書籍概要

  1. 第150回をあてるTAC直前予想 日商簿記2級

    教材種別:
    予想問題集
    出版社:
    TAC出版
    問題数:
    4回分
    ページ数:
    224ページ
    サイズ:
    29.7 × 21 × 2 cm
    価格:
    1,620円(税込)

     第150回日商簿記2級対策用の予想問題集です。4回分の試験問題(第1予想・第2予想・第3予想・プラスワン予想)の他に、切り離して使える仕訳カード(全50問)が付いています。

     また、第150回試験の大問別の出題予想、集中学習論点シート、過去の出題傾向と対策など…独学者にとって有益な情報が多数掲載されています。

    管理人のレビュー

     TACの予想問題集の一番のウリは「解説が充実している」点です。

     「合格る(うかる)タイムライン」では、時間配分や各問題ごとの解答ポイントが分かりやすくまとめられており、「合格る(うかる)下書用紙」では、各問題の下書きの書き方が数ページにわたって詳細にまとめられています。解説がここまで詳しい予想問題集は他にありません。

    合格る(うかる)タイムライン
    合格る(うかる)タイムライン

    合格る(うかる)下書用紙
    合格る(うかる)下書用紙

     また、全ての問題について「解き方レクチャー(TAC無敵のプレミアム講義)」という無料の解説動画が用意されています。プロ講師による解説講義を気軽に受けられるのは、独学受験生にとっては嬉しいサービスではないでしょうか。

    解き方レクチャーの案内(15ページ下)
    解き方レクチャーの案内(15ページ下)

    TAC無敵のプレミアム講義の案内
    TAC無敵のプレミアム講義の案内

     第149回試験の的中実績や新出題区分の情報、第150回試験の出題予想なども掲載されています。

    前回の的中実績はこんな感じです
    前回の的中実績はこんな感じです

    新出題区分の情報と出題予想
    新出題区分の情報と出題予想

     本体の最後のほうに綴じられている問題用紙・答案用紙・計算用紙(白紙)は、水色の紙を残してグッと引き抜くと簡単に取り外すことができます。

    こんな感じで綴じられています
    こんな感じで綴じられています

    青紙を残してグッとひっぱりましょう
    青紙を残してグッとひっぱりましょう

    4回分の予想問題+下書用紙
    4回分の予想問題+下書用紙

    1回分の問題用紙と答案用紙
    1回分の問題用紙と答案用紙

     最後に付録の仕訳カードをご紹介いたします。

     「左上のリングを通す部分」や「各仕訳カードの境界線」にミシン目加工が入っているので、簡単にカードを切り離してリング穴を作ることができます。紙質もしっかりしているので使いやすいです。

     なお、問題集にリングは付いていません。仕訳カード50枚を重ねると結構な厚みになるので、なるべく輪の直径が大きいリングをご用意ください(※私は100均で購入しました)。

    仕訳カード1
    こんな感じで綴じられています

    仕訳カード2
    本体から切り離します

    仕訳カード3
    リングを通すとこんな感じです

    仕訳カード4
    重要度(AorB)で色分けされています

    仕訳カード5
    仕訳だけでなく空欄補充問題もあります

    仕訳カード6
    工業簿記の仕訳も確認できます

     予想問題集の価格は1,620円(税込)です。なお、TACの直販サイト「CyberBookStore」では定価の10%~15%オフ&送料無料で購入することができます。

     また、下で紹介している直前対策本との2冊セットも販売されています。こちらはさらに5%オフになるので、結果的に定価の15%~20%オフ&送料無料で購入することができます。両方買う予定のある方は、ぜひセットのほうをお買い求めください。

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無敵の簿記(直前対策本)との違いは?

  1. 無敵の簿記2級 第150回直前総まとめ
    教材種別:
    直前対策本
    出版社:
    TAC出版
    問題数:
    1回分
    ページ数:
    248ページ
    サイズ:
    25.7 × 18.2 × 2 cm
    価格:
    1,620円(税込)

    予想問題集と直前対策本の違い

     第150回日商簿記2級対策用の直前対策本です。一発的中予想問題(1回分)の他に、誌上講義や全国のTAC講師による「出題予想ランキング」、各問題ごとの攻略法を分かりやすくまとめた「日商2級出た順マスター」などが収載されています。

     受験生の方から「TACの予想問題集と直前対策本の違いはなんですか?」という質問をよくいただきますが、予想問題集は主に本試験で出題が予想される問題をたくさん解くために使う教材なのに対し、直前対策本は主に本試験に関する幅広い情報を効率的に収集するために使う教材です。

     確かに「出題予想や予想問題が付いている」などの共通点もありますが、出題予想の切り口も違いますし、収載されている予想問題も内容が異なりますので、可能であれば両方を使って勉強することをおすすめします。

     直前対策本の価格は1,620円(税込)です。なお、TACの直販サイト「CyberBookStore」では定価の10%~15%オフ&送料無料で購入することができます。

     また、上で紹介している予想問題集との2冊セットも販売されています。こちらはさらに5%オフになるので、結果的に定価の15%~20%オフ&送料無料で購入することができます。両方買う予定のある方は、ぜひセットのほうをお買い求めください。

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管理人が実際に問題を解いてみました!

 今回も全ての問題を解きましたが、全体的に難しめに作られていると感じました。

 特に「第1予想の第3問」「プラスワン予想の第2問」は、日頃から簿記の問題を作っている私でも難しく感じたので、受験生の方が解くのは大変だと思います。

 よって、1回目は制限時間内に終わらなくても気にする必要はありません。また、合格点が取れなくても心配不要です。あなただけでなく、ほとんどの受験生が同じ状態です。2回目で合格点が取れるように、きちんと復習しておきましょう。

 また、私の解答時間と各問題の配点は以下のとおりです。こうやって数字を並べますと…同じ20点の配点にもかかわらず、問題によって解答時間に大きな差があることが分かります。

 本試験では「得意な問題or点数の取りやすい問題」から優先的に解くのが鉄則なので、簿記2級に関しては第1問の仕訳問題や第4問・第5問の工業簿記から解答したほうが得点効率が良さそうです。

管理人の解答時間+配点
第1問 第2問 第3問 第4問 第5問 合計
第1予想 5分 19分 27分 6分 10分 67分
第2予想 7分 9分 15分 6分 6分 43分
第3予想 5分 5分 17分 5分 5分 37分
プラスワン予想 6分 23分 19分 8分 6分 62分
配点 20点 20点 20点 20点 20点 100点

第1予想の解説

 第1問は、仕訳問題5問です。

 問1の外貨建取引は、為替予約をした時点で支払額が確定するので、「帳簿価額」と「予約時の為替相場で換算した金額」との差額を為替差損益で処理します。

  • 帳簿価額:@108円×10,000ドル=1,080,000円
  • 予約時の為替相場で換算した金額:@112円×10,000ドル=1,120,000円
    • 為替差損益:1,120,000円-1,080,000円=40,000円

 なお、問題文末尾の「本日の為替相場は1ドル ¥ 115 であった」はダミーデータです。引っかからないように気をつけましょう。

 問2の固定資産の買い替えは、解説3・4ページのように「旧備品の売却」と「新備品の購入」の仕訳を分けて考え、最後に2本の仕訳をまとめて解答を導き出しましょう。

 また、直接法による仕訳は、間接法による仕訳を考えたうえで、車両運搬具(固定資産)と減価償却累計額を相殺する形で導き出すと簡単です。

 問5の剰余金の配当・処分は、準備金の積み立てがポイントです。

 まず、4分の1規定の積立可能額154,000円を把握したうえで、10分の1規定の要積立額175,000円と比較して、どちらか小さいほうの金額が利益準備金積立額になります。

  • 積立可能額:21,000,000円÷4-4,200,000円-896,000円=154,000円
  • 要積立額:1,750,000円÷10=175,000円
    • 積立額:154,000円<175,000円 → 154,000円

 第2問は、現金・預金(銀行勘定調整表)に関する問題です。

 設問1の甲銀行の当座預金残高は、問題資料から仕訳を起こして金額を集計するだけですが、問題文に「資料Ⅰにもとづき」とあるので、資料Ⅱの決算整理事項を考慮しないように気をつけましょう。

 設問2の(1)は、設問1と同様に、問題資料から仕訳を起こしたうえで乙銀行の当座預金勘定を完成させます。なお、摘要欄については特に指示がないため、分かりやすい語句を記入しておけばOKですが、一番下が次月繰越ではなく次期繰越になる点だけはきちんと確認しておきましょう。

 設問2の(2)では銀行残高基準法による銀行勘定調整表を作成する必要がありますが、まず両者区分調整法による銀行勘定調整表を自作すると分かりやすいです。

 解答するさいは、解説8ページに掲載されている両者区分調整法による銀行勘定調整表をサクッと下書きしましょう。この表をきちんと書けるかどうかが、本問の1番のポイントです。

  1. 「両者区分調整法による銀行勘定調整表」を自作する
  2. 調整後の当座預金の金額を把握する(本問は1,122,750円
  3. 1.を参考にして、答案用紙の「銀行残高基準法による銀行勘定調整表」を完成する

 設問2の(3)では、現金および預金の金額が問われています。うっかり現金の金額を足し忘れないように気をつけましょう。


 第3問は、財務諸表(貸借対照表)の作成問題です。

 本問は、資料Ⅱの決算整理事項等のボリュームが大きいので、解答するのはかなり大変です。1回目で点数が取れなくても気にする必要はないので、2回目で満点が取れるようにきちんと復習しておきましょう。


 決算整理事項等1の「仕入・売上の処理」は、本問は検収基準を採用しているため、検収が終わったもののみを仕入・売上計上します。よって、未検収の1は「仕訳なし」になります。


 決算整理事項等4の「定期預金」は、決算日の翌日から起算して1年以内に満期日が到来するかチェックしましょう。本問の定期預金は1年以内に満期日が到来しないので、現金預金を長期性預金(固定資産)に振り替えます。

 第3問で貸借対照表作成問題が出題される場合は必ずと言っていいほど定期預金・貸付金・借入金の1年基準による長短分類が問われるので、きちんと分類できるように準備しておきましょう。

  • 定期預金
    • 決算日の翌日から起算して1年以内に満期日が到来するもの:現金預金など(流動資産)
    • 決算日の翌日から起算して1年を超えて満期日が到来するもの:長期性預金(固定資産)
  • 貸付金
    • 決算日の翌日から起算して1年以内に返済日が到来するもの:短期貸付金(流動資産)
    • 決算日の翌日から起算して1年を超えて返済日が到来するもの:長期貸付金(固定資産)
  • 借入金
    • 決算日の翌日から起算して1年以内に返済日が到来するもの:短期借入金(流動負債)
    • 決算日の翌日から起算して1年を超えて返済日が到来するもの:長期借入金(固定負債)

 決算整理事項等6の「売上原価の算定」は、問題資料の「上記1.の未検収分を含む」に注意しましょう。検収基準による期末商品の実際棚卸高は787,500円(=892,500円-105,000円)になるので、この金額と正味売却価額756,000円との差額を商品評価損で処理しましょう。

 決算整理事項等8の「有価証券」は、売買目的有価証券とその他有価証券を時価評価し、満期保有目的債券には償却原価法を適用して評価替えします。子会社株式は時価評価しません。

 なお、その他有価証券は、問題文に「法定実効税率を40%として税効果会計を適用する」とあるので、税効果会計の処理を忘れないように気をつけましょう。

参考・その他有価証券の時価評価に関する仕訳
(借)繰延税金資産 8,400 ※2
(借)その他有価証券評価差額金 12,600 ※3
 (貸)その他有価証券 21,000 ※1

※1 378,000円-357,000円=21,000円

※2 21,000円×40%=8,400円

※3 21,000円-8,400円=12,600円(貸借差額)


 決算整理事項等9の「リース会計」では、利子抜き法による処理が問われています。本試験では利子込み法が問われる可能性もじゅうぶんあるので、この機会に両者の処理の違いをきちんと押さえておきましょう。

 なお、1回目のリース料の支払いに関しては期中(3月31日)に既に支払い済みなので、決算整理で二重に処理しないように気をつけましょう(※資料Ⅰの残高試算表の「リース債務 1,260,000」参照)。

リース契約時の仕訳(利子抜き法)
(借)リース資産 1,575,000
 (貸)リース債務 1,575,000
リース料支払時の仕訳(利子抜き法)
(借)リース債務 315,000
(借)支払利息 31,500
 (貸)現金など 346,500
減価償却の仕訳(利子抜き法)
(借)減価償却費 315,000
 (貸)リース資産減価償却累計額 315,000
リース契約時の仕訳(利子込み法)
(借)リース資産 1,732,500
 (貸)リース債務 1,732,500
リース料支払時の仕訳(利子込み法)
(借)リース債務 346,500
 (貸)現金など 346,500
減価償却の仕訳(利子込み法)
(借)減価償却費 346,500
 (貸)リース資産減価償却累計額 346,500

 なお、リース債務に関しては1年基準による長短分類が必要になります(※考え方は借入金と同じです)。

  • リース債務の分類
    • 決算日の翌日から起算して1年以内に支払日が到来するもの:リース債務 (流動負債)
    • 決算日の翌日から起算して1年を超えて支払日が到来するもの:長期リース債務(固定負債)
  • 本問に当てはめると…
    • 平成31年度末に支払日が到来する315,000円リース債務 (流動負債)
    • 平成32・33・34年度末に支払日が到来する945,000円長期リース債務(固定負債)

 決算整理事項等11の「ソフトウェア」は、問題文の「前期の期首に取得したもの」から、前期末(平成29年3月31日)時点で1年分(平成28年4月~平成29年3月)の償却が済んでいることが分かります。

 よって、残りの償却期間4年で、決算整理前残高試算表のソフトウェアの金額105,000円を均等償却します。


 決算整理事項等13の「保険料」は、1年基準による長短分類がポイントです。

  • 保険料
    • 当期に属する分:保険料(費用処理)
    • 決算日の翌日から起算して1年以内のもの前払費用(流動資産)
    • 決算日の翌日から起算して1年を超えるもの長期前払費用(固定資産)
  • 本問に当てはめると…
    • 当期負担分63,000円:保険料(費用処理)
    • 翌期負担分189,000円:前払費用(流動資産)
    • 翌々期負担分126,000円:長期前払費用(固定資産)

 決算整理事項等15の「法人税等」は、確定税額1,346,100円をそのまま「法人税、住民税および事業税」に計上するとともに、仮払法人税等525,000円との差額を未払法人税等で処理します。仮払法人税等を考慮し忘れないように気をつけてください。


 決算整理事項等16の「税効果会計」は、問題資料から将来減算一時差異が5,250円(=57,750円-52,500円)増加していることが分かるので、その40%分だけ繰延税金資産を追加計上します。

繰越利益剰余金の取り扱い

 通常の貸借対照表作成問題の場合、繰越利益剰余金の金額は、損益計算書を自作して「決算整理前の繰越利益剰余金+当期純利益」を計算するか、貸借対照表の貸借差額で計算する必要があるため、最初から捨ててしまうことが多いです。

 ただ、本問の場合は各合計の金額が最初から入っている珍しいパターンの問題なので、貸借差額でサクッと金額を計算しましょう。

解答時のちょっとしたテクニック

 解答の流れは、まず資料Ⅱの決算整理事項等の仕訳を下書きし、答案用紙の貸借対照表を完成させる形が一般的かと思いますが、下書きが完成した時点で損益計算書に関する勘定科目には打ち消し線を引いて集計から除外しましょう。

 本問は貸借対照表のみを作成する問題なので、損益計算書に関する勘定科目の増減は関係ありません。貸借対照表に関する勘定科目のみを効率よく集計するために、また集計漏れを防ぐために、集計作業に先立って損益計算書に関する勘定科目を除外しておくことをおすすめします。

 また、貸借対照表の貸倒引当金や減価償却累計額の金額の前には、マイナスを意味する「▲」マーク等を付けてはいけません(※勝手に付けると不正解になります)。本問のように特段の指示がない場合は、金額だけを記入しましょう。


 第4問は、標準原価計算に関する問題です。

 標準原価計算はここ最近、第4問・第5問の両方でよく出題されています。第150回試験に関しても、シングルプラン・パーシャルプランのどちらが出題されてもおかしくない状況です。どちらが出題されても対応できるように準備しておきましょう。

  • シングルプラン:各費目別の勘定で原価差異を求める(※仕掛品勘定に原価差異は計上されない)
  • パーシャルプラン:仕掛品勘定で原価差異を求める

 なお、問題文に「必要のない( )には0(ゼロ)を記入すること」という指示があるので、不要な金額欄にはゼロを記入しましょう。

 本問の解答にあたっては、解説22ページで紹介されている勘定連絡図を頭の中にイメージできるかどうかがポイントになります。復習するさいは、なにも見ないで正確に書けるか必ず確認しておきましょう。


 第5問は、直接原価計算&全部原価計算に関する問題です。

 本問の一番のポイントは、固定製造間接費の取り扱いです。全部原価計算の場合は、固定製造間接費も製品の原価に集計しますが、直接原価計算の場合は製品の原価に集計せずに期間原価として処理します。

 上記のような取り扱いの違いにより、全部原価計算の営業利益と直接原価計算の営業利益は、期首・期末に含まれる固定製造間接費の分だけ金額がズレます。

部原価計算による営業利益-接原価計算による営業利益=期製品に含まれる固定製造間接費の金額-期製品に含まれる固定製造間接費の金額

 この関係式には「全直末首(ぜんちょくまっしゅ)」という便利な語呂がありますので、この機会に語呂をしっかり押さえておきましょう。

 本問の場合、前期末(当期首)に500個の製品が残っているため、この製品に含まれる固定製造間接費750,000円(=4,500,000円×500個/3,000個)だけ営業利益がズレます。

  • 全部原価計算による第3期の営業利益:3,750,000円
  • 直接原価計算による第3期の営業利益:4,500,000円
★第1予想の「各問題の難度」と「解答時間の目安」
準備 第1問 第2問 第3問 第4問 第5問 見直し
普通 普通 難しい 簡単 普通
5分 10分 30分 40分 10分 15分 10分

第2予想の解説

 第1問は、仕訳問題5問です。

 問1のリース会計は、オペレーティング・リース取引の処理が問われています。リース料の支払総額(15,750,000円)をリース期間(36か月)で除して、当月分を月割計上しましょう。

 なお、問題文の「コピー機の見積現金購入価額は ¥ 13,230,000」はダミーデータです。こちらの金額を使わないように気をつけましょう。

 問2の検収基準の処理は、検収が完了した17個分の売上を計上します。なお、返品されることになった3個分については売上を計上していないので、返品の処理は不要です。

 問4の連結会計はアップストリームの処理が問われているので、消去した未実現利益250,000円(=2,000,000円-1,750,000円)のうち、非支配株主にかかる分50,000円(=250,000円×20%)を非支配株主持分に振り替えます。


 第2問は、連結会計に関する仕訳問題です。

 問1では連結第2年度の仕訳が問われていますが、難度はテキストの確認問題レベルです。問題に列挙されている勘定科目を使って確実に解答しましょう。

 問2では連結貸借対照表・連結損益計算書の各金額が問われています。。こちらも問1と同様にテキストの確認レベルの処理が多いですが、アップストリームの処理が問われている(7)(8)には気をつけましょう。

 消去した未実現利益80,000円(=320,000円×25%)のうち、非支配株主にかかる分32,000円(=80,000円×40%)を非支配株主持分に振り替えます。


 第3問は、サービス業に関する財務諸表(損益計算書)の作成問題です。

 次に損益計算書の作成問題が出題される場合、本問のようなサービス業の問題になる可能性が高いと言われています。本問を使って役務収益・役務原価の処理をきちんと押さえておきましょう。

 決算整理事項等1~2の「役務収益・役務原価の処理」は指示に従って処理するだけですが、役務原価は「人件費」と「その他」に分けて把握する必要があるので、仕訳を下書きするさいには「役原(人)」「役原(他)」などのように勘定科目を使い分けましょう。

 決算整理事項等3の「現金過不足」は、決算整理事項等2で減額した現金を忘れずに加味しましょう。

 決算整理事項等6の「減価償却」は、改定償却率を使った処理が問われています。重要度は低いものの、理屈が分かっていれば簡単に処理できる論点なので、この機会に計算の流れ・考え方をマスターしておきましょう。

 決算整理事項等7の「減価償却」は、あまり見かけない形ですが指示に従って処理するだけです。この辺はノーミスで解答したいところです。

 決算整理事項等10の「法人税等」は、確定税額226,120円(=565,300円×40%)をそのまま「法人税、住民税および事業税」に計上するとともに、仮払法人税等125,000円との差額を未払法人税等で処理します。仮払法人税等を考慮し忘れないように気をつけてください。

 決算整理事項等11の「税効果会計」は、問題資料から将来減算一時差異が337,500円(=675,000円-337,500円)増加していることが分かるので、その40%分だけ繰延税金資産を追加計上します。

解答時のちょっとしたテクニック

 解答の流れは、まず資料Ⅱの決算整理事項等の仕訳を下書きし、答案用紙の損益計算書を完成させる形が一般的かと思いますが、下書きが完成した時点で貸借対照表に関する勘定科目には打ち消し線を引いて集計から除外しましょう。

 本問は損益計算書のみを作成する問題なので、貸借対照表に関する勘定科目の増減は関係ありません。損益計算書に関する勘定科目のみを効率よく集計するために、また集計漏れを防ぐために、集計作業に先立って貸借対照表に関する勘定科目を除外しておくことをおすすめします。


 第4問は、部門別個別原価計算に関する問題です。

 本問は、予定配賦率の計算がポイントになりますが、それさえクリアできればあとはパズル感覚で金額を埋めていくだけです。短い解答時間で20点満点を狙いましょう。

  • 工場全体の年間製造間接費予算:18,900,000円
  • 工場全体の年間予定直接作業時間:2,700時間
    • 工場全体の総括配賦率:18,900,000円÷2,700時間=@7,000円
    • 予定配賦額:@7,000円×220時間=1,540,000円
    • 製造間接費配賦差異:1,540,000円-1,592,500円=▲52,500円(借方差異)
  • 第1製造部の年間製造間接費予算:7,840,000円+1,260,000円+560,000円=9,660,000円
  • 第1製造部の年間予定直接作業時間:1,500時間
    • 第1製造部の予定配賦率:9,660,000円÷1,500時間=@6,440円
    • 予定配賦額:@6,440円×115時間=740,600円
    • 予算差異:@6,440円×125時間-787,500円=+17,500円(貸方差異)
    • 操業度差異:740,600円-@6,440円×125時間=▲64,400円(借方差異)
  • 第2製造部の年間製造間接費予算:6,650,000円+1,890,000円+700,000円=9,240,000円
  • 第2製造部の年間予定直接作業時間:1,200時間
    • 第2製造部の予定配賦率:9,240,000円÷1,200時間=@7,700円
    • 予定配賦額:@7,700円×105時間=808,500円

 第5問は、標準原価計算に関する問題です。

 本問で問われているパーシャルプランは、配賦額のみ実際原価、それ以外を全て標準原価で記帳するので、仕掛品勘定において原価差異(=標準配賦額と実際配賦額との差額)が発生します。

  • シングルプラン:各費目別の勘定で原価差異を求める
  • パーシャルプラン:仕掛品勘定で原価差異を求める

 問2以降で問われている各差異については、解説52・53ページで紹介されているボックス図・シュラッター図を書いて機械的に計算するだけです。

 なお、問5の能率差異に関しては、問題文に「能率差異は変動費のみから生じる」という指示があるので、固定費部分の能率差異は操業度差異に含めて処理しましょう。

★第2予想の「各問題の難度」と「解答時間の目安」
準備 第1問 第2問 第3問 第4問 第5問 見直し
普通 簡単 普通 簡単 簡単
5分 15分 20分 40分 15分 15分 10分

第3予想の解説

 第1問は、仕訳問題5問です。

 問2のソフトウェアの処理は、保守費用1,600,000円の処理がポイントです。

 通常は、前払費用または長期前払費用などで処理しますが、問題に列挙されている勘定科目の中に長期前払費用はある(前払費用はない)ので、長期前払費用で処理すると判断します。

 なお、本問では問われていませんが、決算整理時に決算日の翌日から起算して1年以内の分については長期前払費用から前払費用に振り替えます。

  • 費用の前払い
    • 当期に属する分:保守費など(費用処理)
    • 決算日の翌日から起算して1年以内のもの前払費用(流動資産)
    • 決算日の翌日から起算して1年を超えるもの長期前払費用(固定資産)

 問5の社会保険料の支払いは、社会保険料の会社負担分を法定福利費で費用処理するのがポイントです。

 福利厚生費と法定福利費は、「福利厚生費=法定福利費+法定外福利費」という関係式で表すことができます。福利厚生費という大きい袋の中に、法定福利費という小さい袋が入っているイメージです。

  • 法定福利費:社会保険料の会社負担分(→法律で決まっている)
  • 法定外福利費:社員旅行の費用、住宅手当など(→企業が任意に設定する)

 仕訳問題は「最も適当と思われるもの」で解答する必要があるため、福利厚生費ではなく法定福利費で処理しましょう。


 第2問は、課税所得の計算&税効果会計の複合問題です。

 簿記2級の税効果会計に関しては、覚えることは2つだけです。

 ひとつは「損金不算入が増加したら繰延税金資産を追加計上する」です。

損金不算入が増加したさいの仕訳
(借)繰延税金資産 ×××
 (貸)法人税等調整額 ×××
損金不算入が減少したさいの仕訳
(借)法人税等調整額 ×××
 (貸)繰延税金資産 ×××

 もうひとつは、その他有価証券の決算整理仕訳の考え方です。以下の順番で考えましょう。

  1. 取得原価と時価との差額を借方または貸方に書く。
  2. 差額に法人税の実効税率を乗じた金額を①と反対側に書く。勘定科目は借方なら繰延税金資産、貸方なら繰延税金負債。
  3. 貸借差額をその他有価証券評価差額金で処理する。

 上記のことを頭に入れたうえで、資料2の会計上と税法上の差異を処理しましょう。

 (1)は損金不算入が7,000円増えて、5,500円減っているので、純増額の1,500円に法定実効税率40%を乗じて調整額600円を求めましょう。

(1)の仕訳
(借)繰延税金資産 600
 (貸)法人税等調整額 600

 (2)は損金不算入が9,000円増えているので、これに法定実効税率40%を乗じて調整額3,600円を求めましょう。

(2)の仕訳
(借)繰延税金資産 3,600
 (貸)法人税等調整額 3,600

 (3)は資料1の決算整理前残高試算表の「その他有価証券 20,000」から、再振替仕訳が行われていないことが分かるので、再振替仕訳を行ったうえで、当期末の仕訳を考えましょう。

(3)の仕訳:前期末の仕訳
(借)繰延税金資産 1,200
(借)その他有価証券評価差額金 1,800
 (貸)その他有価証券 3,000
(3)の仕訳:再振替仕訳
(借)その他有価証券 3,000
 (貸)繰延税金資産 1,200
 (貸)その他有価証券評価差額金 1,800
(3)の仕訳:当期末の仕訳
(借)その他有価証券 2,000
 (貸)繰延税金負債 800
 (貸)その他有価証券評価差額金 1,200

 なお、決算整理後の繰延税金資産の金額は13,600円、繰延税金負債の金額は800円になるので、両者を相殺した純額12,800円を貸借対照表の固定資産の「繰延税金資産」に表示します。

  • 繰延税金資産・繰延税金負債の貸借対照表の表示方法
    • 「繰延税金資産>繰延税金負債」の場合:純額を固定資産の「繰延税金資産」に表示
    • 「繰延税金資産<繰延税金負債」の場合:純額を固定負債の「繰延税金負債」に表示
  • 本問の場合は…
    • 決算整理後の繰延税金資産:決算整理前残高10,600円+600円+3,600円-1,200円=13,600円
    • 決算整理後の繰延税金負債:解答仕訳⑥-1の800円
    • 純額12,800円(=13,600円-800円)を貸借対照表の固定資産の「繰延税金資産」に表示

 第3問は、連結会計に関する問題です。

 本問はスタンダードな連結精算表の作成問題で、ひっかけポイントや難しい処理もないので、合格するためには短い解答時間で20点満点を取りたい問題です。スラスラ解けるようになるまで何度も繰り返し解いてください。

 なお、連結精算表は必ず損益計算書→株主資本等変動計算書→貸借対照表の順番に金額を埋めていきましょう。


 第4問は、個別原価計算に関する問題です。

 本問はまず、9月1日・9月末日の各製造指図書の進捗状況を把握しましょう。

  • 9月1日
    • #07:完成済み・未引き渡し(期首製品)
  • 9月末日
    • #12:完成・引き渡し済み(売上原価)
    • #12-2:完成・引き渡し済み(売上原価)
    • #13:完成済み・未引き渡し(期末製品)
    • #14:仕掛中(期末仕掛品)

 あとは解説76ページに掲載されているような原価計算表を自作して計算するだけですが、仕掛品勘定の直接材料費・直接労務費・製造間接費の各金額は、当期に投入した#12~#14にかかる分の合計額です。#07の金額を含めないように気をつけてください。


 第5問は、単純総合原価計算に関する問題です。

 工程の始点で投入される「イ材料」は特に問題ないと思いますが、工程の20%で投入される「ロ材料」、工程の80%で投入される「ハ材料」の処理がポイントになります。

 「ロ材料」は完成品や進捗度30%の月初仕掛品、進捗度50%の月末仕掛品には投入されていますが、「ハ材料」は進捗度30%の月初仕掛品、進捗度50%の月末仕掛品には投入されていないため、月初仕掛品・月末仕掛品の数量はゼロになります。

 このポイントさえきちんと処理できれば、あとは各仕掛品の完成品原価・月末仕掛品原価を計算するだけです。

★第3予想の「各問題の難度」と「解答時間の目安」
準備 第1問 第2問 第3問 第4問 第5問 見直し
簡単 簡単 簡単 簡単 簡単
5分 15分 25分 35分 15分 15分 10分

プラスワン予想の解説

 第1問は、仕訳問題5問です。

 問1の外貨建取引は、先に前払金・買掛金の金額を埋めたあとに貸借差額で仕入の金額を計算するのがポイントです。

 問3の配当金の処理は、源泉所得税を仮払法人税等で処理する点がポイントです。

 なお、源泉所得税を控除後の金額が600,000円なので、貸方に計上する受取配当金の金額は750,000円(=600,000円÷80%)になります。

 問5の固定資産の割賦購入は、購入時に利息相当額を支払利息で処理するパターンもあるので、念のために処理方法を確認しておきましょう。

  • 購入時に利息相当額を前払利息で処理する場合:決算時に(当期に属する分を)前払利息から支払利息に振り替える
  • 購入時に利息相当額を支払利息で処理する場合:決算時に(次期以降に属する分を)支払利息から前払利息に振り替える

 第2問は、本支店会計に関する問題です。

 本支店会計は第149回試験で出題されたばかりなので、第150回試験で出題される可能性はかなり低いです。保険的な位置づけで一連の流れを押さえておきましょう。

 建物に関しては1年分の減価償却費を計算するだけですが、問題資料に「計算にあたってはこの表の数値を用いること」とあるので、5,000,000円を30年で割るのではなく、5,000,000円に0.033を乗じて計算しましょう(私は割り切れなくて焦りました…)。

 備品に関しては、解説93ページ以降では「本店の仕訳」と「支店の仕訳」がまとめて紹介されていますが、実際に問題を解くさいは「本店の仕訳」と「支店の仕訳」は分けて下書きしたほうが分かりやすいです。ひとつひとつ丁寧に処理しましょう。


 第3問は、財務諸表(損益計算書・株主資本等変動計算書・貸借対照表)の作成問題です。

 本問は、損益計算書・株主資本等変動計算書・貸借対照表の3つを作成しなければいけないので、解答するのにかなり時間がかかりますが、この3つの財務諸表がどのようにつながっているかを確認するためには非常に良い問題ですので、完ぺきに解けるようになるまで何度も繰り返しましょう。

 決算整理事項等3.の「売上原価の算定」は、棚卸減耗損と商品評価損の処理がポイントです。

 問題文に「棚卸減耗損および商品評価損は、売上原価に算入する」とあるので、損益計算書では販売費及び一般管理費ではなく売上原価に含めて処理します。

 決算整理事項等4.の「貸倒引当金の設定」は、貸倒引当金繰入を計上する場所がポイントになります。貸付金の営業外債権にかかる貸倒引当金繰入は「営業外費用」の欄に計上しましょう。

  • 売上債権にかかる貸倒引当金繰入20,640円:損益計算書の販売費の欄に計上する
  • 営業外債権にかかる貸倒引当金繰入3,200円:損益計算書の営業外費用の欄に計上する

 なお、資料Ⅰの決算整理前残高試算表の純資産の各金額は、資料Ⅱの株主資本の変動に関する補足事項を考慮したあとの金額です。当期首残高・当期末残高の金額を求めるさいは、じゅうぶん注意しましょう。


 第4問は、費目別計算に関する問題です。

 基本的な問題なので特に解説する部分はありませんが、棚卸減耗損は間接経費として処理し、製造間接費の実際発生額に含めて処理します。


 第5問は、等級別総合原価計算に関する問題です。

 非常に簡単な問題です。短い解答時間で20点満点を狙いましょう。

★プラスワン予想の「各問題の難度」と「解答時間の目安」
準備 第1問 第2問 第3問 第4問 第5問 見直し
普通 難しい 難しい 簡単 簡単
5分 10分 35分 30分 15分 15分 10分

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 本書に収載されている全ての問題を解いている&問題が手元にあるので、ご質問に対してすぐに回答できると思います。お気軽にご利用ください。

仕訳問題に関するQ&A

自分の解答と模範解答の勘定科目の上下が逆になっていました。不正解になりますか?
 仕訳は上下が逆になっていても正解です。

 本書ですと…例えば、第1予想の問5の模範解答では利益準備金・未払配当金・別途積立金の順番に並んでいますが、この3つは上下が入れ替わっても構いません。他の問題も同様です。

勘定科目の漢字を間違えた場合、部分点はもらえますか?
 部分点はもらえません。

 勘定科目の漢字を間違えた場合は不正解になりますので、ケアレスミスにご注意ください。また、問題に列挙されていない勘定科目を使って解答した場合も不正解になります。

金額にカンマを付けないと不正解になりますか?
 不正解にはなりません。

 ただ、実務においてカンマを付けるのは当たり前のことですし、省略したからといって解答時間の短縮にはなりません。それどころか、見直しの時に見にくいだけです。

 このようにカンマを付けないデメリットはあってもメリットはなにもありませんので、金額には必ずカンマを付けましょう。

管理人さんの仕訳問題の解き方を教えてください。
 私はまず、問題に列挙されている勘定科目群に線を入れて「資産」「負債」「純資産」「収益」「費用」「その他」などに分けて見やすくします。そのさいに気になる勘定科目があったらマルで囲んで目立たせておきます。

 次に、問題文を読んで重要そうなところにアンダーラインを入れます。

 このような準備をしたうえで解答仕訳を考えますが、答案用紙に勘定科目を書くさいには、問題に列挙されている勘定科目を毎回必ずチェックして打ち消し線を引くことを徹底しています。

 ひと手間を加えるだけで「指定されていない勘定科目で解答してしまう」という非常にもったいないケアレスミスをなくすことができます。