第145回日商簿記検定2級を受験された皆様、お疲れ様でした。本ページでは、第145回日商簿記検定の試験問題の無料請求方法や、TACや大原などの解答速報情報、各問題の管理人の解説をまとめました。

 なお、第145回日商簿記検定2級の感想や質問はページの一番下のコメント欄に気軽に書き込んでください。ひとことでも長文でも構いません。受験生の皆様のコメントをお待ちしております。

第145回日商簿記検定「問題・解答集」の無料配布のお知らせ

解答解説集

 資格の大原で、2016年2月26日に実施された第145回日商簿記検定3級・2級の全問題と解答および解説を一冊にした「問題・解答集」の無料請求をすることが出来ます。

 この「問題・解答集」には問題・解答・解説だけでなく答案用紙も付いており、過去問対策用の教材としても使える優れモノですので、第146回以降の受験を考えていらっしゃる方もぜひ無料請求してみてください。

1. 上記のリンクをクリックすると、資格の大原の公式サイトにジャンプします。画面を下にスクロールし、画面中央の「試験情報・体験記」タブを選んでください。

2. 次に、枠内の「【解答速報情報】<第145回>日商簿記2月検定(2/26)解答速報情報!」というテキストリンクを探してクリックまたはタップし、解答速報ページにお進みください。

大原の問題・解答集の請求方法1

3. 解答速報ページの上部に「お申込みはこちら」という赤色のリンクボタンがあります。このリンクをクリックまてはタップして請求フォームにお進みください。

大原の問題・解答集の請求方法2

4. 住所・氏名等の必要事項を記入のうえ、最後に「送信ボタン」を押すと請求完了です。数日後、記入した住所宛てに問題・解答集が送られてきます。

第145回日商簿記検定2級 各学校の模範解答(解答速報)

第145回日商簿記検定2級 試験問題&管理人の解説

おすすめ解答順序と時間配分

1問→第2問→第4問→第5問→第3

 難度の高い第3問を一番最後にもってくることをおすすめします。第3問以外の残り4つについては難度に大きな差はありませんので、どのような順番で解いても問題ないです。

「各問題の配点」と「各問題の難易度」と「時間配分の目安」
配点 難易度 時間配分
準備 5分
1 20点 普通 15分
2 20点 簡単 20分
4 20点 簡単 10分
5 20点 普通 15分
3 20点 難しい 45分
見直し 10分

予想合格率

 配点次第ですが、合格率は25%前後ぐらいになるのではないでしょうか。第3問はかなり難しかったと思いますが、第2問・第4問・第5問が比較的簡単だったので、手応えが微妙でも70点取れている方が結構いらっしゃるような気がします。

直近の試験の合格率の推移
第140回 第141回 第142回 第143回 第144回 第145回
34.5% 11.8% 14.8% 25.8% 13.4% 25%前後?




第1問・仕訳問題(配点20点)

  1. 固定資産の割賦購入
  2. 企業合併
  3. 有価証券の購入
  4. 役務原価
  5. 本支店会計

 問2の負ののれん発生益と問5の損益の振り替えがやや難しかったかもしれませんが、最低でも4問(16点)は取りたい問題です。

問1 固定資産の割賦購入

問1 模範解答
(借)備品 14,580,000 ※1
(借)前払利息 420,000 ※3
 (貸)営業外支払手形 15,000,000 ※2

※1 @145,800円×100台=14,580,000円

※2 @1,250,000円×12枚=15,000,000円

※3 貸借差額

 固定資産の割賦購入に関する問題です。

 固定資産を割賦契約で購入した場合、現金販売価額と支払額合計との差額を前払利息(資産)または支払利息(費用)等で処理します。

  • 現金購入価額:14,580,000円(=@145,800円×100台)
  • 支払額合計:15,000,000円(=@1,250,000円×12枚)
  • 差額:15,000,000円-14,580,000円=420,000円

 本問は、問題文に「利息相当額については、資産の勘定(前払利息)を用いて処理することとする」という一文があるので、差額の420,000円に関しては前払利息勘定で処理します。

 また、代金は手形を振り出して支払っているので営業外支払手形勘定で処理します。うっかり支払手形勘定を使わないように気をつけましょう。

  • 商品を仕入れたさいに手形を振り出した場合:支払手形勘定で処理
  • 商品以外を購入したさいに手形を振り出した場合:営業外支払手形勘定で処理

問2 企業合併

問2 模範解答
(借)諸資産 87,000,000
 (貸)諸負債 34,000,000
 (貸)資本金 30,000,000 ※4
 (貸)資本準備金 20,000,000 ※5
 (貸)負ののれん発生益 3,000,000 ※6

※4 @5,000円×10,000株×60%=30,000,000円

※5 @5,000円×10,000株×40%=20,000,000円

※6 貸借差額

 企業合併に関する問題です。

 他の企業を吸収合併する場合、被合併会社の資産・負債を時価で引き継ぎ、その対価として株式を交付したうえで、被合併会社の純資産(資産-負債)の額と交付した株式の額を比較して、のれん(借方に計上する場合)または負ののれん発生益(貸方に計上する場合)を計上します。

 本問の場合、問題文に「諸資産(時価)は ¥ 87,000,000、諸負債(時価)は ¥ 34,000,000であった」とあるので、被合併会社の純資産の額は53,000,000円(=87,000,000円-34,000,000円)になります。

 一方、交付した株式の額は、問題文の「新たに当社の株式10,000株(合併時点の時価:@¥ 5,000 )を発行し、これを大阪商事の株主に交付した」という一文から、50,000,000円(=10,000株×@5,000円)ということが分かります。

 この結果、53,000,000円が価値のある会社を50,000,000円で手に入れたことになるので、差額の3,000,000円を負ののれん発生益(特別利益)として処理します。

 なお、新たに交付した株式に関しては、問題文に「取得の対価のうち60%を資本金、残り40%を資本準備金として計上することとした」とあるので、指示に従って資本金・資本準備金勘定で処理します。

  • 資本金:50,000,000円×60%=30,000,000円
  • 資本準備金:50,000,000円×40%=20,000,000円

問3 有価証券の購入

問3 模範解答
(借)満期保有目的債券 59,700,000 ※7
(借)有価証券利息 42,000 ※8
 (貸)当座預金 59,742,000 ※9

※7 60,000,000円×@99.50円/@100円=59,700,000円

※8 60,000,000円×0.365%×70日/365日=42,000円

※9 貸借差額

 有価証券の購入に関する問題です。

 本問は、【普通社債の購入に関する仕訳】と【利息の支払いに関する仕訳】に分けて考えると分かりやすいです。

普通社債の購入に関する仕訳

 社債を購入した場合、購入代価と付随費用(取得に伴い発生した費用)の合計額を取得原価として資産計上しますが、本問は付随費用が発生していないので、購入代価を計算するだけです。

取得原価=購入代価+付随費用=(60,000,000円×@99.50円/@100円)+0円=59,700,000円

 なお、本問は問題文に「満期まで保有する目的で」とあるので、売買目的有価証券勘定ではなく満期保有目的債券勘定で処理します。「債券」を「債権」と書いて不正解になってしまう方がたまにいらっしゃいますが、非常にもったいないので漢字の間違いにはじゅうぶん気をつけてください。

  • 短期間で売買する目的で購入:売買目的有価証券勘定で処理
  • 満期まで保有する目的で購入:満期保有目的債券勘定で処理

 また、本問は問題文に「当社の当座預金口座から指定された銀行の普通預金口座へ振り込んだ」とあるので、当座預金勘定で処理します。うっかり普通預金勘定を使わないように気をつけましょう。

解答①
(借)満期保有目的債券 59,700,000
 (貸)当座預金 59,700,000

利息の支払いに関する仕訳

 問題文に、「利払日は毎年6月と12月の末日、利率は年0.365%」とあり、購入日が9月8日なので、前回の利払日の翌日の7月1日から9月8日までの70日分(31日+31日+8日)の端数利息を計算します。

有価証券利息=60,000,000円×0.365%×70日/365日=42,000円

解答②
(借)有価証券利息 42,000
 (貸)当座預金 42,000

 最後に、①②の仕訳をまとめると解答になります。

問4 役務原価

問4 模範解答
(借)仕掛品 245,000
 (貸)給料 200,000
 (貸)旅費交通費 45,000

 役務原価に関する問題です。

 過去に出題されたことのないパターンの問題なので一瞬手が止まったかもしれませんが、問題文の指示に従って処理するだけなので非常に簡単です。

 まず、問題文に「給料 ¥ 700,000および出張旅費 ¥ 180,000を過日現金にて支払い」とあるので、以前に切った仕訳をまず考えてみましょう。仕訳自体はとても簡単です。

以前に切った仕訳
(借)給料 700,000
(借)旅費交通費 180,000
 (貸)現金 880,000

 次に、問題文に「そのうち給料 ¥ 200,000および出張旅費 ¥ 45,000が特定の案件のために費やされたものであることが明らかになったので、これらを仕掛品勘定に振り替えた」とあるので、指示に従って仕掛品勘定に振り替えましょう。

解答仕訳
(借)仕掛品 245,000
 (貸)給料 200,000
 (貸)旅費交通費 45,000

問5 本支店会計

問5 模範解答
(借)支店 613,000
 (貸)損益 613,000

 本支店会計に関する問題です。

 本店の仕訳が問われているので、支店勘定と損益勘定を使うのはなんとなく分かるけど、どっちが借方でどっちが貸方なんだろう…と迷われた方も多かったと思います。

 そのような場合は、本店・支店の決算振替仕訳を今一度考えてみましょう。まずは、支店の決算振替仕訳からです。

支店の決算振替仕訳1
(借)諸収益 ×××
 (貸)損益 ×××
(借)損益 ×××
 (貸)諸費用 ×××

 次に、上記の仕訳で残った損益を…いつもであれば繰越利益剰余金に振り替えますが、支店には純資産の勘定がありません(代わりに本店勘定があります)ので、損益(本問は当期純利益613,000円)を本店勘定に振り替えます。

支店の決算振替仕訳2
(借)損益 613,000
 (貸)本店 613,000

 次に、本店の決算振替仕訳を考えます。諸収益・諸費用を損益に振り替えるのは同じです。

本店の決算振替仕訳1
(借)諸収益 ×××
 (貸)損益 ×××
(借)損益 ×××
 (貸)諸費用 ×××

 諸収益・諸費用を損益に振り替えたら、このタイミングで支店の損益を受け入れます。支店の仕訳の貸方が「本店」なので、本店の仕訳の借方に「支店」が入ります。

本店の決算振替仕訳2(解答仕訳)
(借)支店 613,000
 (貸)損益 613,000

 参考までにそのあとの流れも…上記の仕訳により、本店の損益勘定の貸方には本店の当期純利益と支店の当期純利益が計上されるので、これを最後に繰越利益剰余金に振り替えます。

本店の決算振替仕訳3
(借)損益 ×××
 (貸)繰越利益剰余金 ×××

第2問・株主資本等変動計算書(配点20点)

 株主資本等変動計算書に関する問題です。

 その他有価証券の処理が少し難しいぐらいで、あとは簡単な処理ばかりだったので、いわゆる「ラッキー問題」になります。第3問の難度を考えますと、20点満点を狙いたいところです。

資料1 ①②
(借)その他資本剰余金 550,000
 (貸)未払配当金 500,000
 (貸)資本準備金 50,000 ※1
(借)繰越利益剰余金 1,650,000
 (貸)未払配当金 1,500,000
 (貸)利益準備金 150,000 ※2

※1 500,000円÷10=50,000円

※2 1,500,000円÷10=150,000円

 その他資本剰余金・繰越利益剰余金を財源として配当を行う場合には、「配当により減少するその他資本剰余金・繰越利益剰余金の額の10分の1を、資本準備金の額と利益準備金の額とをあわせて、資本金の4分の1に達するまで(資本準備金・利益準備金を)積み立てなければならない」と定められているので、本問でもこの文言どおりにチェックする必要があります。

 まず、問題文に「その他資本剰余金を財源として ¥ 500,000、繰越利益剰余金を財源として ¥ 1,500,000、合計 ¥ 2,000,000の配当を行う」とあるので、配当により減少するその他資本剰余金・繰越利益剰余金の金額は2,000,000円で、その10分の1は200,000円ということが分かります。

 また、資本準備金と利益準備金の合計額が2,000,000円(=1,500,000円+500,000円)なので、資本金20,000,000円の4分の1に達するまで積み立てられる金額は、20,000,000円÷4-2,000,000円=3,000,000円になります。

 ここで、両者を比較すると【200,000円<3,000,000円】となるので、利益準備金要積立額は200,000円になります。

  • 配当の10分の1規定による準備金要積立額:200,000円
  • 資本金の4分の1規定による準備金積立限度額:3,000,000円
  • 金額の小さい方(200,000円)を資本準備金・利益準備金として積み立てる

 配当の10分の1規定に関しては多くの受験生が理解していると思いますが、資本金の4分の1規定と比較するのを忘れてしまう方が多いです。

 今回は10分の1規定の金額の方が小さかったので、4分の1規定を忘れていても結果的には正解までたどり着けますが、利益処分の問題は必ず資本金の4分の1規定もチェックしましょう。

資料1 ③
(借)繰越利益剰余金 120,000
 (貸)別途積立金 120,000

 繰越利益剰余金を別途積立金に振り替えるだけです。

資料2
(借)当座預金 1,400,000
 (貸)資本金 700,000 ※3
 (貸)資本準備金 700,000 ※4

※3 1,400,000円÷2=700,000円

※4 1,400,000円÷2=700,000円

 こちらもただの増資の処理です。「会社法が定める最低限度額」という毎度おなじみの指示があるので、資本金・資本準備金を700,000円ずつ計上するだけです。

資料3 ①
(借)その他有価証券評価差額金 80,000 ※5
 (貸)その他有価証券 80,000
(借)その他有価証券 260,000 ※6
 (貸)その他有価証券評価差額金 260,000

※5 答案用紙の「その他有価証券評価差額金の当期首残高 80千円」より

※6 当期末時価1,530,000円-購入価額1,270,000円=260,000円

 まず、答案用紙の「その他有価証券評価差額金 当期首残高 80」から、前期末に以下のような仕訳を切っていたことが分かります。

前期末に行った時価評価の仕訳
(借)その他有価証券 80,000
 (貸)その他有価証券評価差額金 80,000

 また、問題文に「前期末の時価は ¥ 1,350,000」とあるので、上記の仕訳の金額と差引で購入価額を求めることができます。

  • 購入価額:?円
  • 前期末の時価評価:+80,000円
  • 前期末の時価:1,350,000円
  • 購入価額:1,270,000円(=1,350,000円-80,000円)

 購入価額が判明したら、あとはいつもどおり再振替仕訳(前期末時価→購入価額)と当期末の時価評価(購入価額→当期末時価)を行うだけです。

(借)その他有価証券評価差額金 80,000
 (貸)その他有価証券 80,000
(借)その他有価証券 260,000
 (貸)その他有価証券評価差額金 260,000

 これでOK…と言いたいところですが、答案用紙は「株主資本以外の項目の当期変動額(純額)」になっているので、当期変動額の純額180,000円(=260,000円-80,000円)を答案用紙に記入しましょう。

資料3 ②
(借)損益 930,000
 (貸)繰越利益剰余金 930,000

 損益を繰越利益剰余金に振り替えるだけです。特に問題ないと思います。

答案用紙の単位にご注意ください!

 本問は、問題の資料が「~円」で与えられているのに対して、答案用紙の株主資本等変動計算書の単位は「~千円」になっています。

 通常は、答案用紙に記入するさいに気づくかと思いますが、万が一、気付かずに「~円」で記入してしまうと全滅…ということになりかねませんので、単位の違いにはじゅうぶん気をつけてください。

第3問・貸借対照表作成(配点20点)

 貸借対照表作成問題です。第1問・第2問が簡単だった分、本問の難易度はかなり高めになっています。よって、20点満点中10点前後取れればじゅうぶんだと思います。

決算にあたっての修正事項1
(借)売上 600,000
 (貸)売掛金 600,000

 検収基準を採用している場合、得意先の検収が完了していない分を売上にカウントすることはできないので、売上を取り消すことになります。なお、このさいには売価を使う点に気をつけてください。

決算にあたっての修正事項2
(借)保守費 3,600
 (貸)備品 3,600
(借)前払費用 3,300 ※1
 (貸)保守費 3,300

※1 3,600円×11か月/12か月=3,300円

 備品の取得原価に保守料が混入していた場合、保守料を取り除いて一件落着…といきたいところですが、この保守料は3月から翌2月までの1年分なので、次期に属する11か月分(平成28年4月1日から平成29年2月末まで)を繰り延べる必要があります。この処理は難しい!

決算にあたっての修正事項3
(借)仮払法人税等 4,000
 (貸)受取利息 4,000

 利息を受け取るさいに源泉所得税が差し引かれた場合、利息の総額を計上するとともに、控除された源泉所得税を仮払法人税等で処理する必要があります。よって、本来は以下のような仕訳を切らなければいけなかったわけです。

利息計上時に切った仕訳(処理済み)
(借)現金など 16,000
 (貸)受取利息 16,000
本来、切らなければいけなかった仕訳
(借)現金など 16,000
(借)仮払法人税等 4,000 ※3
 (貸)受取利息 20,000 ※2

※2 16,000円÷80%=20,000円

※3 20,000円×20%=4,000円

 よって、決算期末において計上できていなかった源泉税分を追加計上します。

決算にあたっての修正事項4
(借)買掛金 140,000
 (貸)電子記録債務 140,000

 買掛金を電子記録債務に振り替えるだけです。

決算整理事項1
(借)仕入 1,601,000
 (貸)繰越商品 1,601,000
(借)繰越商品 2,150,000 ※4
 (貸)仕入 2,150,000
(借)棚卸減耗損 40,000 ※5
 (貸)繰越商品 40,000

※4 1,750,000円+400,000円=2,150,000円

※5 1,750,000円-1,710,000円=40,000円

 出荷基準にもとづき算定された期末帳簿棚卸高・実地棚卸高には、修正事項1で行った売上の取消にかかる原価が含まれていません。よって、売上原価算定の仕訳の金額を考えるさいは、取消分の原価400,000円を考慮し忘れないように気をつけましょう。

  • 期末帳簿棚卸高:1,750,000円+400,000円=2,150,000円
  • 期末実地棚卸高:1,710,000円+400,000円=2,110,000円
  • 棚卸減耗損:1,750,000円-1,710,000円=40,000円

 …とまぁ仕訳とそれにかかる説明をしましたが、本問は貸借対照表しか問われていませんので、期末実地棚卸高1,710,000円に売上の取消にかかる原価400,000円を足し合わせて貸借対照表の商品2,110,000円を算定すればOKです(仕訳は不要です)。

決算整理事項2
(借)未払費用 113,000
 (貸)給料 23,000
 (貸)水道光熱費 90,000
(借)給料 35,000
(借)水道光熱費 105,000
 (貸)未払費用 140,000

 ここ最近の試験でよく問われる形ですが、未払費用に振り替えるだけなので簡単です。

決算整理事項3
(借)保険料 500 ※6
(借)前払費用 6,000 ※7
 (貸)長期前払費用 6,500

※6 18,000円×1か月/36か月=500円

※7 18,000円×12か月/36か月=6,000円

 問題文に「長期前払費用の残高は、3月1日に3年分の火災保険料を支払ったものである」とあるので、まず、「当期に属する分」「決算日の翌日から起算して1年以内の分」「それを超える先の分」の3つに分類しましょう。

  • 当期に属する分:1か月(平成28年3月1日~平成28年3月末日)→保険料として費用処理
  • 決算日の翌日から起算して1年以内の分:12か月(平成28年4月1日~平成29年3月末日)→前払費用として処理
  • それを超える先の分:23か月(平成29年4月1日~平成31年2月末日)→長期前払費用として処理

 よって、当期に属する分500円(=@500円×1か月)を保険料勘定に、決算日の翌日から起算して1年以内の分6,000円(=@500円×12か月)を前払費用勘定に振り替えます。

決算整理事項4
(借)減価償却費 7,050
 (貸)建物減価償却累計額 2,800
 (貸)備品減価償却累計額 4,250 ※8

※8 2,250円+2,000円=4,250円

  • 建物
    • 当期の減価償却費:810,000円÷30年=27,000円
    • 期中に計上した減価償却費:@2,200円×11か月=24,200円
    • 決算において計上する減価償却費:27,000円-24,200円=2,800円

 決算において計上する建物の減価償却費は、1年分の減価償却費から期中に計上した11か月分の減価償却費(概算額)を差し引いて求めます。

  • 備品(旧備品100,000円、新備品60,000円)
    • 期中に計上した旧備品の減価償却費:@1,500円×11か月=16,500円
    • 旧備品の償却率:1÷8年×200%=25%
    • 当期の旧備品の減価償却費:100,000円-(41,500円-16,500円)×25%=18,750円
    • 決算において計上する旧備品の減価償却費:18,750円-16,500円=2,250円
    • 新備品の償却率:1÷5年×200%=40%
    • 決算において計上する新備品の減価償却費:60,000円×40%×1か月/12か月=2,000円

 備品に関しては、まず従前から保有しているもの(旧備品)と、期中に新たに購入したもの(新備品)とに分けたうえで、決算において計上する減価償却費を計算します。

 旧備品に関しては、上述の建物と同様に1年分の減価償却費から期中に計上した11か月分の減価償却費(概算額)を差し引いて求めます。

 計算にあたっては、決算整理前残高試算表の「備品減価償却累計額 41,500」に、期中に計上した11か月分の減価償却費が含まれていることにご留意ください。

 一方、新備品に関しては、1年分の減価償却費を計算したうえで、そのうちの1か月分(平成28年3月分)のみを当期の減価償却費として計上します。

決算整理事項5
(借)短期借入金 600,000
 (貸)長期借入金 600,000
(借)支払利息 2,200 ※9
 (貸)前払費用 2,200

※9 400円+1,800円=2,200円

 借入金の貸借対照表上での取り扱いに関しては、決算日の翌日から起算して1年以内に返済期日が到来するものは短期借入金として表示し、1年を超えて到来するものは長期借入金として表示します。

  • 返済期日が平成29年1月31日の借入金200,000円:決算日の翌日から起算して1年以内に返済期日が到来する→短期借入金
  • 返済期日が平成29年1月31日の借入金600,000円:決算日の翌日から起算して1年を超えて返済期日が到来する→長期借入金

 よって、決算整理前残高試算表に計上されている「短期借入金 800,000」のうち、600,000円を長期借入金に振り替えます。

 さらに、2月1日に6か月分の利息を前払いし、前払費用に計上している旨の記載があるので、当期に属する2か月分(2月分・3月分)の利息を支払利息に振り替えます。

  • 200,000円×1.2%×2か月/12か月=400円
  • 600,000円×1.8%×2か月/12か月=1,800円
決算整理事項6
(借)短期貸付金 50,000
 (貸)長期貸付金 50,000

 貸付金の貸借対照表上での取り扱いに関しては、上述の借入金と同様、決算日の翌日から起算して1年以内に返済期日が到来するものは短期貸付金として表示し、1年を超えて到来するものは長期貸付金として表示します。

  • 返済期日が平成28年9月30日の貸付金50,000円:決算日の翌日から起算して1年以内に返済期日が到来する→短期貸付金
  • 返済期日が平成30年9月30日の貸付金200,000円:決算日の翌日から起算して1年を超えて返済期日が到来する→長期貸付金

 よって、決算整理前残高試算表に計上されている「長期貸付金 250,000」のうち、50,000円を短期貸付金に振り替えます。

 利息に関しては、問題文に「期末までの利息(利率年2.4%)は全額受領済みである」とあるので、決算において調整する必要はありません。

決算整理事項7
(借)貸倒引当金繰入 11,180 ※10
 (貸)貸倒引当金 11,180

※10 140,000円+(2,078,000円-600,000円)×1%-5,000円=11,180円

 繰入額の計算にあたっては、「決算にあたっての修正事項1」で減らした売掛金600,000円を考慮し忘れないように気をつけてください。

決算整理事項8
(借)退職給付費用 60,000
 (貸)退職給付引当金 60,000

 問題の指示通りに退職給付費用を計上するだけです。

決算整理事項9
(借)法人税等 148,800
 (貸)仮払法人税等 7,000
 (貸)未払法人税等 141,800

 本問は法人税等の金額が与えられていないので、損益計算書を自分で作って税引前当期純利益の金額を計算する必要があります。

 ただ、決算にあたっての修正事項および決算整理事項の処理が1つでも間違っていると正しい税引前当期純利益の金額を算定することは出来ないので、答案用紙の未払法人税等と繰越利益剰余金の金額は、基本的には捨て問(本試験では無理して解かなくて良い問題)になります。

 以下の解説は参考までにご確認ください。

損益計算書を自分で作って税引前当期純利益を計算する方法

 下書き用紙に以下のような損益計算書を書いて、貸借差額で税引前当期純利益を計算します。

損益計算書
売上原価
給料手当
賃借料
保険料
水道光熱費
減価償却費
保守料
棚卸減耗損
貸倒引当金繰入
退職給付費用
支払利息
税引前当期純利益
6,000,800
3,822,000
885,000
15,500
214,400
47,750
300
40,000
11,180
60,000
42,200
500,000
売上高
受取利息
11,614,130
25,000

 税引前当期純利益の金額が500,000円と分かったら、その30%分の150,000円を法人税等として計上し…たいところですが、本問は問題文に「当期の税引前当期純利益の30%を、差額補充法により未払法人税等に計上する」という指示があるので、決算整理前残高試算表の「未払法人税等 1,200」を忘れずに考慮する必要があります。

解答仕訳1
(借)法人税等 148,800 ※11
 (貸)未払法人税等 148,800

※11 150,000円-1,200円=148,800円

 さらに、「仮払法人税等の額は、未払法人税等と相殺して表示する」という指示もあるので、決算整理前残高試算表の「仮払法人税等 3,000」と、決算にあたっての修正事項3で計上した4,000円の合計額を、未払法人税等から差し引きます。

解答仕訳2
(借)未払法人税等 7,000
 (貸)仮払法人税等 7,000

 以上、2本の仕訳をまとめると解答仕訳になりますが…こんな正直計算できませんよね。私も無理です。よって、本問の未払法人税等と繰越利益剰余金の金額は思い切って捨ててください。浮いた時間で他の問題を解いたほうがよっぽど効率的です。

繰越利益剰余金の金額は?

 決算整理前残高試算表の「繰越利益剰余金 886,470」と、税引前当期純利益500,000円から法人税等148,800円を差し引いた351,200円(=税引後当期純利益)との合計額1,237,670円になります。参考までにご確認ください。

第4問・部門別計算(配点20点)

 部門別計算に関する問題です。教科書レベルの非常に簡単な問題なので、短い解答時間(10分以内)で20点満点を狙いましょう。

問1 補助部門費配賦表

  • 工場事務部:800,000円
    • 切削部:800,000円×10人/(10人+30人)=200,000円
    • 組立部:800,000円×30人/(10人+30人)=600,000円
  • 動力部:630,000円
    • 切削部:630,000円×600kwh/(600kwh+300kwh)=420,000円
    • 組立部:630,000円×300kwh/(600kwh+300kwh)=210,000円
  • 修繕部:350,000円
    • 切削部:350,000円×20回/(20回+15回)=200,000円
    • 組立部:350,000円×15回/(20回+15回)=150,000円
  • 切削部:300,000円+200,000円+420,000円+200,000円=1,120,000円
  • 組立部:120,000円+600,000円+210,000円+150,000円=1,080,000円

問2 製造間接費 – 仕掛

 勘定の名称が「製造間接費 – 仕掛」というあまり見かけない形でしたが、これは「仕掛品勘定のうち、製造間接費に関する金額のみを抜き出したもの」という意味です。

 なお、問題文に「なお、今月の月初仕掛品はすべて完成品となっている」という指示があるので、月初仕掛品103,000円は完成高に含めて処理しましょう。

  • 切削部:1,120,000円
    • 完成品:1,120,000円×3,800時間/4,000時間=1,064,000円
    • 仕掛品:1,120,000円×200時間/4,000時間=56,000円
  • 組立部:1,080,000円
    • 完成品:1,080,000円×7,000時間/7,500時間=1,008,000円
    • 仕掛品:1,080,000円×500時間/7,500時間=72,000円
  • 当月実際発生額:1,120,000円+1,080,000円=2,200,000円
  • 完成高:103,000円+1,064,000円+1,008,000円=2,175,000円
  • 期末有高:56,000円+72,000円=128,000円

第5問・直接原価計算(配点20点)

 直接原価計算に関する問題です。問題の資料から前々期・前期の変動費・固定費を計算し、答案用紙の直接原価計算による損益計算書を完成しましょう。

 まず、問題文の「固定加工費は前々期、前期とも360,000円であった。固定加工費は各期の実際生産量にもとづいて実際配賦している」から、製品P1個あたりの固定加工費の金額を求めましょう。

  • 前々期の製品P1個あたりの固定加工費:360,000円÷1,000個=@360円
  • 前期の製品P1個あたりの固定加工費:360,000円÷1,200個=@300円

 製品P1個あたりの固定加工費の金額を求めたら、問題資料(1)で「?」になっている前々期の直接材料費と前期の変動加工費を差額で求めましょう。

  • 前々期の製品P1個あたりの直接材料費:@1,020円-@80円-@360円=@580円
  • 前期の製品P1個あたりの変動加工費:@955円-@570円-@300円=@85円

 また、問題資料(3)の「変動販売費 110円/個」と問題資料(4)の「製品販売量 1,000個」、問題資料(5)の「販売費および一般管理費 390,000」から、固定販売費および一般管理費の金額を計算します。

  • 固定販売費および一般管理費:390,000円-@110円×1,000個=280,000円

 これで、解答するために必要なデータは全て揃ったので、答案用紙の金額欄を埋めていきましょう。

  • 前々期
    • 売上高:1,600,000円
    • 変動費:(直接材料費@580円+変動加工費@80円+変動販売費@110円)×1,000個=770,000円
    • 貢献利益:1,600,000-770,000円=830,000円
    • 固定費:固定加工費360,000円+固定販売費および一般管理費280,000円=640,000円
    • 営業利益:830,000円-640,000円=190,000円
  • 前期
    • 売上高:1,600,000円
    • 変動費:(直接材料費@570円+変動加工費@85円+変動販売費@110円)×1,000個=765,000円
    • 貢献利益:1,600,000-765,000円=835,000円
    • 固定費:固定加工費360,000円+固定販売費および一般管理費280,000円=640,000円
    • 営業利益:835,000円-640,000円=195,000円

第145回日商簿記検定3

第145回日商簿記検定2