第147回日商簿記検定3級 第2問(帳簿記入)の過去問分析

第2問 売上値引の指示が分かりづらい!…が、全体的には簡単な帳簿記入問題です。

第2問の難度アンケート結果

 第2問は【帳簿記入】に関する問題でした。

 具体的には、(1)で移動平均法による場合の商品有高帳を作成し、(2)で純売上高・売上原価・売上総利益を解答するというスタンダードな問題です。

 売上値引の指示が少し分かりづらかったかもしれませんが、その他の処理はいずれも基本的なものばかりだったので、きちんと過去問対策していた方にとってはボーナス問題だったと思います。

 受験生アンケートでも、約60%の方が「かなり簡単だった」「やや簡単だった」と回答しています。

(1) 商品有高帳の作成

 (1)の商品有高帳の作成は、31日に発生した売上値引の処理がポイントです。

 (本問では問われていませんが)「仕入戻し」「売上戻り」は実際に商品が動きますし、「仕入値引」は商品単価の修正が必要になるので、この3つに関しては商品有高帳に記入する必要があります

 一方、「売上値引」に関しては、売上の利益部分を差し引く(修正する)だけで商品は動かないので、商品有高帳に記入する必要はありません

帳簿記入のルール(返品・値引時に記入すべき帳簿)
仕入戻し 仕入値引 売上戻り 売上値引
商品有高帳 ×
仕入帳 × ×
売上帳 × ×

10月1日の処理

 まずは、前月から繰り越されてきた商品の数量・単価・金額を記入しましょう。

商品有高帳の解答手順1

10月8日の処理(仕入)

(借)仕入 43,400 ※1
 (貸)買掛金など 43,400

※1 200個×@217円=43,400円

 本問は、問題文に「払出単価の決定方法は移動平均法を採用し」とあるので、仕入の都度、平均単価を計算する必要があります。

8日の残高欄の平均単価=(16,800円+43,400円)÷(80個+200個)=@215円

商品有高帳の解答手順2

10月15日の処理(売上)

(借)売掛金など 73,600 ※2
 (貸)売上 73,600

※2 230個×@320円=73,600円

 払出欄の単価は、8日の残高欄の単価(@215円)から引っ張ってくるだけなので簡単です。

商品有高帳の解答手順3

10月22日の処理(仕入)

(借)仕入 55,250 ※3
 (貸)買掛金など 55,250

※3 250個×@221円=55,250円

 8日と同様に、平均単価を計算し直します。

22日の残高欄の平均単価=(10,750円+55,250円)÷(50個+250個)=@220円

商品有高帳の解答手順4

10月29日の処理(売上)

(借)売掛金など 79,200 ※4
 (貸)売上 79,200

※4 240個×@330円=79,200円

 払出欄の単価は、22日の残高欄の単価(@220円)から引っ張ってくるだけなので簡単です。

商品有高帳の解答手順5

10月31日の処理①(売上値引)

(借)売上 100 ※5
 (貸)売掛金など 100

※5 10個×@10円=100円

 問題文に「29日に売り上げた商品のうち10個につき1個当たり ¥ 10 の値引きを行った」とあるので、値引きの対象になるのは10個1個あたりの値引き額は10円と読み取り、売上値引の金額を計算しましょう。

10個×@10円=100円

 冒頭にも書きましたが、売上値引は売上の利益部分を差し引く(修正する)だけで、商品が戻ってくるわけではありません。よって、商品有高帳には売上値引の事実は反映されません

10月31日の処理②(月末処理)

 月末残高を31日の払出欄に記入して、商品有高帳を締め切ります。なお、一番下の合計欄は数量欄と金額欄のみを埋めましょう(※単価欄は空欄で構いません)

商品有高帳の解答手順6

(2) 純売上高・売上原価・売上総利益の計算

 (2)の純売上高・売上原価・売上総利益の計算は、「純売上高の計算式」と「売上値引の金額」がポイントになります。ひとつずつ順番に考えていきましょう。

 純売上高は「総売上高-売上戻り・値引=純売上高」という計算式で金額を求めます。本問は売上戻りは発生してないので、総売上高から売上値引のみを差し引いて計算しましょう。

 総売上高は、(1)の15日・29日の仕訳から金額をひっぱってきましょう。

 売上値引は、問題文に「29日に売り上げた商品のうち10個につき1個当たり ¥ 10 の値引きを行った」とあるので、値引きの対象になるのは10個1個あたりの値引き額は10円と読み取り、売上値引の金額を計算しましょう。

10個×@10円=100円

 この部分の計算については、10個につき10円の値引きと読み取って、売上値引の金額を240円と計算してしまった方が結構いらっしゃるようですが、10個を1個としてカウントするのはちょっと無理があるかと思います。

 ただ、非常に読み取りにくい指示であることは確かで、売上値引の金額を間違えてしまうと自動的に売上総利益の金額もズレてしまうことを考えますと、もうちょっと分かりやすい指示にしてほしかったです。

  • 総売上高:73,600円+79,200円=152,800円
  • 売上値引:10個×@10円=100円
  • 純売上高:152,800円-100円=152,700円

 売上原価は、(1)で作成した商品有高帳の15日・29日の払出欄の金額を合計するだけです。最後に、純売上高から売上原価を差し引いて売上総利益の金額を求めましょう。

  • 純売上高:152,700円
  • 売上原価:49,450円+52,800円=102,250円
  • 売上総利益:152,700円-102,250円=50,450円


簿記オフ会のおしらせ
簿記オフ会

 2019年10月26日(土)の夜(18時~)と10月27日(日)の昼(13時~)から東京・渋谷で簿記検定ナビ主催の簿記オフ会を開催いたします。現在参加者募集中です!

 みんなで楽しく気分転換&情報交換しませんか?人見知りする方も管理人がなるべくフォローしますので、ぜひぜひご参加ください!

簿記教材の割引キャンペーン情報
CyberBookStore

 資格の学校TACの直販サイトでは、TAC出版の簿記教材を割引価格(定価の10%~20%オフ)&冊数に関係なく送料無料で購入することができます。

簿記検定ナビの人気コンテンツ

ページの先頭へ