簿記ナビ模試のご案内

 第149回日商簿記2級の予想問題「簿記ナビ模試」は、簿記検定ナビのサイト内で無料配布しています。会員登録等は一切不要で、問題用紙・答案用紙・解答の各PDFファイルをワンクリックで簡単にダウンロードしてお使いいただけます。




問1(返品調整引当金)

重要度:★★☆ 難度:★★☆

解答仕訳
(借)返品調整引当金 300,000 ※1
(借)仕入 700,000 ※2
(借)売上 800,000
 (貸)売掛金 1,800,000 ※3

※1 1,000,000円×30%=300,000円

※2 1,000,000円×70%=700,000円

※3 1,000,000円+800,000円=1,800,000円

 返品調整引当金に関する問題です。

 本問は【前期販売分に関する仕訳】と【当期販売分に関する仕訳】に分けて考えましょう。

前期販売分に関する仕訳

 前期に販売した商品が返品された場合、原価部分については新たな仕入があったと仮定して処理するとともに、利益部分については返品調整引当金が設定されていれば返品調整引当金を取り崩して処理します。

  • 原価部分:700,000円(=1,000,000円×原価率70%)は仕入で処理
  • 利益部分:300,000円(=1,000,000円×利益率30%)は返品調整引当金で処理
仕訳①(前期販売分の返品に関する仕訳)
(借)返品調整引当金 300,000
(借)仕入 700,000
 (貸)売掛金 1,000,000

 なお、返品調整引当金が設定されていない場合、利益部分については前期損益修正損などで処理しますが、2級の試験範囲ではないのでこの処理を覚える必要はありません。

当期販売分に関する仕訳

 当期中に販売した商品が返品された場合、原価部分・利益部分を分けることなく売上時の逆仕訳をします。仕入・返品調整引当金を使わないように気をつけてください。

参考・売上時の仕訳
(借)売掛金 800,000
 (貸)売上 800,000
仕訳②(当期販売分の返品に関する仕訳)
(借)売上 800,000
 (貸)売掛金 800,000

 以上、①②の仕訳をまとめると解答仕訳になります。

問2(銀行勘定調整表)

重要度:★★★ 難度:★★☆

解答仕訳
(借)当座預金 520,000 ※4
 (貸)未払金 520,000

※4 160,000円+360,000円=520,000円

 銀行勘定調整表(未渡小切手)に関する問題です。

 小切手を振り出し、支払いが完了したものとして処理していたが、実は小切手を先方に渡しておらず手元に残ったままになっていることがあります。受験簿記では、このような小切手のことを「未渡小切手」といいます。

 未渡小切手の存在が判明した場合、当座預金の減額を取り消す(=当座預金を増額する)とともに、買掛金の未払いに関しては買掛金で、その他の未払いについては未払金で処理します。

 本問は、問題文に「販売費の支払いのために…決算日現在、未渡しであることが判明した」「販売費と備品の購入代金の2つについては、帳簿上は支払い済みとして処理されている」とあるので、未渡小切手の問題であると判断し、販売費と備品の購入代金を未払金で処理します。

参考・小切手振出時の仕訳
(借)販売費 160,000
(借)備品 360,000
 (貸)当座預金 520,000
解答仕訳
(借)当座預金 520,000
 (貸)未払金 520,000

 なお、「掛代金の支払いのために作成した小切手 ¥ 600,000 」は未処理の状態(=そもそも当座預金を減額していない)なので、解答仕訳には影響ありません。うっかり処理しないように気をつけましょう。

問3(企業買収)

重要度:★★☆ 難度:★☆☆

解答仕訳
(借)売掛金 16,000,000
(借)仕入 12,000,000
(借)のれん 2,000,000 ※5
 (貸)借入金 10,000,000
 (貸)現金 20,000,000
(借)のれん償却 200,000 ※6
 (貸)のれん 200,000

※5 貸借差額

※6 2,000,000円÷10年=200,000円

 企業買収に関する問題です。

 本問はまず、問題文に「当期首に毛利商店を現金 ¥ 20,000,000 で買収した取引が未処理であることが判明した」とあるので、先に買収時の仕訳を処理したうえで、のれん償却の仕訳を考えましょう。

買収時の仕訳

 売掛金16,000,000円および借入金10,000,000円はそのまま売掛金・借入金を計上するだけですが、商品12,000,000円については少し注意が必要です。

 企業買収や企業合併で商品を受け入れる場合、仕入または繰越商品で処理するのが一般的です。本問の場合、問題に列挙されている勘定科目の中に仕入がある(=繰越商品がない)ので、仕入で処理します。

 最後に、貸借差額をのれんで処理します。

仕訳①
(借)売掛金 16,000,000
(借)仕入 12,000,000
(借)のれん 2,000,000
 (貸)借入金 10,000,000
 (貸)現金 20,000,000

 なお、本問では問われていませんが、商品の帳簿価額と時価が異なる場合は時価をもって受入額とします。本問の処理とあわせて押さえておきましょう。

のれん償却の仕訳

 問題文に「のれんを償却(償却方法:定額法、償却期間:10年)することとした」という指示があるので、1年分の償却額を計算しましょう。本問の買収は期首に行われているので、償却額を月割りで計算する必要はありません。

のれんの償却額=2,000,000円÷10年=200,000円/年

仕訳②
(借)のれん償却 200,000
 (貸)のれん 200,000

 以上、①②の仕訳をまとめると解答仕訳になります。

解答仕訳の借方と貸方ののれんについて

 問題文に「これ(=買収時の仕訳)を適切に処理したうえで」という指示があるので、買収時の仕訳で計上した借方ののれん(2,000,000円)と、のれん償却時の仕訳で計上した貸方ののれん(200,000円)は、相殺せずに借方・貸方にそれぞれ計上しましょう。

負ののれん発生益について

 本問のように、買収対価(20,000,000円)が受け入れた純資産の額(18,000,000円)を上回る場合は、貸借差額をのれんで処理します。

 一方、買収対価が受け入れた純資産の額を下回る場合は、貸借差額を負ののれん発生益で処理します。

参考・仮に買収対価が15,000,000円だった場合の買収時の仕訳
(借)売掛金 16,000,000
(借)仕入 12,000,000
 (貸)借入金 10,000,000
 (貸)現金 15,000,000
 (貸)負ののれん発生益 3,000,000

 なお、負ののれん発生益は(発生した期において)全額を特別利益として処理します。のれんのように効果が発現する期間に渡って償却する手続きは不要です。

問4(有価証券の購入)

重要度:★★★ 難度:★★☆

解答仕訳
(借)子会社株式 1,600,000 ※7
 (貸)その他有価証券 100,000
 (貸)普通預金 1,500,000

※7 100,000円+1,500,000円=1,600,000円

 有価証券の購入(子会社株式)に関する問題です。

 本問はまず、問題文の「長期保有目的で宇喜多造船株式会社の株式 ¥ 100,000(発行済株式の5%)を購入していた」から、購入時の仕訳をイメージしましょう。

 なお、長期保有目的で株式を購入した場合は、その他有価証券で処理します。売買目的有価証券や満期保有目的債券を使わないように気をつけてください。

  • 有価証券の購入時に使う勘定科目
    • 売買目的:売買目的有価証券
    • 満期保有目的:満期保有目的債券
    • 支配目的:子会社株式
    • 上記のいずれにも該当しない(ex.長期保有目的):その他有価証券
参考仕訳:宇喜多造船株式会社の株式を購入した時の仕訳
(借)その他有価証券 100,000
 (貸)現金など 100,000

 上記の仕訳を踏まえたうえで、問題文に「本日、発行済株式の60%を追加購入して支配権を獲得した。なお、60%分の購入代金 ¥ 1,500,000 は普通預金から支払った」とあるので、購入時に計上したその他有価証券を子会社株式に振り替えるとともに、新たに購入した1,500,000円分を子会社株式で処理します。

  • 所有割合の変遷
    • 追加購入前の所有割合:発行済株式の5%
    • 追加購入後の所有割合:発行済株式の65%(=5%+60%)
  • 所有割合によって使い分ける勘定科目
    • 発行済株式の20%以上50%以下を所有:関連会社株式
    • 発行済株式の50%超を所有:子会社株式
解答仕訳
(借)子会社株式 1,600,000
 (貸)その他有価証券 100,000
 (貸)普通預金 1,500,000

問5(手形の更改)

重要度:★★☆ 難度:★☆☆

解答仕訳
(借)受取手形 300,000
 (貸)受取手形 300,000
(借)現金 5,000
 (貸)受取利息 5,000

 手形の更改に関する問題です。

 手形の更改とは「旧手形を新手形に交換する」ことをいいますが、仕訳は旧手形分を減らして新手形分を増やすだけです。本問のように、支払期日延長にともなう利息を手形額面に含めない場合は、同額の受取手形を借方・貸方に計上します。

 なお、借方と貸方の受取手形は別々の手形(旧手形と新手形)なので、相殺せずに借方・貸方にそれぞれ計上しましょう。

 また、問題文に「支払期日延長にともなう利息 ¥ 5,000 は送金小切手で受け取った」とあるので、現金の増加として処理します。この機会に送金小切手以外の通貨代用証券も確認しておきましょう。

  • 通貨代用証券(帳簿上は現金で処理)
    • 送金小切手
    • 期限到来済みの公社債利札
    • 郵便為替証書
    • 他人振出小切手
    • 配当金領収書

利息を新手形の額面に含めて処理する場合

 支払期日延長にともなう利息を、新手形の額面に含めて処理するケースもあります。この場合、利息の分だけ新手形の額面金額が大きくなる点に気をつけてください。

参考・新手形の額面に含めて処理する場合の仕訳
(借)受取手形 305,000 ※8
 (貸)受取手形 300,000
 (貸)受取利息 5,000

※8 300,000円+5,000円=305,000円

まとめ

 今回の仕訳問題は「かなり難しい・やや難しい・普通ぐらい・やや簡単・かなり簡単」の5段階ですと、やや難しいぐらいのレベルになります。

 1回目は思うように点数が取れないかもしれませんが、それは他の受験生も同じなので心配する必要はありません。2回目で満点が取れるようにきちんと復習しておきましょう。

 なお、1回目で12点(5問中3問正解)取れなかった方は、簿記検定ナビで無料配布している仕訳問題対策や市販の仕訳対策本などを活用して、仕訳力の底上げに取り組んでください。

仕訳問題に関するQ&A

自分の解答と模範解答の勘定科目の上下が逆になっていました。不正解になりますか?
 仕訳は上下が逆になっていても正解です。

 本問ですと…例えば、問1の模範解答では借方が返品調整引当金・仕入・売上の順番に並んでいますが、これらの勘定科目は上下が入れ替わっても構いません。問2以降も同様です。

勘定科目の漢字を間違えた場合、部分点はもらえますか?
 部分点はもらえません。

 勘定科目の漢字を間違えた場合は不正解になりますので、ケアレスミスにご注意ください。また、問題に列挙されていない勘定科目を使って解答した場合も不正解になります。

金額にカンマを付けないと不正解になりますか?
 不正解にはなりません。

 ただ、実務においてカンマを付けるのは当たり前のことですし、省略したからといって解答時間の短縮にはなりません。それどころか、見直しの時に見にくいだけです。

 このようにカンマを付けないメリットはありませんので、金額には必ずカンマを付けましょう。

管理人さんの仕訳問題の解き方を教えてください。
 私はまず、問題に列挙されている勘定科目群に線を入れて「資産」「負債」「純資産」「収益」「費用」「その他」などに分けて見やすくします。

 そのさいに気になる勘定科目があったらマルで囲んで目立たせておきます。今回の問題ですと「返品調整引当金」「負ののれん発生益」あたりでしょうか。

 次に、問題文を読んで重要そうなところにアンダーラインを入れます。問1なら「前期に」「当期中」「返品調整引当金の残高は ¥ 500,000 」、問2なら「広告宣伝費と備品の~支払い済みとして処理されている」、問3なら「未処理」「のれんを償却」、問4なら「長期保有目的」「支配権を獲得」、問5なら「送金小切手」などです。

 上記の準備をしたうえで解答を考えますが、答案用紙にいきなり仕訳を書くのではなく、まずは問題用紙の余白部分に仕訳をメモ書きしたうえで、一度勘定科目のチェックをしてから答案用紙に書きます。

 ひと手間を加えるだけでケアレスミスをなくすことができますので、ぜひ参考にしてください。

簿記ナビ模試2級の「各問題の難度」と「解答時間の目安」
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