第149回日商簿記検定2級 第4問(直接原価計算)の過去問分析

第4問 ケアレスミスに気をつけて、各費用を変動費・固定費に分類しましょう!

第4問の難度アンケート結果

 第4問は【直接原価計算】に関する問題です。

 当期に発生した費用を変動費・固定費に分類したうえで、仕掛品勘定および直接原価計算による損益計算書を作成しますが、過去に出題されたことのない形だったこともあり、解答するのに苦労した受験生が多かったようです。

 受験生アンケートでは、約50%の方が「やや難しかった」「かなり難しかった」と回答していますが、第2問・第3問の難度を考えますと、最低でも12点は取りたい問題です。

費用の固変分類

原料費

 「期首有高+当期仕入高-期末有高」で計算した当期消費額を、仕掛品勘定内の直接材料費で処理します。

当期消費額=480,000円+3,880,000円-415,000円=3,945,000円

直接工賃金

 問題文に「直接工は直接作業のみに従事している」とあるので、「当期支払高+期末未払高-期首未払高」で計算した当期発生額を、仕掛品勘定内の直接労務費で処理します。

当期発生額=1,640,000円+205,000円-220,000円=1,625,000円

間接工賃金

 問題文に「間接工賃金は変動費」とあるので、「当期支払高+期末未払高-期首未払高」で計算した当期発生額を、製造間接費の実際発生額を計算するさいに加算します。

当期発生額=510,000円+48,000円-55,000円=503,000円

工場従業員給料

 問題文に「工場従業員給料は固定費」とあるので、「当期支払高+期末未払高-期首未払高」で計算した当期発生額を、損益計算書内の製造固定費で処理します。

当期発生額=720,000円+80,000円-85,000円=715,000円

製造経費

 問題文に「製造経費のうち電力料のみが変動費である」とあるので、電力料は製造間接費の実際発生額を計算するさいに加算し、保険料・減価償却費・その他の3つは損益計算書内の製造固定費で処理します。

  • 電力料:187,000円(変動費)
  • 保険料:210,000円(固定費)
  • 減価償却費:264,000円(固定費)
  • その他:185,000円(固定費)

販売費・一般管理費

 変動販売費は損益計算書内の変動販売費で処理し、固定販売費は損益計算書内の固定販売費・一般管理費で処理します。

 一般管理費は、問題文に「一般管理費はすべて固定費である」とあるので、損益計算書内の固定販売費・一般管理費で処理します。

  • 変動販売費:655,000円(変動費)
  • 固定販売費:406,000円(固定費)
  • 一般管理費:475,000円(固定費)

仕掛品勘定

  • 期首有高:585,000円(※問題資料より)
  • 直接材料費:3,945,000円
  • 直接労務費:1,625,000円
  • 製造間接費:1,625,000円×40%=650,000円
  • 期末有高:640,000円(※問題資料より)
  • 当期完成高:585,000円+3,945,000円+1,625,000円+650,000円-640,000円=6,165,000円

 製造間接費は、問題文に「変動製造間接費は直接労務費の40%を予定配賦している」とあるので、先に求めた直接労務費に40%を乗じて計算します。

予定配賦額:1,625,000円×40%=650,000円

 また、費用の固変分類の結果、製造間接費の実際発生額(変動費)は「間接工賃金+電力料」で計算できることが分かるので、予定配賦額との差額(原価差異)をついでに計算しておきましょう。

実際発生額:503,000円+187,000円=690,000円

原価差異:650,000円-690,000円=▲40,000円(借方差異)

直接原価計算による損益計算書

  • 売上高:10,070,000円(※答案用紙より)
  • 変動売上原価:710,000円+6,165,000円-625,000円+40,000=6,290,000円
    • 期首製品棚卸高:710,000円(※問題資料より)
    • 当期製品変動製造原価:6,165,000円(※仕掛品勘定の当期完成高
    • 期末製品棚卸高:625,000円(※問題資料より)
    • 原価差異:▲40,000円(→変動売上原価に加算
  • 変動製造マージン:10,070,000円-6,290,000円=3,780,000円
  • 変動販売費:655,000円(※問題資料より)
  • 貢献利益:3,780,000円-655,000円=3,125,000円
  • 固定費:1,374,000円+881,000円=2,255,000円
    • 製造固定費:715,000円+210,000円+264,000円+185,000円=1,374,000円
      • 工場従業員給料:715,000円
      • 保険料:210,000円(※問題資料より)
      • 減価償却費:264,000円(※問題資料より)
      • その他:185,000円(※問題資料より)
    • 固定販売費・一般管理費:406,000円+475,000円=881,000円
      • 固定販売費:406,000円(※問題資料より)
      • 一般管理費:475,000円(※問題資料より)
  • 営業利益:3,125,000円-2,255,000円=870,000円

原価差異のプラスマイナス判別法

 原価差異を売上原価にプラスするのかマイナスするのか迷ってしまった方(または間違えてしまった方)は、原価差異を売上原価に振り替えるときの仕訳をイメージしましょう。

 本問のように、借方差異(不利差異)が発生した場合は借方に原価差異を計上します。借方差異なので借方です。この処理は大丈夫ですよね。

借方差異(不利差異)が発生したときの仕訳
(借)原価差異 40,000
 (貸)製造間接費 40,000

 次に、問題文の「配賦差異は変動売上原価に賦課する」というのは、簡単に言いかえると「配賦差異を売上原価に含めて処理する」ということなので、先に借方に計上した差異を売上原価に振り替えます。

借方差異(不利差異)を売上原価に振り替える仕訳
(借)売上原価 40,000
 (貸)原価差異 40,000

 売上原価は通常、借方に計上される勘定科目なので、上記の仕訳のように借方に計上する場合は売上原価のプラス(加算)として処理します。

  • 借方差異(不利差異)が発生→原価差異を借方に計上→原価差異を売上原価に振り替える→売上原価を借方に計上→売上原価のプラス(加算)として処理
  • 貸方差異(有利差異)が発生→原価差異を貸方に計上→原価差異を売上原価に振り替える→売上原価を貸方に計上→売上原価のマイナス(減算)として処理


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