第148回日商簿記検定3級 第5問(財務諸表作成問題)の過去問分析

第5問 全体的には難度・ボリュームともに平均レベルの財務諸表作成問題です。

第5問の難度アンケート結果

 第5問は、大方の予想どおり【財務諸表作成問題】でした。

 決算整理事項等1と2の処理が少し難しかったかもしれませんが、その他の処理は難度・ボリュームともに平均レベルです。

 また、決算整理事項等5の「耐用年数到来済みの固定資産の処理」は初めて出題されましたが、丁寧な指示が入っていたので初見でもじゅうぶん対応できたと思います。

 受験生アンケートでは約50%の方が「かなり難しかった」「やや難しかった」と回答していますが、最低でも7割(30点満点中21点)は取りたい問題です。

解答手順

 本問は、資料(2)の決算整理事項等の各取引の仕訳を下書きしたうえで、各勘定の金額を集計して答案用紙の貸借対照表・損益計算書を完成させましょう。

決算整理事項等1(旅費交通費の支払い)

(借)旅費交通費 3,000
 (貸)未払金 3,000

 問題文に「当店では従業員が立替払いした旅費交通費を毎月末に未払金として計上したうえで、従業員には翌月に支払っている」とあるので、貸方は未払金で処理します。

決算整理事項等2(車両運搬具の売却)

(借)車両運搬具減価償却累計額 80,000
(借)減価償却費 80,000 ※1
(借)仮受金 180,000
(借)固定資産売却損 140,000 ※2
 (貸)車両運搬具 480,000

※1 480,000円÷6年×12か月/12か月=80,000円

※2 貸借差額

 すでに代金を受け取っているので、借方の180,000円の勘定科目は仮受金になります。パっと仕訳をイメージできない方は、まず代金受取時の仕訳を書いてから解答仕訳を考えましょう。

参考・代金受取時の仕訳
(借)現金など 180,000
 (貸)仮受金 180,000

決算整理事項等3(売上原価の算定)

(借)仕入 300,000
 (貸)繰越商品 300,000
(借)繰越商品 315,000
 (貸)仕入 315,000

 売上原価を算定にあたっては上記の仕訳は不要です。実際に問題を解くさいは以下のような商品ボックスを書いて売上原価の金額を把握しましょう。

商品ボックス
  • 期首商品棚卸高:問題資料の決算整理前残高試算表の「繰越商品 300,000」より
  • 当期商品仕入高:問題資料の決算整理前残高試算表の「仕入 3,955,000」より
  • 期末商品棚卸高:問題資料の決算整理事項等3の「期末商品の棚卸高は ¥ 315,000 である」より
    • 売上原価:300,000円+3,955,000円-315,000円=3,940,000円

決算整理事項等4(建物の減価償却)

(借)減価償却費 20,000 ※3
 (貸)建物減価償却累計額 20,000

※3 1,000,000円÷50年=20,000円

決算整理事項等5(備品の減価償却)

仕訳なし

 耐用年数到来済みの固定資産については、減価償却は不要です。

 初めて出題された論点ですが、丁寧な指示が入っていたので初見でも対応できたと思います。なお、貸借対照表の帳簿価額は、備忘価額1円(=450,000円-449,999円)になります。

 1円を残す理由を覚える必要はありませんが、帳簿価額がゼロになるまで償却してしまうと(帳簿上で)固定資産を把握することができなくなってしまうので、「耐用年数は到来しているけどまだ除却していない資産がありますよ」というメッセージの代わりに、便宜的に1円だけ残します。

決算整理事項等6(貸倒引当金の設定)

(借)貸倒引当金繰入 2,400 ※4
 (貸)貸倒引当金 2,400

※4 (410,000円+350,000円)×1%-5,200円=2,400円

決算整理事項等7(費用の見越し)

(借)水道光熱費 7,000
 (貸)未払費用 7,000

決算整理事項等8(費用の繰延べ)

(借)前払費用 2,000
 (貸)支払利息 2,000

決算整理事項等9(収益の繰延べ)

(借)受取地代 40,000 ※5
 (貸)前受収益 40,000

※5 520,000円×1か月/13か月=40,000円

 決算整理前残高試算表には13か月分が計上されているので、1か月分を繰延処理します。



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