第151回日商簿記検定2級 第1問(仕訳問題)の過去問分析

第1問 一筋縄ではいかない問題のオンパレード。今回もかなり厳しいです。

第1問の難度アンケート結果

 第1問は今回も【仕訳問題】でした。

 手も足も出ないような難問はなかったものの、問3の売上割戻や問4の追徴法人税等など最後の判断に迷うような問題が多く、全て裏目に出てしまうと4点~8点ぐらいしか取れない可能性があります。

 第3問の連結精算表の難度を考えますと…合格するためには出来れば16点以上、最低でも12点は取りたいところですが、得点が伸び悩んだ受験生が多かったようです。

 難易度アンケートでも、70%以上の受験生が「かなり難しかった」「やや難しかった」と回答しています。

問1 本支店会計

模範解答
(借)現金 8,500,000
(借)商品 6,100,000
(借)車両 3,800,000
 (貸)車両減価償却累計額 760,000
 (貸)本店 17,640,000 ※1

※1 8,500,000円+6,100,000円+3,800,000円-760,000円=17,640,000円(貸借差額)

 本支店会計に関する問題です。

 本問は支店側の処理が問われているので、本店から移管された資産(と評価勘定)を計上し、貸借差額を本店で処理しましょう。

 また、問題文に「商品売買の記帳を「販売のつど売上原価勘定に振り替える方法」によっている」とあるので、商品については原価商品勘定で処理します。

参考:売上原価対立法の仕入時(受入時)の仕訳
(借)商品 ×××
 (貸)買掛金など ×××
参考:売上原価対立法の販売時の仕訳
(借)売掛金など ×××
 (貸)売上 ×××
(借)売上原価 ×××
 (貸)商品 ×××

 なお、有形固定資産は間接法で処理しているので、トラックの取得価額を車両で、減価償却累計額を車両減価償却累計額で処理しましょう。

 最後に、本店側の仕訳をご紹介します。支店に移管した資産(と評価勘定)を減額し、貸借差額を支店で処理しましょう。

参考:支店側の仕訳
(借)車両減価償却累計額 760,000
(借)支店 17,640,000
 (貸)現金 8,500,000
 (貸)商品 6,100,000
 (貸)車両 3,800,000

問2 その他有価証券・税効果会計

模範解答
(借)その他有価証券 2,000,000
 (貸)繰延税金負債 600,000 ※2
 (貸)その他有価証券評価差額金 1,400,000 ※3

※2 2,000,000円×30%=600,000円

※3 2,000,000円-600,000円=1,400,000円(貸借差額)

 その他有価証券・税効果会計に関する問題です。

 本問は、問題文に「全部純資産直入法を適用」「法定実効税率30%とする税効果会計を適用」とあるので、その他有価証券の時価評価にあたって税効果会計を適用します。

 その他有価証券に税効果会計を適用する仕訳は、以下の順番で機械的に処理することができます。参考までに処理の流れをご確認ください。

  • 仕訳の考え方
    1. 取得原価と期末時価を比較し、評価益なら借方、評価損なら貸方に「その他有価証券」を計上する。
    2. 1.の金額に法人税の実効税率を乗じた金額を1.と反対側に書く。勘定科目は借方なら「繰延税金資産」、貸方なら「繰延税金負債」になる。
    3. 貸借差額を「その他有価証券評価差額金」で処理する。
  • 本問の場合
    1. 借方に「その他有価証券」を2,000,000円(=@200円×10,000株)計上する。
    2. 貸方に「繰延税金負債」を600,000円(=200,000円×30%)計上する。
    3. 貸方に「その他有価証券評価差額金」を1,400,000円(=2,000,000円-600,000円)計上する。

問3 売上割戻

模範解答
(借)売上 19,000
 (貸)当座預金 19,000

 売上割戻に関する問題です。

 本問は、借方の勘定科目を「売上」にするか「売上割引」にするか迷った方も多いと思います。両者の違いをきちんと押さえておきましょう。

  • 売上割戻:たくさん買ってくれてから安くしてあげる(本問)
  • 売上割引:約束よりも早く払ってくれたから安くしてあげる

問4 法人税等

模範解答
(借)追徴法人税等 360,000
 (貸)未払法人税等 360,000

 法人税等に関する問題です。

 本問のように、法人税等の追徴を命じられた場合(=お金が出て行く場合)は追徴法人税等で処理します。なお、貸方に計上する未払い債務は、未払法人税等で処理します。

参考:法人税の追徴の通知が届いたときの仕訳
(借)追徴法人税等 ×××
 (貸)未払法人税等 ×××

 逆に、法人税等の還付を受けた場合(=お金が戻ってくる場合)は還付法人税等で処理します。なお、借方に計上する未収債権は、未収還付法人税等で処理します。

参考:法人税の還付の通知が届いたときの仕訳
(借)未収還付法人税等 ×××
 (貸)還付法人税等 ×××

問5 固定資産の売却

模範解答
(借)営業外受取手形 119,000
(借)備品減価償却累計額 354,240 ※4
(借)減価償却費 36,864 ※5
(借)固定資産売却損 89,896 ※6
 (貸)備品 600,000

※4 120,000円+96,000円+76,800円+61,440円=354,240円

※5 (600,000円-354,240円)×20%×9か月/12か月=36,864円

※6 600,000円-119,000円-354,240円-36,864円=89,896円(貸借差額)

 固定資産の売却に関する問題です。

 本問はまず、問題文の「耐用年数10年」「減価償却は200%定率法」から、償却率20%(=1÷10年×200%)を計算しましょう。

 次に期首時点の減価償却累計額(4年分)を計算します。定額法なら毎期同額なので「1年あたりの減価償却費×4」で簡単に求めることができますが、本問は200%定率法を採用しているので、1年ずつ丁寧に計算する必要があります。

  • 平成27年3月31日計上分:600,000円×20%=120,000円
  • 平成28年3月31日計上分:(600,000円-120,000円)×20%=96,000円
  • 平成29年3月31日計上分:(600,000円-120,000円-96,000円)×20%=76,800円
  • 平成30年3月31日計上分:(600,000円-120,000円-96,000円-76,800円)×20%=61,440円
    • 期首時点の減価償却累計額:120,000円+96,000円+76,800円+61,440円=354,240円

 また、問題文に「売却した年度の減価償却費は月割計算で算定すること」とあるので、4月1日から12月31日までの9か月分を当期の減価償却費として処理します。

  • 当期の減価償却費:(600,000円-354,240円)×20%×9か月/12か月=36,864円

 最後に、貸借差額を固定資産売却損益で処理します。

 なお、相手先振出の受取手形は営業外受取手形で処理します。うっかり受取手形で処理しないように気をつけてください。

別解の仕訳

 当期の9か月分の減価償却費をいったん計上したうえで、売却の仕訳を考える方法も別解として認められます。参考までに仕訳をご確認ください。

別解
(借)減価償却費 36,864
 (貸)備品減価償却累計額 36,864
(借)営業外受取手形 119,000
(借)備品減価償却累計額 391,104 ※7
(借)固定資産売却損 89,896
 (貸)備品 600,000

※7 354,240円+36,864円=391,104円



簿記オフ会のおしらせ
簿記オフ会

 2019年10月26日(土)の夜(18時~)と10月27日(日)の昼(13時~)から東京・渋谷で簿記検定ナビ主催の簿記オフ会を開催いたします。現在参加者募集中です!

 みんなで楽しく気分転換&情報交換しませんか?人見知りする方も管理人がなるべくフォローしますので、ぜひぜひご参加ください!

簿記教材の割引キャンペーン情報
CyberBookStore

 資格の学校TACの直販サイトでは、TAC出版の簿記教材を割引価格(定価の10%~20%オフ)&冊数に関係なく送料無料で購入することができます。

簿記検定ナビの人気コンテンツ

ページの先頭へ