第1問 簡単な仕訳問題。ケアレスミスに気をつけて20点満点を狙いましょう!
第1問は今回も【仕訳問題】でした。
問1の「貯蔵品の決算処理」と問2の「社会保険料の納付」が新論点からの出題でした。また、問5の「固定資産の購入」では、証ひょうの読み取り形式の問題が初めて出題されました。
いずれの問題にも丁寧な指示が入っていたので、初見でもじゅうぶん対応できたと思います。難易度アンケートでも、50%以上の受験生が「かなり簡単だった」「やや簡単だった」と回答しています。
第2問 家賃に関する勘定記入の問題。P/L科目とB/S科目の期末処理の違いに注目!
第2問は【勘定記入】に関する問題です。
受取家賃・前受家賃に関する一連の処理を問う問題ですが、物件が2種類あって期中に家賃が10%値上げされていたり、多くの受験生が苦手とする再振替仕訳や決算振替仕訳が絡んでいたので、やや難しく感じた方が多かったようです。
難易度アンケートでも、50%以上の方が「やや難しかった」「難しかった」と回答しています。
第3問 難度・量ともに平均レベルの試算表作成問題。T勘定を使って解きましょう。
第3問は【残高試算表】の作成問題です。
剰余金の配当や電子記録債権、仮払法人税等など、新しく追加された論点の出題がいくつかありましたが、全体的な難度・ボリュームは平均~やや易しいレベルの問題です。
第4問 最近よく出題される商品有高帳の作成問題。過去問レベルの普通の問題です。
第4問は【帳簿記入】に関する問題です。
商品有高帳の作成問題は、過去に何度も出題されている&出題形式が毎回ワンパターンなので、きちんと過去問対策をすれば短い解答時間で満点が狙えます。
難易度アンケートでも、50%以上の方が「かなり簡単だった」「やや簡単だった」と回答しています。
第5問 難度・量ともに平均レベルの精算表作成問題。問2にはちょっとびっくり。
第5問は【精算表】の作成問題でした。
難度・ボリュームともに平均レベル&特に難しい処理もないため、きちんと時間をかけて丁寧に解答すれば高得点が狙える問題です。
また、問2という形で決算整理後の「建物の帳簿価額」が問われました。このような形で出題されるのはおそらく初めてですが、取得原価から累計額を差し引いて金額を計算するだけです。
まとめ すごく簡単!ではないけど、全体的に解きやすい問題が多かったです。
第153回日商簿記3級は、難度・ボリュームともに平均レベルの問題が多かったです。
受験生アンケートでも「普通ぐらいだった」という回答が一番多かったので、かなり簡単だった前回の試験よりは合格率が下がりそうです。
このまとめを書いている時点ではまだ合格発表が始まっていませんが、平均よりもやや高い45%前後を予想しています。
問題を解く順番について
日商簿記検定に限らず、資格試験の問題は簡単な問題・自分の得意な問題から優先的に解くのが鉄則です。試験開始の合図とともにすぐに問題を解き始めるのではなく、まず全ての問題をチェックして、簡単な問題・自分の得意な問題から順番に解いてください。
- 解き始める前にやるべきこと
- 問題用紙・答案用紙をひととおり確認する
- 解く順番と大まかな時間配分を決める
- 目を閉じて大きく深呼吸する
第154回試験の対策について
第1問の仕訳問題に関しては、今回と同じように過去問類似問題をベースとした出題が予想されますが、1問か2問は難度の高い問題が出題される可能性もあります。
このような場合は、問題に列挙されている勘定科目や問題文の指示などをヒントにしてなんとか解答仕訳を考えましょう。取引ごとに細かく区切って考えるのも効果的です。
なお、どうしても分からない場合はいったん飛ばして先に進みましょう。ドツボにはまって時間を浪費してはいけません。
第3問は試算表作成問題が鉄板ですが、今回よりも難度の高い&分量の多い問題(試算表だけでなく明細表まで作らされる問題)が出題される可能性が高いです。
過去問や予想問題を何度も解いて処理スピードのアップを図っておきましょう。また、勉強時間に余裕がある方はぜひ「T勘定を使った解き方」をマスターしてください。
第5問の最近の出題状況は以下のとおりです。精算表作成問題よりも財務諸表作成問題がよく出題されています。
- 第141回:財務諸表作成問題
- 第142回:財務諸表作成問題
- 第143回:精算表作成問題
- 第144回:財務諸表作成問題
- 第145回:精算表作成問題
- 第146回:財務諸表作成問題
- 第147回:精算表作成問題
- 第148回:財務諸表作成問題
- 第149回:財務諸表作成問題
- 第150回:精算表作成問題
- 第151回:財務諸表作成問題
- 第152回:財務諸表作成問題
- 第153回:精算表作成問題
- 第154回:?
第154回は(順番的には)財務諸表作成問題が出題される可能性が高いです。過去問や予想問題をたくさん解いて、万全の対策をしておきましょう。