第149回日商簿記検定3級 第3問(試算表作成問題)の過去問分析

第3問 毎度おなじみの試算表作成問題。T勘定を使ってサクッと解答しましょう!

第3問の難度アンケート結果

 第3問は予想通り【試算表作成問題】でした。

 ややボリュームが多いものの、ひとつひとつの処理は難しくないので、きちんと時間をかけて丁寧に解答すれば高得点が狙える問題です。

 受験生アンケートでも、50%以上の方が「かなり簡単だった」「やや簡単だった」と回答しています。

解答方法

 本問は、問題資料2の平成30年4月中の取引が日付順で列挙されているので、解答にあたって二重取引を考慮する必要はありません。

 二重取引を考慮する必要のない問題の解答方法は、「下書用紙に全取引の仕訳を書いて集計する方法(以下、①法)」と、「下書用紙にT勘定を設定し、頭のなかで仕訳を考えて各勘定に金額を記入し、各勘定ごとに金額を集計する方法(以下、②法)」の2つがあります。

 本問は、最初のうちは①法で解いても良いと思いますが、基本的にはメリットの多い②法で解くことをおすすめします。

①法 ②法
練習の必要性 特になし あり
解答時間 長くなる 短くて済む
ケアレスミス 発生しやすい 発生しにくい

設定すべきT勘定

 3級の試算表作成問題を②法で解く場合は、現金・当座預金(普通預金)・売掛金・買掛金・受取手形・支払手形・仕入・売上勘定の8つについては必ずT勘定を作りましょう。

 なお、その他の勘定については必要に応じて臨機応変に対応しますが、基本的には「その他」という勘定を作ってそこにどんどん書き込んでいくと分かりやすいです。

解答手順

 まず、下書用紙を横向きにして4つ折りにしたあと、一番左の列に現金勘定・当座預金勘定、左から2番目の列に受取手形勘定・売掛金勘定・売上勘定、右から2番目の列に支払手形勘定・買掛金勘定・仕入勘定、一番右の列にその他勘定を書きます。

第3問の下書き1
第3問の下書き1(PDF版

 次に、平成30年3月末時点の各勘定の「借方に計上されている金額」および「貸方に計上されている金額」を記入します。金額自体は、問題資料1の合計試算表からひっぱってくるだけなので簡単です。

第3問の下書き2
第3問の下書き2(PDF版

 T勘定の下準備が終わったら、問題資料2の平成30年4月中の取引を頭の中で仕訳して、8つの勘定+その他勘定に記入していきます。

 たまに、いったん仕訳を下書きしたあとT勘定を使って集計する方がいますが、それではT勘定を使う意味がありません。慣れるまでは大変ですが、頭の中で仕訳を考えるトレーニングをしましょう。

第3問の下書き3
第3問の下書き3(PDF版

 最後に8つの勘定+その他勘定を締め切ります。

 なお、本問は合計残高試算表を作成する問題なので、各勘定を締め切るさいにはいったん借方合計額・貸方合計額を計算したあとに残高の金額を求めるのがポイントです。

 また、その他勘定は締め切り不要です。問題資料1の合計試算表の3月末時点の各金額に、その他勘定に計上した金額を反映させて、4月30日時点の金額を求めましょう。

第3問の下書き4
第3問の下書き4(PDF版

 問題資料2の各取引は量が多くて面倒なものの、ひとつひとつの難度は高くないです。ケアレスミスに気をつけて解答しましょう。

参考1:T勘定の締め切り方

 仮に、本問の解答要求が合計試算表・残高試算表の場合は、以下のように締め切ると分かりやすいです。上で紹介している合計残高試算表の締め切り方とあわせて押さえておきましょう。

合計試算表のT勘定の締め切り方
合計試算表のT勘定の締め切り方(PDF版
残高試算表のT勘定の締め切り方
残高試算表のT勘定の締め切り方(PDF版

参考2:4月中の取引の仕訳

4月2日の仕訳
(借)売上 10,000
 (貸)売掛金 10,000

 売上戻りです。仕訳は、売上時の逆仕訳になります。

4月3日の仕訳
(借)未払金 86,000
 (貸)現金 86,000
4月4日の仕訳
(借)仕入 182,000
 (貸)前払金 30,000
 (貸)買掛金 150,000
 (貸)現金 2,000

 当店負担の引取運賃は、仕入原価に含めて処理します。

  • 仕入時の諸掛り
    • 当店負担:仕入原価に含めて処理
    • 仕入先負担:立替金で処理or買掛金から差し引いて処理
  • 売上時の諸掛り
    • 当店負担:発送費などで費用処理
    • 得意先負担:立替金で処理or売掛金に含めて処理
4月5日の仕訳
(借)現金 3,000
(借)旅費交通費 12,000
 (貸)仮払金 15,000

 旅費の概算額15,000円と旅費の残金3,000円の差額12,000円を、旅費交通費として費用処理します。

4月6日の仕訳
(借)所得税預り金 13,000
 (貸)現金 13,000
4月10日の仕訳
(借)現金 50,000
(借)売掛金 200,000
 (貸)売上 250,000
4月12日の仕訳
(借)仕入 120,000
 (貸)支払手形 120,000
4月13日の仕訳
(借)租税公課 3,000
 (貸)現金 3,000

 収入印紙と切手の購入時の仕訳はよく問われます。「収入印紙→租税公課」「切手→通信費」と押さえておきましょう。

4月16日の仕訳
(借)買掛金 57,000
 (貸)支払手形 57,000
4月18日の仕訳
(借)受取手形 200,000
 (貸)売上 200,000
4月20日の仕訳
(借)給料 100,000
 (貸)所得税預り金 8,000
 (貸)当座預金 92,000
4月24日の仕訳
(借)当座預金 175,000
 (貸)売掛金 175,000
4月25日の仕訳
(借)水道光熱費 73,000
(借)通信費 9,000
 (貸)当座預金 82,000
4月26日の仕訳
(借)備品 354,000
 (貸)未払金 354,000

 設置費用や運送費など、固定資産の購入にともない発生した費用(付随費用)は、取得原価に含めて処理します。

固定資産の取得原価=350,000円+4,000円=354,000円

4月27日の仕訳
(借)支払手形 80,000
 (貸)当座預金 80,000
4月30日の仕訳
(借)借入金 200,000
(借)支払利息 1,000
 (貸)当座預金 201,000


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