日商簿記検定2級 第149回総評(過去問分析)

第1問 5問とも簡単な仕訳問題。ケアレスミスに気をつけて満点を狙いましょう!

第1問の難度アンケート結果

 第1問は今回も【仕訳問題】でした。

 問1の電子記録債権と問5のリース取引はテキストの例題レベルですし、問2・問3・問4は過去問類似問題だったので、簿記検定ナビの仕訳問題対策等を使ってきちんと対策をしていた方は、短い解答時間で20点満点が取れたのではないでしょうか。

 受験生アンケートでも、60%以上の方が「かなり簡単だった」「やや簡単だった」と回答しています。合格するためには最低でも16点(5問中4問正解)は取りたい問題です。

第2問 処理すべき量が多く、資料の読み取りも難しい外貨建取引の誰得問題。

第2問の難度アンケート結果

 第2問は、固定資産および商品売買に関する【外貨建取引】の問題です。

 処理すべき量があまりにも多く、また、資料の読み取りも難しいため、解答するのにかなり時間がかかる問題です。私もすべて解答するのに30分かかりました。

 受験生アンケートでも、80%近くの方が「かなり難しかった」「やや難しかった」と回答しており、本問と第3問が今回の低い合格率の原因になっています。

第3問 久しぶりに出題された本支店会計。初見でうまく対応するのは至難の業です。

第3問の難度アンケート結果

 第3問は【本支店会計】に関するでした。

 冷静に考えてみるとそこまで難度の高い問題ではありませんが、本試験の独特の緊張感の中で、本店の損益に関する取引のみをピックアップして効率的に解くのは至難の業です。

 本店だけでなく(本来は考える必要のない)支店の仕訳まで考えてしまったり、本店の金額ではなく本店・支店の合計金額を解答してしまった受験生も多く、出来は相当悪いようです。半分(10点)取れれば御の字だと思います。

 受験生アンケートでも、80%以上の方が「かなり難しかった」「やや難しかった」と回答しており、本問と第2問が今回の低い合格率の原因になっています。

第4問 ケアレスミスに気をつけて、各費用を変動費・固定費に分類しましょう!

第4問の難度アンケート結果

 第4問は【直接原価計算】に関する問題です。

 当期に発生した費用を変動費・固定費に分類したうえで、仕掛品勘定および直接原価計算による損益計算書を作成しますが、過去に出題されたことのない形だったこともあり、解答するのに苦労した受験生が多かったようです。

 受験生アンケートでは、約50%の方が「やや難しかった」「かなり難しかった」と回答していますが、第2問・第3問の難度を考えますと、最低でも12点は取りたい問題です。

第5問 オーソドックスな工程別総合原価計算の問題。仕損の処理がポイントです。

第5問の難度アンケート結果

 第5問は【工程別総合原価計算】に関する問題です。

 過去に何度も出題されているパターンの簡単な問題なので、合格するためには短い解答時間で20点満点を取りたいところです。

 受験生アンケートでも、60%以上の方が「かなり簡単だった」「やや簡単だった」と回答しています。

まとめ

全体的な難度に関するアンケート結果

試験の率直な感想

  • 第1問:こんなに簡単でいいの?と拍子抜けする仕訳問題。目指せ20点満点!
  • 第2問:問題を見た瞬間、嫌な予感がしました。そして久しぶりに冷や汗をかきました…。
  • 第3問:なぜこのタイミングで本支店会計?第2問との組み合わせはさすがにやりすぎ。
  • 第4問:ちょっと変わった直接原価計算の問題。費用の固変分類がポイント。
  • 第5問:簡単な工程別総合原価計算の問題。仕損品の評価額の引き忘れに注意!

 今回の試験は、第2問と第3問がかなりきつかったと思います。

 第2問の外貨建取引は処理すべき量が多くて時間がかかりますし、第3問の本支店会計は見慣れない出題形式だったため、初見で効率よく対応するのはかなり難しいです。

 第4問の直接原価計算も、第2問・第3問と比べれば難度は下がりますが、変動費・固定費の分類や原価差異をノーミスで処理するのはなかなか難しいです。

 受験生アンケートでも、約80%の方が「かなり難しかった」「やや難しかった」と回答しています。最終的な合格率は現時点では分かりませんが、15%~20%ぐらいのかなり厳しい数字になりそうです。

問題を解く順番について

 日商簿記検定に限らず、資格試験の問題は簡単な問題・自分の得意な問題から優先的に解くのが鉄則です。試験開始の合図とともにすぐに問題を解き始めるのではなく、まず全ての問題・答案用紙をチェックして、簡単な問題・自分の得意な問題から順番に解いてください。

 今回の問題ですと…第2問・第3問が難しい(解くのに時間がかかる)ので後回しにして、比較的簡単な第1問・第4問・第5問から解答することをおすすめします。

第150回試験の対策について

 第1問の仕訳問題に関しては、今回のように比較的易しい問題が出題される可能性もありますし、前回(第147回)のような難度の高い問題が出題される可能性もあります。

 どのような問題が出題されても対応できるように、簿記検定ナビで無料配布している仕訳問題対策や市販の仕訳対策集・アプリなどを使って、仕訳力の底上げに力を入れましょう。

 第2問に関しては、株主資本等変動計算書や固定資産、一般商品売買など…何が出題されてもおかしくない状況です。今回のように難度の高い問題が出題された場合は、無理に満点を狙わずに簡単な設問を探して部分点を着実に積み上げていきましょう。

 第3問に関しては、財務諸表や精算表(個別または連結)などの出題が考えられます。連結会計に関しては、今年度の試験から新たに範囲に追加されたアップストリームの処理をマスターしておきましょう。

 財務諸表に関しては、先般の改定により試験範囲に追加されたものの、未だに1度も出題されていないサービス業の損益計算書の作成問題の出題可能性が高いです。市販の予想問題などを使ってきちんと対策しておきましょう。

 第4問・第5問の工業簿記に関しては、比較的易しい問題の出題が続いています。この2問を取りこぼすと合格が一気に遠のいてしまうので、ケアレスミスに気をつけて慎重に解答しましょう。



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