第152回日商簿記検定2級 第1問(仕訳問題)の過去問分析

第1問 問3の「商品保証引当金の洗替法の処理」以外は普通レベルの仕訳問題!

第1問の難度アンケート結果

 第1問は今回も【仕訳問題】でした。

 問3の「商品保証引当金の洗替法の処理」以外は過去に出題された論点ばかりですし、全体的な難度もそんなに高くないので、なんとか16点(5問中4問正解)以上を取りたい問題です。

 受験生アンケートでは「普通ぐらいだった」という回答が一番多かったものの、40%以上の受験生は「かなり簡単だった」「やや簡単だった」と回答しています。

問1 有価証券の売却

模範解答
(借)現金 989,620 ※4
 (貸)有価証券利息 620 ※1
 (貸)売買目的有価証券 988,000 ※2
 (貸)有価証券売却益 1,000 ※3

※1 1,000,000円×0.365%×62日/365日=620円

※2 1,000,000円×98.80円/100円=988,000円

※3 989,000円-988,000円=1,000円

※4 620円+988,000円+1,000円=989,620円(貸借差額)

 有価証券の売却に関する問題です。

 本問は、取引を【利息の受け取りに関する取引】【社債の売却に関する取引】の2つに分けて考えましょう。

利息の受け取りに関する取引

 まず、利息の受け取りに関する仕訳を考えます。

 本問は、問題文に「売却代金は売買日までの端数利息とともに現金で受け取った」とあるので、前回の利払日の翌日(10月1日)から売却日(12月1日)までの62日間の有価証券利息を計算します。

  • 10月分:31日
  • 11月分:30日
  • 12月分:1日

 受験生の中には12月1日の1日分を計上しなかった方が多くいらっしゃるようです。過去の本試験では「売却前日まで」という問題もありましたが、本問は「売買日まで」と明確に指定されているので、12月1日の1日分も忘れずに計上しましょう。

解答①(利息の受け取りに関する取引)
(借)現金 620
 (貸)有価証券利息 620

社債の売却に関する取引

 次に、社債の売却に関する仕訳を考えます。

 本問は、額面100円につき98.80円で購入した社債を額面100円につき98.90円で売却しているので、帳簿価額と売却価額を計算したうえで、差額を売却損益で処理しましょう。

  • 帳簿価額:1,000,000円×98.80円/100円=988,000円
  • 売却価額:1,000,000円×98.90円/100円=989,000円
  • 差額:989,000円-988,000円=1,000円(帳簿価額<売却価額→売却益
解答②(社債の売却に関する取引)
(借)現金 989,000
 (貸)売買目的有価証券 988,000
 (貸)有価証券売却益 1,000

 以上、①②の仕訳をまとめると解答仕訳になります。

問2 固定資産の購入・営業外支払手形

模範解答
(借)備品 1,440,000
(借)支払利息 60,000 ※6
 (貸)営業外支払手形 1,500,000 ※5

※5 150,000円×10枚=1,500,000円

※6 1,500,000円-1,440,000円=60,000円(貸借差額)

 固定資産の購入・営業外支払手形に関する問題です。

 固定資産を割賦契約で購入した場合、現金購入価額と支払額合計との差額を「前払費用(資産)」「長期前払費用(資産)」「支払利息(費用)」などで処理します。

 本問は、問題に列挙されている勘定科目の中に支払利息がある(前払費用や長期前払費用はない)ので、支払利息で処理すると判断して処理します。

  • 現金購入価額:1,440,000円(問題文より)
  • 支払額合計:1,500,000円(=@150,000円×10枚)
  • 差額:1,500,000円-1,440,000円=60,000円

 また、手形を振り出して代金を支払っているので営業外支払手形で処理します。うっかり支払手形や未払金を使わないように気をつけましょう。

  • 商品を仕入れたさいに振り出す手形:支払手形
  • 商品以外のモノ(ex.固定資産など)を購入したさいに振り出す手形:営業外支払手形

問3 商品保証引当金

模範解答
(借)商品保証引当金 36,000
 (貸)商品保証引当金戻入 36,000
(借)商品保証引当金繰入 185,000 ※7
 (貸)商品保証引当金 185,000

※7 18,500,000円×1%=185,000円

 商品保証引当金に関する問題です。

 商品保証引当金を洗替法で処理する問題を初めて見たという受験生も少なくないと思いますが、丁寧な指示が入っているので初見でもじゅうぶん対応できたはずです。

 まず、問題文に「前年度に販売した商品に付した品質保証期限が経過したため、この保証のために設定した引当金の残高 ¥ 36,000 を取り崩す」とあるので、商品保証引当金を取り崩しましょう。

解答①(商品保証引当金を取り崩す仕訳)
(借)商品保証引当金 36,000
 (貸)商品保証引当金戻入 36,000

 次に、問題文に「当期に品質保証付きで販売した商品の保証費用を当期の売上高 ¥ 18,500,000 の1%と見積もり」とあるので、保証費用を計算し商品保証引当金に繰り入れましょう。

保証費用:18,500,000円×1%=185,000円

解答②(商品保証引当金を繰り入れる仕訳)
(借)商品保証引当金繰入 185,000
 (貸)商品保証引当金 185,000

 以上、①②の仕訳をまとめると解答仕訳になります。

 なお、本問では洗替法の処理が問われているため、解答仕訳の借方の商品保証引当金と貸方の商品保証引当金は相殺せずにそのまま借方・貸方に計上します。

問4 外貨建取引

模範解答
(借)為替差損益 80,000 ※8
 (貸)買掛金 80,000

※8 (@110円-@108円)×40,000ドル=80,000円

 外貨建取引に関する問題です。

 本問は、取引発生後に為替予約を行っているので、仕入時の直物為替相場(1ドル108円)による買掛金の円換算額と、為替予約時の先物為替相場(1ドル110円)による買掛金の円換算額との差額を為替差損益で処理します。

  • 仕入時の直物為替相場による買掛金の円換算額:@108円×40,000ドル=4,320,000円
  • 為替予約時の先物為替相場による買掛金の円換算額:@110円×40,000ドル=4,400,000円
  • 差額:4,400,000円-4,320,000円=80,000円

問5 設立時の新株発行

模範解答
(借)当座預金 100,000,000 ※9
 (貸)資本金 50,000,000 ※10
 (貸)資本準備金 50,000,000 ※10
(借)創立費 300,000
 (貸)現金 300,000

※9 @40,000円×2,500株=100,000,000円

※10 100,000,000円÷2=50,000,000円

 設立時の新株発行に関する問題です。

 本問は、問題文に「会社法が認める最低限度額を資本金として計上する」とあるので、払込金100,000,000円の半分を資本金に、もう半分を資本準備金に計上します。

 また、問題文の「会社の設立準備のために発起人が立て替えていた諸費用 ¥ 300,000 」は、創立費で処理します。

 開業費と迷った方がいらっしゃるかもしれませんが、開業費は会社設立後から開業までにかかった諸費用を処理する時に使う勘定科目です。両者を混同しないように気をつけましょう。

  • ゼロから設立登記までに要した諸費用:創立費で処理
  • 設立登記から開業までに要した諸費用:開業費で処理


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