書籍概要

  1. 第147回をあてるTAC直前予想 日商簿記2級

    教材種別:
    予想問題集
    出版社:
    TAC出版
    問題数:
    4回分
    ページ数:
    236ページ
    サイズ:
    29.7 × 21 × 2 cm
    価格:
    1,620円(税込)

     第147回日商簿記検定2級対策用の予想問題集です。4回分の試験問題の他に、切り離して使える仕訳カード(全50問)が収載されています。

     また、第147回試験の大問別の出題予想(第1予想~第3予想+プラスワン予想)、「連結会計」完全マスターのポイント、集中学習論点シート、過去の出題傾向と対策、繰り返しシートなど…独学者にとって有益な情報も多数掲載されています。

    管理人のレビュー

     TACの予想問題集の一番のウリは「解説が充実している」点です。

     「合格る(うかる)タイムライン」では時間配分や各問題ごとの解答ポイントが分かりやすくまとめられていますし、「合格る(うかる)下書用紙」では、各問題の下書きの書き方が数ページにわたって詳細にまとめられています。解説がここまで詳しい予想問題集は他にありません。

     また、全ての問題について「解き方レクチャー」という無料の解説動画が用意されています。プロ講師による解説講義を気軽に受けられるのは、独学受験生にとっては嬉しいサービスです。

    合格る(うかる)タイムライン
    合格る(うかる)タイムライン

    合格る(うかる)下書用紙
    合格る(うかる)下書用紙

     第146回試験の的中実績や新出題区分の情報、第147回試験の出題予想なども掲載されています。また、今回だけ特別に(?)日商簿記検定の外部アドバイザーを務めている増子先生の連結会計のお話しも掲載されています。説明が分かりやすい!

    前回の的中実績はこんな感じです
    前回の的中実績はこんな感じです

    新出題区分の情報と出題予想
    新出題区分の情報と出題予想

    「連結会計」完全マスター
    「連結会計」完全マスター

    過去の出題傾向と対策
    過去の出題傾向と対策

     問題用紙と答案用紙はこんな感じで綴じられているので、水色の紙を残してグッと引き抜くと取り外すことができます。けっこう力がいるので、取り外すときは周りに気をつけてください。

    こんな感じで取り外します
    こんな感じで取り外します

    問題は1回分ずつ持ち運べます
    問題は1回分ずつ持ち運べます

     今回も全ての問題を解きましたが、商業簿記(第1問・第2問・第3問)はかなり難しいです。

     特に第1予想の第3問、第2予想の第3問、第3予想の第2問・第3問などは、日頃から簿記の問題を作っている私もかなり難しく感じました。

     よって、1回目は制限時間内に終わらなくても気にする必要はありません。また、合格点が取れなくても心配不要です。あなただけでなく、ほとんどの受験生が同じ状態です。2回目で合格点が取れるように、きちんと復習しておけばOKです。

     一方、工業簿記(第4問・第5問)は、いずれも基本的な問題ばかりです(第1予想の第4問はちょっと難しいですが…)。1回目で目標点が取れなかった方は、危機感を持って復習に力を入れてください。

     なお、2回目以降は「(第4問・第5問で)40点満点を取る」ではなく、「短い解答時間で40点満点を取る」ことを目標にしましょう。

     最後に付録の仕訳カードを紹介します。

     「左上のリングを通す部分」や「各仕訳カードの境界線」にミシン目加工が入っているので、簡単にカードを切り離してリング穴を作ることができます。紙質もしっかりしているので使いやすいです。

    仕訳カード1
    最初はこんな状態です

    仕訳カード2
    本体から切り離します

    仕訳カード3
    リングを通すとこんな感じです

    仕訳カード4
    裏面には解答・解説が載っています

     価格は1,620円(税込)です。なお、TACの直販サイト「CyberBookStore」では定価の10%~15%オフ&送料無料で購入することができます。

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無敵の簿記(直前対策本)との違いは?

  1. 無敵の簿記2級 第147回直前総まとめ
    教材種別:
    直前対策本
    出版社:
    TAC出版
    問題数:
    1回分
    ページ数:
    228ページ
    サイズ:
    25.7 × 18.2 × 2 cm
    価格:
    1,512円(税込)

    予想問題集と直前対策本の違い

     受験生の方から「予想問題集と直前対策本の違いってなんですか?両方やる必要ってありますか?」という質問をよくいただきます。

     なんとなく、どちらも試験前の直前期にやるものなのかな?と思われるかもしれませんが、予想問題集は主に本試験で出題が予想される問題をたくさん解くために使う教材なのに対し、直前対策本は主に本試験に関する幅広い情報を効率的に収集するために使う教材です。

     確かに「出題予想や予想問題が付いている」などの共通点もありますが、出題予想の切り口も違いますし、収載されている予想問題も内容が異なりますので、可能であれば両方を使って勉強することをおすすめします。

     なお、直販サイトでは「予想問題集と無敵の簿記の2冊セット」を定価の15%~20%オフ&送料無料で購入することができるので、ネットで購入する場合は直販サイトの利用をおすすめします。

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管理人が実際に問題を解いてみました!

第1予想

 第1問は、仕訳問題5問です。

 問1の現金過不足は、まず現金の実際有高を計算して帳簿残高との差額を雑損益で処理し、さらに未渡小切手・期末に残った郵便切手の期末処理を行います。

  • 買掛金を支払うために振り出した未渡小切手 → 買掛金の増加として処理
  • 買掛金以外(費用など)を支払うために振り出した未渡小切手 → 未払金の増加として処理
  • 郵便切手が期末に残った場合 → 通信費を貯蔵品に振り替え
  • 収入印紙が期末に残った場合 → 租税公課を貯蔵品に振り替え

 問2の外貨建取引は、先に前払金・買掛金の金額を埋めたあとに貸借差額で仕入の金額を計算するのがポイントです。

 問3の検収基準による売上戻り・売上値引はかなり難しいです。解説4ページのように商品発送時の仕訳を考えたうえで、解答の売上戻り・売上値引の各仕訳を考えましょう。

 問4のその他有価証券の売却は、売却時の帳簿価額がポイントです。本問には特別な指示はありませんが、通常、期首に再振替仕訳を行うので、売却時の帳簿価額は取得原価になります。

 問5の剰余金の配当・処分は、準備金の10分の1規定と4分の1規定の金額を計算し、どちらか小さい方の金額を配当額で按分します。10分の1規定を忘れてしまう方が多いのでご注意ください。


 第2問は、税金(課税所得の計算)と固定資産(リース会計)に関する問題です。

 問1の課税所得の計算に関しては、解説7ページのように税引前当期純利益に各差異の金額を加減する形で課税所得をサクッと計算しましょう。

 問2のリース会計に関しては、解説では「平成×7年度の処理」「平成×8年度の処理」と年度で分けて考えていますが、「備品甲の処理」「備品丁の処理」「備品乙の処理」と備品の種類別に考えるほうが分かりやすいと思います。

 備品甲は前期の期首スタートなので、期末において年間リース料の支払いの仕訳と1年分の減価償却を計上するだけです。

 なお、利子抜き法を採用しているので取得原価相当額がベースになる点、また、直接法を採用しているので減価償却の仕訳の貸方がリース資産になる点がポイントです。

 備品丁は当期中にスタートしているので、期末において支払利息の見越計上減価償却の月割り計算を行います。なお、当期末においてはリース債務の金額をいじる必要はありません。

 備品乙はオペレーティング・リース取引になるので、通常は支払リース料で処理するだけですが、本問はリース料支払日が決算日と異なっているため、前期末(=当期首)と当期末において支払リース料の見越計上が必要になります。


 第3問は、財務諸表(損益計算書)の作成問題です。

 決算整理事項等3の「売上原価の算定」は、13ページの解説では仕訳が紹介されていますが、実際に問題を解くさいには仕訳は不要です。

 以下のような商品ボックスを書いて「期首商品棚卸高・当期商品仕入高・売上原価・期末商品棚卸高・棚卸減耗損・商品評価損・期末実地棚卸高」を把握しましょう。

第1予想・第3問の商品ボックス
第1予想・第3問の商品ボックス

 決算整理事項等5の「貸倒引当金の設定」は、売上債権・短期貸付金(甲社以外)・短期貸付金(甲社)の3つに分けて考えましょう。売上債権の期末残高を計算するさいは、決算整理事項等4の換算替えで増加した売掛金を考慮し忘れないように気をつけてください。

 また、貸付金等の営業外債権にかかる貸倒引当金繰入は、売上債権にかかる貸倒引当金繰入とは別にして「営業外費用」の欄に計上します。念のため今一度ご確認ください。

  • 売上債権にかかる貸倒引当金繰入:損益計算書の販売費及び一般管理費の欄に計上する
  • 営業外債権にかかる貸倒引当金繰入:損益計算書の営業外費用の欄に計上する

 決算整理事項等6の「返品調整引当金の設定」は、返品調整引当金繰入を売上総利益の控除項目として表示するので、損益計算書の表示位置は修正前売上総利益の下になります。うっかり販売費及び一般管理費の区分に入れないように気をつけてください。

 決算整理事項等8の「減価償却」は、圧縮記帳の対象となる新建物と旧建物をきちんと分けて減価償却費を計算しましょう。圧縮記帳の処理自体は簡単なので特に問題ないと思います。

解答時のちょっとしたテクニック

 全体的な解答の流れとしては、まず資料Ⅱの決算整理事項等の仕訳を下書きし、答案用紙の損益計算書を完成させる形が一般的かと思いますが、下書きが完成した時点で貸借対照表に関する勘定科目には打ち消し線を引いて集計から除外しましょう。

 本問は損益計算書のみを作成する問題なので、貸借対照表に関する勘定科目の増減は関係ありません。損益計算書に関する勘定科目のみを効率よく集計するために、また集計漏れを防ぐために、集計作業に先立って貸借対照表に関する勘定科目を除外しておくことをおすすめします。


 第4問は、費目別計算に関する問題です。

 本問は、原料・賃金・製造間接費の各勘定と決算整理前残高試算表の読み取りが難しいため、工業簿記の問題にしては難度が高めです。よって、1回目で点数が取れなくても気にする必要はありません。2回目で満点が取れるようにきちんと復習しておきましょう。

 原料・賃金・製造間接費の各下書きは、解説20・21ページの各勘定を参考にしましょう。解説を眺めるだけでなく、実際に勘定を書いて考えてみると理解が深まります。


 第5問は、直接原価計算(CVP分析)に関する問題です。

 問5で問われている全部原価計算の営業利益に関しては、製造原価の固定費1,500,000円の取り扱いがポイントになります。

 直接原価計算の場合、製造原価の固定費を製品原価に集計せずに期間原価として処理します。一方、全部原価計算の場合は製造原価の固定費を製品原価に集計します。

 この違いにより、直接原価計算の営業利益と全部原価計算の営業利益は、期首・期末に含まれる製造原価の固定費の分だけ金額がズレます。

部原価計算による営業利益-接原価計算による営業利益=期製品に含まれる製造原価の固定費の金額-期製品に含まれる製造原価の固定費の金額

 本問に当てはめてみると…

部原価計算による営業利益-2,880,000円=300,000円-0円

部原価計算による営業利益=3,180,000円

 なお、この関係式には「全直末首(ぜんちょくまっしゅ)」という便利な語呂がありますので、この機会に語呂をしっかり押さえておきましょう。

★第1予想の「各問題の難度」と「解答時間の目安」
準備 第1問 第2問 第3問 第4問 第5問 見直し
難しい 普通 難しい 難しい 簡単
5分 15分 20分 40分 20分 10分 10分

第2予想

 第1問は、仕訳問題5問です。

 問1の研究開発費は、全額を研究開発費で処理するだけです。

 問2の固定資産の圧縮記帳は、模範解答の1段目が購入に関する仕訳、2段目が圧縮に関する仕訳です。1段目と2段目は別の取引なので、解答の建物勘定は相殺せずに借方・貸方にそれぞれ計上します。

 問3の連結会計は、お決まりの連結修正仕訳をするだけです。連結修正仕訳はパターンが決まっているので、各ひな型をきちんと覚えましょう。

 問4の役務収益・役務原価は、収益・費用を役務収益・役務原価として処理するとともに、仕掛品を役務原価に振り替えましょう。

 問5の配当金の処理は、過去問類似問題です。源泉所得税を仮払法人税等で処理する点、600,000円が控除後の金額である点、の2点に気をつけましょう。


 第2問は、連結会計に関する問題です。

 問1は空欄推定タイプの理論問題です。問題文に「番号で答えなさい」という指示があるので、語群の番号で解答しましょう。番号ではなく言葉を書いてしまった方は、指示の見落としにじゅうぶんご注意ください。

 問2では、支配獲得日の「投資と資本の相殺消去の仕訳」が問われていますが、テキストレベルの簡単な処理なので特に問題ないと思います。11月の本試験もこれぐらいの問題だと良いのですが…。


 第3問は、銀行勘定調整表+財務諸表(貸借対照表)の作成問題です。

 本問は、ただでさえ時間がかかる貸借対照表の作成に加えて、銀行勘定調整表まで問われているのでかなり大変です。よって、1回目で点数が取れなくても気にする必要はありません。2回目で満点が取れるようにきちんと復習しておきましょう。

 決算整理事項等1の「銀行勘定調整表の処理」は、答案用紙の銀行勘定調整表を完成させたうえで、左側の「当社の帳簿残高」の加算・減算要因となっている②④⑤の仕訳を考えましょう。

 決算整理事項等2の「定期預金」は、決算日の翌日から起算して1年以内に満期日が到来するかチェックしましょう。本問の定期預金は1年以内に満期日が到来しないので、現金預金を長期性預金(固定資産)に振り替えます。

 本問にかぎらず、第3問の貸借対照表作成問題では必ずと言っていいほど定期預金・貸付金・借入金の1年基準による長短分類が問われるので、きちんと分類できるように準備しておきましょう。

  • 定期預金
    • 決算日の翌日から起算して1年以内に満期日が到来するもの:現金預金など(流動資産)
    • 決算日の翌日から起算して1年を超えて満期日が到来するもの:長期性預金(固定資産)
  • 貸付金
    • 決算日の翌日から起算して1年以内に返済日が到来するもの:短期貸付金(流動資産)
    • 決算日の翌日から起算して1年を超えて返済日が到来するもの:長期貸付金(固定資産)
  • 借入金
    • 決算日の翌日から起算して1年以内に返済日が到来するもの:短期借入金(流動負債)
    • 決算日の翌日から起算して1年を超えて返済日が到来するもの:長期借入金(固定負債)

 決算整理事項等3の「売上原価の算定」は、41ページの解説では仕訳が紹介されていますが、実際に問題を解くさいには仕訳は不要です。

 まず、解説にあるようなボックスを書いて「棚卸減耗損・商品評価損」を計算したうえで、以下のような商品ボックスを書いて「期首商品棚卸高・当期商品仕入高・売上原価・期末商品棚卸高・期末実地棚卸高」を把握しましょう。

第2予想・第3問の商品ボックス
第2予想・第3問の商品ボックス

 決算整理事項等5の「有価証券」は、売買目的有価証券とその他有価証券を時価評価し、満期保有目的債券には償却原価法を適用して評価替えします。子会社株式は時価評価しません。

 決算整理事項等6の「前払費用」は、1年基準による長短分類がポイントです。問題を解くさいは解説57ページの下書きにあるような数直線をパパっと書いて、費用を3つに分類しましょう。

  • 保険料
    • 当期に属する分:保険料(費用処理)
    • 決算日の翌日から起算して1年以内のもの:前払費用(流動資産)
    • 決算日の翌日から起算して1年を超えるもの:長期前払費用(固定資産)
  • 本問に当てはめると…
    • 平成28年12月1日から平成29年3月31日までの4か月分:保険料(費用処理)
    • 平成29年4月1日から平成30年3月31日までの12か月分:前払費用(流動資産)
    • 平成30年4月1日から平成30年11月30日までの8か月分:長期前払費用(固定資産)

 決算整理事項等7の「リース会計」は、2017年度から新たに試験範囲に追加された論点です。

 本問は「利子抜き法」による処理が問われていますが、「利子込み法」が問われる可能性もじゅうぶんあるので、両者の処理の違いをきちんと押さえておきましょう。

リース契約時の仕訳(利子抜き法)
(借)リース資産 900,000
 (貸)リース負債 900,000
リース料支払時の仕訳(利子抜き法)
(借)リース負債 180,000
(借)支払利息 18,000
 (貸)現金など 198,000
減価償却の仕訳(利子抜き法)
(借)減価償却費 180,000
 (貸)減価償却累計額 180,000
リース契約時の仕訳(利子込み法)
(借)リース資産 990,000
 (貸)リース負債 990,000
リース料支払時の仕訳(利子込み法)
(借)リース負債 198,000
 (貸)現金など 198,000
減価償却の仕訳(利子込み法)
(借)減価償却費 198,000
 (貸)減価償却累計額 198,000

 なお、リース債務に関しては1年基準による長短分類が必要になります(※考え方は借入金と同じです)。

  • リース債務の分類
    • 決算日の翌日から起算して1年以内に支払日が到来するもの:リース債務 (流動負債)
    • 決算日の翌日から起算して1年を超えて支払日が到来するもの:長期リース債務(固定負債)
  • 本問に当てはめると…
    • 平成29年度末に支払日が到来する180,000円リース債務 (流動負債)
    • 平成30年度末・31年度末・32年度末に支払日が到来する540,000円長期リース債務(固定負債)

繰越利益剰余金の取り扱い

 答案用紙の繰越利益剰余金の金額は、損益計算書を自作して「決算整理前の繰越利益剰余金+当期純利益」を計算するか、貸借対照表の貸借差額で計算する必要があります。

 ただ、決算整理事項等の処理をひとつでも間違えると金額が合わなくなるので、ここは最初から捨ててしまいましょう。

解答時のちょっとしたテクニック

 全体的な解答の流れとしては、まず資料Ⅱの決算整理事項等の仕訳を下書きし、答案用紙の貸借対照表を完成させる形が一般的かと思いますが、下書きが完成した時点で損益計算書に関する勘定科目には打ち消し線を引いて集計から除外しましょう。

 本問は銀行勘定調整表+貸借対照表を作成する問題なので、損益計算書に関する勘定科目の増減は関係ありません。貸借対照表に関する勘定科目のみを効率よく集計するために、また集計漏れを防ぐために、集計作業に先立って損益計算書に関する勘定科目を除外しておくことをおすすめします。


 第4問は、個別原価計算に関する問題です。

 問1では、製造指図書No.0202に対する2月の配賦額が問われています。配賦額を計算するさいに1月のデータを含めないように気をつけましょう。

 問2では、仕掛品・製品勘定の記入と差異分析が問われています。解説59ページで紹介されているような簡単な下書きを書いて、売上原価・期末仕掛品原価・期末製品原価を計算しましょう。

 また、差異分析を行うにあたって、年間予算額29,160,000円の変動費と固定費の内訳が不明なので、固定予算により差異分析を行います。毎度おなじみの図を書いて、差異の金額をサクッと求めましょう。


 第5問は、工程別総合原価計算に関する問題です。

 本問は、仕損品の処分価額を適切に処理できるか、また、第2工程の加工進捗度0.5の地点で投入される原料Yの商品ボックスをきちんと書けるか、の2点がポイントになります。

 11月の本試験で工程別総合原価計算が出題される可能性もじゅうぶんあるので、間違えてしまった方は解説52~54ページをしっかり読んで完ぺきに解けるようにしておきましょう。

第1工程から第2工程に振り替える個数について

 過去の本試験では、第1工程完了品(本問の場合は600個)のすべてではなく一部のみを第2工程に振り替える問題が出題されたことがあります。

 本問は、問題文に「第1工程完成品はすべて第2工程に振り替えられており」とあるので大丈夫ですが、工程別総合原価計算の問題を解くさいには、第1工程から第2工程に振り替えられる個数のチェックを忘れないように気をつけましょう。

★第2予想の「各問題の難度」と「解答時間の目安」
準備 第1問 第2問 第3問 第4問 第5問 見直し
簡単 簡単 難しい 簡単 普通
5分 10分 15分 40分 20分 20分 10分

第3予想

 第1問は、仕訳問題5問です。

 問1の不渡手形は、営業外受取手形・受取手形を不渡手形に振り替えます。問題文の「貸倒引当金の残高 ¥ 15,000 がある」はダミーデータなので、ひっかからないように気をつけましょう。

 問2の外貨建取引は、為替予約をした時点で差損益の金額が確定するので、「帳簿価額」と「予約時の為替相場で換算した金額」との差額を為替差損益で処理します。

 問3の固定資産の買い替えは、計算が非常に面倒くさいです。解答仕訳を考えるさいは、旧備品の売却と新備品の購入を別々に考えたうえで、最後に2つをガッチャンコしましょう。

 問4の固定資産の修繕は、資本的支出を建物の増加として処理するとともに、収益的支出を修繕費(※修繕引当金がある場合はまず取崩し)で処理します。

 問5の連結会計は、お決まりの連結修正仕訳をするだけです。なお、借方の「非支配株主に帰属する当期純利益」と貸方の「非支配株主持分当期変動額」は、解答のように2行に分けて書いても、1行で詰めて書いてもどちらでも大丈夫です。


 第2問は、本支店会計に関する問題です。

 本支店会計は、試験範囲の改定により「未達事項・内部利益の処理」が試験範囲外となったため、第1問の仕訳問題以外で出題される可能性は低いと言われています。

 ただ、本問のような形で出題される可能性もゼロではないので、少なくとも問1の仕訳と問3の正誤はきちんと解けるように準備しておきましょう。

 問1では本店が行う仕訳が問われていますが、いきなり本店の仕訳を考えるのではなく、先に支店の仕訳を考えたうえで本店の仕訳を考えると分かりやすいです。

 なお、「千葉支店」「埼玉支店」がいつの間にか「千葉商店」「埼玉商店」になってしまう方が結構います。「~商店」にしてしまうと内容が合っていても全て不正解になってしまうので、ケアレスミスにはじゅうぶん気をつけてください。

 問2では支店勘定および繰越利益剰余金の次期繰越額が問われていますが、この2つはちょっと難しいので、勉強があまり進んでいない方は思い切って捨ててしまっても構いません。

 問3は本支店会計に関する正誤問題です。知っているか知らないかだけの問題なので、この機会にきちんと押さえておきましょう。


 第3問は、サービス業に関する財務諸表(損益計算書)の作成問題です。

 次に損益計算書の作成問題が出題される場合、本問のようなサービス業の問題になる可能性が高いと言われているので、本問を使って役務収益・役務原価の処理をきちんと押さえておきましょう。

 決算整理事項その他1の(3)の「外国紙幣の換算替え」は、換算差額を為替差損益で処理します。

 なお、損益計算書に計上するさいには、損失が発生していれば「為替差」、逆に利益が発生していれば「為替差」と表示します。為替差損益をそのまま使わないように気をつけましょう。

 決算整理事項その他2の「役務収益・役務原価」の(2)は、計上漏れとなっている役務収益および役務原価を計上します。なお、役務原価の金額は、役務収益60千円の75%分(45千円)になります。

 (3)は、仕掛品を役務原価に振り替えるとともに、仕掛品420千円から役務収益560千円(=420千円÷75%)を逆算して計上し、さらに「当社負担の事務用品費15千円」を役務原価(その他)で処理します。(4)は、役務原価を仕掛品の振り替えます。

 決算整理事項その他4の「減価償却」は、備品の改定償却率による均等償却がポイントです。かなり応用的な論点になりますが、計算自体は帳簿価額を残存耐用年数で割るだけなので簡単です。この機会に押さえておきましょう。

解答時のちょっとしたテクニック

 全体的な解答の流れとしては、まず資料Ⅱの決算整理事項その他の仕訳を下書きし、答案用紙の損益計算書を完成させる形が一般的かと思いますが、下書きが完成した時点で貸借対照表に関する勘定科目には打ち消し線を引いて集計から除外しましょう。

 本問は損益計算書のみを作成する問題なので、貸借対照表に関する勘定科目の増減は関係ありません。損益計算書に関する勘定科目のみを効率よく集計するために、また集計漏れを防ぐために、集計作業に先立って貸借対照表に関する勘定科目を除外しておくことをおすすめします。


 第4問は、標準原価計算に関する問題です。

 問1ではシングルプラン・パーシャルプランによる勘定記入が問われています。シングルプランは全て標準原価で記帳するので、仕掛品勘定において原価差異は発生しません。

 一方、パーシャルプランは配賦額のみ実際原価で、それ以外を全て標準原価で記帳するので、仕掛品勘定において原価差異(=標準配賦額と実際配賦額との差額)が発生します。

 問2では、固定予算および公式法変動予算による差異分析が問われていますが、これは毎度おなじみの図を書いて機械的に計算するだけなので特に問題ないと思います。

 ただ、問題文に「(公式法変動予算によった場合の)能率差異は変動費のみで計算すること」という指示があるので、固定費部分の能率差異は操業度差異に含めて処理しましょう。


 第5問は、組別総合原価計算に関する問題です。

 A組に関しては、終点に投入した直接材料7,500円の取り扱いがポイントになります。完成品総合原価・月末仕掛品原価を計算するさいには、当期投入額から差し引いたうえで最後に完成品総合原価に足しましょう。

 B組に関しては、減損の発生点が不明なので、完成品総合原価と月末仕掛品原価の両方に負担させましょう。

★第3予想の「各問題の難度」と「解答時間の目安」
準備 第1問 第2問 第3問 第4問 第5問 見直し
普通 難しい 難しい 普通 普通
5分 15分 20分 40分 15分 15分 10分

プラスワン予想

 第1問は、仕訳問題5問です。

 問1の未渡小切手は、消耗品代金の未払いなので未払金で処理します。

  • 買掛金に関する未渡小切手 → 貸方は買掛金
  • 買掛金以外に関する未渡小切手 → 貸方は未払金

 問2の買掛金の支払いは、手数料の処理で手が止まった方がいるかもしれませんが、減少した買掛金が750,000円、同じく減少した当座預金が750,000円ということが分かれば仕訳は簡単です。

 問3の給料の支払いは、会社負担の社会保険料を法定福利費で費用処理します。また、給料支払時に天引きしていた住民税・源泉所得税・社員負担の社会保険料は従業員預り金で処理しています。従業員立替金にしないように気をつけましょう。

参考・給料支払時の仕訳
(借)給料 ×××
 (貸)従業員預り金 3,210,000
 (貸)現金など ×××
解答仕訳
(借)従業員預り金 3,210,000
(借)法定福利費 1,470,000
 (貸)当座預金 4,680,000

 問4のリース会計は、リース契約時の仕訳を解答するだけです。利子抜き法の場合は見積現金購入価額、利子込み法の場合はリース料総額を使いましょう。

 問5の固定資産の割賦購入は、現金購入価額と割賦購入価額合計との差額を前払利息で処理します。

  • 現金購入価額:@264,000円×15台=3,960,000円
  • 割賦購入価額合計:頭金900,000円+@53,040円×60か月=4,082,400円
    • 前払利息:122,400円(=4,082,400円-3,960,000円)

 第2問は、有価証券に関する問題です。

 基本的には問題の指示に従って仕訳を考えるだけです。X社株式は追加取得により「その他有価証券→子会社株式」になる点、Y社社債は適用利率が「年1%→年1.2%」になる点がポイントになります。

 なお、Y社社債は満期保有目的債券なので、通常は貸借対照表の投資有価証券(固定資産)に含めて表示されますが、決算日の翌日から起算して1年以内に満期日が到来する第×3期期末においては、投資有価証券ではなく有価証券(流動資産)に含めて表示します。


 第3問は、連結会計に関する問題です。

 第2予想の第2問では、支配獲得日の連結修正仕訳のみが問われましたが、本問は支配獲得日から1年後の連結修正仕訳が問われています。

 11月の本試験で連結会計が問われるとしたら…おそらくこれぐらいのレベルになるかと思いますので、本問を使って万全の対策をしておきましょう。

 なお、連結精算表は必ず損益計算書→株主資本等変動計算書→貸借対照表の順番に金額を埋めていきます。連結修正仕訳もパターンが決まっているので、仕訳時に勘定科目がすぐに出てこない方は、割り切って暗記してしまいましょう。


 第4問は、本社工場会計に関する問題です。

 本社工場会計は、工場で設定されていない勘定(買掛金・現金預金・減価償却累計額など)を本社元帳勘定に置き換えて解答するのがポイントです。

 6.の減価償却費の見積額は年間の金額です。製造間接費に計上するさいは、1か月分の900,000円(=10,800,000円÷12か月)を計上します。

 また、7.の製造間接費の予定配賦は、直接作業時間を配賦基準にして各製造指図書に配賦しているので、4.の「すべての製造指図書に共通の実際間接作業時間(80時間)」は含めません。うっかり560時間で計算しないように気をつけましょう。


 第5問は、等級別総合原価計算に関する問題です。

 B材料は工程の40%で投入されているので、加工進捗度20%の月初仕掛品には含まれていませんが、加工進捗度80%の月末仕掛品には含まれています。

 また、各製品の完成品単位原価を計算するさいは、按分後の完成品総合原価を個数で割って求めます。うっかり積数で割ってしまう方が必ずいるので、じゅうぶんご注意ください。

★プラスワン予想の「各問題の難度」と「解答時間の目安」
準備 第1問 第2問 第3問 第4問 第5問 見直し
普通 簡単 簡単 普通 簡単
5分 15分 15分 35分 25分 15分 10分

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仕訳問題に関するQ&A

自分の解答と模範解答の勘定科目の上下が逆になっていました。不正解になりますか?
 仕訳は上下が逆になっていても正解です。

 本書ですと…例えば、第1予想の問2の模範解答では前払金・買掛金の順番に並んでいますが、この2つは上下が入れ替わっても構いません。他の問題も同様です。

勘定科目の漢字を間違えた場合、部分点はもらえますか?
 部分点はもらえません。

 勘定科目の漢字を間違えた場合は不正解になりますので、ケアレスミスにご注意ください。また、問題に列挙されていない勘定科目を使って解答した場合も不正解になります。

金額にカンマを付けないと不正解になりますか?
 不正解にはなりません。

 ただ、実務においてカンマを付けるのは当たり前のことですし、省略したからといって解答時間の短縮にはなりません。それどころか、見直しの時に見にくいだけです。

 このようにカンマを付けないメリットはなにもありませんので、金額には必ずカンマを付けましょう。

管理人さんの仕訳問題の解き方を教えてください。
 私はまず、問題に列挙されている勘定科目群に線を入れて「資産」「負債」「純資産」「収益」「費用」「その他」などに分けて見やすくします。そのさいに気になる勘定科目があったらマルで囲んで目立たせておきます。

 次に、問題文を読んで重要そうなところにアンダーラインを入れます。

 上記の準備をしたうえで解答仕訳を考えますが、答案用紙にいきなり仕訳を書くのではなく、まずは問題用紙の余白部分に仕訳をメモ書きして勘定科目のチェックをしてから答案用紙に書きます。

 ひと手間を加えるだけでケアレスミスをなくすことができますので、ぜひ参考にしてください。