 480,000

※5 36,000,000円÷50年=720,000円

※6 3,000,000円×0.400×7か月/12か月=700,000円

※7 2,400,000円÷5年=480,000円

 建物の減価償却費は、取得原価を耐用年数で割って計算します。

 機械装置の減価償却費は、当期の使用期間が7か月(9月1日~3月31日)なので月割りで計算します。

 リース資産の減価償却費は、支払リース料総額をリース期間で割って計算します。なお、リース取引は当期首に行われているので、1年分をまるまる計上します(※月割り計算は不要)。

問1 勘定記入

 冒頭にも書きましたが、減価償却にかかる記帳方法は直接法です。この指示を読み落としてしまうと大失点につながってしまいますので、問題文を読んだ時点で丸で囲むなりアンダーラインを引くなりして目立たせておきましょう。

 建物勘定の「前期繰越」には、問題資料のデータから1年あたりの減価償却費が720,000円(=36,000,000円÷50年)、取得から前期末までに9年(平成20年4月1日~平成29年3月31日)が経過していることが分かるので、取得価額から減価償却累計額を差し引いた帳簿価額を記入します。

  • 取得価額:36,000,000円
  • 減価償却累計額:@720,000円×9年=6,480,000円
    • 帳簿価額:36,000,000円-6,480,000円=29,520,000円

 また、機械装置勘定の借方には「諸口」が入ります。うっかり「現金」や「当座預金」と書かないように気をつけてください。同様に、リース資産勘定の借方には「リース債務」が入ります。なんとなく「リース負債」と書かないように気をつけてください。

問2 税効果会計

問2の模範解答
(借)繰延税金資産 78,750 ※8
 (貸)法人税等調整額 78,750

※8 (700,000円-437,500円)×30%=78,750円

 問2では、2018年度から試験範囲に追加された「税効果会計の処理」が問われています。

 会計上の耐用年数で計算した減価償却費と、税法上の耐用年数で計算した減価償却費との差額を計算したうえで、法人税等の実効税率30%を乗じて金額を計算しましょう。

 なお、機械装置の当期の使用期間は7か月です。うっかり1年(12か月)で計算しないように気をつけましょう。

  • 会計上の耐用年数で計算した減価償却費:3,000,000円×0.4×7か月/12か月=700,000円
  • 税法上の耐用年数で計算した減価償却費:3,000,000円×0.25×7か月/12か月=437,500円
    • (700,000円-437,500円)×30%=78,750円

問3 連結会計(アップストリーム)

問3の模範解答(1)
(借)固定資産売却益 5,000,000 ※9
 (貸)土地 5,000,000
(借)非支配株主持分 1,250,000 ※10
 (貸)非支配株主に帰属する当期純利益 1,250,000

※9 14,000,000円-9,000,000円=5,000,000円

※10 5,000,000円×25%=1,250,000円

問3の模範解答(2)
(借)未払金 7,000,000 ※11
 (貸)未収入金 7,000,000

※11 14,000,000円÷2=7,000,000円

 問3では、2018年度から試験範囲に追加された「連結会計のアップストリームの処理」が問われています。

 (1)の「未実現損益の消去」については、12月1日の土地の売買取引は連結グループ内で土地の所有権が移動したに過ぎないので、子会社が計上していた固定資産売却益(未実現利益)を消去するとともに、消去した未実現利益のうち非支配株主に帰属する分(25%)を非支配株主に負担させます。

 (2)の「債権債務の相殺消去」については、2月1日に1回分の支払いを終えているので、連結修正仕訳では未だ残っている1回分の未収入金・未払金を相殺消去します。うっかり2回分を相殺消去しないように気をつけましょう。

第3問・貸借対照表(配点20点)

 貸借対照表の作成問題です。

 難度・ボリュームともに平均レベル以下の非常に簡単な問題なので、合格するためには短い解答時間で20点満点を取る必要があります。

未処理事項1
(借)当座預金 6,000
 (貸)償却債権取立益 6,000

 前期以前に貸倒れ処理していた売上債権を回収した場合、償却債権取立益で処理します。

未処理事項2
(借)当座預金 49,800
(借)手形売却損 200
 (貸)受取手形 50,000
未処理事項3
(借)建物 1,800,000
 (貸)建設仮勘定 1,200,000
 (貸)当座預金 600,000

 建設仮勘定を建物に振り替えるとともに、工事代金の残額の支払いを適切に処理しましょう。

決算整理事項1
(借)貸倒引当金繰入 4,600 ※1
 (貸)貸倒引当金 4,600

※1 (220,000円-50,000円+410,000円)×2%-7,000円=4,600円

 未処理事項2で貸方に計上した受取手形を忘れずに考慮しましょう。

決算整理事項2
(借)仕入 30,000
 (貸)繰越商品 30,000
(借)繰越商品 31,680
 (貸)仕入 31,680
(借)棚卸減耗損 180
(借)商品評価損 1,750
 (貸)繰越商品 1,930

 仕訳は上記のような形になりますが、解答を解くさいには仕訳を考える必要はありません。

 本問は貸借対照表の作成問題なので、解答に必要なのは実地棚卸高のみです。電卓でサクッと実地棚卸高29,750円(=@85円×350個)を計算しましょう。

決算整理事項3
(借)減価償却費 181,800
 (貸)建物減価償却累計額 105,000 ※2
 (貸)備品減価償却累計額 76,800 ※3

※2 3,000,000円÷30年+1,800,000円÷30年×1か月/12か月=105,000円

※3 (600,000円-216,000円)×20%=76,800円

 建物の減価償却費は、旧建物と新建物の金額を別々に計算しましょう。なお、新建物の使用期間は1か月(3月1日~3月31日)です。うっかり1年分を計上しないように気をつけましょう。

  • 旧建物の減価償却費:3,000,000円÷30年=100,000円
  • 新建物の減価償却費:1,800,000円÷30年×1か月/12か月=5,000円

 備品の減価償却費は、問題資料で償却率が与えられていないので「1÷耐用年数×200%」の公式に当てはめて償却率を計算しましょう。

  • 償却率:1÷10年×200%=20%
  • 備品の減価償却費:(600,000円-216,000円)×20%=76,800円
決算整理事項4
(借)満期保有目的債券 2,400 ※4
 (貸)有価証券利息 2,400

※4 (800,000円-788,000円)÷5年=2,400円

 償却原価法を適用して満期保有目的債券の評価替えを行います。なお、本債券は当期首に購入しているので、1年分をまるまる計上します(※月割り計算は不要)。

決算整理事項5
(借)退職給付費用 92,500
 (貸)退職給付引当金 92,500
決算整理事項6
(借)支払利息 5,600 ※5
 (貸)未払利息 5,600

※5 800,000円×1.2%×7か月/12か月=5,600円

 当期に属する7か月分(9月1日~3月31日)の利息を未払い計上しましょう。

決算整理事項7
(借)法人税、住民税及び事業税 125,000
 (貸)仮払法人税等 67,000
 (貸)未払法人税等 58,000 ※6

※6 125,000円-67,000円=58,000円(貸借差額)

 当期の納税額と仮払法人税等との差額を未払法人税等で処理します。

貸借対照表の繰越利益剰余金について

 繰越利益剰余金については、損益計算書を自作して当期純利益を計算し、これに決算整理前残高試算表の金額(100,000円)を加えて計算するか、もしくは答案用紙の貸借対照表の貸借差額で計算するかの2パターンの算定方法が考えられます。

 ただ、限られた解答時間の中で損益計算書を自作するのは現実的ではありませんし、貸借差額で計算する方法も未処理事項や決算整理事項の処理をひとつでも間違えると金額が合わなくなるため、基本的には「捨て問(解かずに捨てるべき問題)」と考えてください。

 解答時間が余った場合にのみ、答案用紙の貸借対照表の貸借差額でサクッと計算しましょう。

解答時のちょっとしたテクニック

 全体的な解答の流れとしては、まず問題資料の未処理事項および決算整理事項の仕訳を下書きし、答案用紙の貸借対照表を完成させる形が一般的ですが、下書きが完成した時点で損益計算書に関する勘定科目には打ち消し線を引いて集計から除外しましょう。

 本問は貸借対照表のみを作成する問題なので、損益計算書に関する勘定科目の増減は関係ありません。貸借対照表に関する勘定科目のみを効率よく集計するために、また集計漏れを防ぐために、集計作業に先立って損益計算書に関する勘定科目を除外しておくことをおすすめします。

第4問・費目別計算(配点20点)

 費目別計算の仕訳問題です。

 勘定連絡図(勘定の流れ)が頭の中に入っている方は、比較的簡単に解答できたと思います。

(1)材料の購入

(1)の仕訳
(借)材料 2,200,000 ※3
 (貸)買掛金 2,000,000 ※1
 (貸)材料副費 200,000 ※2

※1 @2,000円×800kg+@100円×3,000個+100,000円=2,000,000円

※2 2,000,000円×10%=200,000円

※3 2,000,000円+200,000円=2,200,000円(貸借差額)

 素材・買入部品・工場消耗品はいずれも材料に分類されるため、まずは3つの購入代価の合計額を計算しましょう。

 さらに、問題文に「購入に際しては、購入代価の10%を材料副費として予定配賦している」とあるので、購入代価の10%分を材料副費として処理しましょう。

  • 購入代価:@2,000円×800kg+@100円×3,000個+100,000円=2,000,000円
  • 材料副費:2,000,000円×10%=200,000円
    • 材料の購入原価:2,000,000円+200,000円=2,200,000円

(2)材料の消費

(2)の仕訳
(借)仕掛品 1,620,000 ※4
(借)製造間接費 80,000
 (貸)材料 1,700,000 ※5

※4 1,500,000円+120,000円=1,620,000円

※5 1,620,000円+80,000円=1,700,000円(貸借差額)

 直接材料費に分類される「素材」および「買入部品」の消費額は仕掛品、間接材料費に分類される「工場消耗品」の消費額は製造間接費に振り替えます。

  • 直接材料費:1,500,000円+120,000円=1,620,000円
  • 間接材料費:80,000円

 素材・買入部品・工場消耗品がパッとイメージできない方は、自動車製造工場で考えると分かりやすいかもしれません。「素材」は車のボディなどに使われる鉄鋼、「買入部品」はタイヤ、「工場消耗品」は機械にさす油などが該当します。

 鉄鋼やタイヤは車1台あたりにどれぐらい使うのが計算できる(=各製品に跡付けできる)ので直接材料費に分類されますが、機械にさす油は「工場全体で●リットル」「1か月に●リットル」としか把握できないので間接材料費に分類されます。

(3)賃金の消費

(3)の仕訳
(借)仕掛品 1,036,000 ※6
(借)製造間接費 386,000 ※7
 (貸)賃金・給料 1,422,000 ※8

※6 @1,400円×740時間=1,036,000円

※7 @1,400円×40時間+(350,000円+80,000円-100,000円)=386,000円

※8 1,036,000円+386,000円=1,422,000円(貸借差額)

 直接工の直接作業にかかる賃金の消費額は仕掛品、直接工の間接作業にかかる賃金の消費額および間接工の賃金の消費額は製造間接費に振り替えます。

  • 直接労務費:@1,400円×740時間=1,036,000円
  • 間接労務費:@1,400円×40時間+(350,000円+80,000円-100,000円)=386,000円

 なお、貸方の勘定科目は「賃金・給料」です。「賃金給料」や「賃金」では不正解になる可能性が高いので、問題に列挙されている勘定科目をきちんと使いましょう。

(4)賃率差異の計上

(4)の仕訳
(借)賃率差異 48,000 ※9
 (貸)賃金・給料 48,000

※9 1,092,000円-1,140,000円=▲48,000円

 予定賃率にもとづく消費賃金を計算するさいには、直接作業時間と間接作業時間の合計時間を使うのがポイントです。直接作業時間だけで計算しないように気をつけましょう。

  • 予定賃率にもとづく消費賃金:@1,400円×(740時間+40時間)=1,092,000円
  • 実際消費賃金:1,120,000円+80,000円-60,000円=1,140,000円
    • 賃率差異:1,092,000円-1,140,000円=▲48,000円(不利差異)

(5)製造間接費の予定配賦

(5)の仕訳
(借)仕掛品 1,110,000 ※10
 (貸)製造間接費 1,110,000

※10 @1,500円×740時間=1,110,000円

 問題文の「当工場の年間の固定製造間接費予算は8,100,000円、年間の変動製造間接費予算は5,400,000円であり、年間の予定総直接作業時間は9,000時間」から、予定配賦率(変動費率・固定費率)を計算することができます。

 さらに、予定配賦率に直接作業時間を乗じて予定配賦額を計算しましょう。

  • 予定配賦率:@600円+@900円=@1,500円
    • 変動費率:5,400,000円÷9,000時間=@600円
    • 固定費率:8,100,000円÷9,000時間=@900円
  • 予定配賦額:@1,500円×740時間=1,110,000円

第5問・直接原価計算(配点20点)

 直接原価計算(CVP分析)に関する問題です。

 問1から問4はテキストの確認問題レベルですし、問5の高低点法による変動費率の計算も簿記ナビ模試でガッツリ出題していたので、きちんと対策していた方にとってはボーナス問題だったと思います。

 なお、問1と問5は「%」で解答する必要があるため、「37」「2.4」が正解になります。「0.37」「0.024」で解答した場合は不正解になるので、ケアレスミスにはじゅうぶん気をつけてください。

問1 変動費率の計算

 変動費の合計額は1,295,000円なので、この1,295,000円を売上高3,500,000円で除して変動費率0.37(37%)を求めましょう。

  • 変動費:805,000円+420,000円+70,000円=1,295,000円
  • 固定費:650,000円+515,000円+440,000円+285,000円=1,890,000円

問2 損益分岐点売上高

 売上高をSと置くと、変動費は0.37S(※問1より)、貢献利益は0.63S(=売上高-変動費)と表すことができます。「貢献利益-固定費総額=0」という1次方程式を作って、損益分岐点売上高を求めましょう。

  • 売上高:S
  • 変動費:0.37S
  • 貢献利益:0.63S(=S-0.37S)
  • 月間固定費:1,890,000円
  • 0.63S-1,890,000円=0
  • S=3,000,000円

問3 目標営業利益を達成するために必要な売上高

 問2と同様に「貢献利益-固定費総額=目標利益」という1次方程式を作って、目標営業利益630,000円を達成するために必要な売上高を求めましょう。

  • 売上高:S
  • 変動費:0.37S
  • 貢献利益:0.63S(=S-0.37S)
  • 月間固定費:1,890,000円
  • 月間目標利益:630,000円
  • 0.63S-1,890,000円=630,000
  • S=4,000,000円

問4 11月の利益計画における貢献利益と営業利益

 本問における貢献利益は0.63S、営業利益は0.63S-1,890,000円と表すことができるので、このSに11月の予想売上高3,750,000円を代入して貢献利益・営業利益の金額を求めましょう。

  • 貢献利益:0.63×3,750,000円=2,362,500円
  • 営業利益:0.63×3,750,000円-1,890,000円=472,500円

問5 売上高に対する水道光熱費の変動費率

 本問は高低点法による場合の変動費率が問われているので、まず、一番高い数字(8月)と一番低い数字(6月)の売上高および水道光熱費の差額を求めましょう。

  • 売上高:4,095,000円-3,345,000円=750,000円
  • 水道光熱費:527,000円-509,000円=18,000円

 両者の差額を求めたら、水道光熱費18,000円を売上高750,000円で除して、売上高に対する水道光熱費の変動費率0.024(2.4%)を求めましょう。


解答速報まとめ&難易度アンケート
簿記3級 簿記2級 簿記1級