第147回日商簿記検定3級 第1問(仕訳問題)の過去問分析

第1問 5問とも過去問類似問題。短い解答時間で20点満点を狙いましょう!

第1問の難度アンケート結果

 第1問は今回も【仕訳問題】でした。

 特に難しい処理はなく、5問とも過去問類似問題だったので、簿記検定ナビの仕訳問題対策を使ってきちんと勉強していた方にとってはボーナス問題だったと思います。

 受験生アンケートでも、約半数の方が「かなり簡単だった」「やや簡単だった」と回答しています。合格するためには短い解答時間で20点満点を取りたい問題です。

問1 現金過不足

模範解答
(借)旅費交通費 30,000
(借)雑損 8,000 ※1
 (貸)現金過不足 20,000
 (貸)受取手数料 18,000

※1 20,000円+18,000円-30,000円=8,000円(貸借差額)

 現金過不足に関する問題です。

 現金過不足の処理は簿記3級の頻出論点のひとつなので、必ず解き方をマスターしておきましょう。

 本問はまず、問題文の「過日借方に計上していた現金過不足 ¥ 20,000 」から、期中に現金の帳簿残高と実際有高とのズレを修正するために、現金過不足を使って以下のような仕訳を切ったことが分かります。

参考・期中に切った仕訳
(借)現金過不足 20,000
 (貸)現金 20,000

 期中に現金の過不足が判明した場合(帳簿残高≠実際有高)、とりあえず現金過不足で一時的に処理しておいて、過不足の理由が判明したものについてはその勘定科目に振り替え、決算になっても理由が判明しなかった残額については雑益または雑損に振り替えます。

原因が判明したもの

①旅費交通費30,000円の記入漏れ
(借)旅費交通費 30,000
 (貸)現金過不足 30,000
②手数料の受取額18,000円の記入漏れ
(借)現金過不足 18,000
 (貸)受取手数料 18,000

 この時点で現金過不足8,000円が借方に残っているので、最後に雑損に振り替えます。

原因が判明しなかったもの

③残額を雑損に振り替える
(借)雑損 8,000
 (貸)現金過不足 8,000

 以上、①②③の仕訳をまとめると解答になります。

問2 資本の引き出し・租税公課

模範解答
(借)租税公課 368,000
(借)資本金 222,000
 (貸)現金 590,000

 資本の引き出し・租税公課に関する問題です。

 店舗にかかる固定資産税を納付した場合は租税公課で費用処理し、店主個人にかかる所得税を会社が肩代わりして納付した場合は資本の引き出しとして処理します。

 なお、本問は問題で列挙されている勘定科目の中に資本金がある(引出金がない)ので、資本の引き出しに関する仕訳は資本金で処理します。

  • 店舗にかかる固定資産税(368,000円):租税公課で費用処理
  • 店主の所得税(222,000円):資本金で処理

問3 売上取引・前受金

模範解答
(借)前受金 40,000
(借)売掛金 388,000 ※2
 (貸)売上 428,000
(借)発送費 5,000
 (貸)現金 5,000

※2 428,000円-40,000円=388,000円

 売上取引・前受金に関する問題です。

 本問は【前受金に関する仕訳】【売掛金に関する仕訳】【発送費に関する仕訳】の3つに分けて考えましょう。

前受金に関する仕訳

 問題文の「代金については注文時に同店から受け取っていた手付金 ¥ 40,000 と相殺し」から、以前に手付金を受け取っていたことがわかります。

参考・手付金受取時の仕訳
(借)現金など 40,000
 (貸)前受金 40,000

 今回はこの手付金を相殺しているので、貸方に計上していた前受金を売上に振り替えます。

①前受金に関する仕訳
(借)前受金 40,000
 (貸)売上 40,000

売掛金に関する仕訳

 残額の388,000円(=428,000円-40,000円)は売掛金で処理しましょう。

②売掛金に関する仕訳
(借)売掛金 388,000
 (貸)売上 388,000

発送費に関する仕訳

 発送費を支払った場合、「当店負担」か「得意先負担」かで処理が異なります。

 当店負担の場合は、発送費などの勘定で費用処理します。一方、得意先負担の場合は立て替えて支払った形になるので、売掛金または立替金で処理します。

  • 仕入時の諸掛り
    • 当店負担:仕入原価に含めて処理
    • 仕入先負担:立替金で処理or買掛金と相殺して処理
  • 売上時の諸掛り
    • 当店負担:発送費などで費用処理
    • 得意先負担:立替金で処理or売掛金に含めて処理

 本問は、問題文に「当店負担の発送費」とあるので、発送費で費用処理しましょう。

③発送費に関する仕訳
(借)発送費 5,000
 (貸)現金 5,000

 以上、①②③の仕訳をまとめると解答になります。

問4 再振替仕訳

模範解答
(借)受取利息 36,000
 (貸)未収利息 36,000

 再振替仕訳に関する問題です。

 再振替仕訳は前期末に切った決算整理仕訳の逆仕訳になるので、まずは前期末の仕訳を考えましょう。

 問題文の「前期の決算において未収利息 ¥ 36,000 を計上していた」から、前期末に利息を見越計上していたことが分かります。

参考・前期末の仕訳
(借)未収利息 36,000
 (貸)受取利息 36,000

 あとは、貸借をひっくり返して解答仕訳を導き出すだけです。

解答・再振替仕訳
(借)受取利息 36,000
 (貸)未収利息 36,000

問5 有価証券の売却・未収入金

模範解答
(借)未収入金 1,560,000
 (貸)有価証券 1,540,000
 (貸)有価証券売却益 20,000 ※3

※3 1,560,000円-1,540,000円=20,000円

 有価証券の売却・未収入金に関する問題です。

 帳簿価額と売却価額との差額を売却損益で処理しましょう。

  • 帳簿価額:1,540,000円(問題資料から)
  • 売却価額:2,000株×@780円=1,560,000円
  • 貸借差額:1,560,000円-1,540,000円=20,000円(帳簿価額<売却価額→売却

 なお、売却代金はまだ受け取っていないので、未収入金で処理します。



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