第150回日商簿記検定3級 第5問(精算表作成問題)の過去問分析

第5問 一筋縄ではいかない精算表作成問題。部分点を積み上げていきましょう!

第5問の難度アンケート結果

 第5問は【精算表作成問題】でした。

 決算整理事項等4の「保険の解約」は過去に出題されたことのないパターンなのでびっくりされたかもしれませんが、仕訳自体は5か月分の保険料を未収入金に振り替えるだけです。

 他にも「売上原価の算定」や「利息の前払処理」など、やや難しい処理がいくつかあったため、意外と点数が伸びなかった受験生が多かったようです。

 受験生アンケートでも、「やや難しかった」という回答が一番多かったです。

解答手順

 資料の[決算整理事項等]の全取引の仕訳を下書用紙に書いたうえで、それらを集計して答案用紙の精算表の修正記入欄に記入し、損益計算書欄と貸借対照表欄を完成させます。

 仕訳を頭の中で考えて、そのまま答案用紙の修正記入欄に書きこんでいく…という上級テクニックもありますが、3級受験時にマスターするのはかなり大変なので、無理に挑戦する必要はありません。

 まずはひとつひとつの取引を確実に処理することを最優先にして取り組んでください。

決算整理事項等1(仕入戻し)

(借)買掛金 70,000
 (貸)仕入 70,000

 未記帳となっている仕入戻しを正しく処理します。

決算整理事項等2(小口現金)

(借)消耗品費 3,000
(借)旅費交通費 4,500
 (貸)小口現金 7,500

 文房具代を消耗品費、電車賃を旅費交通費で処理します。

 なお、小口現金へ補給する仕訳は、問題文に「この報告にもとづく補給は翌期に行うこととした」とあるので、当期末の決算整理においては不要です。

決算整理事項等3(固定資産の売却)

(借)仮受金 1,300,000
 (貸)土地 1,200,000 ※1
 (貸)固定資産売却益 100,000 ※2

※1 2,400,000円÷2=1,200,000円

※2 1,300,000円-1,200,000円=100,000円(貸借差額)

 1,200,000円の土地を1,300,000円で売却しているので、代金受取時に貸方に計上した仮受金を借方に振り替えるとともに、差額の100,000円を固定資産売却益で処理します。

決算整理事項等4(保険の解約)

(借)未収入金 75,000 ※3
 (貸)保険料 75,000

※3 @15,000円×5か月=75,000円

 問題文の「残高試算表欄の保険料のうち ¥ 180,000 は当期の5月1日に向こう1年分として支払ったものである」から、1か月あたりの金額が15,000円(=180,000円÷12か月)であることが分かります。

 また、問題文の「12月1日以降の保険料が月割で返金される旨の連絡あった」から、12月1日から4月30日までの5か月分の保険料が戻ってくることが分かるので、75,000円(=@15,000円×5か月)を保険料から未収入金に振り替えます。

決算整理事項等5(貸倒引当金の設定)

(借)貸倒引当金繰入 4,400 ※4
 (貸)貸倒引当金 4,400

※4 (420,000円+300,000円)×2%-10,000円=4,400円

 決算整理事項等1~4で受取手形・売掛金の金額は動いていないため、残高試算表の金額に2%を乗じて貸倒引当金の要設定額を計算し、当期の繰入額を計算しましょう。

決算整理事項等6(売上原価の算定)

(借)仕入 480,000
 (貸)繰越商品 480,000
(借)繰越商品 330,000
 (貸)仕入 330,000

 問題文に「期末商品棚卸高については返品控除後の金額を用いる」とあり、返品控除後の金額も与えられているので、指示に従って330,000円を使いましょう。

 仕訳は毎度おなじみの「しーくりくりしー」です。仮に、売上原価の行で計算する場合は「うくうしくう(浮く牛食う)」になります。こちらは語呂で押さえておきましょう。

決算整理事項等7(減価償却)

(借)減価償却費 180,000
 (貸)建物減価償却累計額 30,000 ※5
 (貸)備品減価償却累計額 150,000 ※6

※5 800,000円×0.9÷24年=30,000円

※6 750,000円÷5年=150,000円

 当期の減価償却費を計算します。

決算整理事項等8(給料の未払処理)

(借)給料 45,000
 (貸)未払給料 45,000

 給料の未払分を計上します。

決算整理事項等9(利息の前払処理)

(借)前払利息 37,500 ※7
 (貸)支払利息 37,500

※7 1,000,000円×4.5%×10か月/12か月=37,500円

 問題文の「借入時に1年分の利息が差し引かれた金額を受け取っている」から、借入時に1年分の利息を支払っていることが分かるので、翌期に属する10か月分(1月1日~10月31日)の利息を支払利息から前払利息に振り替えます。



ページの先頭へ