第151回日商簿記検定3級 第5問(財務諸表)の過去問分析

第5問 いたって普通の財務諸表作成問題。ケアレスミスに気をつけて!

第5問の難度アンケート結果

 第5問は【財務諸表】の作成問題でした。

 決算整理事項等4の訂正仕訳は少し難しいかもしれませんが、その他は過去に何度も出題されているパターンの問題です。

 難易度アンケートでも、60%近くの受験生が「かなり簡単だった」「やや簡単だった」と回答しています。第3問と同様に、短い解答時間で30点満点を狙いましょう。

解答手順

 本問は、問題資料(2)の決算整理事項等の各取引の仕訳を下書きしたうえで、各勘定の金額を集計して答案用紙の貸借対照表・損益計算書を完成させましょう。

決算整理事項等1の仕訳

預金の預け入れ
(借)普通預金 50,000
 (貸)現金 50,000

決算整理事項等2の仕訳

現金過不足
(借)通信費 2,000
(借)雑損 1,000 ※1
 (貸)現金過不足 3,000

※1 3,000円-2,000円=1,000円(貸借差額)

 現金過不足の決算整理仕訳は、以下の3ステップにあてはめて考えると分かりやすいです。

  1. 現金過不足の残高をゼロにする
  2. 原因が判明したものを正しく処理する
  3. 貸借差額を雑損または雑益で処理する
  1. 貸方に現金過不足3,000円を計上する(問題資料1の決算整理前残高試算表より)
  2. 借方に通信費2,000円を計上する(問題資料2の決算整理事項等より)
  3. 借方に雑損1,000円を計上する(貸借差額)

決算整理事項等3の仕訳

仮受金の処理
(借)仮受金 68,000
 (貸)売掛金 68,000

決算整理事項等4の仕訳

仕訳の訂正
(借)車両運搬具減価償却累計額 700,000
 (貸)固定資産売却損 700,000

 解答仕訳は「実際に行った仕訳」と「正しい仕訳」から導き出しましょう。

参考:実際に行った仕訳
(借)現金 10,000
(借)固定資産売却損 790,000
 (貸)車両運搬具 800,000
参考:正しい仕訳
(借)現金 10,000
(借)車両減価償却累計額 700,000
(借)固定資産売却損 90,000
 (貸)車両運搬具 800,000

 上記の2本の仕訳から、本来は車両減価償却累計額で処理すべき700,000円を固定資産売却損で処理していることが分かるので、固定資産売却損を車両減価償却累計額に振り替えます。

決算整理事項等5の仕訳

貸倒引当金の設定
(借)貸倒引当金繰入 6,000 ※2
 (貸)貸倒引当金 6,000

※2 (568,000円-68,000円)×2%-4,000円=6,000円

 決算整理事項等3の「売掛金の減少」を加味して金額を計算しましょう。

決算整理事項等6の仕訳

売上原価の算定
(借)仕入 198,000 ※3
 (貸)繰越商品 198,000
(借)繰越商品 235,000 ※4
 (貸)仕入 235,000

※3 資料1の決算整理前残高試算表より

※4 資料2の決算整理事項等より

 実際に問題を解くさいには、上記の仕訳は不要です。以下のような商品ボックスをササッと書いて、売上原価の金額を把握しましょう。

  • 期首商品棚卸高:198,000円(※資料1の決算整理前残高試算表より)
  • 当期商品仕入高:2,035,000円(※資料1の決算整理前残高試算表より)
  • 期末商品棚卸高:235,000円(※資料2の決算整理事項等6より)
    • 売上原価:198,000円+2,035,000円-235,000円=1,998,000円
商品ボックスの下書き
商品ボックスの下書き

決算整理事項等7の仕訳

減価償却
(借)減価償却費 150,000
 (貸)建物減価償却累計額 100,000 ※5
 (貸)備品減価償却累計額 50,000 ※6

※5 3,000,000円÷30年=100,000円

※6 600,000円÷5年×5か月/12か月=50,000円

 建物は1年分、期中に購入した備品は5か月分(8月1日~12月31日)の減価償却費を計上します。

決算整理事項等8の仕訳

保険料の前払い
(借)前払費用 12,000
 (貸)保険料 12,000

決算整理事項等9の仕訳

手数料の前受け
(借)受取手数料 33,000 ※7
 (貸)前受収益 33,000

※7 36,000円×11か月/12か月=33,000円

 問題文の「受取手数料は全額当期の12月1日に向こう1年分の手数料を受け取ったもの」から、11か月分(翌1月1日~11月30日)を前受けしていることが分かるので、11か月分の受取手数料を前受収益に振り替えます。



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