第150回日商簿記検定3級 第3問(試算表作成問題)の過去問分析

第3問 二重仕訳を考慮する必要がある試算表作成問題。下書きを工夫しましょう!

第3問の難度アンケート結果

 第3問は予想通り【試算表作成問題】でした。

 仮払金や所得税の源泉徴収の処理など、やや難しい処理がいくつかありましたが、全体的な難度・ボリュームは平均レベルの問題です。

 受験生アンケートでも「普通ぐらいだった」という回答が多かったです。

解答方法

 本問は、問題資料の形から二重仕訳を考慮する必要があることが分かるので、下書用紙に全取引の仕訳を書いたうえで集計時にひと工夫する方法で解答することをおすすめします。

 二重仕訳を考慮する必要がある場合の解き方については他にもいろいろありますが、この方法は簡単なルールに従って機械的に集計するだけで二重仕訳を排除することができるのでおすすめです。

 なお、本解説ではPNG画像だけでなくPDFの下書きを別途ご用意しております。私の下書きを印刷して確認したい方は、各画像の下の説明文の末尾にある(PDF版)をクリックして、PDFをダウンロード・プリントアウトしてお使いください。

ステップ1:仕訳を下書きする

 まずは、問題資料(平成×1年10月中の取引)の各事項を参考にして、下書用紙に平成×1年10月中の全ての取引の仕訳を書いてみましょう。仕訳を考えるさいは貸借を逆にしないように気をつけてください。

 なお、(1)のc.の旅費交通費17,000円は現金に関する事項ではありませんし、同様に、(2)のe.の所得税預り金23,000円も普通預金に関する事項ではありません。この2つについては、(5)の「その他の事項」のb.の後ろに付け加えて処理しましょう。

第150回日商簿記検定3級 第3問の下書き1
1.10月中の取引の仕訳を下書きしましょう(PDF版

 仕訳を下書きする場合は、勘定科目・金額を出来るかぎり省略して書きましょう。

 例えば…現金は「」、普通預金は「普ヨ」、売上は「S(→Salesの頭文字)」、買掛金は「か×」といった感じです。また、金額の下3桁が000の場合には「」を使うとなんとなく上級者っぽく…時間の短縮になります。

 勘定科目の省略パターン一覧表ページでは、他の勘定科目の省略パターンもいろいろと紹介しています。興味のある方は一度ご覧ください。

第150回日商簿記検定3級 第3問の下書き2
1.勘定科目と金額を可能なかぎり省略した下書き(PDF版

ステップ2:4つの勘定の金額を集計する

 次に集計作業に移ります。

 現金・普通預金・売上・仕入に関しては一部が二重計上されているので、この4つについてはそれぞれの欄に計上されている金額のみを集計しましょう。

 具体的には…例えば現金であれば、現金に関する事項で切った仕訳のみから現金の金額を集計します。現金に関する事項以外に計上されている、いわゆる二重取引に該当する現金の増減は集計時には無視します。

  • 現金:月初残高437,000円+503,000円-290,000円=650,000円

 残りの3つも同じように集計し、答案用紙に金額を記入しましょう。

  • 普通預金:月初残高2,391,000円+1,130,000円-2,573,000円=948,000円
  • 売上:月初残高14,480,000円+1,680,000円-10,000円=16,150,000円
  • 仕入:月初残高9,038,000円+1,080,000円=10,118,000円

 4つの勘定の金額を記入し終えたら、下書きに戻ってください。

 既に4つの勘定(現金・普通預金・仕入・売上)の集計は終わっているので、これらの勘定には打ち消し線を引いて、残りの勘定の集計の邪魔にならないように工夫しましょう。

第150回日商簿記検定3級 第3問の下書き3
3.集計済みの勘定科目・金額には打ち消し線を引きましょう(PDF版

ステップ3:残りの勘定の金額を集計する

 最後に残った勘定の集計をしましょう。

 本問は残高試算表作成問題なので、答案用紙に予め記載されている月初残高に期中増減額を加味して、各勘定の10月末残高を求めましょう。

 集計時のケアレスミスは非常にもったいないので、細心の注意を払って解答してください。

補足資料:平成×1年10月中の取引の全仕訳

1.現金に関する事項(増加)
(借)現金 503,000
 (貸)売上 300,000
 (貸)普通預金 200,000
 (貸)仮払金 3,000

 上述のとおり、(1)のc.の旅費交通費17,000円は現金に関する事項ではないので、(5)の「その他の事項」のb.の後ろに付け加えて処理しましょう。

1.現金に関する事項(減少)
(借)仕入 110,000
(借)前払金 180,000
 (貸)現金 290,000
2.普通預金に関する事項(増加)
(借)普通預金 1,130,000
 (貸)売掛金 1,130,000
2.普通預金に関する事項(減少)
(借)現金 200,000
(借)通信費 19,000
(借)水道光熱費 14,000
(借)支払家賃 90,000
(借)買掛金 910,000
(借)給料 427,000
(借)借入金 400,000
(借)支払利息 2,000
(借)所得税預り金 21,000
(借)未払金 490,000
 (貸)普通預金 2,573,000

 上述のとおり、(2)のe.の所得税預り金23,000円は普通預金に関する事項ではないので、(5)の「その他の事項」のb.の後ろに付け加えて処理しましょう。

3.売上に関する事項(増加)
(借)現金 300,000
(借)売掛金 1,380,000
 (貸)売上 1,680,000
3.売上に関する事項(減少)
(借)売上 10,000
 (貸)売掛金 10,000
4.仕入に関する事項(増加)
(借)仕入 1,080,000
 (貸)現金 110,000
 (貸)買掛金 780,000
 (貸)前払金 190,000
5.その他の事項
(借)貸倒引当金 2,000
(借)貸倒損失 72,000
 (貸)売掛金 74,000
(借)備品 420,000
 (貸)未払金 420,000
(借)旅費交通費 17,000
 (貸)仮払金 17,000
(借)給料 23,000
 (貸)所得税預り金 23,000


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