書籍概要

  1. 第149回をあてるTAC直前予想 日商簿記3級
    教材種別:
    予想問題集
    出版社:
    TAC出版
    問題数:
    4回分
    ページ数:
    196ページ
    サイズ:
    29.7 × 21 × 2 cm
    価格:
    1,296円(税込)

     第149回日商簿記3級対策用の予想問題集です。4回分の予想模試(第1予想・第2予想・第3予想・プラスワン予想)と、切り離して使える仕訳カード(全40問)が収載されています。

     その他にも、大問別の出題予想や試験範囲の改定に関する情報、集中学習論点シート、過去の出題傾向と対策、繰り返しシートなど…独学者にとって有益な情報が多数掲載されています。

    管理人のレビュー

     TACの予想問題集の一番のウリは「解説が充実している」点です。

     「合格る(うかる)タイムライン」では時間配分や各問題ごとの解答ポイントが分かりやすくまとめられていますし、「合格る(うかる)下書用紙」では、各問題の下書きの書き方が数ページにわたって詳細にまとめられています。

    合格る(うかる)タイムライン
    合格る(うかる)タイムライン

    合格る(うかる)下書用紙
    合格る(うかる)下書用紙

     購入特典の「TAC無敵のプレミアム講義」では、各問題ごとの解説動画(解き方レクチャー)が用意されており、プロ講師の解説動画を無料で視聴することができます。独学者には嬉しいサービスではないでしょうか。

     また、個人的に良いと思ったのは、各問題の解説にいろんなパターンの参考問題や同論点異形式問題が付いている点です。

     例えば、今回の第1予想の第3問は合計残高試算表を作成する問題ですが、「もし残高試算表や合計試算表、別タイプの合計残高試算表だったら解答はどうなるか?」を同じ問題を使って確認できます。

    解説動画の解き方レクチャー
    解説動画の解き方レクチャー

    語句選択問題(参考問題)
    語句選択問題(参考問題)

    残高試算表の問題だったら?
    残高試算表の問題だったら?

    合計試算表の問題だったら?
    合計試算表の問題だったら?

     他にも、第148回試験の的中実績や、(2019年度の試験から適用される)試験範囲の改定情報、第149回試験の大問別の出題予想なども掲載されています。

    前回の的中実績はこんな感じです
    前回の的中実績はこんな感じです

    試験範囲の改定情報と出題予想
    試験範囲の改定情報と出題予想

     問題用紙・答案用紙・計算用紙はこんな感じで綴じられています。水色の紙を残してグッと引き抜くと簡単に取り外すことができます。

    青紙を残してグッと引っ張りましょう
    青紙を残してグッと引っ張りましょう

    4回分の問題用紙・答案用紙
    4回分の問題用紙・答案用紙

     仕訳カードには「左上のリングを通す部分」や「各仕訳カードの境界線」にミシン目加工が入っているので、簡単にカードを切り離してリング穴を作ることができます。紙質もしっかりしているので使いやすいと思います。

     なお、問題集にリングは付いていません。仕訳カード40枚を重ねると結構な厚みになるので、なるべく輪の直径が大きいリングをご用意ください(※私は100均で購入しました)。

    仕訳カード1
    最初はこんな状態です

    仕訳カード2
    ミシン目にそって本体から切り離します

    仕訳カード3
    重要度(AorB)で色分けされています

    仕訳カード4
    仕訳だけでなく空欄補充問題もあります

     予想問題集の価格は1,296円(税込)です。なお、TACの直販サイト「CyberBookStore」では定価の10%オフ&送料無料で購入することができます。

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無敵の簿記(直前対策本)との違いは?

  1. 無敵の簿記3級 第149回直前総まとめ
    教材種別:
    直前対策本
    出版社:
    TAC出版
    問題数:
    1回分
    ページ数:
    140ページ
    サイズ:
    25.7 × 18.2 × 2 cm
    価格:
    1,080円(税込)

    予想問題集と直前対策本の違い

     第149回日商簿記3級対策用の直前対策本です。一発的中予想問題(1回分)の他に、誌上講義や全国のTAC講師による「出題予想ランキング」、各問題ごとの攻略法を分かりやすくまとめた「日商3級出た順マスター」などが収載されています。

     受験生の方から「TACの予想問題集と直前対策本の違いはなんですか?」という質問をよくいただきますが、予想問題集は主に本試験で出題が予想される問題をたくさん解くために使う教材なのに対し、直前対策本は主に本試験に関する幅広い情報を効率的に収集するために使う教材です。

     確かに「出題予想や予想問題が付いている」などの共通点もありますが、出題予想の切り口も違いますし、収載されている予想問題も内容が異なりますので、可能であれば両方を使って勉強することをおすすめします。

     なお、直販サイトでは「予想問題集と直前対策本の2冊セット」を定価の15%オフ&送料無料で購入することができるので、ネットで購入する場合は直販サイトの利用をおすすめします。

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管理人が実際に問題を解いてみました!

 私の解答時間は以下のとおりです。

 こうやって数字を並べますと…同じ30点前後の配点にもかかわらず、第3問と第5問の解答時間に大きな差があることが分かります。

 本試験では「得意な問題or点数の取りやすい問題」から優先的に解くのが鉄則なので、第3問と第5問は「第5問→第3問」の順番で解答したほうが得点効率が良さそうです。

管理人の解答時間
第1問 第2問 第3問 第4問 第5問 合計
第1予想 5分 6分 27分 4分 10分 52分
第2予想 4分 2分 15分 4分 8分 33分
第3予想 5分 4分 17分 2分 9分 37分
プラスワン予想 6分 2分 9分 2分 7分 26分

第1予想

 第1問は、仕訳問題5問です。

 問3の仕入取引は、送金小切手の処理がポイントです。送金小切手だけでなく配当金領収書や他人振出小切手、期限到来済みの公社債利札、郵便為替証書などの「通貨代用証券」が増減したさいには、現金の増加・減少として処理します。

 問4の現金過不足は、以下の3ステップで考えると簡単です。

ステップ1・現金過不足の残高をゼロにする
(借)現金過不足 62,000
ステップ2・原因が判明した分の正しい処理を行う
(借)現金過不足 62,000
(借)旅費交通費 50,000
 (貸)売掛金 100,000
ステップ3・貸借差額を雑損または雑益で処理する
(借)現金過不足 62,000
(借)旅費交通費 50,000
 (貸)売掛金 100,000
 (貸)雑益 12,000

 問5の固定資産の改良と修繕は、第145回試験の第4問でも問われた論点です。仕訳を考える場合は、以下のどちらに当てはまるか考えて処理しましょう。

  • 機能の回復や維持のために修繕を行った場合:収益的支出→修繕費(費用処理)
  • 修繕により機能が向上して価値が増加した場合:資本的支出→建物(資産計上)

 本問の場合、「破損した窓の修理費」は収益的支出に該当するため修繕費で費用処理し、「免震工事のための支出」は資本的支出に該当するため建物の増加として処理します。


 第2問は、補助簿の選択に関する問題です。

 7日の「郵便代金500円」を通信費で処理するのは少し難しかったかもしれませんが、この勘定科目を間違えても解答には影響しません。

 また、25日に受け取っている「得意先振出しの小切手」は現金の増加として処理します。この機会に以下の3つの処理を確認しておきましょう。

  • 他店振出小切手を受け取った場合 → 現金の増加(本問)
  • 当店振出小切手を受け取った場合 → 当座預金の増加
  • 他店振出小切手を受け取って、すぐに当座預金口座に預け入れた場合 → 当座預金の増加

 なお、問2では移動平均法を採用した場合の月末数量・金額が問われていますが、解説6ページのような商品有高帳を自作して数量・金額を求めると時間がかかりすぎてしまうので、問1の解答にあたって下書きした各仕訳を有効活用しましょう。

 具体的には…下書きした各仕訳の横に、その日に残っているA商品の数量・単価・金額をメモ書きします。4日の仕訳の横には「400個・@115円・46,000円」、5日の仕訳の横には「375個・@114円・42,750円」といった感じです。

  • 4日の仕訳の横:400個・@115円・46,000円
  • 5日の仕訳の横:375個・@114円・42,750円
  • 6日の仕訳の横:100個・@114円・11,400円
  • 7日の仕訳の横:100個・@114円・11,400円
  • 14日の仕訳の横:350個・@124円・43,400円
  • 25日の仕訳の横:150個・@124円・18,600円

 このように、先の解答で使った下書きを有効活用すると解答時間を短縮できます。復習のさいに参考にしてください。


 第3問は、合計残高試算表の作成問題です。

 資料(B)が日付別で与えられているので、頻出する9勘定(現金・普通預金・当座預金・受取手形・売掛金・支払手形・買掛金・仕入・売上)についてT勘定を設定して集計しましょう。その他の勘定科目は「その他」勘定に記入・集計します。

 まず、下書用紙に9つの勘定+その他勘定を書きます。

第1予想・第3問の下書き1
第1予想・第3問の下書き1(PDF版

 次に、平成×9年10月25日時点の各勘定の「借方に計上されている金額」および「貸方に計上されている金額」を記入します。金額自体は、資料(A)の合計試算表からひっぱってくるだけなので簡単です。

第1予想・第3問の下書き2
第1予想・第3問の下書き2(PDF版

 資料(B)の各日の取引を頭の中で仕訳して、9つの勘定に記入していきます。

 なお、売掛金と買掛金に関しては明細表を作成する必要があるので、下書きの売掛金勘定・買掛金勘定に金額を書き込むさいにはどの商店の増減なのかひと目で分かるようにしておくのがポイントです。

  • 売掛金
    • こ:高知商店
    • も:盛岡商店
    • か:金沢商店
  • 買掛金
    • え:越前商店
    • さ:さいたま商店
    • こ:甲府商店
第1予想・第3問の下書き3
第1予想・第3問の下書き3(PDF版

 最後に9つの勘定を締め切ります。

 なお、本問は合計残高試算表を作成する問題なので、各勘定を締め切るさいにはいったん借方合計額・貸方合計額を計算したあとに残高の金額を求めるのがポイントです。

第1予想・第3問の下書き4
第1予想・第3問の下書き4(PDF版

 資料(B)の各取引は量が多くて面倒なものの、ひとつひとつの難度は高くないです。

 しいて挙げるとすれば、27日の「盛岡商店振出の小切手で支払い」と、29日の「盛岡商店振出の小切手で回収」を現金の減少・増加として処理する点に気をつけてください。

残高試算表・合計試算表の場合の下書きの締め切り方

 仮に、本問の解答要求が残高試算表・合計試算表の場合は、以下のように締め切ると分かりやすいです。上で紹介している合計残高試算表の締め切り方とあわせて押さえておきましょう。

残高試算表のT勘定の締め切り方
残高試算表のT勘定の締め切り方(PDF版

合計試算表のT勘定の締め切り方
合計試算表のT勘定の締め切り方(PDF版


 第4問は、商品売買の勘定記入に関する問題です。

 本問は、問題資料の商品有高帳から7月中の取引を推定し、「分記法による仕訳」と「三分法による仕訳」を考えたうえで、各勘定に記入…という流れで処理しますが、解答時間に余裕がある場合は最後に損益勘定の金額を検算しましょう。

 正しく処理できている場合、分記法による場合の商品売買益勘定の損益(314円)と、三分法による場合の売上勘定の損益と仕入勘定の損益の差額(942円-628円=314円)が一致します。


 第5問は、精算表の作成問題です。

 合格するためには短い解答時間で9割(30点満点中27点)前後を取らなければいけない簡単な問題です。

 なお、試算表の保険料の金額971,520円は、再振替仕訳の4か月分、5月1日に支払った6か月分、11月1日に支払った6か月分の合計16か月分の金額なので、1か月あたりの金額を計算したうえで4か月分を前払保険料に振り替えます。

  • 16か月分の保険料:971,520円(答案用紙の試算表欄より)
  • 1か月分の保険料:971,520円÷12か月=@80,960円
  • 4か月分の保険料:@80,960円×4か月=323,840円
★第1予想の「各問題の難度」と「解答時間の目安」
準備 第1問 第2問 第3問 第4問 第5問 見直し
簡単 普通 難しい 簡単 簡単
5分 10分 15分 45分 15分 20分 10分

第2予想

 第1問は、仕訳問題5問です。

 問2の訂正仕訳は、解説35ページにあるように「①:間違えて処理した仕訳を考える→②:間違えて処理した仕訳の逆仕訳を考える→③:正しい仕訳を考える→④:②と③の仕訳をまとめる」という流れで機械的に処理できます。

 ただ、本問は当座で処理すべきところを現金で処理しているだけなので、借方に計上した現金90,000円を当座に振り替えるだけです。慣れてきたら一発でサクッと解答しましょう。


 第2問は、地代の処理に関する問題です。本問は、再振替仕訳から期中仕訳、決算整理仕訳、決算振替仕訳までの一連の処理を問う良問です。

 資料1の当期首における前払地代勘定の「1/1 前期繰越 420,000」から、1か月あたりの地代140,000円(=420,000円÷3か月)を計算できるかどうかがポイントになります。

 解答仕訳をパッとイメージできない場合は、解説37ページにあるような簡単な図を書いて支払い状況等を確認してから解答仕訳を考えましょう。

 本問の復習が完了したら、解説38ページに載っている勘定記入の参考問題も必ず解いておきましょう。


 第3問は、残高試算表の作成問題です。

 問題資料の形から二重仕訳を考慮する必要があることが分かるので、下書用紙に全取引の仕訳を書いたうえで集計時にひと工夫する方法で解答することをおすすめします(TACの解説とは異なる方法です)。

 まずは下書用紙に全ての取引の仕訳を書いてください。

第2予想・第3問の下書き1
第2予想・第3問の下書き1(PDF版

 仕訳を下書きする場合は、勘定科目・金額を出来るかぎり省略して書きましょう。

 例えば…現金は「」、当座預金は「」、売上は「S(→Salesの頭文字)」、買掛金は「か×」といった感じです。また、金額の下3桁が000の場合には「」を使うと簿記上級者っぽくなります。

 他の勘定科目の省略パターンについては、簿記検定ナビ勘定科目の省略パターン一覧表ページで紹介しています。興味のある方は一度ご覧ください。

 上の下書きの勘定科目・金額を省略した形に直すと、以下のような下書きになります。実際に問題を解くさいにはこのような下書きを書きましょう。

第2予想・第3問の下書き2
第2予想・第3問の下書き2(PDF版

 次に集計作業に移ります。現金・当座預金・仕入・売上については一部が二重計上されている可能性があるので、この4つについてはそれぞれの欄に計上されている金額のみを集計しましょう。

 具体的には…例えば現金であれば、現金に関する取引欄で切った仕訳のみから現金の金額を集計します。現金に関する取引欄以外に計上されている、いわゆる二重取引に該当する現金の増減は集計時には無視します。

  • 現金:前期繰越558,000円+1,068,000円-1,332,000円=294,000円

 残りの当座預金・仕入・売上も同じように集計します。なお、その他の欄の仕訳については二重計上を気にする必要はありません。普通に集計しましょう。

  • 当座預金:前期繰越1,620,000円+780,000円-639,000円=1,761,000円
  • 仕入:1,188,000円-18,000円=1,170,000円
  • 売上:1,026,000円-6,000円=1,020,000円

 現金・当座預金・仕入・売上の4つ以外の勘定については、いつもどおり集計するだけです。

 解き方については他にもいろいろありますが、この方法は簡単なルールに従って機械的に集計するだけで二重取引を排除することができるのでおすすめです。

 なお、答案用紙の資本金の前期繰越高(3,696,000円)は、前期末貸借対照表の資本金(3,000,000円)と当期純利益(696,000円)の合計額になります。参考までにご確認ください。


 第4問は、備品・備品減価償却累計額の勘定記入の問題です。

 解説47ページでは日付順に仕訳が紹介されていますが、個人的には備品の種類ごとに考えたほうが分かりやすいと思います。どちらで解いても構いませんので、参考までに以下の解説もご確認ください。

備品A

平成29年8月22日の仕訳(売却)
(借)減価償却費 40,000 ※1
(借)備品減価償却累計額 120,000 ※2
(借)現金など 180,000
(借)固定資産売却損 20,000
 (貸)備品A 360,000

※1 360,000円×8か月/72か月=40,000円

※2 360,000円×24か月/72か月=120,000円

 売却時に計上する備品Aの減価償却費は、平成29年1月1日~平成29年8月22日までの8か月分です。

 問題文に「減価償却費は月割計算」とあるので、8月の22日分も1か月でカウントして減価償却費を計算しましょう。

 また、備品減価償却累計額は、平成27年1月1日~平成28年12月31日までの2年分(24か月分)です。

備品B

平成29年12月31日の仕訳(減価償却)
(借)減価償却費 40,000 ※3
 (貸)備品減価償却累計額 40,000

※3 120,000円÷3年=40,000円

 備品Bは決算期末において1年分の減価償却を計上するだけです。

備品C

平成29年3月18日の仕訳(購入)
(借)備品C 144,000
 (貸)当座預金 144,000
平成29年12月31日の仕訳(減価償却)
(借)減価償却費 30,000 ※4
 (貸)備品減価償却累計額 30,000

※4 144,000円×10か月/48か月=30,000円

 備品Cの減価償却費は、平成29年3月18日~平成29年12月31日までの10か月分です。

 問題文に「減価償却費は月割計算」とあるので、3月の18日分も1か月でカウントして減価償却費を計算しましょう。


 第5問は、財務諸表の作成問題です。

 財務諸表の作成問題に苦手意識をもっている方も多いと思いますが、やることは精算表作成問題と全く同じです。売上原価の金額や評価勘定(貸倒引当金・減価償却累計額)の記入がポイントになるので、本問を使ってきちんと確認しておきましょう。

 なお、決算整理事項等4の「売上原価の算定」については、解説50ページに掲載されているような仕訳は不要です。以下のような商品ボックスをササッと書いて、売上原価の金額を把握しましょう。

商品ボックスの下書き
商品ボックスの下書き

 また、貸借対照表の貸倒引当金や減価償却累計額の金額の前には、マイナスを意味する「▲」マーク等を付けてはいけません(※勝手に付けると不正解になります)。本問のように特段の指示がない場合は、金額だけを記入しましょう。

 最後に、解説53ページの【同論点異形式問題】の解説では、問題資料で「決算整理残高試算表」が与えられている場合の財務諸表作成問題が紹介されています。出題可能性は高くないですが、保険的な位置づけで本問とあわせて押さえておきましょう。

★第2予想の「各問題の難度」と「解答時間の目安」
準備 第1問 第2問 第3問 第4問 第5問 見直し
簡単 簡単 普通 普通 簡単
5分 15分 10分 35分 20分 25分 10分

第3予想

 第1問は、仕訳問題5問です。

 問2の損益の振り替えに関しては、どっちが損益でどっちが資本金か迷ってしまった方がいるかもしれませんが、この手の問題は以下のような流れで機械的に考えると簡単です。

  • 収益総額>費用総額 → 利益が発生 → 資本金が増える → 資本金が貸方 → 損益が借方
  • 収益総額<費用総額 → 損失が発生 → 資本金が減る → 資本金が借方 → 損益が貸方

 本問の場合、当期は1,320,000円の利益(=4,300,000円-2,980,000円)が発生→資本金が増える→資本金が貸方にくる→損益が借方にくる…という流れで、簡単に解答仕訳を導き出せます。

 問3の債権の貸倒れは、債権の発生時期がポイントです。具体的には、前期の決算をまたいでいるかどうかで判断しましょう。

  • 前期に発生した債権が貸倒れた場合:引当金を設定済み→貸倒引当金をの取り崩して処理する(足りない分は貸倒損失で費用処理)
  • 当期に発生した債権が貸倒れた場合:引当金は未設定→全額を貸倒損失で費用処理

 問4の仕入取引・問5の売上取引は、手数料の処理がポイントです。この機会に以下の4パターンの処理をきちんと押さえておきましょう。

  • 仕入時の諸掛り
    • 当店負担:仕入原価に含めて処理(→問4
    • 仕入先負担:立替金で処理or買掛金と相殺して処理
  • 売上時の諸掛り
    • 当店負担:発送費などで費用処理
    • 得意先負担:立替金で処理or売掛金に含めて処理(→問5

 本問は、問題に列挙されている勘定科目に立替金がない(売掛金はある)ので、問5の先方負担の発送運賃5,000円は売掛金に含めて処理します。


 第2問は、商品有高帳の作成問題です。

 返品や値引きのない簡単な問題なので、短い解答時間で10点満点を取りたい問題です。本問の復習が完了したら、解説72・73ページの参考問題(先入先出法による場合の問題)も必ず解いておきましょう。


 第3問は、合計試算表の作成問題です。

 本問は、問題資料の「~を除く」から二重取引を考慮する必要が無いと判断できるので、頻出する8勘定(現金・当座預金・受取手形・売掛金・支払手形・買掛金・仕入・売上)についてT勘定を設定して集計しましょう。その他の勘定科目は「その他」勘定に記入・集計します。

 まず、下書用紙に8つの勘定+その他勘定を書きます。

第3予想・第3問の下書き1
第3予想・第3問の下書き1(PDF版

 次に、月初(9月1日)時点の各勘定の金額を記入します。金額自体は、答案用紙の「前月からの繰越高」からひっぱってくるだけです。

第3予想・第3問の下書き2
第3予想・第3問の下書き2(PDF版

 問題資料の「9月中の取引」を頭の中で仕訳して、8つの勘定に記入していきます。上述のとおり、本問は二重取引が最初から除外されているので、二重取引について特に気をつけるは必要ありません。

第3予想・第3問の下書き3
第3予想・第3問の下書き3(PDF版

 最後に8つの勘定を締め切ります。なお、本問は合計試算表を作成する問題なので、各勘定を締め切るさいには「借方の合計額」「貸方の合計額」を求めましょう。

第3予想・第3問の下書き4
第3予想・第3問の下書き4(PDF版

 9月中の取引に関しては、量が多いのでかなり時間がかかってしまうと思います。私が解答したさいに以下の4点が気になったので、念のためご確認ください。

  • (1)エ:他人振出小切手を受け取った場合は、現金の増加として処理します。当座預金で処理しないように気をつけましょう。
  • (4)カ:前月に購入した備品の代金を支払っているので、未払金の減少として処理します。備品を計上しないように気をつけましょう。
  • (4)キ:問題文の「元利」というのは元本と利息の合計額のことなので、元利合計327,600円から元本324,000円を差し引いて利息3,600円を計算しましょう。
  • (5)ウ:前期に発生した売掛金が貸し倒れているので、まず貸倒引当金162,000円を取り崩したうえで、足りない144,000円は当期の費用として貸倒損失で処理しましょう。

 第4問は、売上原価の算定に関する勘定記入の問題です。

 問題資料から売上原価算定の仕訳を推定し、①~⑩に入る勘定科目・金額を考えますが、売上原価勘定を使って売上原価を算定する仕訳は、「浮く牛食う(うくうしくう)」という語呂で覚えてしまいましょう。

参考・売上原価勘定を使って売上原価を算定する仕訳
(借)上原価 期首商品棚卸高
 (貸)越商品 期首商品棚卸高
(借)上原価 当期商品仕入高
 (貸)入 当期商品仕入高
(借)越商品 期末商品棚卸高
 (貸)上原価 期末商品棚卸高
参考・仕入勘定を使って売上原価を算定する仕訳
(借)仕入 期首商品棚卸高
 (貸)繰越商品 期首商品棚卸高
(借)繰越商品 期末商品棚卸高
 (貸)仕入 期末商品棚卸高

 語呂の詳細は、簿記検定ナビ簿記の語呂ページでご確認ください。


 第5問は、損益勘定・資本金勘定・繰越試算表を作成する問題です。

 あまり見かけない形なので面食らってしまった方も多かったと思いますが、資料(B)の決算整理事項の各処理は「質」「量」ともに平均レベル以下ですし、簿記一巡の手続きを押さえるのにうってつけの問題なので、満点が取れるまで何度も繰り返し問題を解きましょう。

 なお、答案用紙の損益勘定の借方の一番上の空欄には「仕入」が入りますが、これは売上原価を仕入勘定で計算しているからです(※資料(B)の1を参照)。

 仮に、問題資料Bの決算整理事項1の問題文が「売上原価は売上原価勘定で計算する」となっていたら、この空欄には「売上原価」が入ります。参考までに勘定科目をご確認ください。

★第3予想の「各問題の難度」と「解答時間の目安」
準備 第1問 第2問 第3問 第4問 第5問 見直し
普通 普通 普通 簡単 普通
5分 10分 20分 35分 10分 30分 10分

プラスワン予想

 第1問は、仕訳問題5問です。

 問1は貸付時に手形を受け取っているため、手形貸付金で処理します。

  • 借りる側
    • 借用証書による借り入れ:借入金の増加として処理
    • 約束手形による借り入れ:手形借入金の増加として処理
  • 貸す側
    • 借用証書による貸し付け:貸付金の増加として処理
    • 約束手形による貸し付け:手形貸付金の増加として処理(←本問)

 問5ではあまり見かけない「定期預金」という勘定が出てきますが、利息とともに普通預金に振り替えるだけなので処理自体は簡単です。


 第2問は、当座預金・当座借越に関する勘定記入&帳簿記入の問題です。

 問題資料の総勘定元帳(当座勘定)と当座預金出納帳から8月中の取引を推定し、分かるところから空欄部分を埋めていきましょう。


 第3問は、問題資料の入金伝票・出金伝票・振替伝票から、得意先元帳・仕入先元帳・仕訳日計表・総勘定元帳を作成する問題です。

 仕訳日計表は簡単に解答できたと思いますが、得意先元帳・仕入先元帳・総勘定元帳の摘要欄の記入はやや難しかったかもしれません。

 補助元帳である得意先元帳・仕入先元帳は各伝票から個別転記されるので、摘要欄には伝票名(入金伝票・出金伝票・振替伝票)を記入します。一方、総勘定元帳は仕訳日計表から合計転記されるので、摘要欄には仕訳日計表と記入します。

 私が受験生時代に作っていたまとめノートを載せておきますので、参考までにご確認ください。

伝票会計に関するまとめノート
伝票会計に関するまとめノート

 なお、答案用紙の仕丁欄・元丁欄に関しては、本問のように採点対象になる可能性がじゅうぶんあります。(分かる範囲で)数字をきちんと記入しましょう。

 得意先元帳・仕入先元帳の仕丁欄には伝票番号が、仕訳日計表の元丁欄には総勘定元帳の売掛金の口座番号(本問は8)が、総勘定元帳の売掛金の仕丁欄には仕訳日計表のページ数(本問は159)が入ります。

 また、解説103ページに「参考問題」として紹介されているような語句(語群)選択問題があわせて出題される可能性もあります。本問とあわせてきちんと押さえておきましょう。


 第4問は、売掛金と貸倒引当金に関する勘定記入の問題です。

 本問は、問題資料の平成×5年1月中の取引から仕訳を推定し、売掛金勘定・貸倒引当金勘定の空欄を埋めていきますが、1月6日・17日・20日の処理には気をつけてください。

1月6日の処理

 前期に貸倒れ処理した売掛金を回収しているので償却債権取立益で処理します。

  • 前期に貸倒れ処理した債権を回収した場合:償却債権取立益で処理(←本問)
  • 当期に貸倒れ処理した債権を回収した場合:貸倒れ処理を取り消すために、貸倒損失・貸倒引当金で処理

1月17日・20日の処理

 17日は当期に発生した売掛金が貸倒れているので、貸倒引当金を取り崩すことはできません。全額を貸倒損失で費用処理します。

 一方、20日は前期に発生した売掛金が貸倒れているので、貸倒引当金を取り崩して処理します。

  • 前期に発生した債権が貸倒れた場合:引当金を設定済み→貸倒引当金をの取り崩して処理する(足りない分は貸倒損失で費用処理)
  • 当期に発生した債権が貸倒れた場合:引当金は未設定→全額を貸倒損失で費用処理

 第5問は、空欄推定タイプの精算表の作成問題です。パズル感覚で分かるところからどんどん金額を埋めていきましょう。

 なお、貸借差額で算定する試算表欄の資本金勘定は、他の計算が間違っていると芋づる式で金額が合わなくなってしまうので、ケアレスミスにはじゅうぶん気をつけてください。

★プラスワン予想の「各問題の難度」と「解答時間の目安」
準備 第1問 第2問 第3問 第4問 第5問 見直し
普通 簡単 普通 普通 簡単
5分 15分 15分 30分 20分 25分 10分

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仕訳問題に関するQ&A

自分の解答と模範解答の勘定科目の上下が逆になっていました。不正解になりますか?
 仕訳は上下が逆になっていても正解です。

 本書ですと…例えば、第1予想の問1の模範解答では上から旅費交通費・買掛金・現金の順番に並んでいますが、この3つの順番は入れ替わっても構いません。他の問題も同様です。

勘定科目の漢字を間違えた場合、部分点はもらえますか?
 部分点はもらえません。

 勘定科目の漢字を間違えた場合は不正解になりますので、ケアレスミスにご注意ください。また、問題に列挙されていない勘定科目を使って解答した場合も不正解になります。

金額にカンマを付けないと不正解になりますか?
 不正解にはなりません。

 ただ、実務においてカンマを付けるのは当たり前のことですし、省略したからといって解答時間の短縮にはなりません。それどころか、見直しの時に見にくいだけです。

 このようにカンマを付けないメリットはなにもありませんので、金額には必ずカンマを付けましょう。

2019年度から試験範囲外になる論点は2018年度の試験で出題されますか?
 2019年度から試験範囲外になる論点が2018年度の試験で出題される可能性はかなり低いです。

 よって、有価証券の売買や手形の裏書き・割引き、売上値引・仕入値引などの処理に関しては参考程度に押さえておけばじゅうぶんです。

 なお、試験範囲の改定に関する詳しい情報は、日商簿記3級 試験範囲(出題区分)の改定情報まとめページでまとめています。興味のある方はこちらもあわせてご確認ください。

管理人さんの仕訳問題の解き方を教えてください。
 私はまず、問題に列挙されている勘定科目群に線を入れて「資産」「負債」「純資産」「収益」「費用」「その他」などに分けて見やすくします。そのさいに気になる勘定科目があったらマルで囲んで目立たせておきます。

 次に、問題文を読んで重要そうなところにアンダーラインを入れます。

 上記の準備をしたうえで解答仕訳を考えますが、答案用紙にいきなり仕訳を書くのではなく、まずは問題用紙の余白部分に仕訳をメモ書きしておいて勘定科目のチェックをしてから答案用紙に書きます。

 ひと手間を加えるだけでケアレスミスをなくすことができますので、ぜひ参考にしてください。