第151回日商簿記検定3級 第3問(合計試算表)の過去問分析

第3問 何度も繰り返し出題されている試算表作成問題。ケアレスミスに気をつけて!

第3問の難度アンケート結果

 第3問は【合計試算表】の作成問題です。

 13日の「両替時の手数料の支払い」など目新しい取引もいくつか出てきましたが、全体的な難度・ボリュームはやや簡単~平均レベルの問題です。

 難易度アンケートでも、60%以上の受験生が「かなり簡単だった」「やや簡単だった」と回答しています。短い解答時間で30点満点を狙いましょう。

解答方法について

 本問のように二重取引を考慮する必要のない試算表の解答方法は、「全仕訳を全て下書きしたうえで金額を集計する方法」と「仕訳を書かずにT勘定を使って解く方法」の2つがあります。

  • T勘定を使って解く方法のメリット
    • マスターすれば早く解ける
    • 集計もれが減る(ケアレスミスが減る)
    • なんかカッコいい(意外と大事)
  • T勘定を使って解く方法のデメリット
    • 慣れるまでは逆に時間がかかる

 T勘定を使って解く方法は、頭の中で仕訳を考えて各勘定に直接金額を入れていく形になるので、慣れるまでは時間がかかってしまいますが、一度マスターすれば大きな武器になります。

 本問は処理すべき量がそんなに多くないのでどちらで解答しても構いませんが、これから勉強される方はぜひ「仕訳を書かずにT勘定を使って解く方法」をマスターしてください。

たまに、全仕訳を全て下書きしたうえでT勘定を作って解いている方がいます。T勘定に慣れるまではこの方法でも構いませんが、最終的には頭の中で仕訳を考えて各勘定に直接金額を入れていく形に切り替えてください。

T勘定を使って解く方法の解答手順

 頻出する7勘定(現金・普通預金・当座預金・売掛金・買掛金・仕入・売上)についてT勘定を設定しましょう。その他の勘定科目は「その他」勘定に記入・集計します。

 各勘定の位置に決まりはありませんが、下書きを定型化するために毎回同じ場所に書くようにしましょう。

 私の場合、下書き用紙を横向きにして4等分し、一番左の列に「現金」「普通預金」「当座預金」、左から2番目の列に「売掛金」「売上」、右から2番目の列に「買掛金」「仕入」、一番右の列に「その他」を書くと決めています。

第3問の下書き1
第3問の下書き1(PDF版

 次に、前月末(平成30年1月31日)の各勘定の金額を記入します。答案用紙の合計試算表から金額をひっぱってきましょう。

第3問の下書き2
第3問の下書き2(PDF版

 前月末=当月初の金額をT勘定に記入したら、問題資料の各日の取引を頭の中で仕訳して、7つの勘定に記入していきます。

 なお、「その他」勘定に記入するさいは、勘定科目を可能なかぎり省略してスピードアップを図りましょう。簿記検定ナビでは、勘定科目の省略パターン一覧表ページで勘定科目の短縮例などをまとめていますので、興味のある方は一度ご確認ください。

第3問の下書き3
第3問の下書き3(PDF版

 最後に、7つの勘定を締め切ります。なお、本問は合計試算表を作成する問題なので、各勘定を締め切るさいには借方・貸方の合計額を計算して記入しましょう。

第3問の下書き4
第3問の下書き4(PDF版

 なお、「その他」勘定は締め切り不要です。答案用紙の1月31日の金額に、「その他」勘定に計上した金額を反映させて、2月28日の金額を求めましょう。

参考:残高試算表・合計残高試算表の場合の下書き

 仮に、本問の解答要求が残高試算表・合計残高試算表の場合は、以下のように締め切ると分かりやすいです。上で紹介している合計試算表の締め切り方とあわせて押さえておきましょう。

残高試算表のT勘定の締め切り方
残高試算表のT勘定の締め切り方( PDF版

 残高試算表を作成する場合、借方・貸方の合計額は不要なので、各勘定の貸借差額のみを計算して記入しましょう。

合計残高試算表のT勘定の締め切り方
合計残高試算表のT勘定の締め切り方( PDF版

 合計残高試算表を作成する場合、いったん借方・貸方の合計額を計算・記入したうえで、その下に貸借差額を記入しましょう。

参考:平成30年2月中の取引の全仕訳

2月1日の仕訳
(借)売掛金 350,000
 (貸)売上 350,000
2月2日の仕訳
(借)仕入 260,000
 (貸)買掛金 260,000
2月6日の仕訳
(借)売掛金 220,000
 (貸)売上 220,000
2月7日の仕訳
(借)支払手数料 30,000
(借)広告宣伝費 15,000
 (貸)普通預金 45,000
2月9日の仕訳
(借)所得税預り金 30,000
 (貸)当座預金 30,000

 所得税の源泉徴収は、源泉徴収時に所得税預り金(または預り金)を計上します。本問で問われている「納付時」にはこの所得税預り金を減額します。

2月13日の仕訳
(借)売掛金 450,000
 (貸)売上 450,000
(借)支払手数料 400
 (貸)現金 400

 両替の仕訳はあまり問われませんが、手数料400円を支払手数料で処理するだけです。

2月14日の仕訳
(借)現金 250,000
 (貸)売上 250,000
(借)現金 2,000
 (貸)現金過不足 2,000

 現金過不足の処理は、帳簿上の金額を実際の金額に合わせるというルールを理解すれば簡単です。帳簿上の金額が実際の金額よりも2,000円(=301,600円-299,600円)少ないため、帳簿上の金額を2,000円増やして「帳簿上の金額=実際の金額」になるように調整します。

2月15日の仕訳
(借)普通預金 301,600
 (貸)現金 301,600
2月16日の仕訳
(借)仕入 250,000
 (貸)当座預金 250,000
2月19日の仕訳
(借)普通預金 50
 (貸)受取利息 50
2月20日の仕訳
(借)給料 300,000
 (貸)所得税預り金 35,000
 (貸)従業員貸付金 50,000
 (貸)当座預金 215,000
(借)当座預金 925,000
 (貸)売掛金 925,000
(借)買掛金 815,000
 (貸)当座預金 815,000

 所得税の源泉徴収は、源泉徴収時に所得税預り金(または預り金)を計上します。

 従業員に対する貸付金は、貸付時に従業員貸付金(または貸付金)を計上します。本問で問われている「返済時」には、従業員貸付金を減額します。

2月26日の仕訳
(借)定期預金 1,000,000
 (貸)当座預金 1,000,000
2月27日の仕訳
(借)支払家賃 120,000
 (貸)当座預金 120,000
2月28日の仕訳
(借)水道光熱費 6,000
(借)通信費 8,000
 (貸)当座預金 14,000


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