第146回日商簿記検定2級 試験問題&管理人の解説

 第146回日商簿記検定2級を受験された皆様、お疲れ様でした。本ページでは、第146回日商簿記検定の試験問題の無料請求方法や、TACや大原などの解答速報情報、各問題の管理人の解説をまとめました。

 なお、第146回日商簿記検定2級の感想や質問はページの一番下のコメント欄に気軽に書き込んでください。ひとことでも長文でも構いません。受験生の皆様のコメントをお待ちしております。

各社の模範解答(解答速報)

おすすめ解答順序と時間配分

1問→第2問→第3問→第4問→第5

 今回の問題は5問とも簡単でしたので、順番を入れ替える必要はありません。第1問から順番に解いていけば良いと思います(私も第1問から順番に解きました)。

「各問題の配点」と「各問題の難易度」と「時間配分の目安」
配点 難易度 時間配分
準備 5分
1 20点 簡単 10分
2 20点 簡単 25分
3 20点 簡単 35分
4 20点 普通 20分
5 20点 簡単 15分
見直し 10分

予想合格率

 合格率は40%前後ぐらいになるのではないでしょうか。近年の試験ではかなり簡単なほうなので、今回の受験生はラッキーだったと思います。

直近の試験の合格率の推移
第141回 第142回 第143回 第144回 第145回 第146回
11.8% 14.8% 25.8% 13.4% 25.0% 40%前後?



第1問・仕訳問題(配点20点)

  1. クレジット売掛金
  2. 研究開発費
  3. 固定資産の圧縮記帳
  4. 設立時の新株発行
  5. 消費税

問1 クレジット売掛金

問1 模範解答
(借)クレジット売掛金 196,000
(借)支払手数料 4,000
 (貸)売上 200,000

 クレジット売掛金に関する問題です。

 テキストの例題レベルの問題なので絶対に落としてはいけません。クレジット手数料4,000円(=200,000円×2%)は、支払手数料で処理します。

問2 研究開発費

問2 模範解答
(借)研究開発費 5,300,000
 (貸)当座預金 5,300,000

 研究開発費に関する問題です。

 研究開発にかかる支出は、すべて研究開発費で処理します。給料や機械装置で処理しないように気をつけましょう。

問3 固定資産の圧縮記帳

問3 模範解答
(借)固定資産圧縮損 400,000
 (貸)備品 400,000

 固定資産の圧縮記帳に関する問題です。

 問題文に「備品 ¥ 1,000,000 の取得にあたり、国庫補助金 ¥ 400,000 を受け取り」とあるので、備品の取得時に以下のような仕訳を切っていたと判断します。

参考:備品取得時の仕訳
(借)備品 1,000,000
 (貸)現金など 1,000,000
(借)現金など 400,000
 (貸)国庫補助金受贈益 400,000

 上記の仕訳を踏まえたうえで、問題文の「直接控除方式により圧縮記帳の処理を行った」から、固定資産圧縮損を計上するとともに、同額だけ備品の帳簿価額を減額します。

解答仕訳
(借)固定資産圧縮損 400,000
 (貸)備品 400,000

問4 設立時の新株発行

問4 模範解答
(借)普通預金 2,500,000
 (貸)資本金 2,000,000
 (貸)資本準備金 500,000

 設立時の新株発行に関する問題です。

 問1と同様にテキストの例題レベルの問題なので絶対に落としてはいけません。

  • 払込金の8割 → 2,500株×@1,000円×80%=2,000,000 → 資本金に計上
  • 払込金の2割 → 2,500株×@1,000円×20%=500,000 → 資本準備金に計上

問5 消費税

問5 模範解答
(借)仮受消費税 830,000
 (貸)仮払消費税 360,000
 (貸)未払消費税 470,000

 消費税に関する問題です。

 納付すべき消費税を算定する場合は、消費税の仮払分と仮受分を相殺して、残額を未払消費税または未収還付消費税で処理します。

  • 仮払>仮受 → 消費税を多く払いすぎている → 後日、払いすぎている分が戻ってくる → 未収還付消費税で処理
  • 仮払<仮受 → 消費税を多くもらいすぎている → 後日、もらいすぎている分を納める必要がある → 未払消費税で処理

 本問は、消費税の仮払分が360,000円、仮受分が830,000円で多くもらいすぎているので、差額の470,000円(=830,000円-360,000円)を未払消費税で処理します。

第2問・銀行勘定調整表(配点20点)

 銀行勘定調整表に関する問題です。過去問レベルの簡単な問題だったので、拍子抜けしてしまった受験生も多かったのではないでしょうか。

 銀行勘定調整表には「企業残高基準法」「銀行残高基準法」「並列法(両者区分調整法)」の3つの種類がありますが、本問では「銀行残高基準法」が問われています。

  • 企業残高基準法:企業残高を銀行残高に合わせる(第134回試験)
  • 銀行残高基準法:銀行残高を企業残高に合わせる(第137回試験・本問)
  • 並列法:金額不一致の原因を企業側・銀行側に分けて表示し、両者の残高を合わせる

 ただ、解答を考えるうえでは並列法が一番分かりやすいので、まずは並列法で当座預金の金額を調整し、その上で銀行残高基準法による場合の表示に直しましょう。以下の画像は、並列法の下書き画像です。

第2問の下書き1
第2問の下書き1

 それでは、金額を埋めていきましょう。まず、「当座預金勘定の残高」ですが、金額が分からないのでひとまず「?」と記入しておきます。

 一方、「銀行残高証明書の残高」は、問題の資料の「取引銀行から当座預金の残高証明書を取り寄せたところ、その残高は ¥ 328,200 」から、328,200円を引っ張ってきます。

 次に、真ん中部分の「不一致の原因を加減する」という部分ですが、ここには資料の①②③④の各金額が入ります。ひとつひとつ考えてみましょう。

 ①はいわゆる未取付小切手と呼ばれるものです。東京商店側では小切手振出時に当座預金の残高を減らしますが、仕入先が未だ銀行に呈示(=換金)していないため、銀行の残高と合わなくなります。銀行側の残高を減らすことによって残高の不一致を調整します。

 ②は、問題文の「売掛金の回収として得意先振出しの小切手 ¥ 16,000 を受け取り、その時点で当座預金の増加として処理していた」から、以前に以下のような仕訳を切っていたことがわかります。

参考:売掛金回収時の仕訳
(借)当座預金 16,000
 (貸)売掛金 16,000

 上記の仕訳を踏まえたうえで、問題文の「決算日現在、金庫に入れたままで、銀行への預入れを行っていなかった」から、当座預金の増加として処理していた他店振出小切手16,000円は未だ手元にあることが分かるので、東京商店側の当座預金の残高を減らすことによって残高の不一致を調整します。

 ③はいわゆる未記帳取引と呼ばれるものです。東京商店側では電子記録債権回収の処理を未だ行っていないため、銀行の残高と合わなくなります。東京商店側の当座預金の残高を増やすことによって残高の不一致を調整します。

 ④はいわゆる時間外預入と呼ばれるものです。東京商店側では預け入れた時点で当座預金の残高を増やしますが、銀行側では翌営業日に入金処理をするので、銀行の残高と合わなくなります。銀行側の残高を増やすことによって残高の不一致を調整します。

 上記の処理を下書きに反映すると以下のようになります。勘の良い方はもうお分かりだと思いますが、この時点で問3の「貸借対照表に計上される当座預金の金額」が340,700円と判明します。

第2問の下書き2
第2問の下書き2

 それでは最後に、銀行残高基準法による場合の表示に修正しますが、必要な作業は銀行勘定調整表の残高からスタートして「∪」の字を書くように、不一致の原因を加減算して、最終的に当座預金勘定の残高を算定するだけです。

第2問の下書き3
第2問の下書き3

 なお、この時に注意していただきたいのは、東京商店側の調整項目の符号が逆転するという点です。銀行側は、上から下にむかって調整(328,200円→340,700円)するので符号は変わりませんが、東京商店側は、下から上にむかって調整(340,700円→?)するので符号が逆になります。

  • 銀行残高証明書の残高:328,200円
  • ① △32,000円
  • ④ +44,500円
  • 23,000円
  • 16,000円
  • 当座預金勘定の残高:333,700円

問2 決算における東京商店側の修正仕訳

 問2では決算における東京商店側の修正仕訳が問われていますが、4つとも簡単な仕訳なので特に問題ないと思います。問題の指示に従って、仕訳をする必要がない場合は「仕訳なし」と記入し、仕訳をする必要がある場合は、問題に列挙されている勘定科目を使って解答します。

仕訳なし
(借)現金 16,000
 (貸)当座預金 16,000
(借)当座預金 23,000
 (貸)電子記録債権 23,000
仕訳なし

 ①と④は、時間の経過に伴い自然にズレが調整されるので仕訳は不要です。

 ②と③は、東京商店側で仕訳を切って調整しないとズレが調整されないので、問題に列挙されている勘定科目を使って仕訳を切ります。

問3 貸借対照表に計上される現金および当座預金の金額

 問3では貸借対照表に計上される現金および当座預金の金額が問われています。

 現金は、資料1から現金として処理すべきものをピックアップして計算します。

  • 通貨121,200円:現金として処理
  • 他人振出しの小切手16,000円:現金として処理
  • 収入印紙6,000円:貯蔵品として処理
  • 配当金領収証7,500円:現金として処理
  • 郵便切手5,500円:貯蔵品として処理
  • 送金小切手10,000円:現金として処理
    • 現金合計:121,200円+16,000円+7,500円+10,000円=154,700円

 また、当座預金は(問1の)並列法による銀行勘定調整表を作った時点で340,700円と判明しているので、そのまま金額を引っ張ってくるだけです。

第3問・精算表作成(配点20点)

 精算表の作成問題です。未処理事項2の「建設仮勘定」と決算整理事項3の「建物の減価償却」ところがちょっと難しかったかもしれませんが、その他の設問は過去問レベルの簡単な問題です。

未処理事項1
(借)貸倒損失 30,000
 (貸)売掛金 30,000

 当期の販売から生じた売掛金の貸倒れは、貸倒損失で処理します。うっかり貸倒引当金を取り崩さないように気をつけましょう。

  • 前期以前に発生した売掛金が貸倒れた場合:貸倒引当金を取り崩して処理
  • 当期中に発生した売掛金が貸倒れた場合:貸倒損失で費用処理
未処理事項2
(借)修繕費 40,000
(借)建物 120,000 ※1
 (貸)建設仮勘定 160,000

※1 160,000円-40,000円=120,000円

 建設仮勘定160,000円のうち、40,000円は修繕費で費用処理し、残額の120,000円は建物に振り替えます。

未処理事項3
(借)水道光熱費 3,000
 (貸)当座預金 3,000

 水道光熱費で費用処理するだけです。

未処理事項4
(借)退職給付引当金 30,000
 (貸)仮払金 30,000

 借方の仮払金と貸方の退職給付引当金を相殺消去します。

決算整理事項1
(借)売上原価 308,000 ※2
 (貸)繰越商品 308,000
(借)売上原価 2,070,000 ※3
 (貸)仕入 2,070,000
(借)繰越商品 272,200 ※4
 (貸)売上原価 272,200
(借)棚卸減耗損 13,200 ※5
(借)商品評価損 9,500 ※6
 (貸)繰越商品 22,700

※2 答案用紙の精算表より

※3 答案用紙の精算表より

※4 200個×@500円+420個×@410円=272,200円

※5(200個-190個)×@500円+(420個-400個)×@410円=13,200円

※6(@500円-@450円)×190個=9,500円

 売上原価勘定を使った売上原価算定の仕訳は、仕訳の各勘定科目の頭文字を取って「浮く牛食う(うくうしくう)」という語呂で覚えてしまいましょう。

 なお、商品Bは原価よりも正味売却価額(時価)のほうが高いですが、商品評価益を計上することも、商品評価損と相殺することも出来ませんのでご注意ください。商品評価損は、商品Aからのみ発生します。

決算整理事項2
(借)貸倒引当金繰入額 260 ※7
 (貸)貸倒引当金 260

※7(106,000円+200,000円-30,000円)×1%-2,500円=260円

 繰入額を計算するさいには、未処理事項1の「売掛金の貸倒れ」を考慮し忘れないように気をつけましょう。

決算整理事項3
(借)減価償却費 95,840 ※10
 (貸)建物減価償却累計額 28,000 ※8
 (貸)備品減価償却累計額 67,840 ※9

※8 750,000円÷30年+120,000円÷20年×6か月/12か月=28,000円

※9(530,000円-190,800円)×20%=67,840円

※10 貸方合計

 本問の中では一番難しい処理です。

 旧建物750,000円は耐用年数30年で割って、当期の減価償却費を求めるだけです。一方、新建物の120,000円は、問題文に「当期の増改築工事による増加部分はこの建物の残存耐用年数にわたり残存価額はゼロとして定額法により償却」とあるので、残存耐用年数20年(=30年-10年)で割って、当期の減価償却費を求めます。

  • 旧建物にかかる減価償却費:750,000円÷30年=25,000円
  • 新建物にかかる減価償却費:120,000円÷20年×6か月/12か月=3,000円
決算整理事項4
(借)満期保有目的債券 1,000 ※11
 (貸)有価証券利息 1,000

※11(600,000円-595,000円)÷5年=1,000円

 償却原価法を適用して評価替えするだけです。

決算整理事項5
(借)為替差損益 1,000 ※12
 (貸)買掛金 1,000

※12 200ドル×@115円-22,000円=1,000円

 第146回試験から新たに試験範囲に追加された「外貨建取引」の処理です。外貨建ての買掛金を、決算時の為替相場で評価替えするだけです。

決算整理事項6
(借)退職給付費用 50,000 ※13
 (貸)退職給付引当金 50,000

※13 200,000円-(180,000円-30,000円)=50,000円

 退職給付費用を計算するさいには、未処理事項4の処理を考慮し忘れないように気をつけましょう。

決算整理事項7
(借)前払保険料 8,000 ※14
 (貸)保険料 8,000

※14(12,000円÷12か月)×8か月=8,000円

 8か月分(平成29年4月1日~11月30日)の保険料を翌期に繰延べます。

第4問・標準原価計算(配点20点)

 標準原価計算のシングルプランに関する問題です。

 特にひっかけもなく普通の過去問レベルの問題でしたので、短い時間で20点満点を取れた方も多かったのではないでしょうか。

問1 仕訳

 材料を掛けで購入したさいの仕訳が問われています。問題文に「当工場では実際の購入単価をもって材料勘定への受入記録を行っている」とあるので、実際購入額420,000円(=2,800㎡×@150円)を計上するだけです。

解答仕訳
(借)材料 420,000
 (貸)買掛金 420,000

問2 勘定記入

 本問は、シングルプランを採用しているので、仕掛品勘定は全て標準原価で記入します。

  • 仕掛品勘定の月初有高:200個×@280円+100個×@240円=80,000円
  • 仕掛品勘定の材料:1,250個×@280円=350,000円
  • 仕掛品勘定の加工費:1,200個×@240円=288,000円
  • 仕掛品勘定の製品:1,200個×@520円=624,000円
  • 仕掛品勘定の月末有高:250個×@280円+100個×@240円=94,000円

 材料勘定の価格差異・数量差異に関しては、以下のようなボックスを使って機械的に金額を計算しましょう。

第4問の下書き
第4問の下書き

  • 材料勘定の借方の買掛金:420,000円
  • 材料勘定の貸方の仕掛品:350,000円
  • 材料勘定の貸方の価格差異:26,000円
  • 材料勘定の貸方の数量差異:14,000円
  • 材料勘定の貸方の月末有高:200㎡×@150円=30,000円

第5問・単純総合原価計算(配点20点)

 テキストレベルの単純総合原価計算に関する問題です。あまりにも簡単すぎて、解いてる途中に心配になりました…。

問1 総合原価計算表

  • 直接材料費
    • 月末仕掛品原価:(6,240,000円÷2,600個)×600個=1,440,000円
    • 完成品総合原価:1,019,000円+6,240,000円-1,440,000円=5,819,000円
  • 加工費
    • 月末仕掛品原価:(9,750,000円÷2,500個)×300個=1,170,000円
    • 完成品総合原価:850,000円+9,750,000円-1,170,000円=9,430,000円
  • 合計
    • 月末仕掛品原価:1,440,000円+1,170,000円=2,610,000円
    • 完成品総合原価:5,819,000円+9,430,000円=15,249,000円

問2 完成品単位原価と売上原価

  • 月初製品原価:7,440,000円(※問題資料より)
  • 完成品総合原価:15,249,000円
  • 月末製品原価:(15,249,000円÷2,300個)×700個=4,641,000円
  • 売上原価:7,440,000円+15,249,000円-4,641,000円=18,048,000円
  • 完成品単位原価:15,249,000円÷2,300個=@6,630円

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