日商簿記検定2級 第147回総評(過去問分析)

第1問 解答にあたって「ひらめき」が必要な仕訳問題。仕訳対策は絶対に必要です!

第1問の難度アンケート結果

 第1問は今回も【仕訳問題】でした。

 手も足も出ないような難問はなかったものの、第1問では初めての出題となる外貨建取引やリース取引に手こずったり、問3の取消し処理が「販売時の逆仕訳」であることに気づかなかったり、問5の保守費用を長期前払費用で処理できなかった受験生が多かったようです。

 個人的には、比較的簡単な問1を含めて5問中3問(12点)は取ってもらいたいですし、仕訳対策に本腰を入れていれば少なくとも3問は取れたはずです。

 ただ、前回試験の仕訳問題がかなり簡単だったこともあって対策が疎かになっていたのでしょうか、実際には5問中1問~2問(4点~8点)しか取れていない受験生が多いようです。

 受験生アンケートでも、80%近くの方が「かなり難しかった」「やや難しかった」と回答しています。

第2問 一見難しそうな感じがしますが、いずれも基本的な処理を問う問題です!

第2問の難度アンケート結果

 第2問は【企業合併・連結会計】に関する問題でした。

 第1問と同様、問題資料の量が多いため、一見難しそうな感じがしますが、問1と問2の(2)までは「一般的な企業合併&子会社株式の処理」が問われています。

 また、問2の(3)で問われている連結会計の仕訳も、初めての出題ということで「投資と資本の相殺消去」「のれんの償却」「当期純損益の振り替え」という基本的な理解を問う問題でした。

 受験生アンケートでは、約半数の方が「かなり難しかった」「やや難しかった」と回答していますが、第2問全体としては、今までに出たことのない出題形式だったことを差し引いても、作問者の配慮がじゅうぶん感じられる普通レベルの問題だったと思います。

第3問 難度・分量ともにやや易しいレベルのP/L作成問題です。目指せ、高得点!

第3問の難度アンケート結果

 第3問は【財務諸表作成問題】でした。

 難度・分量ともにやや易しいレベルの損益計算書の作成問題だったので、総じて出来は良かったようです。受験生アンケートでも、半数以上の方が「かなり簡単だった」「やや簡単だった」と回答しています。

第4問 本社工場会計は出題形式がワンパターンなので、過去問対策が超効果的です!

第4問の難度アンケート結果

 第4問は【本社工場会計】に関する問題でした。

 (1)の処理は少し迷ったかもしれませんが、(2)以降はいずれも基本レベルの過去問類似問題なので、合格するためには最低でも5問中4問(16点)は取りたいところです。

 受験生アンケートでも、60%以上の方が「かなり簡単だった」「やや簡単だった」と回答しています。

第5問 過去に何度も出題されている形式の標準原価計算の問題。過去問対策大事!

第5問の難度アンケート結果

 第5問は【標準原価計算】に関する問題でした。

 前回の第146回試験の第4問で標準原価計算の問題が出題されたばかりということもあり、対策が手薄になっていた受験生が多かったようで、難度・ボリュームの割に点数が取れていないようです。

 受験生アンケートでも、半数以上の方が「かなり簡単だった」「やや簡単だった」と回答している半面、約4分の1の方が「普通ぐらいだった」と回答しています。

まとめ 個人的にはもうちょっと取ってほしかった…特に第1問・第2問。

全体的な難度に関するアンケート結果
  • 今回の問題の感想
    • 第1問:解きにくい問題のオンパレード。勘定科目もシャッフル。
    • 第2問:新形式の企業合併・連結会計の問題。難度は普通です。
    • 第3問:難度・量ともに平均レベル以下の財務諸表作成問題。
    • 第4問:過去問対策が非常に効果的な本社工場会計の仕訳問題。
    • 第5問:いたって普通の標準原価計算の問題。取りこぼし厳禁。

 今回の第1問は難しかった…というよりも解きにくい問題が多かったです。問題資料で与えられる勘定科目も無駄にシャッフルされていたため、「解きにくさ」に拍車がかかっていました。少し意地悪ですよね。

 一方、第2問以降は難度的には普通~易しいレベルの問題でしたが、新論点の出題を予想していなかった&対策が不十分だったために、全体的に少しずつ取りこぼしてしまって70点に届かない…という受験生が多かったようです。

 受験生アンケートの結果は結構バラけましたが、約半数の方が「かなり難しかった」「やや難しかった」と回答しています。

 なお、このまとめを書いている時点では最終的な合格率は分かりませんが、20%~25%ぐらいのかなり低い数字になりそうです。

問題を解く順番について

 日商簿記検定に限らず、資格試験の問題は簡単な問題・自分の得意な問題から優先的に解くのが鉄則です。試験開始の合図とともにすぐに問題を解き始めるのではなく、まず全ての問題・答案用紙をチェックして、簡単な問題・自分の得意な問題から順番に解いてください。

 今回の問題ですと…第1問が難しい(解くのに時間がかかる)ので後回しにして、比較的簡単な第3問・第4問・第5問から解答することをおすすめします。

第148回試験の対策について

 第1問の仕訳問題に関しては、今回のように難度の高い問題が出題される可能性があります。

 また、今回の問5の長期前払費用のように、問題に列挙されている勘定科目の中から消去法で勘定科目を選ぶ問題が出題される可能性もじゅうぶんあります。

 簿記検定ナビで無料配布している仕訳問題対策のPDFなどを使って、本試験を想定した仕訳対策に力を入れましょう。

 第2問に関しては、有価証券や固定資産、一般商品売買など…何が出題されてもおかしくない状況です。また、今回のように今までに見たこともないような形式の問題がで出題される可能性も高いです。

 難度の高い問題が出題された場合は、無理に満点を狙わずに部分点狙いに切り替えて、まずは簡単なところだけを確実に解答しましょう。

 第3問に関しては、第147回試験で連結会計の仕訳問題が出題されたことを考えますと、次回はもう1ランク上の精算表または財務諸表の作成問題が出題される可能性が高いです。

 ただ、手も足も出ないような難度の高い問題が出題される可能性は低いので、基本テキスト・問題集に収載されている基本レベルの問題を何度も繰り返し解いて準備しておきましょう。

 第4問・第5問の工業簿記に関しては、易しい問題の出題が続いています。この2問を取りこぼすと合格が一気に遠のいてしまうので、ケアレスミスに気をつけて慎重に解答しましょう。



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