書籍概要

  1. 第142回をあてるTAC直前予想 日商簿記2級

    価格 4.0
    内容 4.5
    人気 4.5
    教材種別:
    予想問題集
    出版社:
    TAC出版
    問題数:
    4回分
    ページ数:
    107ページ
    サイズ:
    29.7 × 21 × 2 cm
    価格:
    1,400円(税別)

     第142回日商簿記検定2級対策用の予想問題集です。4回分の試験問題の他に、切り離して使える仕訳カード(全50問)が収載されています。

     また、第141回試験の本試験レビューや大問別の出題予想(第1予想~第3予想+プラスワン予想)、集中学習論点シート、過去の出題傾向と対策、繰り返しシートなど…独学者にとって有益な情報も多数掲載されています。

    管理人のレビュー

     TACの予想問題集の一番のウリは「解説が充実している」点です。「合格る(うかる)タイムライン」では時間配分や各問題ごとの解答ポイントが分かりやすくまとめられていますし、「合格る(うかる)下書用紙」では、各問題の下書きの書き方が数ページにわたって詳細にまとめられています。解説がここまで詳しい予想問題集は他にありません。

    合格るタイムライン&合格る下書用紙
    合格るタイムライン&合格る下書用紙

     実際に全ての問題を解いてみたんですが、商業簿記(第1問~第3問)はかなり難しいです。特に第1予想・第2予想の第3問は、作問する側の私も難しく感じたので、1回転目で思うように点数が取れなくても落ち込む必要はありません。2回転目で目標点が取れるように、きちんと復習しておきましょう。

     一方、工業簿記(第4問・第5問)は、第2予想の第4問以外はいずれも基本的な問題ばかりです。1回転目で目標点が取れなかった方は、危機感を持って復習に力を入れてください。なお、2回転目では「40点満点を取る」ではなく、「短い解答時間で40点満点を取る」ことを目標にしましょう。

     仕訳カードには「左上のリングを通す部分」や「各仕訳カードの境界線」にミシン目加工が入っているので、簡単にカードを切り離してリング穴を作ることができます。紙質もしっかりしているので使いやすいと思います。

     価格(税抜)は、成美堂・NSの予想問題集が1,240円・1,250円なのに対し本書は1,400円です。定価で考えるとやや割高になりますが、直販サイトでは常時、定価の10%オフ&送料無料で購入することができるので、実質的な購入価格はほぼ横並びです。

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管理人が実際に問題を解いてみました!

第1予想

 第1問は、問3に「同店の普通預金口座へ現金で振り込んだ」という指示がありますが、うっかり普通預金勘定で処理しないように気をつけてください。

 また、問5の固定資産の売却時に受け取った約束手形は、商品売買で受け取った約束手形と区別するために営業外受取手形勘定で処理します。あまり見かけない勘定科目ですが、両者をきちんと区別できるようにしておきましょう。

  • 通常の商品売買取引により発生した手形債権:受取手形勘定で処理
  • 通常の商品売買以外の取引により発生した手形債権:営業外受取手形勘定で処理

 第2問は、問題・答案用紙を見ただけでブルーな気持ちになるやっかいな問題です。A建物の取得原価は、解説にあるように1次方程式を使って算定します。数学が苦手な方もこの計算式だけはマスターしてください。

 また、D商品の購入時に発生した割戻に関しては取得原価から控除します。第125回日商簿記検定2級・仕訳問題4でも固定資産購入時に発生した割戻の処理が問われているので、参考までに仕訳を確認しておきましょう。

 第3問もかなり難しいです。1.は「現金として処理したものについて…」と書かれているので、当社が振り出し得意先から回収した小切手を現金勘定から当座預金勘定に振り替えたうえで、帳簿残高と実際有高との差額を雑損勘定で処理します。

 なお、通貨(紙幣&硬貨)や他店振出小切手、郵便為替証書以外にも、送金小切手・配当金領収証・期日到来済みの社債利札などを現金として取り扱います。簿記上の現金の分類に不安がある方は、この機会に一度きちんとまとめておきましょう。

 また、本問の減価償却は毎月見積もり計上されているので、7(2)の「売却時の減価償却累計額310,000円」には当期の4か月分(4月1日~7月31日)の減価償却費の金額が含まれています。仕訳を考えるさいに、減価償却費を二重計上しないように気をつけてください。

 第4問は、問3の仕訳がやや難しかったと思います。外注加工賃は特定の指図書に紐付けすることができるので直接経費として処理します。よって、仕訳の借方の勘定科目は製造間接費勘定ではなく仕掛品勘定になります。

 一方、、棚卸減耗損は特定の指図書に紐付けすることができないので間接経費として処理します。よって、仕訳の借方の勘定科目は製造間接費勘定になります。

 なお、24ページの解説の「材料費の分類・労務費の分類・経費の分類」は費目別計算のキモになる部分なので、この機会に暗記することをおすすめします。

 第5問は簡単なので特に問題ないと思いますが、問2の「当月の第2工程加工費」では第2工程で発生した加工費の金額が問われています。完成品原価の加工費部分の金額が問われているわけではないので、勘違いしないように気をつけてください。

★第1予想の「各問題の難度」と「解答時間の目安」
準備 第1問 第2問 第3問 第4問 第5問 見直し
普通 難しい 難しい 普通 簡単
5分 15分 20分 30分 15分 25分 10分

第2予想

 第1問の問1は社会保険料の会社負担分の処理がポイントになります。法定福利費と福利厚生費は「従業員のために使う費用」という点は同じですが、社会保険料の会社負担分など「法令で会社が負担しなければならない」と決められているものは法定福利費勘定で、その他の…例えば会社の忘年会や慰安旅行の費用などは福利厚生費勘定で処理します。

 問4は、問題文に「本店集中計算制度を導入している」とあるので、支店間取引の仕訳の借方・貸方のどちらか一方は本店勘定になります。本問の場合、仕訳が問われている高知商店が現金を支払っているので、貸方に現金勘定→残った借方に本店勘定…と考えると簡単です。

 第2問は、問題資料から分記法による仕訳を推定→三分法による仕訳に変換→解答記入…という流れになります。処理は面倒くさいものの内容自体は簡単なので、なるべく短い解答時間で満点を狙いたい問題です。

 第3問は今までに出題されたことのない形の問題ですが、よく考えられて作られていると思います。株主資本等変動計算書に関しては、本問と第138回の第2問を押さえておけば十分です。

 資料Ⅲの中では、8.の前払費用の処理が一番難しかったと思います。1か月分を支払保険料勘定に振り替えるだけでなく、決算日の翌日から起算して1年を超えるもの(20か月分)を長期前払保険料勘定に振り替える必要があります。

  • 当期に属する保険料(平成26年12月1日~平成27年3月31日までの4か月分):支払保険料勘定で処理
  • 決算日の翌日から起算して1年以内に期限が到来するもの(平成27年4月1日~平成28年3月31日までの12か月分):前払保険料勘定で処理
  • 決算日の翌日から起算して1年を超えて期限が到来するもの(平成28年4月1日~平成29年11月30日までの20か月分):長期前払保険料勘定で処理

 なお、答案用紙に金額を記入するさいに、貸倒引当金や減価償却累計額の金額に△マークを付けるか悩んだ方がいらっしゃるかもしれませんが、特に指示がないかぎり付ける必要はありません(他の問題も同様です)。

 第4問は計算自体は簡単ですが、費目の分類が難しかったと思います。分類をひとつ間違えると2つ以上の金額がズレる(4点以上の失点)ので、第1予想のところにも書きましたが、51ページの解説の「材料費の分類・労務費の分類・経費の分類」は割りきって覚えてしまいましょう。

 第5問は簡単なので特に問題ないと思います。

★第2予想の「各問題の難度」と「解答時間の目安」
準備 第1問 第2問 第3問 第4問 第5問 見直し
普通 簡単 難しい 難しい 簡単
5分 15分 20分 35分 20分 15分 10分

第3予想

 第1問の問1は、買収した会社の土地を帳簿価額ではなく時価で受け入れる点がポイントです。問3は、問題文に「普通預金口座に振り込まれることになっている」と書かれていますが、まだ振り込まれたわけではないので普通預金勘定で処理しないように気をつけてください。

 問5はよくあるひっかけ問題のひとつです。研究開発目的で支出したコストは、人件費だろうが材料の購入代金だろうが機械装置だろうが、全て研究開発費勘定で費用処理します。

 第2問は、先に(2)の仕訳を片付けたうえで、問題資料の「当社の当座預金勘定残高」に仕訳の増減を加味して、(1)で問われている貸借対照表に計上される当座預金の金額を計算しましょう。

 TACの解説(70ページ)では、便宜上、当社側・銀行側双方の残高を修正して(1)の金額を求めていますが、実際に問題を解くさいには当社側の残高±当社の仕訳でサクッと金額を計算してしまいましょう(銀行側の加算・減算を考える必要はありません)。

 第3問は答案用紙を見た瞬間に背筋が凍った方も多かったと思いますが、必要な処理・考え方は財務諸表作成問題とほとんど同じです。未処理事項・決算整理事項ともにそんなに難しい処理はないので、勉強が進んでいる方は1回転目から良い点が取れたはずです。

 第4問は、解説の63・64ページに載っている「合格る下書き用紙」のような下書きで解いても良いと思いますが、私の下書きも別パターンの解き方として紹介しておきます。

第3予想・第4問の下書き
第3予想・第4問の下書き(PDF版

 ちなみに、私の解答手順は…まず材料ボックスを書いて指図書ごとの消費額を計算し、次に原価計算表を自作して指図書ごとの原価を集計します。最後に予定配賦した労務費と製造間接費の原価差異を計算して、答案用紙の各勘定の金額を埋めていく…という流れになります。

 第5問は簡単なので特に問題ないと思いますが、(5)の金額の前に付けるのは「借」か「貸」のどちらかです(問題のなお書きに指示があります)。有利差異の「有」や不利差異の「不」、「+」「-」などの記号で解答しないように気をつけてください。

★第3予想の「各問題の難度」と「解答時間の目安」
準備 第1問 第2問 第3問 第4問 第5問 見直し
難しい 簡単 普通 普通 簡単
5分 20分 10分 35分 25分 15分 10分

プラスワン予想

 第1問の問4は、問題の指示に従って1本目の仕訳で商品保証引当金の残高を取り崩し、2本目の仕訳で新たに商品保証引当金を設定します。問5の整地費用は購入時でなくても取得原価に含めて処理します。

 第2問は、まずはじめに問題資料の17枚の伝票を元に仕訳を考えます。金額が分からないところは空欄にしておきましょう。

 なお、本問は仕訳日計表・総勘定元帳だけでなく仕入先元帳と得意先元帳の記入も求められているので、買掛金と売掛金に関しては勘定科目の後ろに商店名を付けることをおすすめします。

プラスワン予想・第2問の下書き1
プラスワン予想・第2問の下書き1(PDF版

 次に、問題資料の「起票上の注意事項(一部現金取引に関する指示)」や答案用紙に予め記入されている金額などを元に、空欄部分の金額をどんどん埋めていきましょう。処理自体は簡単なので特に問題ないと思います。下書きが完成したら、あとは集計するだけです。

プラスワン予想・第2問の下書き2
プラスワン予想・第2問の下書き2(PDF版

 第3問は、以下の3点の処理がポイントになります。

  • 買収時の資産・負債を帳簿価額ではなく時価で受け入れる
  • 毎月行っている売上原価算定の仕訳は期首残高ではなく前月末残高の金額を使う
  • 売上原価に算入する商品評価損は、いったん商品評価損を計上したうえで仕入勘定に振り替えるのが一般的だが、本問は商品評価損を計上するスペースがないので、商品評価損を計上せずにダイレクトに仕入勘定に振り替える

 第4問は簡単なので特に問題ないと思います。

 第5問はあまり見かけないパターンの語句の穴埋め問題ですが、問われているのはごく基本的なことばかりなので短い解答時間で満点を取らなければいけない問題です。104・105ページのような損益計算書の下書きを書いて、各期の営業利益をサクッと求めましょう。

★プラスワン予想の「各問題の難度」と「解答時間の目安」
準備 第1問 第2問 第3問 第4問 第5問 見直し
普通 普通 難しい 簡単 普通
5分 15分 25分 35分 15分 15分 10分

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