日商簿記検定2級 第153回総評(過去問分析)

第1問 利益処分の仕訳は10分の1だけでなく4分の1規定のチェックもお忘れなく!

第1問の難度アンケート結果

 第1問は今回も【仕訳問題】でした。

 問5の「利益処分」はやや難度が高いですが、重要仕訳TOP100でも重点的に取り上げていた論点なので、きちんと仕訳対策をしていた方は正しい金額を計算できたと思います。

 受験生アンケートでは、50%以上の方が「かなり簡単だった」「やや簡単だった」と回答しています。第3問の難度を考えますと…最低でも16点、できれば20点満点を取りたい問題です。

第2問 まさかまさかの空欄推定問題!ここでしっかり点数を稼ぎましょう。

第2問の難度アンケート結果

 第2問は【空欄推定】に関する問題です。

 空欄に入れる語句は語群から選択する形だったので自力で一から考える必要がなく、しかも問題自体の難度も高くないため、短い解答時間で高得点が狙えるラッキーな問題です。

 受験生アンケートでも、約60%の方が「かなり簡単だった」「やや簡単だった」と回答しています。第3問の難度を考えますと…最低でも16点、できれば20点満点を取りたい問題です。

第3問 作問者ハンパないって!もうハンパないって!こんなん解けへんやん普通。

第3問の難度アンケート結果

 第151回の第3問で過去最高難度の問題(連結精算表)が出題されましたが、今回はそれをも凌駕する連結精算表が出題されました。

 特に「棚卸資産に含まれる未実現利益の消去」の処理はすさまじい難度で、試験時間中に完答できた受験生は0.1%もいないと思います。

 難易度アンケートでも、90%以上の受験生が「かなり難しかった」と回答しています。アンケート結果の偏りが、本問の衝撃をリアルに表していると思います。

 本問は、比較的点数の取りやすい「土地」「のれん」「買掛金」「売上高」「のれん償却」あたりで8点~10点取れればじゅうぶんです。

第4問 本社工場会計の基本的なルールに従って機械的に処理しましょう!

第4問の難度アンケート結果

 第4問は【本社工場会計】に関する問題です。

 今回は工場の仕訳だけでなく本社の仕訳も問われましたが、基本的なルール(=使用できない勘定は「本社」または「工場」で処理する)に従って処理する点は過去問と同様です。

 受験生アンケートでも、60%以上の方が「かなり簡単だった」「やや簡単だった」と回答しています。第3問の難度を考えますと…最低でも16点、できれば20点満点を取りたい問題です。

第5問 組別総合原価計算の簡単な問題。ケアレスミスに気をつけて20点満点を!

第5問の難度アンケート結果

 第5問は【組別総合原価計算】に関する問題です。

 総合原価計算では毎度おなじみの仕損・減損や予定配賦がなく、特にひっかけもないテキストの章末レベルの簡単な問題です。

 受験生アンケートでも、60%以上の方が「かなり簡単だった」「やや簡単だった」と回答しています。第3問の難度を考えますと…できれば20点満点を取りたい問題です。

まとめ 第3問はアレですが、試験全体の難度はきちんと調整されています。

全体的な難度に関するアンケート結果
  • 第1問:特に難しい問題はなし。仕訳対策をしていれば満点が狙える問題。
  • 第2問:まさかまさかの空欄推定問題。基本的な内容ばかりで満点が狙える問題。
  • 第3問:棚卸資産の未実現利益の消去は100%無理。部分点狙いで10点取れればOK。
  • 第4問:予想どおりの本社工場会計。ルールに従って機械的に処理すれば満点が狙える問題。
  • 第5問:難度はテキストの章末レベル。合格するためには絶対に満点を取りたい問題。

 第3問連結に関しては、第151回の問題で「連結精算表は部分点狙いでOK」という認識が広まっていたので、意外と冷静に対応できた受験生が多かったようです。

 連結以外の4問に関しては、比較的点数の取りやすい問題が多かったです。勉強が進んでいた方はこの4問だけで8割(64点)~9割(72点)ぐらい取れたのではないでしょうか。

 受験生アンケートでは「やや難しかった」という回答が一番多かったです。このまとめを書いている時点ではまだ合格発表が始まっていませんが、平均合格率(約30%)よりもやや低めの25%前後ぐらい合格率を予想しています。

 日商簿記検定にかぎらず、資格試験の問題は簡単な問題・自分の得意な問題から優先的に解くのが鉄則です。試験開始の合図とともにすぐに問題を解き始めるのではなく、まず全ての問題・答案用紙をチェックして、簡単な問題・自分の得意な問題から順番に解いてください。

  • 解き始める前にやるべきこと
    1. 問題用紙・答案用紙をひととおり確認する
    2. 解く順番と大まかな時間配分を決める
    3. 目を閉じて大きく深呼吸する

 今回の問題ですと…第3問は難しい(=解くのに時間がかかる)ので後回しにして、比較的簡単な第1問・第2問・第5問あたりを優先して解答することをおすすめします。

 第1問の仕訳問題に関しては、難度の高い問題が出題される可能性があります。簿記検定ナビで無料配布している重要仕訳TOP100などを使って、本試験を想定した仕訳対策に力を入れましょう。

 万が一、難度の高い問題が出題された場合は、問題に列挙されている勘定科目や問題文の指示などをヒントにしてなんとか解答仕訳を考えましょう。取引ごとに細かく区切って考えるのも効果的です。

 なお、どうしても分からない場合はいったん飛ばして先に進みましょう。ドツボにはまって時間を浪費してはいけません。

 第2問に関しては、外貨建取引を絡めた商品売買やリース取引を絡めた固定資産など…何が出題されてもおかしくない状況です。

 難度の高い問題が出題された場合は、今回の第3問のように無理に満点を狙わずに簡単な設問を探して部分点を着実に積み上げましょう。

 第3問に関しては、財務諸表や精算表(個別または連結)、本支店会計などの出題が考えられます。

 個別の財務諸表・精算表に関しては、先般の改定により試験範囲に追加されたものの、未だに1度も出題されていないサービス業の損益計算書製造業の貸借対照表の作成問題の出題可能性が高いです。簿記ナビ模試や市販の予想問題を使って万全の対策しておきましょう。

 第4問・第5問の工業簿記に関しては、比較的易しい問題の出題が続いています。この2問を取りこぼすと合格が一気に遠のいてしまうので、ケアレスミスに気をつけて慎重に解答しましょう。



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