簿記ナビ模試のご案内

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第3問(合計残高試算表)の解説

 合計残高試算表の作成問題です。

 本問は、8月1日時点の残高試算表に8月中の取引を反映させて、8月末時点の合計残高試算表を作成するスタンダードな試算表作成問題です。

 試算表作成問題の解き方は「下書用紙に全取引の仕訳を切って、集計時にひと工夫する方法」と「下書用紙にT勘定を設定する方法」の2つがありますが、本問のように二重取引を考慮する必要がある問題は、前者の「下書用紙に全取引の仕訳を切って、集計時にひと工夫する方法」で解くことをおすすめします。

 なお、具体的な解答手順は以下のような流れになります。

  1. 問題の[資料B]の取引記録から仕訳を推定し、下書用紙に仕訳を書く。
  2. 二重取引に気をつけて、問題の[資料B]の(1)~(6)の6つの勘定の金額を先に集計する。
  3. 残りの勘定の金額を集計する。

1.[資料B]の取引記録から仕訳を推定し、下書用紙に仕訳を書く。

 [資料B]の取引記録から8月中の取引の仕訳を考えましょう。

 現金勘定と当座預金勘定の「諸口」の処理は、答案用紙の金額をヒントに仕訳を導きだす必要があるので、少し難しかったかもしれません。

  • 現金の諸口510,000円と答案用紙の貸方合計欄の「土地 500,000」との差額から固定資産売却益10,000円を導き出します。
  • 問題[資料A]の「受取利息 83,000」と答案用紙の貸方残高欄の「受取利息 103,000」との差額で受取利息の金額20,000円を算定し、さらに当座預金の諸口370,000円との差額から貸付金の減少額350,000円を導き出します。
現金の諸口510,000円に関する仕訳
(借)現金 510,000
 (貸)土地 500,000
 (貸)固定資産売却益 10,000
当座預金の諸口370,000円に関する仕訳
(借)当座預金 370,000
 (貸)貸付金 350,000
 (貸)受取利息 20,000

 また、問題[資料A]の有価証券と広告宣伝費の金額が「?」になっていますが、こちらはまず有価証券の金額を算定し、借方合計金額との差額で広告宣伝費の金額を算定します。

 有価証券は、8月中に500,000円増えて(資料Bの(7)の②)、8月末の残高が730,000円になっているので(答案用紙を参照)、8月1日の金額を差額で算定します。

  • 8月1日の残高試算表の有価証券の金額=730,000円-500,000円=230,000円
  • 8月1日の残高試算表の広告宣伝費の金額=借方の合計金額-現金から給料までの合計金額=12,943,000円-12,859,000円=84,000円

 (7)①の「債権の貸倒れ」に関しては、110,000円のうち82,000円は貸倒引当金を充当し、残りの不足分28,000円(=110,000円-82,000円)は貸倒損失で処理します。

効率のよい下書きの書き方

 二重取引を考慮する必要がある問題の下書きは、勘定ごとに分けて書くのがポイントです。本問の場合は「現金」「当座預金」「売上」「仕入」「受取手形」「支払手形」「その他」の7つに分けましょう。

 また、実際に問題を解くさいは、解答時間を短縮するために勘定科目・金額はなるべく省略した形で書きましょう。例えば、現金は「ゲ」、売掛金は「う×」、売上は「S(Salesの頭文字)」、広告宣伝費は「広ヒ」、100,000は100,-(最後の000を横棒で書く)…といった感じで省略します。

 勘定科目・金額の具体的な省略方法に関しては、簿記検定ナビの勘定科目の省略パターン一覧表ページで詳しく紹介しています。興味のある方は一度ご覧ください。

通常の下書き

通常の下書き(PDF版)
省略した下書き

省略した下書き(PDF版)

2.二重取引に気をつけて、6つの勘定の金額を先に集計する。

 下書用紙に仕訳を書いたら、まず、現金・当座預金・売上・仕入・受取手形・支払手形勘定の6つの勘定の金額を先に集計しますが、この6つの勘定については一部の取引が二重計上されているという点に気をつけてください。

 よって、そのまますべてを集計すると重複分だけ金額が過大になってしまうので、これらの6つの勘定についてはそれぞれ(1)~(6)の各欄に計上されている金額のみを集計してください。

 例えば、現金勘定は8月1日の残高897,000円に、下書きの(1)現金の借方合計金額680,000円と貸方合計金額274,000円を加減して、8月末の残高1,303,000円を算定します。他の欄の現金の増減を無視することによって二重計上を回避します。

 当座預金・売上・仕入・受取手形・支払手形勘定も考え方は同じです。他の欄の増減を無視することによって、二重計上を回避しましょう。

  • 現金勘定の8月末の借方合計額:1,577,000円(=897,000円+680,000円)
  • 現金勘定の8月末の貸方合計額:274,000円
    • 現金勘定の8月末の残高(借方):1,577,000円-274,000円=1,303,000円
  • 当座預金勘定の8月末の借方合計額:2,457,000円(=633,000円+1,824,000円)
  • 当座預金勘定の8月末の貸方合計額:1,525,000円
    • 当座預金勘定の8月末の残高(借方):2,457,000円-1,525,000円=932,000円
  • 売上勘定の8月末の借方合計額:198,000円
  • 売上勘定の8月末の貸方合計額:7,770,000円(=5,977,000円+1,793,000円)
    • 売上勘定の8月末の残高(貸方):7,770,000円-198,000円=7,572,000円
  • 仕入勘定の8月末の借方合計額:5,303,000円(=4,128,000円+1,175,000円)
  • 仕入勘定の8月末の貸方合計額:124,000円
    • 仕入勘定の8月末の残高(借方):5,303,000円-124,000円=5,179,000円
  • 受取手形勘定の8月末の借方合計額:1,412,000円(=616,000円+796,000円)
  • 受取手形勘定の8月末の貸方合計額:639,000円
    • 受取手形勘定の8月末の残高(借方):1,412,000円-639,000円=773,000円
  • 支払手形勘定の8月末の借方合計額:958,000円
  • 支払手形勘定の8月末の貸方合計額:1,593,000円(=629,000円+964,000円)
    • 支払手形勘定の8月末の残高(貸方):1,593,000円-958,000円=635,000円

 6つの勘定の金額を記入し終えたら、仕訳を書いた下書用紙に戻ってください。

 すでに6つの勘定(現金・当座預金・売上・仕入・受取手形・支払手形)の集計は終わっているので、これらの勘定には打ち消し線を引いて、残りの勘定の集計の邪魔にならないように工夫しましょう

通常の下書き

通常の下書き(PDF版)
省略した下書き

省略した下書き(PDF版)

3.残りの勘定の金額を集計する。

 最後に、残りの勘定の金額を集計します。答案用紙の合計欄の金額を埋めるさいは、[資料A]の残高試算表の金額を足し忘れないように注意してください。

 なお、8月中の取引の結果、貸倒引当金の残高はゼロになるので、残高欄は空欄にしておきましょう(※0を記入する必要はありません。)

まとめ

 本問は「現金勘定と当座預金勘定の諸口の内容」や「残高試算表の有価証券の金額」を推定する処理が難しかったと思います。

 1回目はきちんと処理できなくても気にする必要はありませんが、本問のように答案用紙にも解答のヒントがある問題もあることを頭に入れておきましょう。

簿記ナビ模試3級の「各問題の難度」と「解答時間の目安」
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普通 普通 難しい 簡単 普通
5分 10分 20分 35分 5分 35分 10分