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第5問(等級別総合原価計算)の解説

 等級別総合原価計算に関する問題です。

 本問は「投入のタイミングが異なる3つの材料の処理」と「加工費配賦差異の処理」の2点がポイントになります。

材料費の計算

A材料・B材料・C材料
A材料・B材料・C材料

A材料

 A材料は工程の始点で投入されるので特に問題ないと思います。

 本問は、問題文に「完成品と月末仕掛品への原価配分に関しては、先入先出法により計算すること」という指示があるので、先入先出法で金額を計算します(他の材料費や加工費も同じ)。

  • 月末仕掛品原価:2,056,000円÷2,000個×300個=308,400円
  • 完成品原価:103,300円+2,056,000円-308,400円=1,850,900円

B材料

 B材料は加工進捗度60%の時点で投入されますが、月初仕掛品の加工進捗度は80%なので、月初仕掛品には「加工進捗度60%の時点で投入されるB材料」が含まれています

 よって、B材料の月初仕掛品の個数は100個になります。

 一方、月末仕掛品の加工進捗度は40%なので、月末仕掛品には「加工進捗度60%の時点で投入されるB材料」は含まれていません

 よって、B材料の月末仕掛品の個数はゼロになります。

  • 月末仕掛品原価:ゼロ
  • 完成品原価:89,500円+1,394,000円=1,483,500円

C材料

 C材料は工程を通じて平均的に追加投入されるので、加工費と同じ要領でボックス内の数量を計算しましょう。

  • 月末仕掛品原価:1,932,000円÷1,840個×120個=126,000円
  • 完成品原価:84,800円+1,932,000円-126,000円=1,890,800円

加工費の計算

加工費
加工費

 加工費は先入先出法で普通に計算するだけです。

  • 月末仕掛品原価:7,415,200円÷1,840個×120個=483,600円
  • 完成品原価:323,200円+7,415,200円-483,600円=7,254,800円

完成品原価と月末仕掛品原価

  • 月末仕掛品原価:308,400円+0円+126,000円+483,600円=918,000円
  • 完成品原価:1,850,900円+1,483,500円+1,890,800円+7,254,800円=12,480,000円

積数の計算

  • 製品W:完成品数量400個×等価係数1.0=積数400個
  • 製品X:完成品数量300個×等価係数0.8=積数240個
  • 製品Y:完成品数量500個×等価係数1.2=積数600個
  • 製品Z:完成品数量600個×等価係数0.6=積数360個

完成品原価の按分と完成品単位原価の計算

 完成品原価を按分するさいには積数を使います。これに対し、各製品の完成品単位原価を計算するさいには、完成品数量を使います。2つを混同しないように気をつけましょう。

  • 製品W:12,480,000円÷(400個+240個+600個+360個)×400個=3,120,000円
  • 製品X:12,480,000円÷(400個+240個+600個+360個)×240個=1,872,000円
  • 製品Y:12,480,000円÷(400個+240個+600個+360個)×600個=4,680,000円
  • 製品Z:12,480,000円÷(400個+240個+600個+360個)×360個=2,808,000円
  • 製品W:3,120,000円÷400個7,800円/個
  • 製品X:1,872,000円÷300個6,240円/個
  • 製品Y:4,680,000円÷500個9,360円/個
  • 製品Z:2,808,000円÷600個4,680円/個

売上高の計算

  • 製品W:12,000円/個×380個=4,560,000円
  • 製品X:9,000円/個×310個=2,790,000円
  • 製品Y:14,000円/個×560個=7,840,000円
  • 製品Z:7,000円/個×570個=3,990,000円

売上高:4,560,000円+2,790,000円+7,840,000円+3,990,000円=19,180,000円

加工費配賦差異(原価差異)の処理

 問題文に「加工費配賦差異9,000円(有利差異)は、その全額を原価差異として当月の売上原価に賦課する」という指示があるので、損益計算書にて加工費配賦差異9,000円を売上原価からマイナスします。

売上原価からプラスするのかマイナスするのかを簡単に判断する方法

 加工費配賦差異を売上原価にプラスするのかマイナスするのか迷ってしまった方(または間違えてしまった方)は、以下の手順で考えると分かりやすいです。

ステップ1:加工費配賦差異を把握した時の仕訳
(借)加工費 9,000
 (貸)加工費配賦差異 9,000

 「不利差異→借方差異」「有利差異→貸方差異」なので、本問のように有利差異が発生した場合は貸方に加工費配賦差異を計上します。

ステップ2:売上原価に賦課した時の仕訳
(借)加工費配賦差異 9,000
 (貸)売上原価 9,000

 問題文の「原価差異として当月の売上原価に賦課する」というのは、簡単に言いかえると「配賦差異を売上原価に含めて処理する」ということになるので、ステップ1で貸方に計上した加工費配賦差異を売上原価に振り替えます。

 なお、売上原価は通常、借方に計上される勘定科目なので、ステップ2の仕訳のように貸方に計上する場合は売上原価のマイナスとして処理します。

まとめ

 解説は以上です。本問は「投入のタイミングが異なる3つの材料の処理」と「加工費配賦差異の処理」の2点がポイントになります。

 材料の追加投入に関しては苦手意識を持っている受験生が多いですが、理屈が分かれば処理自体は簡単なので、本問を使ってきちんと押さえておきましょう。

★簿記ナビ模試2級の「各問題の難度」と「解答時間の目安」
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