日商簿記検定2級 第150回総評(過去問分析)

第1問 最後の判断に迷うような仕訳問題のオンパレード。かなり厳しい問題です。

第1問の難度アンケート結果

 第1問は今回も【仕訳問題】でした。

 手も足も出ないような難問はなかったものの、問1の外注費・問2の長期前払費用・問4のクレジット手数料など最後の判断に迷うような問題が多く、全て裏目に出てしまうと4点~8点ぐらいしか取れません。

 また、問題に列挙されている勘定科目の数も多く、配置もバラバラになっているため非常に解答しづらかったと思います。本質的な理解とは関係のないところでもひっかけてやろう、という作問者の意図が透けて見えました。

 受験生アンケートでは80%弱の方が「かなり難しかった」「やや難しかった」と回答しており、20点中12点(5問中3問)取れれば御の字の問題だったと思います。

第2問 固定資産に税効果会計や連結会計を絡めた複合問題。部分点を積み上げて!

第2問の難度アンケート結果

 第2問は【固定資産】に税効果会計や連結会計を絡めた複合問題です。

 問1の勘定記入はよくあるタイプの問題です。問題文の「減価償却に係る記帳は直接法による」という指示を見落とさないように気をつけましょう。

 問2では税効果会計の仕訳が、問3では連結会計のアップストリームの仕訳が問われています。どちらも2018年度から試験範囲に追加された論点ですが、1回目の出題ということもあり基本的な内容が問われています。

 受験生アンケートでは「普通ぐらいだった」という回答が一番多かったですが、第1問の難度を考えますと…7割~8割(20点中14点~16点)は取りたい問題です。

第3問 非常に簡単な貸借対照表の作成問題。絶対に取りこぼしてはいけません!

第3問の難度アンケート結果

 第3問は【財務諸表作成問題】でした。

 最近の第3問にしては珍しく、難度・ボリュームともに平均レベル以下の簡単な問題ですので、合格するためには短い解答時間で20点満点を取る必要があります。

 受験生アンケートでも、半数以上の方が「かなり簡単だった」「やや簡単だった」と回答しています。

第4問 費用の分類・勘定連絡図の理解を問う仕訳問題。ケアレスミスに気をつけて!

第4問の難度アンケート結果

 第4問は【費目別計算】に関する仕訳問題です。

 材料副費の処理がやや難しかったかもしれませんが、費用の分類・勘定連絡図(勘定の流れ)をきちんと理解できている方は、スムーズに解答できたと思います。

 受験生アンケートでは、「普通ぐらいだった」に次いで「やや難しかった」という回答が多かったですが、第1問の難度を考えますと…最低でも12点、できれば16点以上取りたい問題です。

第5問 非常に簡単なCVP分析の問題。問5以外は絶対に取りこぼしてはいけません!

第5問の難度アンケート結果

 第5問は【直接原価計算(CVP分析)】に関する問題です。

 問1から問4はテキストの確認問題レベルですし、問5の高低点法による変動費率の計算も簿記ナビ模試でガッツリ出題していたので、きちんと対策していた方にとってはボーナス問題だったと思います。

 受験生アンケートでも、半数以上の方が「かなり簡単だった」「やや簡単だった」と回答しています。

まとめ 仕訳対策と過去問対策を制する者が簿記2級を制する!

全体的な難度に関するアンケート結果

各問題の率直な感想

  • 第1問:簡単そうに見えるけど実際に解いてみるとなかなか手ごわい。問4が面倒臭すぎる…。
  • 第2問:固定資産は予想どおり。税効果はちょっと厳しいかな。連結はケアレスミスが怖い。
  • 第3問:絶対に何かトラップがあるはず…とドキドキしながら解いたけど何もなかった。すごい簡単。
  • 第4問:特に難しくはないけど、工業簿記の仕訳問題は苦手意識を持っている人が多いからやや心配。
  • 第5問:問4まではスラスラ。問5の高低点法は簿記ナビ模試でも出題したから…大丈夫だよね?!

 今回の試験は、なんと言っても第1問の仕訳問題が一番きつかったと思います。

 また、第2問の税効果&連結のアップストリームの仕訳問題、第4問の費目別計算の仕訳問題にもところどころにトラップが仕掛けられており、思うように点数を稼げなかった受験生が多かったようです。

 受験生アンケートでも、半数以上の方が「かなり難しかった」「やや難しかった」と回答しています。このまとめを書いている時点ではまだ合格発表が始まっていませんが、平均合格率(約30%)よりもやや低めの25%前後ぐらい合格率を予想しています。

問題を解く順番について

 日商簿記検定に限らず、資格試験の問題は簡単な問題・自分の得意な問題から優先的に解くのが鉄則です。試験開始の合図とともにすぐに問題を解き始めるのではなく、まず全ての問題・答案用紙をチェックして、簡単な問題・自分の得意な問題から順番に解いてください。

 今回の問題ですと…第1問・第2問が難しい(解くのに時間がかかる)ので後回しにして、比較的簡単な第3問・第4問・第5問から解答することをおすすめします。

第151回試験の対策について

 第1問の仕訳問題に関しては、今回のように難度の高い問題が出題される可能性があります。

 また、今回の問2の長期前払費用のように、問題に列挙されている勘定科目の中から消去法で勘定科目を選ぶ問題が出題される可能性もじゅうぶんあります。

 簿記検定ナビで無料配布している仕訳問題対策のPDFなどを使って、本試験を想定した仕訳対策に力を入れましょう。

 第2問に関しては、株主資本等変動計算書や銀行勘定調整表、一般商品売買など…何が出題されてもおかしくない状況です。難度の高い問題が出題された場合は、無理に満点を狙わずに簡単な設問を探して部分点を着実に積み上げていきましょう。

 第3問に関しては、財務諸表や精算表(個別または連結)などの出題が考えられます。連結会計に関しては、第148回試験で連結精算表が出題されているので、未だに出題されていない連結財務諸表の作成問題が出題される可能性が高いです。

 個別の財務諸表・精算表に関しては、先般の改定により試験範囲に追加されたものの、未だに1度も出題されていないサービス業の損益計算書の作成問題の出題可能性が高いです。市販の予想問題などを使ってきちんと対策しておきましょう。

 第4問・第5問の工業簿記に関しては、比較的易しい問題の出題が続いています。この2問を取りこぼすと合格が一気に遠のいてしまうので、ケアレスミスに気をつけて慎重に解答しましょう。



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