簿記ナビ模試のご案内

 第147回日商簿記検定2級の予想問題「簿記ナビ模試」は、簿記検定ナビのサイト内で無料配布中です。面倒な会員登録等は一切不要で、問題用紙・答案用紙・解答の各PDFファイルをワンクリックで簡単にダウンロードできます。




問1(連結会計)

重要度:★★★ 難度:★☆☆

解答仕訳
(借)固定資産売却益 100,000 ※1
 (貸)土地 100,000

※1 300,000円-200,000円=100,000円

 連結会計に関する問題です。

 本問はまず、親会社(P社)と子会社(S社)の土地の売買に関する個別会計上の処理を考えてみましょう。親会社は、帳簿価額200,000円の土地を300,000円で子会社に売却しているので、差額の100,000円が固定資産売却益になります。

参考・親会社の土地の売買に関する仕訳
(借)現金など 300,000
 (貸)土地 200,000
 (貸)固定資産売却益 100,000
参考・子会社の土地の売買に関する仕訳
(借)土地 300,000
 (貸)現金など 300,000

 上記の個別会計上の仕訳をふまえたうえで連結修正仕訳を考えますが、本文で問われてる親子会社間の土地の売買は、連結グループで考えると連結グループ内で土地が移動しただけです。

 よって、連結財務諸表の作成にあたって「親会社が計上した固定資産売却益100,000円」と「子会社が計上した土地300,000円のうちの利益部分100,000円」を相殺消去します。

解答仕訳
(借)固定資産売却益 100,000
 (貸)土地 100,000

第147回試験で連結会計は出題されるの?

 次回の第147回試験から連結会計が試験範囲に追加されますが、出題開始時期を当初予定していた第146回から第147回にあえてずらしたことを考えると、第147回で出題されると考えるのが自然でしょう。

 第1問で出題されるのか、第3問で出題されるのかは蓋を開けてみないと分かりませんが、仮に第1問で出題される場合は、資料のボリュームが大きくなってしまう「開始仕訳」よりも、本問のように少ない資料で出題できる「連結修正仕訳」がメインになるはずです。

 本問とあわせて、「内部取引高と債権債務の相殺消去」「期末の貸倒引当金の修正」「手形の割引き」「未実現利益の消去」などの他の連結修正仕訳も再度確認しておきましょう。

問2(リース取引)

重要度:★★★ 難度:★☆☆

解答仕訳
(借)リース資産 50,000 ※2
 (貸)リース債務 50,000

※2 500,000円-450,000円=50,000円

 リース取引に関する問題です。

 ファイナンス・リース取引に該当する場合の処理方法は「利子込み法」と「利子抜き法」の2つがありますが、大きな違いはリース資産・リース債務の計上額です。

  • 利子込み法の計上額:リース料総額
  • 利子抜き法の計上額:見積現金購入価額など

 本問は、問題文に「利子込み法により処理することとしたが、本日(7月10日)、誤って利子抜き法で処理していたことが判明した」とあるので、2つの仕訳を考えたうえで正しい仕訳になるように修正しましょう。

参考・利子込み法によるリース契約時の仕訳
(借)リース資産 500,000 ※3
 (貸)リース債務 500,000

※3 100,000円×5回=500,000円(リース料総額)

参考・利子抜き法によるリース契約時の仕訳
(借)リース資産 450,000 ※4
 (貸)リース債務 450,000

※4 問題文の「見積現金購入価額 ¥ 450,000 」より

 上記の2つの仕訳から、リース資産・リース債務ともに500,000円ずつ計上すべきところ450,000円しか計上していなかったことが分かるので、リース資産・リース債務ともに50,000円ずつ追加計上して正しい金額に修正します。

解答仕訳
(借)リース資産 50,000
 (貸)リース債務 50,000

問3(本支店会計)

重要度:★★☆ 難度:★★☆

解答仕訳
(借)支店 180,000
 (貸)損益 180,000

 本支店会計に関する問題です。

 本店の処理が問われているので「支店」と「損益」を使うのはなんとなく分かるけど、どっちが借方でどっちが貸方なんだろう…と迷った方も多かったと思います。その場合は支店の決算振替仕訳を先に考えると分かりやすいです。

 まず、支店において当期純利益180,000円が発生しているので、仮に支店の諸収益の金額を1,180,000円、諸費用の金額を1,000,000円として決算振替仕訳を考えてみましょう。

参考・支店の決算振替仕訳1
(借)諸収益1,180,000
 (貸)損益 1,180,000
(借)損益 1,000,000
 (貸)諸費用 1,000,000

 この時点で支店の損益勘定は180,000円の貸方残になるので、さらにこれを本店勘定に振り替えます。

参考・支店の決算振替仕訳2
(借)損益 180,000
 (貸)本店 180,000

 上記の仕訳をふまえたうえで最後に本店の仕訳を考えますが、損益を振り替えるほう(支店)と損益を受け入れるほう(本店)では損益の貸借が逆になるので、本店の仕訳では貸方に損益が入ると判断します。

本店の仕訳(解答仕訳)
(借)支店 180,000
 (貸)損益 180,000

問4(返品調整引当金)

重要度:★★☆ 難度:★★☆

解答仕訳
(借)返品調整引当金 300,000 ※5
(借)仕入 700,000 ※6
(借)売上 800,000
 (貸)売掛金 1,800,000 ※7

※5 1,000,000円×30%=300,000円

※6 1,000,000円×70%=700,000円

※7 1,000,000円+800,000円=1,800,000円

 返品調整引当金に関する問題です。

 本問は【前期販売分の返品に関する仕訳】と【当期販売分の返品に関する仕訳】に分けて考えましょう。

前期販売分の返品に関する仕訳

 前期に販売した商品が返品された場合、原価分については新たな仕入があったと仮定して処理するとともに、利益分については返品調整引当金が設定されていれば返品調整引当金を取り崩して処理します。

  • 原価分 → 700,000円(=1,000,000円×原価率70%)は仕入で処理
  • 利益分 → 300,000円(=1,000,000円×利益率30%)は返品調整引当金で処理
仕訳①(前期販売分の返品に関する仕訳)
(借)返品調整引当金 300,000
(借)仕入 700,000
 (貸)売掛金 1,000,000

 なお、返品調整引当金が設定されていない場合、利益分については前期損益修正損などで処理しますが、2級の試験範囲ではないので覚える必要はありません。

当期販売分の返品に関する仕訳

 当期中に販売した商品が返品された場合、原価分・利益分を分けることなく売上時の逆仕訳をするだけです。仕入・返品調整引当金勘定を使わないように気をつけてください。

参考・売上時の仕訳
(借)売掛金 800,000
 (貸)売上 800,000
仕訳②(当期販売分の返品に関する仕訳)
(借)売上 800,000
 (貸)売掛金 800,000

 以上、①②の仕訳をまとめると解答仕訳になります。

問5(課税所得の計算)

重要度:★★☆ 難度:★★☆

解答仕訳
(借)法人税、住民税及び事業税 360,000 ※8
 (貸)仮払法人税等 100,000
 (貸)未払法人税等 260,000 ※9

※8(1,000,000円-100,000円)×40%=360,000円

※9 360,000円-100,000円=260,000円(貸借差額)

 課税所得の計算に関する問題です。

 税引前当期純利益をベースに加算・減算調整をして課税所得を計算し、法人税等の金額を計算する問題ですが、益金・損金の算入・不算入の仕組みに慣れるまでは難しく感じるかもしれません(いったん慣れてしまえば加減するだけなので簡単です)。

 本問は、問題文に「受取配当金の益金不算入額が ¥ 100,000 あることが判明」とあるので、以下の流れで法人税等のベースとなる税法上の利益(課税所得)を計算しましょう。

受取配当金の100,000円は益金不算入
→ 会計上は収益計上されているけど税法上は益金にはならない
→ 税法上の利益(課税所得)は会計上の利益よりも100,000円少なくなる
会計上の利益が1,000,000円なら税法上の利益(課税所得)は900,000円
→ 900,000円をベースに法人税等の金額を計算する…という感じです。

 税法上の利益(課税所得)を把握したあとは、税率40%を掛けて法人税等の金額360,000円を計算し、さらに仮払法人税等の残高100,000円との差額260,000円を未払法人税等で処理します。

まとめ

 今回の仕訳問題は、解くのにやや時間がかかる問題が多いものの、全体的な難度は平均~やや難しいぐらいのレベルです。

 1回目で12点(5問中3問正解)を取れなかった方は、簿記検定ナビで無料配布している仕訳問題対策を活用して仕訳力の底上げに取り組んでください。

仕訳問題に関するQ&A

自分の解答と模範解答の勘定科目の上下が逆になっていました。不正解になりますか?
 仕訳は上下が逆になっていても正解です。

 本問ですと…例えば、問5の模範解答では仮払法人税等が上・未払法人税等が下になっていますが、この仕訳は未払法人税等が上・仮払法人税等が下でも構いません。問5以外も同様です。

勘定科目の漢字を間違えた場合、部分点はもらえますか?
 部分点はもらえません。

 勘定科目の漢字を間違えた場合は不正解になりますので、ケアレスミスにご注意ください。また、問題に列挙されていない勘定科目を使って解答した場合も不正解になります。

金額にカンマを付けないと不正解になりますか?
 不正解にはなりません。

 ただ、実務においてカンマを付けるのは当たり前のことですし、省略したからといって解答時間の短縮にはなりません。それどころか、見直しの時に見にくいだけです。

 このようにカンマを付けないメリットはありませんので、金額には必ずカンマを付けましょう。

管理人さんの仕訳問題の解き方を教えてください。
 私はまず、問題に列挙されている勘定科目群に線を入れて「資産」「負債」「純資産」「収益」「費用」「その他」などに分けて見やすくします。

 そのさいに気になる勘定科目があったらマルで囲んで目立たせておきます。

 次に、問題文を読んで重要そうなところにアンダーラインを入れます。問2なら「利子込み法」「利子抜き法」、問3なら「本店側」、問4なら「前期」「70%」「当期中」「¥ 500,000」、問5なら「受取配当金の益金不算入額」などです。

 上記の準備をしたうえで解答を考えますが、答案用紙にいきなり仕訳を書くのではなく、まずは問題用紙の余白部分に仕訳をメモ書きしたうえで、一度勘定科目のチェックをしてから答案用紙に書きます。

 ひと手間を加えるだけでケアレスミスをなくすことができますので、ぜひ参考にしてください。

簿記ナビ模試2級の「各問題の難度」と「解答時間の目安」
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