日商簿記検定2級 第154回総評(過去問分析)

第1問 難度の高い仕訳問題。問3・問4・問5の3つで12点を取れれば御の字です!

第1問の難度アンケート結果

 第1問は今回も【仕訳問題】でした。

 問1の「リース契約の解約」や問2の「返品調整引当金の設定」はかなり難度が高いため、この2問に関しては間違えても仕方がないです。

 また、問1や問5の「ソフトウェアの開発と除却」は複数の解答が考えられる問題だったので、どの仕訳で解答すべきか悩んでしまった受験生も多かったようです。

 受験生アンケートでも、約80%の方が「かなり難しかった」「やや難しかった」と回答しています。本問は、問3・問4・問5の3つで12点を取れればじゅうぶんです。

第2問 商品売買に関する勘定記入の問題。取引のつど在庫状況を確認しましょう!

第2問の難度アンケート結果

 第2問は【商品売買】に関する問題でした。

 外貨建取引が絡んでいない分、各取引の難度は高くないですが、単価の異なる商品がたくさん出てくるので在庫状況を整理して解き進める必要があります。下書きを工夫して効率よく解きましょう。

 受験生アンケートでは、50%弱の方が「かなり簡単だった」「やや簡単だった」と回答しています。

第3問 損益計算書の作成問題。保証率・改訂償却率の指示はダミーです!

第3問の難度アンケート結果

 第3問は【財務諸表】の作成問題でした。

 未処理事項2の「減価償却の記述」や決算整理事項3の「保証率・改訂償却率の指示」など、受験生を惑わせるためのトラップがいくつか仕掛けられていましたが、問題全体の難度・ボリュームは平均レベルです。

 受験生アンケートでは、50%弱の方が「普通ぐらいだった」と回答しています。

第4問 費目別計算と単純個別原価計算のミックス問題。ケアレスミスに気をつけて!

第4問の難度アンケート結果

 第4問は【単純個別原価計算】に関する問題でした。

 問1では費目別計算にかかる仕訳が3問、問2では当月の完成品原価の金額、問3では製造間接費にかかる勘定記入が問われています。いずれも平均レベルの問題ですが、資料の読み取りに苦戦した受験生が多かったようです。

 受験生アンケートでは、50%以上の方が「普通ぐらいだった」「やや難しかった」と回答しています。

第5問 単純総合原価計算の問題。途中で投入しているB原料費の処理がポイント!

第5問の難度アンケート結果

 第5問は【単純総合原価計算】に関する問題でした。

 工程の60%の地点で投入している「B原料費」の処理さえクリアできれば、あとは先入先出法で計算するだけなので簡単です。

 受験生アンケートでも、60%弱の方が「かなり簡単だった」「やや簡単だった」と回答しています。合格するためには短い解答時間で20点満点を取らなければいけない問題です。

まとめ 

全体的な難度に関するアンケート結果
  • 第1問:問1からいきなりつらい。つらたん。しかも償却方法の指示がないし…なにこれこわい。
  • 第2問:外貨が絡んでないので簡単!…と思いきや、商品の在庫がたくさんありすぎて面倒くさい。
  • 第3問:保証率・改訂償却率がついに出題され…えっ、使わないの?あとは普通。普通すぎる。
  • 第4問:簡単すぎず、難しすぎず、難度的にはいい感じ。特に何の感想もない普通の問題。
  • 第5問:難度はテキストの章末問題レベル。合格するためには絶対に20点満点を取りたい問題。

 今回は第1問の仕訳問題が難しかったものの、第2問・第3問・第4問が普通レベル&第5問が超簡単だったため、ここ最近の試験回の中では合格しやすい回だったと思います。

 このまとめを書いている時点ではまだ全体の合格率(確定値)は発表されていませんが、、平均合格率(約30%)よりもやや低い25%~30%ぐらいになる見込みです。

 日商簿記検定に限らず、資格試験の問題は簡単な問題・自分の得意な論点の問題から優先的に解くのが鉄則です。

 試験開始の合図とともにすぐに解き始めるのではなく、まずは全ての問題をチェックして、解く順番と大まかな時間配分を決めましょう。

  • 解き始める前にやるべきこと
    1. 問題用紙・答案用紙をひととおり確認する
    2. 解く順番と大まかな時間配分を決める
    3. 気持ちを落ち着かせるため、目を閉じて大きく深呼吸する

 第1問の仕訳問題に関しては、難度の高い問題が出題される可能性があります。

 簿記検定ナビで無料配布している重要仕訳TOP100や市販の仕訳対策教材などを使って、本試験を想定した仕訳対策に力を入れましょう。

 難度の高い問題が出題された場合は、問題に列挙されている勘定科目や問題文の指示などをヒントにしてなんとか解答仕訳を考えましょう。取引ごとに細かく区切って考えるのも効果的です。

 第2問に関しては、貸借対照表の分類(表示)を絡めた有価証券や、リース取引を絡めた固定資産など…何が出題されてもおかしくない状況です。

 なるべく範囲を絞らずたくさんの過去問や予想問題を解いて、対応できる「ひきだしの数」を増やしておきましょう。

 また、一見すると手も足も出ないような難問であっても、点数の取りやすい設問(解答箇所)がいくつか用意されていることが多いです。すぐに諦めてしまわずに、解答できるところを探して部分点を積み上げていきましょう。

 第3問に関しては、財務諸表や精算表(個別または連結)、本支店会計などの出題が考えられます。連結会計に関しては未だに出題されていない連結財務諸表が出題される可能性が高いです。万全の対策をしておきましょう。

 個別の財務諸表・精算表に関しては、先般の改定により試験範囲に追加されたものの、未だに1度も出題されていないサービス業の損益計算書製造業の決算処理が出題される可能性が高いです。簿記ナビ模試や市販の予想問題などを使って万全の対策しておきましょう。

 第4問・第5問の工業簿記に関しては、比較的易しい問題の出題が続いています。

 工業簿記は「解答の序盤でミスをすると、それ以降の金額が全てズレる(=不正解になる)」という恐ろしい特徴があるので、ケアレスミスに気をつけて慎重に解答しましょう。



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