第1問 全体的には簡単な部類の仕訳問題。第1問は過去問対策が非常に効果的です。

第1問は今回も【仕訳問題】でした。
問2の債権債務の相殺は初めての出題でしたし、問4の整地費用の処理は少し難しかったかもしれませんが、全体的には簡単な部類の問題だったと思います。
受験生アンケートでも、70%以上の方が「かなり簡単だった」「やや簡単だった」と回答しています。合格するためには最低でも16点(5問中4問正解)は取りたい問題です。
問1 仕入取引・手形取引・当座取引
(貸)受取手形 100,000
(貸)当座預金 30,000
仕入取引・手形取引・当座取引に関する問題です。
本問は【手形の裏書きに関する仕訳】【小切手の振り出しに関する仕訳】に分けて考えましょう。
手形の裏書きに関する仕訳
問題文に「代金のうち ¥ 100,000 は鹿児島商店振出しの約束手形を裏書譲渡」とあるので、受取手形の減少として処理します。
(貸)受取手形 100,000
小切手の振り出しに関する仕訳
残額30,000円(=130,000円-100,000円)を当座預金で処理します。
(貸)当座預金 30,000
以上、①②の仕訳をまとめると解答仕訳になります。
問2 債権債務の相殺
(貸)売掛金 100,000
(貸)当座預金 400,000
債権債務の相殺に関する問題です。
本論点の問題は今回が初めての出題になりますが、処理自体は非常に簡単です。
借方の売掛金100,000円と貸方の買掛金500,000円を相殺するとともに、貸借差額の400,000円については、問題文に「小切手を振り出して支払った」とあるので当座預金で処理します。
問3 有価証券の購入
(貸)現金 490,000
有価証券の購入に関する問題です。
株式や社債を購入した場合、取得原価に付随費用(取得に伴い発生した費用)を含めて資産計上しますが、本問は付随費用が発生していないので(=ゼロ)、購入代価がそのまま取得原価になります。
取得原価=購入代価+付随費用=500,000円×@98円/@100円+0円=490,000円
問4 固定資産の購入
(貸)現金 150,000
固定資産の購入に関する問題です。
固定資産の購入時に発生した付随費用(購入にともなって発生する整地費用や仲介手数料など)は、取得原価に含めて処理します。
取得原価=購入代価+付随費用
過去の本試験では、土地の購入時に購入代金と付随費用をあわせて支払う処理がよく問われていましたが、今回の問題は「購入代金の支払い」と「整地費用の支払い」のタイミングがズレているので少し難しく感じたかもしれません。
本問のように支払うタイミングがズレた場合でも、付随費用である以上は取得原価に含めて処理します。
問5 借入金の返済
(借)支払利息 4,000
(貸)当座預金 734,000
借入金の返済に関する問題です。
本問は、問題文に「元利合計を当座預金口座から返済した」とありますが、これは文字どおり「元本と利息の合計額を当座預金から返済した」という意味です。
解答にあたっては利息の金額を日割りで計算したうえで、元本との合計額を当座預金で処理しましょう。
730,000円×2%×100日/365日=4,000円