第152回日商簿記検定2級 第2問(銀行勘定調整表)の過去問分析

第2問 企業残高基準法による調整表の作成&仕訳問題。過去問対策の効果抜群!

第2問の難度アンケート結果

 第2問は【銀行勘定調整表】に関する問題です。

 簿記検定ナビ以外でも第1予想に挙げているところが多かったですし、出題形式も「調整表の作成+仕訳」という定番の形でしたので、きちんと過去問対策をしていれば高得点が狙えたと思います。

 受験生アンケートでも、50%以上の方が「かなり簡単だった」「やや簡単だった」と回答しています。

問1 当座預金勘定調整表の作成

 銀行勘定調整表には「企業残高基準法」「銀行残高基準法」「並列法(両者区分調整法)」の3つの種類がありますが、本問では「企業残高基準法」が問われています。

  • 企業残高基準法:企業残高を銀行残高に合わせる(第134回・本問
  • 銀行残高基準法:銀行残高を企業残高に合わせる(第137回・第146回)
  • 並列法:金額不一致の原因を企業側・銀行側に分けて表示し、両者の残高を合わせる

 解答を考えるうえでは並列法が一番分かりやすいので、まずは並列法で当座預金の金額を調整し、そのうえで企業残高基準法による場合の表示に直しましょう。以下の画像は、並列法の下書き画像です。

銀行勘定調整表の下書き1
銀行勘定調整表の下書き1

 それでは金額を埋めていきましょう。まず、当座預金の帳簿残高と銀行残高は、問題資料Ⅰから金額を引っ張ってくるだけです。

 次に、真ん中部分の「不一致の原因を加減する」という部分ですが、ここには問題資料Ⅰの当座預金にかかる各取引の金額が入ります。ひとつひとつ考えてみましょう。

(1) 未取付小切手

 小切手振出時に当座預金の残高を減らしていますが、仕入先が未だ銀行に呈示(=換金)していないため、銀行の残高と合わなくなります。

 銀行残高を350,000円(=200,000円+150,000円)減らすことによって残高の不一致を調整します。

 なお、答案用紙に200,000円と150,000円を分けて書くか、2つをまとめて350,000円と書くか迷った方も多いと思いますが、この部分に配点されることはまず考えられません。最終的な加算額合計が350,000円になればどちらで書いても大丈夫です。

(2) 不渡手形

 手形の取立依頼時に当座預金の残高を増やしていますが、500,000円分の手形が不渡りになってしまったため、銀行の残高と合わなくなります。

 帳簿残高を500,000円減らすことによって残高の不一致を調整します。

(3) 未達事項

 電話料金の支払いを処理していないため、銀行の残高と合わなくなります。

 帳簿残高を14,000円減らすことによって残高の不一致を調整します。

(4) 企業側誤記入

 入金したことになっている小切手が未だ入金されないまま手元に残っているため、銀行の残高と合わなくなります。

 帳簿残高を120,000円減らすことによって残高の不一致を調整します。


 上記の(1)~(4)の処理を下書きに反映すると、以下のような形になります。

銀行勘定調整表の下書き2
銀行勘定調整表の下書き2

 最後に、並列法による場合の表示を企業残高基準法による場合の表示に修正しますが、必要な作業は帳簿残高からスタートして「∪」の字を書くように不一致の原因を加減算して、最終的に銀行残高を合わせるだけです。

銀行勘定調整表の下書き3
銀行勘定調整表の下書き3

 なお、この時に注意していただきたいのは、銀行側の調整項目の符号が逆転するという点です。当社側は、上から下に向かって調整する(3,070,000円→2,436,000円)ので符号は変わりませんが、銀行側は、下から上に向かって調整する(2,436,000円→2,786,000円)ので符号が逆になります。

  • 帳簿残高:3,070,000円
    • (2) △500,000円
    • (3) △14,000円
    • (4) △120,000円
    • (1) +200,000円
    • (1) +150,000円
  • 銀行残高:2,786,000円

問2 仕訳

当座預金取引の仕訳

(1) 未取付小切手
※仕訳なし

 未取付小切手は銀行側の修正事項のため、当社側の仕訳は不要です。

(2) 不渡手形
(借)不渡手形 500,000
 (貸)当座預金 500,000

 取立依頼した手形の一部が不渡りになった場合、取立依頼時に計上した当座預金の一部を不渡手形に振り替えます。

(3) 未達事項
(借)通信費 14,000
 (貸)当座預金 14,000

 引き落とされた電話料金を通信費で費用処理します。

(4) 企業側誤記入
(借)現金 120,000
 (貸)当座預金 120,000

 預け入れたつもりで計上していた当座預金を現金に振り替えます。

現金取引の仕訳

(1) 外貨建取引
(借)現金 95,000
 (貸)為替差損益 95,000

 問題文の「米国ドル紙幣 100ドル札50枚、50ドル札90枚」から、9,500ドル(=5,000ドル+4,500ドル)を保有していることが分かります。

 よって、3月31日の為替レートで評価替えした金額と帳簿残高との差額を為替差損益で処理します。

  • 3月31日の為替レートで評価替えした金額:9,500ドル×@110円=1,045,000円
  • 帳簿残高:950,000円
  • 差額=1,045,000円-950,000円=95,000円
(2) 旅費の仮払い
(借)仮払金 100,000
 (貸)現金 100,000

 問題文に「旅費仮払い額は、出金の会計処理が行われておらず」とあるので、従業員に旅費を仮払いした時の仕訳を切りましょう。金額は金庫内実査表に記載されている「従業員からの受取書」の100,000円になります。

 なお、旅費の精算に関しては、問題文に「3月31日時点で従業員が出張から戻っていないため、旅費精算も行われていない」とあるので、今回の決算では行いません。

(3) 企業側誤記入
※当座預金取引の「(4) 企業側誤記入」で処理済み
(4) 配当金領収証の処理
(借)現金 8,000
(借)仮払法人税等 2,000
 (貸)受取配当金 10,000

 株式を保有していると業績に応じた配当金を受け取ることができますが、実際に株主に支払われるのは所得税を差し引いた(=源泉徴収した)あとの金額になります。

 本問は、問題文の「源泉所得税20%控除後の金額」から、金庫内実査表に記載されている8,000円は源泉徴収の金額であることが分かります。

 よって、まずは源泉徴収前の配当金の金額を計算して受取配当金を計上します。

 さらに、実際に受け取ることができる源泉徴収後の金額を現金で処理し、源泉徴収された金額は法人税の前払いと考えて仮払法人税等で処理します。

  • 源泉徴収前の配当金の金額:8,000円÷80%=10,000円受取配当金で処理)
  • 実際に受け取ることができる金額:8,000円現金で処理)
  • 源泉徴収された金額:10,000円×20%=2,000円仮払法人税等で処理)


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