第147回日商簿記検定2級 第2問(企業合併・連結会計)の過去問分析

第2問 一見難しそうな感じがしますが、いずれも基本的な処理を問う問題です!

第2問の難度アンケート結果

 第2問は【企業合併・連結会計】に関する問題でした。

 第1問と同様、問題資料の量が多いため、一見難しそうな感じがしますが、問1と問2の(2)までは「一般的な企業合併&子会社株式の処理」が問われています。

 また、問2の(3)で問われている連結会計の仕訳も、初めての出題ということで「投資と資本の相殺消去」「のれんの償却」「当期純損益の振り替え」という基本的な理解を問う問題でした。

 受験生アンケートでは、約半数の方が「かなり難しかった」「やや難しかった」と回答していますが、第2問全体としては、今までに出たことのない出題形式だったことを差し引いても、作問者の配慮がじゅうぶん感じられる普通レベルの問題だったと思います。

問1(1) 企業合併の仕訳

 諸資産・諸負債ともに時価と帳簿価額が一致していますし、資本金の組入れ額も「1株につき ¥ 175とし」と明示されているので、この仕訳は絶対に落としてはいけません。

問1 (1)
(借)諸資産 40,000,000 ※1
(借)のれん 5,000,000 ※2
 (貸)諸負債 10,000,000 ※3
 (貸)資本金 17,500,000 ※4
 (貸)資本準備金 17,500,000 ※5

※1 問題資料より

※2 貸借差額

※3 問題資料より

※4 100,000株×@175円=17,500,000円

※5 100,000株×(@350円-@175円)=17,500,000円

問1(2) のれんの勘定記入

 本問は、旧のれんと新のれんの償却額を正しく計算できるかどうかがポイントです。

 まずは、前期から繰り越されてきた「旧のれん」から考えましょう。

 問題文の「平成24年4月1日に同業の株式会社東北商事を買収したさいに生じたのれんの未償却残高」から、すでに4年分(平成24年4月1日~平成28年3月31日)を償却済みであることが分かります。

 よって、未償却残高の4,200,000円を残りの償却期間の6年で均等償却します。うっかり10年で割らないように気をつけてください。

 次に、当期首に発生した「新のれん」を考えますが、これは1年分を計算するだけです。

  • 旧のれんの償却額:4,200,000円÷6年=700,000円
  • 新のれんの償却額:5,000,000円÷10年=500,000円
問1 (2)
(借)のれん償却 1,200,000 ※6
 (貸)のれん 1,200,000

※6 700,000円+500,000円=1,200,000円

 なお、本問は「摘要欄」「仕丁欄」「金額」の3つがワンセットになっているため、3つのうちのどれか1つでも間違っていると点数はもらえません。

 のれん勘定の「次期繰越」の仕丁欄にチェックマークを記入し忘れないように気をつけましょう。

問2(1) 子会社株式の取得時の仕訳

 仕訳自体は、取得株式数(16,000株)に取得単価(@2,000円)を乗じて計算するだけです。問1(1)と同様に、この仕訳は絶対に落としてはいけません。

問2 (1)
(借)子会社株式 32,000,000 ※7
 (貸)当座預金 32,000,000

※7 16,000株×@2,000円=32,000,000円

問2(2) 子会社株式の決算時の仕訳

 子会社株式は支配を目的として保有するため、株式の時価を帳簿価額に反映させる必要はありません(=時価評価する必要はありません)。

 よって、問題文の「仕訳をする必要がない場合には「借方科目」の欄に仕訳なしと記入しさない」という指示に従って、借方科目の欄に「仕訳なし」と記入します。

問2 (2)
仕訳なし

問2(3) 連結会計の仕訳

 上述のとおり、3問とも連結会計の基本的な理解を問う仕訳問題なので、きちんと準備していた方にとってはボーナス問題だったと思います。

①投資と資本の相殺消去

 特に注意すべき点はありませんが、この仕訳を間違えてしまうと②も自動的に不正解になってしまうので慎重に解答しましょう。

 なお、非支配株主持分の計算式の「20%」という数字は、問題文の「発行済株式総数20,000株のうち16,000株を~取得」から全体の80%分を取得したことが分かるので、100%から80%を差し引いた残りの20%が非支配株主持分になります。

問2 (3)①
(借)資本金 25,000,000 ※8
(借)資本準備金 8,000,000 ※9
(借)繰越利益剰余金 5,000,000 ※10
(借)のれん 1,600,000 ※11
 (貸)子会社株式 32,000,000 ※12
 (貸)非支配株主持分 7,600,000 ※13

※8 問題資料より

※9 問題資料より

※10 問題資料より

※11 貸借差額

※12 16,000株×@2,000円=32,000,000円

※13 (25,000,000円+8,000,000円+5,000,000円)×20%=7,600,000円

②のれんの償却

 問題文に「のれんは取得時から10年間にわたり、定額法で償却している」とあるので、指示に従って1年分を計算しましょう。

問2 (3)②
(借)のれん償却 160,000 ※14
 (貸)のれん 160,000

※14 1,600,000円÷10年=160,000円

③非支配株主に帰属する当期純損益の振り替え

 問題文に「北陸ストアの当期純利益は ¥ 900,000 」とあるので、増加した純資産900,000円のうちの20%について非支配株主持分の増加として処理します。

問2 (3)③
(借)非支配株主に帰属する当期純利益 180,000
 (貸)非支配株主持分 180,000 ※15

※15 900,000円×20%=180,000円



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