第148回日商簿記検定2級 第2問(有価証券)の過去問分析

第2問 有価証券の勘定記入問題。端数利息の月割り計算がポイントです。

第2問の難度アンケート結果

 有価証券の一連の処理を問う個別問題です。

 本問は、解答要求が(一般的な)標準式の勘定記入なので、(受験簿記ではほとんど出題実績のない)残高式の勘定記入が問われた第141回の有価証券の問題と比べると難度はかなり低いです。

 ただ、端数利息の調整が必要な有価証券利息をノーミスでクリアするのは現実的には難しいので、初見では7割~8割(20点満点中14点~16点)ぐらい取れればじゅうぶんだと思います。

 受験生アンケートでは「やや簡単だった」「普通ぐらいだった」という回答が多かったです。

模範解答

問1

模範解答

問2

有価証券売却():¥ 600

期中取引

2月1日の取引

(借)売買目的有価証券 294,000 ※1
(借)有価証券利息 100 ※2
 (貸)当座預金 294,100

※1 300,000円×@98.00円/@100円=294,000円

※2 300,000円×0.4%×1か月/12か月=100円

 問題の指示に従って、端数利息を月割りで計算します。

2月1日の取引を記入した答案用紙
2月1日の取引を記入した答案用紙

4月1日の取引

(借)満期保有目的債券 591,000 ※3
 (貸)当座預金 591,000

※3 600,000円×@98.50円/@100円=591,000円

 満期保有目的債券の取得原価を計上するだけです。なお、利払日の翌日に購入しているため、端数利息の調整は不要です。

4月1日の取引を記入した答案用紙
4月1日の取引を記入した答案用紙

6月30日の取引

(借)当座預金 600 ※4
 (貸)有価証券利息 600

※4 300,000円×0.4%×6か月/12か月=600円

 国債の保有期間は5か月(2月1日~6月30日)ですが、購入時に1か月分の利息を支払っているので、受け取った6か月分の利息をそのまま計上します。

6月30日の取引を記入した答案用紙
6月30日の取引を記入した答案用紙

10月1日の取引

(借)当座預金 98,700
 (貸)売買目的有価証券 98,000 ※5
 (貸)有価証券利息 100 ※6
 (貸)有価証券売却益 600 ※7

※5 100,000円×@98.00円/@100円=98,000円

※6 100,000円×0.4%×3か月/12か月=100円

※7 100,000円×(@98.60円-@98.00円)/@100円=600円

 2月1日に購入した額面総額300,000円のうちの3分の1(額面総額100,000円)を売却しています。

 購入時とは異なり、3か月分の端数利息を受け取る形になりますが、計算のベースになるのは額面100,000円です。うっかり300,000円に利率を乗じて端数利息を計算しないように気をつけましょう。

 なお、この仕訳で発生した有価証券売却益600円が、そのまま問2の解答になります。

10月1日の取引を記入した答案用紙
10月1日の取引を記入した答案用紙

12月31日の取引(期中仕訳)

(借)当座預金 400 ※8
 (貸)有価証券利息 400

※8 200,000円×0.4%×6か月/12か月=400円

 計算のベースになるのは額面200,000円です。うっかり300,000円に利率を乗じて端数利息を計算しないように気をつけましょう。

12月31日の取引を記入した答案用紙
12月31日の取引を記入した答案用紙

12月31日の取引(決算整理仕訳)

決算整理仕訳①
(借)売買目的有価証券 1,600 ※9
 (貸)有価証券評価益 1,600

※9 200,000円×(@98.80円-@98.00円)/@100円=1,600円

 こちらも上の仕訳と同様に、計算のベースになるのは額面200,000円です。うっかり300,000円に時価を乗じて評価額を計算しないように気をつけましょう。

  • 国債の時価評価額:200,000円×@98.80円/@100円=197,600円
  • 国債の帳簿価額:200,000円×@98.00円/@100円=196,000円
    • 差額:197,600円-196,000円=1,600円(時価>帳簿価額→評価益
決算整理仕訳②
(借)未収有価証券利息 2,700 ※10
 (貸)有価証券利息 2,700
(借)満期保有目的債券 1,350 ※11
 (貸)有価証券利息 1,350

※10 600,000円×0.6%×9か月/12か月=2,700円

※11 9,000円×9か月/60か月=1,350円

 まず、当期の9か月分(4月1日~12月31日)の利息を未収計上します。さらに、償却原価法を適用して帳簿価額の評価替えを行います。

  • 償却原価法の対象となる金額:600,000円×(@100円-@98.50円)/@100円=9,000円
  • 償却期間:平成29年4月1日から平成34年3月31日までの5年間(60か月
  • 当期に属する期間:平成29年4月1日から平成29年12月31日までの9か月
  • 償却額:9,000円×9か月/60か月=1,350円
決算整理仕訳を記入した答案用紙
決算整理仕訳を記入した答案用紙

12月31日の取引(勘定の締め切り)

 最後に、答案用紙の売買目的有価証券勘定・満期保有目的債券勘定・有価証券利息勘定を締め切ります。

 具体的には、資産に分類される売買目的有価証券と満期保有目的債券は、貸借差額を次期繰越で処理します。また、収益に分類される有価証券利息は、貸借差額を損益に振り替えます。

各勘定を締め切ったあとの答案用紙
各勘定を締め切ったあとの答案用紙


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